ガ ク ブ ル へ ル メ ッ ト 団   作:名もなきドクター

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銃の元ネタが分かった人は是非感想欄へ!
不安になってもっかい調べたら装弾数六発だったの巻


幕間
愛銃と書いて、もう一人の自分と読む


需要と供給、それは中学校でも習う市場を成り立たせている基本の概念だ

 

欲しい人と、それを提供する人

それによって市場の規模や価格が決まる

 

そんなことを考えた理由として、目の前の火器関連の通りの繁栄が異常なまでのものだったからだ

 

「やっぱ銃を買うんだったらここっしょ!」

 

金髪に赤メッシュを入れたゲヘナの先輩、鬼嶋メイさんはそう言って私をこの通りに引っ張り込んでいく

 

そのキラキラとしたネイルの爪に目を惹かれながらも、周りを見回すと、学生でそこら中溢れ返っていた

 

「リトルっちここはね、生徒会とね風紀委員が協力している珍しい場所なんだ〜例え温泉開発部でもここには手を出せないんだよ!」

 

だってウチらのもう一つの身体を手に入れる場所だからね

 

彼女はウィンクをして楽しいそうにその言葉を口ずさむ

 

ライフル、ハンドガン、ロケランや火炎放射器、自分の知っている銃器が全て揃っているそこは正にキヴォトス人の魂が漲っていた

 

「え〜と、リトルっちはハンドガン派なんだよね?」

 

「は、はい。」

 

ショットガン派、アサルトライフル派...派って付けるとなんか軽々しく聞こえるけど、普通に物騒だな

 

「ウチら学生はね、みんなこう、しっくりくる銃の種類や個別の銃が違うんだよ。」

 

「会わないと全く威力が出なかったりするし、合うとね、もう一人の自分を見つけたみたいに、握ってるだけで安心できたりするんだよ。」

 

「だからね、自分に服を着させるように、銃だってみんな各々でデコってるでしょ?」

 

彼女の色鮮やかなアサルトライフルが目に入る、グリップの末端にクマのアクセサリーが一つ付いてて、銃身部分には大きく向日葵の彫刻が入っていた

 

「もう一人の、自分....」

 

私は常に爆弾で戦ってきたというか、自爆してきたけど...愛銃が出来れば...出逢えればもっとカッコよく戦えたりするのかな?

 

そう思うと、自然とスカートのポケットをさすってしまう

 

あの夜、制服と一緒に燃え尽きてしまったであろう、自動拳銃が入っていたところ

 

「あ〜ごめんごめん、ちょっと話逸れちゃったね?ハンドガンはこっちの方だよ!」

 

明るい笑顔で手を引かれ、私リトルは銃器街を進んでいく

 

発端はそう、自宅療養も一週間に差し掛かり、負った傷も綺麗さっぱりと無くなった日のことだった

 

イオリ先輩から、以前話していた護身訓練のメッセージが届いたのだ

 

正直自分の戦闘力に低さを身を持って実感していたから直ぐにOKしたけど、銃もなければ訓練もへったくれもないので、もう一人の先輩に銃購入を相談したら即日引っ張り出されたのである

 

「えっとね、多分ここだと思う。ウチの友達もみんなここのハンドガンの品揃えが良くて、店主さんもすっごいマニアで頼りになるって言ってた。」

 

銃のマニアと聞いて、スキンヘッドで肌が焼けている厳ついおじさんを想像して震えた私だったが、私達を出迎えたのは、カイザー理事...みたいなごついロボだった

 

強そう...

 

「応!いらっしゃい!...今日は後ろの子の銃を探しに来たっぽいな?乱暴に扱わなければ好きなだけ手にとって、気に入ったやつをカウンターに持って来い。」

 

それだけ言って、手元のパーツの清掃を続けるガンスミスロボに渋いカッコよさを見せつけられたリトルは胸の高まりを感じていた

 

銃、それは男の子のかっこいいの具現化

眺めてるだけでも満足できる逸品をこれから自分が手にできる...

 

「んじゃ、一緒に見て回ろっか?リトルっち!」

 

自然と愛称で呼ばれていたが、ここまで来るともうそれを受け入れざるを得ない

うん、気に入ってるとかそう言うのじゃないからね!

