ガ ク ブ ル へ ル メ ッ ト 団 作:名もなきドクター
一回目は消しちゃったんでもうないですが、二回目のやつは多分この話と一緒にあげてます
どうも、恩を返さずにそのまま失踪したリトルちゃんだ
いや、言い訳はさせて欲しい
久々に家に帰りたかったし、先輩へのアリバイも作っておきたかったのだ、他の学区でヘルメット団活動してるのがバレたら教育的指導は待ったなしだからね
うん、今の好感度なら流石にそのまま縁切りはされないと思う
次点としては出来るだけ原作介入はしたくないってのもある
自分の知らないゲマトリアがいたり、カイザーの手下のヘルメット団がほぼ全員消息不明(更生中)だったりと、明らかに原作と展開が外れ始めているが、今後のことを考えればアビドスとみんなにはブラックマーケットに向かって欲しいのだ
後に水着覆面団のリーダーを務める、一般通過する普通のトリニティ生のファウストさんとの関係は築いてもらう必要があるのだ
私が居たらきっとカイザーへ一直線で進んでしまうからね
...一応先生も来たし、運命の修正力は信じて良いんだよね?
この出会いが無いと一番近いのでビナー戦の支援砲撃(愛)が来なくなり、遠い話であればエデン条約にも影響を与えかねない
やっぱペロロ様のぬいぐるみで釣るべきか
いつぞやメイ先輩経由で手に入った、市場に出る前にゲヘナの治安で全滅した絶版ペロロ様の情報を先生達が闇市に向かう時に流しとくか?
結局至近での介入は本当に要らないと思うので、便利屋はお見送りしておこう
キャラ被りを恐れたわけじゃないからね!
向こうにもちっちゃくて可愛い爆弾魔がいるけど、本当に関係ないからね!
ただ、後学のためにとい言いますか、趣味嗜好というか、推し活的な面で陰から見守るくらいはいいよね?
ってな訳で、アビドスの校舎からやや離れた場所の屋根から絶賛観察してるのだが...
何も見えません
そもそも適性がハンドガンの時点で狙撃手のような鷹の目は期待できなかったのだが
ここまで見えないとはこのリトルの目をしても...
ハックション!
寒っむ
日も暮れ始め、校舎から微かに人影が出ていくのが見えた
私も帰るか、今度は双眼鏡でも購入してから来よ
アビドスを出る道に向かっていると
「本当にここでいいのか?誰一人来ねえぞ。やっぱり校舎を襲って全員ぶっ倒した方が良かっただろ!」
「それは勧められないわ、何十人もの仲間と上の支援があってもボロ負けだったし。」
「はっ!どうせ仕事を長続きさせる為にチンタラやってただけだろ?それに貧弱なヘルメット団とアッシらの組を一緒にすんじゃねえよ!」
何人かのスケバンに混じって一人のヘルメット団員が道のど真ん中で言い争っていたのだ
これは...誘拐だこれ!!
確かセリカがこの後来るような...でも原作では全員ヘルメット団で、何かの砲を使ってセリカを無力化していたというか...
どうしよ?助けるべき...だな
これは人として助けるべきだよね
弾を込め、息を潜めって闇撃ちで一気に倒そうとしたその時だった
コツコツと足音が聞こえたのだ
あれ...ここってアビドスの外へ出る道だよね
不味い、先生しかいないじゃん!
阿呆な頭で少し思考をしたせいで、遂に角から中背中肉の女性が現れる
ヘルメット団員はその場に不安そうに立ち尽していたが
その間に先生はスケバン数人に囲まれてしまった
「ア?こいつヘイロー付けてねえぞ?」
「頭、アレじゃないですか?先生ってやつ!」
「言われたのは生徒を拐えだよな...?」
「お頭、先生は砂漠に捨てずに引き渡すらしいでっせ。」
「んじゃあ、ヤることは変わらねえな?」
やたらとゴタゴタしたやり取りからその組織力の低さが窺えてしまうが、それでも先生に銃が突きつけられてしまっていた
「ヘヘッ聡明な先生なら分かると思うが、暴れんたり叫んだりすんなよ?つい手が滑って、先生の柔肌に鉛玉がブチ込まれちゃいますからね。」
“...着いていけばいいのかな?“
先生は特に様子を変えず、いつも通り振る舞う
「話がわかるって助かるぜ」
流石に不味いな、原作でこんな展開は無かったのに...
