フラダリ転生で世界を救おうと思います   作:十二の子

10 / 26
Q:サトシやコルチカムはフラダリの行動が狂言だとわかっているのだから放っておけばいいのでは?

A:放っておいてもそのうち巨石は自壊してツァーリボンバなみの被害を起こすし、そうしたら当然マスターボールの中のゼルネアス・イベルタルも蒸発する。座視してそれを見ているくらいなら止める(それにジガルデにとっては、九割九分狂言だろうと言っても「今にでもカロスいや全地球を吹き飛ばせる!」って言ってる奴を討伐しないわけにはいかない)


これはある意味、壮大な茶番です。


裏9 人撃フラダリVS神撃ジガルデ!宿命の果てに逝きつく景色

ー*-

 

 本気を出させなければならない。ボールの中で小さくなってると言っても伝説ポケモンは伝説ポケモン、いわんや巨石をや...ちょっと私を突っつけば大丈夫、と思われるようでは困る。

 

 ゼルネアス&イベルタルが乗ったジガルデ相当の巨石をまとめて処分できるのは、2体を圧倒するための存在であるジガルデだけ。ジガルデ50%フォルム一体では巨石と伯仲するのだから、ジガルデ100%フォルムを出して最高火力でないと勝てないと思わせなければ。

 

 「ヌメルゴンりゅうのはどう、ゲッコウガみずしゅりけん、ピカチュウ十万ボルト!」

 

 「先ほどと同じと思ってくれるなよ?

 

 allrange:over=テラバースト!」

 

ー*ー

 

 無数の光条が向かってきたとき、サトシはまず最初に、「避けろ!」とポケモン達に指示を出そうとした。

 

 光線の射点は距離があり、かわせない攻撃にはとても見えなかったからだが、しかし、サトシの首の後ろあたりを、ひりつくような緊迫感が襲い、とっさに叫んでいた「オンバーンばくおんぱ!」

 

 避けないですって?ですがサトシのこと、何か考えがあるに違いありませんー「ギルガルド、キングシールド!」

 

 「サーナイト、リフレクター!」「メタグロス、まもる!」「ブリガロン、ニードルガード!」「アメタマ、まもる!」「シュシュプ、ひかりのかべですわ!」「ひかりのかべだ」「ソーナンス、ミラーコート!」「ニンフィア、まもる!」

 

 サトシの指示が、迎撃ではなくせめてもの防御を期待したものだと熟練のトレーナーたちが即座に理解したことはまったく僥倖だった。

 

 彼方から奔る幾筋もの光が、幾重もの防御をなにごともないかのようにすり抜け空間に線を描くまさにその瞬間、まったくの虚空から突然光点が現れ、バリアをこれでもかと照らし出した。

 

 数本のビームがバリアを貫通し、身体を張って防御していたショータのギルガルドとアランのブリガロン、ロケット団のソーナンスがぽーーんと毬玉のように吹き飛ばされる。入念に防御したにもかかわらず一撃で戦闘不能になっていた。

 

 威力は理解できる。「over=テラバースト」は日時計のわずかな欠片にメガシンカエネルギーを充填しておいたものをさして強くないポリゴンZに使わせてもサトシの鍛えたポケモンを一撃で数体まとめて瀕死手前に追い込むのだから、エネルギーの塊である巨石から直接エネルギーを取り込んでそのまま巨石に放たせたら素の威力は破滅的なものになっておかしくないだろうーだが、目に見えたビームと実際の攻撃が異なるのはどういうわけだ?

 

 ゲッコウガとの一体化で人外じみた感知能力を得ているサトシと、メガルカリオを通して波導を感知できているコルニだけが事態を把握していたー目に見えていたビームはすべてフェイクだ。この場のポケモンが全力で防御しても消しきれないほどの強力なビームが、光学的に隠蔽されて飛んできている。

 

 「ホロキャスターだわ...」

 

 話を聞いて、すぐにパキラが理解する。

 

 「フレア団で話は聞いていたの。ポケモンを事故ですべて失ったフラダリは、ホロキャスターのホログラム技術を使って虚像のポケモンを作り、攻撃はメガシンカエネルギーや巨石のエネルギーを放って行う、そういう方法を模索していたって。けれどここまでのものとは...」