 

店内にはメイ先輩の聞いた通り、もの凄い数のハンドガンが置いてあった

 

「こ、これはマグナムってやつ!」

 

前世のゲーム経験で見たそれは大きくて、ゴツくて重かった

厚い銃身は金属による重厚感を発し、照明に反射する光沢は手入れの充実さを伝える

 

「とりま、手に取ってみてみ?しっくりくるとね、あっこれだ!!ってその子以外を握る自分が思い浮かばないってくらい確信が湧くよ〜」

 

言われた通り、戸棚からそれを手に取る

確かに手に馴染むが、先輩の言う確信には程遠かったし、何処か重い気がしてしまう

 

「うむむ、すごいデザインは好きだし、口径がデカいから強そうなのにな...。」

 

残念だと心からそう思うと

 

「うひひ、それは違うぞ!リトルっち!私たちはね、口径とかにあんまり影響されないんだぜ、重要なのは相性だ。相性が悪ければハンドキャノンでも火力は出ないのに、合えばちっこいピストルでも岩を砕けるんだよ。」

 

「あい...しょう。」

 

一旦マグナムを元の場所に戻し、他の銃を見回す

 

すると、やたらと目を惹く他の銃とデザイン結構違う一丁があった

 

身体が磁石みたいに引き寄せられる錯覚が湧くほど、自然とそちらの方向に向かう

 

全体的に短い銃身、弾薬を入れる場所は馴染みが無い、銃身の横にある

いわゆるリボルバーというものだった

 

「おっリボルバーじゃん!持ってみてよ、リトルっち。」

 

目はそれに釘付けにされて、手は意識せずにソレへと伸ばされる

 

手に取れば、スマホより遥かに重く感じるが、先程手に取ったマグナムより幾分か軽く、すっと手に馴染んだ

 

「どう、ピタってくる?ピタっと!」

 

...うん、これだ

私とずっと一緒にいるのは、キミだ

確信であった、これは運命で、この出逢いは必然だ

 

握り慣れてる爆弾なんかより、こっちの方を永遠に握っていたい

 

「先輩!この子です!!この子がずっと私と一緒にいてくれる子です!!」

 

本当に自分でも驚くくらい大きく声が出た

思わず顔はニヤけ、口元が緩む

 

「いいじゃん!じゃあ、店主さんに見せよっか、ウチはハンドガンはあんま詳しくなくてね、一応友達のは撃ったことあるけど、やっぱよく分からなくてさ。」

 

その言葉に従って、カウンターへとこの子を握りしめていく

 

「す、すみません!この子が私の運命です!!」

 

小さなスポンジみたいなもので銃身を掃除している理事ロボに話しかける

 

すごく恥ずかしいセリフを言った気がするけどどうだっていい

 

「応、見せてくれる...まあ、気持ちは解るが、そこは頑張って手放してくれ嬢ちゃん。」

 

うぐぐ、離したくないけど...

意思の力でどうにか手を開いてカウンターに乗せる

 

「ほう、中々良い選択じゃねえか!ロマン溢れるコイツ選ぶとは、見た目と違って結構ヤンチャと見たぞ、嬢ちゃん!」

 

嬉しそうに自分の愛銃(予定)を眺めるロボのおじさんは手元の道具を置いた

 

「だが、少し厄介だな。嬢ちゃんはリボルバーを使ったことはあるか?」

 

ない...というか普通のハンドガンもちゃんと使う前に燃えちゃったし

 

「だとすえば、少し練習した方がいい。ここの娘っ子は直ぐに慣れるが、やっぱ最初は使い方を教えた方が早い。裏の方に射撃場がある、二人とも付いてこい。」

 

おじさんはそう言って椅子から立ち上がり、店の裏へと案内してくれた

 

土の地面に人の身体を模した的や、金属の板みたいな的が複数置いてあった

 

「そいつの型番は...コホン、ついつい外の世界の時の癖が出てしまうが、アンタらにとって、ソイツは唯一無二の己の片割れだ。だったら型番なんて無粋だ、自分で名前は付けてくれ。」

 

「使用方法だけ簡単に教える、まず後ろにある引き手みたいなのが、ハンマーだ。コイツはハンマーを下ろさないと、トリガーを引いても全く反応しない。そのハンマーは三段階まで引ける、一段でセーフティ、二段で装填、三段で射撃だ。」

 

説明された通り、グリップの真上に何か引ける構造があった、一、ニ、三

確かに三段階、セーフティモードが一だから普段は一番上にしておくんだよね

 

二段にすると、横の弾を入れる場所が緩んで回せるようになった

 

「そうだ、そこが弾薬を入れるシリンダーだ。ソイツは一発一発自分で弾込めないといけねえから、装填に時間がかかる。それと、抜く時も全て手動だ。弾数は見ての通り、六発だ。」

 

「六発って少なくない〜?ウチの知り合いのハンドガンも大体十発は入ったよ?」

 

先輩が恐らく重要な部分を質問してくれてるが

 

「そこがリボルバーの弱点だ、オートマティックのハンドガンは基本十発くらいは入るし、最新の装弾数特化だと百発いく奴もある、だけどリボルバーは基本五発か六発だ。」

 

「まあ、そこがロマンでもあるし、リボルバーはオートマに比べて威力が高いのも特徴だ。」

 

ロマン...!

デメリットが全く頭に入らないリトルだった

 

「取り敢えず嬢ちゃん、弾込めてみろ。」

 

店主はそう言って六発の弾薬を渡してくれる

 

一発銃弾をシリンダーの奥まで押し込み、ぐるっと回す、それを五回繰り返した

 

うひょ〜!!すっごいテンション上がる!