取り敢えず飛び降りるか
屋根から荒廃した道路に落下する
先生の前にスケバンの頭目掛けて位置を調整し、靴底に仕込んだ爆弾の起爆準備をする
「お頭!上から何かが!!
ドン
私の全体重が乗った軽い蹴りと爆発の衝撃で不良の頭領が吹き飛んでしまう
夕暮れの砂漠の街に、小柄な少女がメットを被って舞い降りる
燃えるような夕日がその爆弾を描いたヘルメットを照らす
周囲にいたスケバン達がが叫ぶ
「なんだこのクソチビ!!その大人を庇うってか??」
「.......。」
リトルは無言のまま徐に腰にあるリボルバーを抜き出す
それよりも前に案内役のヘルメット少女は逃げ出した
「ひーふーみーよー...五ってどう数えるんですかね先生?」
“...五つのいーだと思うよ”
「そうっすか、すまぬオラ浅学?なもんでしてね。」
「何ごちゃごちゃ言ってやがる!そのちっちゃな拳銃一丁で何ができんだよ!!」
リトルはその問いには答えず、そっと右の人差し指をトリガーにかける
銃口を上げたその刹那、五つの銃声が一瞬にして茜色の砂漠に響いた
バタバタと五人のならず者は砂埃を立てて地に伏せた
愛銃を三回転させてから銃口から上がる煙を吹き飛ばし、リトルはヘルメットとマスクに隠れた下の表情を緩めた
「アンタら五人くらいはノせるでごわすね。」
き、決まった!!!
一発の実弾と五発の空薬莢を排出し、滑らかに六発充填する
“助けてくれてありがとう....君は居なくなったヘルメット団の子だよね。“
「...何を言ってるかさっぱりでごわすが、わた、オラはただの通行人Aでごわす。」
”...そう、わかったよ。助けが必要になったらいつでも連絡してね?あの子達も君を心配してたから全て終わったら顔は見せに来てね。”
なんか申し訳ないな、やっぱ別れの言葉くらいは残しとくべきだったか
「先生!」
遠くからシロコが駆け寄ってくる
恐らくアロナがメッセージを送っていたのだろう
「迷惑をおかけしますが、暫く私は別行動させてください。後、一人追加でお願いします...本当にキツかったらヘルプしに行くんで、あっこれ私のモモトークです。」
低頭平身で口早に伝えたいことを伝え、モモトークのIDを渡すと、走り寄ってくるシロコを背中に、素早くその場を後にした
この後ガバったことに気づいたが...先生だしいっか
....
....
....