 

 「俺がプリズムタワーで戦った時もそうだった。まるでポケモンみたいで、ポケモンに攻撃されてるみたいだった。それに実体があったポリゴンZからの攻撃は、確かに強烈だった。」

 

 「でも、こんな広範囲をホログラムで隠蔽するなんて、できるのか...?」

 

 「できますよ、フラダリ前代表なら。やっていることは3台の特殊なホロキャスターによる三次元ホログラム投影ですから…でも、本当にやってしまうなんて...」

 

 その時、大気が再び鳴動した。驚いている暇は与えないらしい。

 

 一度「視覚で見えるものはすべてフェイク、本物の攻撃は不可視のビーム」とわかってしまえばなんのことはない、気配を察知して回避すればいいだけだ。この場にいるトレーナーたちには、それができた。

 

 「仕掛けるわよ!サーナイト、ムーンフォース!」

 

 カルネの声を合図に、次々とトレーナたちが遠距離攻撃の指示を出し、数多のワザが混然一体となって巨石へと殺到する。

 

 ーだが、一筋の太い束となった光線が命中する寸前、巨石が消えた。

 

 高速で移動して避けた?否。サトシゲッコウガらの目はごまかせないーまさしく消失したのだ。そしてすぐとなりに、地平線の向こうへ抜けていくエネルギーの塊を横目に悠然と巨石型のジガルデが屹立している。

 

 「ワザもフェイクで姿もフェイク、手ごわいですね。どうします?」

 

 ダイゴの言葉に、ショウヨウジムのザクロが応える。

 

 「ならば、絶対に当たるようにするだけです。ガチゴラス、りゅうせいぐん!」

 

 天から、無数の岩石が降り注ぐーなるほど合理的だ、十数メートル虚像を映してごまかしたところで範囲攻撃ならば絶対に当たる。

 

 位置のあぶり出しくらいはできるだろう、そう思っていた彼らは、再びの驚愕に襲われる。虹色に揺らめくベールが虚空に出現し、岩石を弾いたのだ。

 

 「バリアまであるのか...!

 

 ガブリアス、ドラゴンクロー!」

 

 音速を超えて飛行するメガガブリアスの一撃は、ベールの見えたあたりを痛打した。再び虹色が揺らめき、その向こうの巨石が確かにガブリアスの目に映る。

 

 「不幸中の幸いですね。フラダリ前代表はポリゴンZを持っていないようです。持っているのならあの個体はガブリアスを認識できるはずなのに、迎え撃たれはしませんでした。」

 

 フラダリという人間の感覚能力しか使えないらしい、もっともゴーグルのAIが多少は補助しているかもしれないがーコルチカムはそう言いながら、一方で、「フラダリ前代表はもしかして、自分の破滅的な行動にポリゴンZを付き合わせたくないのかもしれない。ゼルネアスとイベルタルといっしょに死ぬつもりはあっても、ポリゴンZをそれに巻き込みたくないのかもしれない」と思っていた。

 

 (巨石が現れた時に、何らかのマシンで制御されているのならハッキングできるかとやらせてみましたが、スタンドアローンのシステムらしくてできなかったんですよね。セキュリティの問題だけではなく、フラダリ前代表は「ポリゴンZが自分から回線経由で助けに来ること」も拒否しているのかも...)

 

 ”人間的な”弱みがあるにせよ、それでもフラダリと巨石が強いことは変わりがない。ホログラムによる攻撃と自身の光学ジャミング、ポケモンの防御ワザを複数枚貫通して戦闘不能にできる「over=テラバースト」、そして巨石のエネルギーで張っているのだろう防御力未知の(だが、弱いとは考えにくい)バリア。

 

 どうする...?