楽しい!!格好いい!!

 

弾を込め終えると、顔を上げて次の指示を待つと

 

「...いい笑顔だ、やっぱこういう格好良さに惹かれてるガキの顔は見ていて楽しい。次はハンマーを一番下にしてみろ、トリガーは握るなよ。」

 

ハンマーをもう一段下に引く

 

「そしたら、基本は両手で構えて、片手はグリップを握って、もう片方は側面に添えるものだ。慣れれば、嬢ちゃん達の腕力なら片手でも余裕ではある。あとシリンダーは少し危険だから、両手の時はそこだけは避けとけ。」

 

指がトリガーに掛からないよう、丁寧に右手でグリップを握って、左手を右手の下にちょこんと添える

 

「おし、そうだ!やっぱ嬢ちゃん達は飲み込みが早い。フロントサイト、銃口の上の出っぱりを基準に的を狙ってみろ。」

 

アイアンサイトとゲームで呼ばれていたものを的に合わせる

 

「そしたらトリガーを引いてみろ、反動には備えとけ!」

 

右人差し指をトリガーにかけて、引いた

 

タン!

撃鉄が跳ね上がり、重厚な発射音が心地よく耳を掠め、弾丸は的の右斜め上を貫いた

 

おぉ〜!!すっげえ、撃った!!当たった!!

 

三歳児みたいに一つ一つ単純なことに興奮する自分がいた

 

「初めてにしては上出来だ!次にもう一回ハンマーを下まで降ろせ。」

 

添えられた左手でハンマーを引く

 

先程と同じように狙った、ただ若干左側を意識する

 

トリガーを引く

 

今度は思ったより左に行ってしまう

 

「初心者にはよくあることだ。気にせず狙え、そればかりは経験がものを言う。」

 

 

同じ行程を踏み、撃つ

撃つ、撃つ、撃つ

 

もう一回撃とうとトリガーを引くと

 

カッ

空砲音が響いた

 

「それで打ちとめだ、本番でやったら普通に致命的...だがアンタらにとってはちょっとしたミスだな。それでも弾数くらいは把握しとけ。」

 

「次は弾を抜く番だ、ハンマーを二番目に戻せ。そしたら銃口の下にあるロッド...まあ出っぱりを引いてみろ!」

 

これも同じように言われた通りやってみると

 

空の薬莢が弾き出される、シリンダーを回す、引っ張る、空の薬莢が出る

これも六回繰り返す

 

「最後にちゃんとハンマーをあげとけよ!」

 

そう言われて慌ててハンマー上に押す

 

「よし!これで一通り教えた。あとは自分で射撃場通うなり、実戦で使ってみたりして慣れるしかない。」

 

満足そうに店長は言った

 

「一回銃貸してくれ....一つ忘れてた。まあ余興に覚えておけ、宴会芸で使えるかもしれないし、嬢ちゃんの腕次第では実戦で使える技だ。」

 

ロボの大きな手に収まっているのに、やたらと似合うのはきっと店長の銃への愛故なんだろうな、と馬鹿なことを考えてると

 

おじさんは慣れた手つきで装填を行い、先にトリガーを引き、そして...素早くハンマーを五回叩いた

 

タン! タン! タン! タン! タン!タン!

一瞬にして全弾が打ち出され、二発を除き、的の頭、頭、腹、足と撃ち抜いた

 

指をトリガーガードに入れて、くるくると銃を回し、ふうと息を吐いた

 

...!?

 

「かっっけええええ!!!!!」

「おじさんすごいじゃん!!」

 

先輩も私も店主の早撃ちに歓声を上げた

 

「まあ、トリガーを引きっぱなしにして、ハンマーを連続で叩くのがポイントだ。慣れるまでは基本撃てても当たらないから、実戦はやめとけよ、嬢ちゃん。」

 

心なしか嬉しそうな店主の忠告を心に留め、店内へと戻るリトルだった

 

......

......

......

 

 

 

 

 

 

あのあとは手入れの方法や、銃の口径を教えられ、店のあった弾薬を全て買い取った上、諸々一式も揃えた

割と良心的な価格で、ニ百万クレジット行かないくらいだった

 

...貯金の二割が飛んだことに気づいたのは結構後だった

 

まあ後悔はないし、お陰で試せることもあったし...うん、いい買い物だった

 

ちなみに名前は『小さな平穏』にした

この子が私の平穏を保ってくれるって言う願いを込めた名前で、すごくしっくり来たのだ




お読みいただきありがとうございます!

いやあ、遂にリトルちゃんが銃を持った!
これでいつか先生の前に出て、速射でバタバタ敵を薙倒したらかっこいいよな!もうドチャクソ興奮してきた、銃かっけえ!
名前を聞いた瞬間これだ!ってなったもん、調べるのに半日はかけたお陰で、毛ぐらいの銃知識が増えました
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