ここから外へと向かう道はそう多くない、ましてや余所者であれば、覚える道は大体一本
ならば追いつけない道理はない、長期戦への訓練で散々走らされたし、足の速さが一時期生命線だったからね...というか今も生命線だわ
ブーツで砂混じりのコンクリを蹴る
念の為ハンマー起こしておく
全力疾走を続けて数分、漸く視界の先に見覚えのある子の姿が映る
塀の上へ跳躍し、壁伝いで彼女の前に降り立つ
「こんにちは、もうこんばんはかな?千雨ちゃん。」
一山あるヘルメット団の中でも彼女の名前を特に覚えていたのには理由があった
卑屈な姿勢、常に周りの様子を伺う視線
食事中ですら手にあるハンドガンを離さないその剥き出しの警戒心
どれも身に覚えがあったが、何よりも印象に残っていたのは、そんな彼女が三回目の襲撃の後に吐露した夢だった
学籍を取り戻し、もう一度ちゃんと勉強したいという至極真っ当な夢
そして五回目の襲撃で頭に手榴弾の破片が刺さった彼女を背負って帰ったあの日だ
キヴォトス人の頑丈な肉体も神秘によって成り立つもので、体力も精神も摩耗し切った彼女は弱り切っていた
それが故に破片が突き刺さったのだ
どうにか医療手段のない状態で他の団員と協力して、彼女に刺さっていた破片を抜いた翌日、千雨は引退した
概ねというか、重傷を負ったのだから当然な行為であったので別れを惜しむ声もあったが引き留める人はいなかった
他の子は先生の支援を受けられているのに、彼女だけ除け者にするのも苦難を共にした仲間としては気まずいから追いかけたのだ
「Lさん、やっぱりアナタが裏切り者だったんですね。」
久々の再会であるのに酷い文言であった
「...裏切ってはないよ?真面目に戦っては無かったけど。」
「じゃあ、どうしてみんなはいないんですか!!アキもリンも!あそこで戦った仲間達全員が消えるなんておかしいじゃない!」
「Lさんですよね、あの子達を消したの!あれ程強くて、さっきのスケバン達も一瞬で倒しちゃうような、アナタなら、みんなを一人残らず倒せますよね!」
なんかすっごい勘違いされてる気がする
「私も同様に消すつもりなんでしょ?ここまで追いかけて来たってことは!!」
こちらを鋭い視線で睨む赤い両目と打って変わってその両足は震えていた
「はぁ、なんか勘違いしてるっぽいけど私に着いてくればみんなの所に連れて行ってあげるよ。」
「っ!?」
私の言葉を聞いた瞬間、彼女はこちらに銃口を向ける
「信じてたのに...みんなの仇!絶対その嘘だらけの顔に一発ぶち込んでやるんだから!」
明らかに話が通じない状態なのは明白であったので、仕方なく相棒のグリップに手をかける
涙を堪えながら震える両手で拳銃を握る千雨が発砲するより前に、私の早撃ちは彼女の額に炸裂した
水色のヘイローが消え、その身体が地面に落ちる前に支える
予定を変更して、シャーレオフィスに寄らなければいけなくなってしまった、しかも人っ子一人連れて
スマホを通じて先生に一言送ろうとして、モモトークを開いた私の目に飛び込んできたメッセージは
“可愛らしい名前だね、リトル。いつかちゃんと自己紹介してね?”
はい、本名バレました
先生の権限があったら学校とかも調べられるだろうし、横のつながりでイオリ先輩や風紀委員会の子に聞けば一発で身元バレが確定する
リトルちゃん 自覚はあれど 馬鹿でした
心の中で一句を詠み
『追加で気絶したヘルメット団員一人シャーレの前に置いとくんで、よろしくお願いします。警戒心が強い子ですが、仲間達と合わせれば多分大丈夫です。』
それだけ送って、千雨を担いでシャーレのビルまで走った
結局今日も帰宅は夜中一時半でした
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先生誘拐未遂の一件以降、対策委員会は二人一組で帰宅をして交換お泊まり会を開催し、残った一人はシャーレまで先生を送り届けて一泊するようになった
それを知った理由は、陰から先生の護衛をしようとして、偶々ホシノが当番だったので、危うく死にかけた
いや、どうして数百メートルあった距離から位置を把握し、プラス数秒間で息も切らさずに駆け抜けられるんすかね?
急に先生の姿が消えたから探しに行こうとした私の可愛い後頭部に銃口を当てられた時はマジでちびりかけた
「うへえ〜君だったのか?」じゃねえよ!?
心臓飛び出そうだったんで、それ以降はストーリーの確認のために校舎を一眼見るだけで後は別のことをしている
便利屋、いつ来るかな?
ここまでお読みいただきありがとうございます
いやあ、やっぱ暴力!暴力が全てを解決する!
キヴォトスってそういうところあるよね