 

ー*-

 

 「方法が、一つ視える。」

 

 ゴジカはそう言い、そして地面に降りたーカルネやプラターヌのような彼女をよく知る人間はそのことに恐れおののく。これはゴジカを普段浮遊させるためのサイコパワーを節約させて攻撃に使わせるためだろうが、その代わりゴジカ自身のサイコパワーが引き出せなくなるため、バトルを続けていくごとに精細を欠くことになる。つまりこれはゴジカの乾坤一擲モードだ。

 

 「フラダリは常にバリアを張り、座標もズラして当たらないようにし、そしてそれでも向かってくる攻撃に対して強力なビームで迎撃することもできる。

 

 となれば、方法は二つぞ。

 

 バリアを貫通し、迎撃も不可能なほどの強力な攻撃を、多少ズレていても命中するほど広範囲にぶつけるか...」

 

 そこでゴジカはジガルデを見たージガルデならば確かにそれは可能だ。だがそれをすればフラダリとゼルネアスとイベルタルはまとめて消し炭になってしまう、巨石に取り込まれたマノンのハリマロンもだ。ギリギリまでやりたくないと誰もが思っていた。

 

 「…バリアの内側に、迎撃が間に合わないタイミングで、直接の照準ではなく撃ち込むことだ。」

 

 狙うとすれば、巨石をコントロールしてバリアと攻撃のエネルギーを引き出している装置か、座標をズラして見せているホログラムマシンーつまり、フラダリの背中のマシン。

 

 「…そんなこと、できるんですか?」

 

 「できる。任せよ。なれど時間が少しばかりかかる。」

 

 わかりましたーその言葉を合図かのように、色とりどりの攻撃が大地を、空を染め上げた。

 

ー*-

 

 砕け散って焼け焦げ、水とツルと氷塊と得体のしれないなんやかんやが散らばる荒野の中心で。

 

 「打ちとめか?」

 

 フラダリは、がっかりしたかのように呟いた。

 

 「ならば、こちらからいかせてもらうぞ。

 

 over=テラバースト、フル火力!」

 

 巨石全体が虹色の光をまとい、そして光は前面へと収束していく。

 

 「5、4、3…」

 

 「3、2、1…!今ぞ!」

 

 その時、今にも光線を放とうとしていたピンクの巨石が、内側から眩く輝いた。

 

 ニャオニクス2体が本気で放つ「みらいよち」。その必中の秘密は「直接見て照準するのではなく、未来の因果へと運命的に命中させる」という効果にあり、そして射点は敵の至近にいきなり出現する。

 

 「来た!今だ、行くのだ!」

 

 ゴジカの声を聞くまでもなく、サトシとアランはアランのリザードンの背に飛び乗り飛び出していた。

 

ー*-

 

 爆炎を噴き上げて停止した巨石の根元で、すすけたスーツを整えながら、フラダリは待ち構えていた。

 

 「…よく来たな、二人とも。私を止めに来たのだろう?

 

 まったく、殺るか殺られるかだというのに...

 

 …キミたちの蛮勇に免じて、コイツは返してやるとしよう。」

 

 フラダリは、何処からか取り出した一体のハリマロンを、ほいと投げた。今にも火炎をフラダリへ吐きつけようとしていたはずのメガリザードンの目が逸れる。

 

 「しかし私はキミに従うつもりはない。」

 

 サトシとアランが構え直す。フラダリは指を2本立てた。

 

 「私の選ぶ道はひとつ、キミたちの選択はふたつだ、アラン君。

 

 私とゼルネアスとイベルタルごと巨石をジガルデに吹き飛ばさせるか、それとも私に巨石と日時計で世界を吹き飛ばさせるかだ...!」

 

 「フラダリさん、俺は、俺は危険なポケモンだから殺すなんてことはする気はないです!」

 

 サトシが吼える。

 

 「ポケモンを危ないから捕まえて閉じ込めて無理やり言うことを聞かせ続けよう、いっそ殺してしまおう、そんなのは絶対間違ってる!」

 

 「ほう?ではキミたちはどうするつもりだい?」

 

 「信じるんです、人とポケモンの絆を!俺たちはそうやってやってきた!

