ガ ク ブ ル へ ル メ ッ ト 団   作:名もなきドクター

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プロローグ
火薬と硝煙の匂いに誘われて


どこぉおおおんん!!!

 

爆音が日常的に鳴り響く魔境であるキヴォトスの中心、連邦生徒会のシンボルであるサンクトゥムタワー

そこから上がる黒煙はキヴォトスを震撼させた

 

目元を覆い隠すほど巨大なヘルメットに赤いマント

キノコ雲を模った()()()の光輪

 

そして何よりも目立つ

 

ダ イ ナ マ イ ト 

 

そう、ひと昔前のYAKUZAモノで良くある自爆ベルトを想像して欲しい

 

あの棒状の炸薬が鎖帷子のように全身を守っている

 

正にダイナマイトボディである

 

爆 爆 爆 のナイスバディだ

 

上空からヘリが数機と数十ものドローン、タワーを囲むように自動操縦戦車が展開、建物内にはSRT・ヴァルキューレ・防衛室が寿司詰め状態で待機している最中

 

彼女はゲラゲラと笑った

 

「塔の外周から見下ろす都市は壮観でごわす!」

 

恐らくクロノス報道部のドローンに向けてヘルメットの少女は言い放った

 

少女はゆっくりと重力に身を委ね、両手を広げて宙を舞った

 

加速的に地面との距離が縮まり、投身自殺完遂間際

 

「破ァ!!!」

 

腹の底から吐き出されたその一喝と共に閃光がその身から溢れ出す

 

次の瞬間、叡智の結晶である行政区の街の地図は塗り替えられた

 

中心地では金属が融解する灼熱と無傷のサンクトゥムだけが残り、半径1キロ程は焼け野原となった

 

ーーーーーーーーーーーー

 

連日報じられていた連邦生徒会長の失踪のニュースの代わりに、全てのチャンネルでサンクトゥム爆破テロに占領されていた

 

『「塔の外周から見下ろす都市は壮観でごわす!」』

 

…キャラ付けはごわすでいいのだろうか?そう思わなくも無い少女でもあったが

 

「ハヒュー...ハヒュー...。」

 

半死人のような浅い呼吸を繰り返しながら一つの小柄の影はテレビ付けっぱなしのまま息絶え絶えで突っ伏していた

 

「こ...これで、先生は大丈夫だよね?」

 

床に転がる相棒である愛帽に手を伸ばしながら、『炸薬 リトル』は不安気に呟いた

 

彼女、元彼であった少女は転生者である

 

転生当初、憧れのブルーアーカイブに心を躍らせ、青春を謳歌しようと思っていたリトルだったが、現実はそう甘くなかった

 

高校入学当日に前世の記憶が蘇ったリトルを最初に襲ったのはスケバンであった

 

突如銃火器を突きつけられた時激しい恐怖が背筋を駆け巡り、呂律も回らず震えていた彼女はそのまま弾薬の洗礼を受け、身ぐるみ剥がされ、硝煙に塗れての初登校となった

 

入学式に何故か校庭に集合させられたかと思えば、一部の生徒がおっ始めて、それがそのまま乱闘に発展し、風紀委員会が鎮圧するまで名の示す通り、小柄な彼女は地に伏して荒ぶるFJK達の足場となっていた

 

当然入学式は中断、授業も受けず、這って向かった食堂で漸く落ち着けると思っていたところ美食研が爆破テロを敢行

 

二口食べたくらいのカレーは金属皿と共に食堂の床に飛び散り、敢えなく床を舐める羽目となった

 

帰りに寄ったコンビニで肉まんを購入していたら、突如押し入ってきた強盗達に店員さんと一緒にリンチにされ、半壊した店からヴァルキューレに救出するまで棚の下敷きとなっていた

 

人生初キヴォトスは正しく地獄であった

楽園の証明が不可能であることを実感しながら、もらった菓子パンと惣菜パンを涙を流しながら惨めに1LDKの部屋で貪り、布団に包まって夜を過ごした

 

それからたったの一週間で見事に彼女は不登校となり、深夜に最寄りのコンビニで飯を買い漁る引きこもりとなってしまった

 




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