 

 話して、それでダメならバトルして、バトルでダメならみんなの、ポケモン達の力を借りて。俺たちはこれまでずっとそうやってきた!」「フラダリ代表、貴方にもそれができたはずです!そうしたら、俺だって...!」

 

 サトシは信念を説き、アランは後悔を吐く。対するフラダリは...静かに激昂した。

 

 「甘い!サトシくんにアランくん、キミたちは優しすぎる!」

 

  思い出していた。あの大災害のことを。-自然なんて信じられない。

 

 「キミたちは私が選んだ特別な人間なのだ!ホウオウミュウツールギアエンテイセレビィラティアスラティオスジラーチデオキシスレックウザディアルガパルキアギラティナアルセウスゼクロムレシラムキュレムゲノセクトゼルネアスイベルタルフーパボルケニオン!アランくんにしてもメガシンカ十人抜きなど正気の沙汰ではない!

 

 私は並みの人間だ。ちょっとした知識でチートをしているだけの、な...!そして多くの人々はそれすらなく、ただ運を天に任せて生きている…」

 

 「それでも...それでもっ!

 

 俺は特別なんかじゃないです。絆をポケモン達と結び、出会いと別れの中で旅をしてきた!それだけなんです!」

 

 「…子供は純粋だ。本当の挫折を知らない。どんなに失敗しても、すぐに立ち上がってくる...」

 

 それは、人生を取り返しのつかない失敗で大事な人ごと失った漢の懺悔だったーなんでもできると、信じていた時期は誰にだってある。

 

 「仲良くする?絆を信じる?話せばわかってもらえる?それが問題を先送りにするだけだとなぜわからない!

 

 誰もができるとは限らない、誰かがやったとしても息の長い伝説のポケモンが次に目覚めたときにはその人物はいない...!

 

 人とポケモンの力を信じる?そんな不確実なものに、この星の全人類70億人の命を賭けるつもりか!?」

 

 怒りに混じって、「正気を疑う」という感情、そしてわずかな憧憬が声には含まれていた。

 

 「人と人、人とポケモン、ポケモンとポケモンは、絆の力で手を取り合える...俺はこのリザードンとメガシンカの旅でそのことを知りました。

 

 一人じゃ、フラダリさんを止められなかった。たくらみにだって気づけなかった。だけど、俺は今、ここにいます!」

 

 「ポケットモンスター...ポケモンは、空で、海で、森で、街で、世界中の至る所で出会える、人間と同じように喜び怒り悲しみそして人間と楽しさを共有する、そういう存在なんです。だから、俺たちの敵なんかじゃない、わかりあえる、そしてどんな困難にも立ち向かえる、俺はそう信じてる...!」

 

 サトシが指さしたその場所で、ジガルデがープニちゃんが、確かにユリーカの横に立っていた。

 

 「甘いぞジガルデ!サトシくん!それでカロスを守れるつもりかァァァ!」

 

 (決して主人公と相いれず、死闘を繰り広げるしか道は残されていない...これはラスボスであるフラダリこと私の務めだ。自然の脅威の象徴である伝説ポケモン、それを始末できるなら、私が転生した意味があるというもの...!)

 

 「殺す気でかかってこいッ!」

 

 叫ぶと同時に、フラダリの像がブレ、強烈な閃光を放った。

 

 「なっ」「やられてなかったのかっ!」

 

 フラダリが”かげぶんしん”し、かと思うとそのすべてが”over=テラバースト”のビームに化けて襲い掛かってくる。ホログラムマシンも巨石コントロールマシンも、みらいよちで破壊できていなかったのだ。

 

 「「「「「古い、話になるな」」」」」

 

 宙に浮く十数の虚像のフラダリがシンクロして喋りながら、右手から破滅という現象を具現化させる。

 

 「「「「「みらいよちというワザは、私が知る限り、”2ターン後にエスパータイプの特殊攻撃を必中させる”というものだった」」」」」

 

 「ゲッコウガ、かげぶんしんで攪乱するぞ!」

 

 2ターン?特殊攻撃?サトシとアランはフラダリの言葉をわかりかねながらも指示を出す。

 

 「かえんほうしゃッ!」

 

 「「「「「ゆえに、2ターンの間に対策は可能であり、また、みらいよちの使用ターンは何もしてこないのだから、あれだけ時間稼ぎをしていれば明白だ。ましてゴジカのニャオニクスでは手の内がわかっているだけにな」」」」」

 

 「いあいぎり!」「ドラゴンクロー!」

 

 旋風が、居並ぶフラダリをなぎ倒していくー手ごたえは、ない。

 

 「type:あく=テラバースト」

 

 ゲーム知識チートによる予測と並んでみらいよち攻撃無効化の立役者のもう片方である漆黒の光線が、いつの間にか彼らの正面に立っていたフラダリから放たれた。

 

 「そこかっ!かえんほうしゃ!」「きょだいみずしゅりけんッ!」

 

 アランとサトシが叫び、巨大な力と力がぶつかり合う。

 

 わずかに、テラバーストのビームが押された。

 

 いける...!二人が思ったのと同時に、ついに均衡は破れ、爆炎とともに赤と青が黒を押しつぶして「over=テラバースト」

 

 背後から発せられた光線が、二人とサトシゲッコウガとメガリザードンを彼方へと突き飛ばした。

 

 それは、ダメージを過剰に与えずただ彼らを追い出すために緻密に計算された、究極の一撃だった。

 

ー*ー

 

 みらいよちによる精密攻撃とサトシとアランの討ち入りが失敗した、そうわかった時、プニちゃんことジガルデZ1の決断は、ひとつだった。

 

 マノンのハリマロンは無事に回収された。Z2の力を借りることもできそうだ。そしてフラダリは考えを変えるつもりはなく、したがってリミットはもうほとんどない。

 

 セルをすべて集めようとオーラを発したZ1はしかしそこで、セルからのレスポンスがないことに気付いた。

 

 「ポリゴン、トリックルームを維持してください。」

 

 いつの間にか、自分を、無数のトリックルームの防壁が覆っている。

 

 「お話を、いたしましょう。」

 

 時が限りなく断絶された空間で、女秘書は、ジガルデへと迫った。

 

 「手短にせよ。」

 

 「はい。

 

 単刀直入に申します。私は...社長秘書としてのコルチカムではなく、一人のトレーナーとして、フラダリ前代表を救いたいのです。」

 

 「救う?」

 

 「フラダリ前代表は、変わられました。あの事故の日から急に...

 

 知っていますか?フラダリ前代表は、社員のことは女性でも『くん』付けなんですよ?『コルチカムさん』なんて、呼ばないんです。

 

 そのはずだったんです。フラダリ前代表は...やさしさのカタチは変わり、そして、何かに囚われるようになった。

 

 …過去、だったんだと思います。自分の過去の失敗を何かに突き付けられた。死の淵で悪夢でも見たのかもしれません。」

 

 「後悔を正せば、フラダリは立ち直る、そう言いたいのか?」

 

 「はい。

 

 私は、フラダリ前代表が苦しんでいるのを、見たくなかったのです。」

 

 「それがそなたの思いかコルチカム…

 

 わかった。善処はしよう。

 

 それに、自然を制圧できるつもりになるとは、余からも少しお灸をすえてやらんとな。」

 

 トリックルームが砕け散り、全世界からジガルデ・セルの雨が降り注ぐ。

 

 2体のジガルデが、天へと昇った。

 

ー*-

 

 あぁ、確かに死にたくはなかった。だが、二度目の生、妹を救うことができずのうのうと自分だけ生き残ったこの転生に意味を与えられるのなら、最愛の人を失った俺にとっては、充分だ。

 

 今は、俺の思想は異端かもしれない。けれどいずれ、俺に続く者は現れる。人とポケモンと世界を、愛する世界を天災から守ろうとする者は俺だけではなく、そしていずれはウルトラビーストがこの世界には襲来するのだから。

 

 胸ポケットに2つのマスターボールを入れる。これで準備は良し。

 

 「さあ、やるんだジガルデ...!てめえを任務から解放してやるよ…!」

 

ー*ー

 

 巨石が進撃を停止し、そのてっぺんで、フラダリは両手を広げて身をさらけ出した。

 

 ジガルデ100%フォルムが、眩い翠緑の光を放つ。

 

 短い物語の終着が、フラダリの視界を覆いつくした。

 




もうちょっとだけ続くんじゃ。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。