どうも、フラダリラボ代表兼フレア団ボス、フラダリです。
…なんかここアニポケの世界らしいんですけどぉぉぉー!!?
「落ち着け、素数を数えるんだ...ってなんかたったひとり異世界転生して孤独な数字数えるのむかつくな!」
ふぅ、ふぅ、素数なんぞに共感してどうする。
問題を整理するんだ、困難は分割しろ。
「フラダリ代表、叫び声が聞こえましたがどうされましたか!」
「あ、あぁコルチカムさん。実は、失ってしまった手持ちのことを考えていたんだ。」
「…ご愁傷さまですフラダリ代表。大切になされてましたものね…
…しばらくは手持ちはなしでおられますか?」
「そのつもりだったが、いつまでも喪中気分でいるわけにもいかないだろうな...」
「大丈夫ですよ、産業スパイや悪の組織のひとりやふたり私だって倒せますし、それにフラダリ代表はご自身で民間軍事会社持って武装してらっしゃるくらいじゃないですか。」
…それはPMCをペーパーカンパニーにした悪の組織だし、ついでに言えば私をクーデターするかもしれない武装集団なんだが。
「まあ刺客でも来た時に、自衛がいないというのも困りものだからな。私も一人で考え事したい時だってあるし。」
「…も、もしかして、私お邪魔でした!?すみません、すみませんフラダリ代表!」
「いいや?むしろ頭が少しすっきりした。
そうだな。ホロキャスターの大流行で我がグループは研究開発・情報セキュリティ・警備だけではなく本格的にメディアプラットフォームとして総合企業へと脱皮するわけだが、そのおかげで新たな問題点も増えてきたと思う。
ついては、それに関する、それを解決できるポケモンを持っておきたいところだな。」
役に立つポケモンを捕まえつつ、失意の中で会社のため行動するアピールで好感度、カリスマを稼ぐ、これだ!
「なるほど、さすがですフラダリ代表!
そうですね、そういうことでしたら、まず宇宙部門で、少し問題が...」
ー*-
「ほほーん、キミが我が社を困らせているポケモンか…」
フラダリスペース。フラダリラボグループの外郭企業で、ホロキャスターの衛星通信の運営を担っている。ここで調整した人工衛星をトクサネ宇宙センターで飛ばしてもらい、そして本社の管制室で調整して、ホロキャスターが地球上のどこでも(もっとも今はほとんどカロスでしか使われていないが)通信可能なようにコントロールするのである。
ミアレシティの街角にある新築ガラス張りのビルの一室で、PC画面の中を飛び回っているなんだかちょっと滑稽なイメージを前に、フラダリは語りかけた。
>困らせている?
「ああ、言い方が悪かったな。キミは戸惑っているだけだ、そうだろう?」
>そう。この状態はちょっとイレギュラー。
ポケモンは実際にしゃべることはないが、モニターに文字を映し出している。フラダリの声をマイクで聞き取って反応しているのだろう。
「フラダリCEO、これって責任問題になったりしますかね…?」
トップ直々のお出ましに青い顔のエンジニアに、「いや、処分をしにきたわけではない。ただまあ如何にもあやしいパッチを最新アップグレード済みの人工衛星に入れられて納期が遅れたことにキミの上司はお怒りらしいぞ?」と答えつつ、フラダリは考える。
(この丸みを持ったフォルム、ポリゴンZだな?頭のトゲの上になんか王冠みたいなイメージ画像が周っているのが気になるが…)
フラダリスペース社では通信衛星として、プログラムが実体化した存在であるポリゴンを使っていた。こいつは36.5㎏しかなく、男のもといた世界の最新通信コンステレーション衛星の重さが385㎏であったのに比べはるかに打ち上げコストが安い上に、スペースデブリをスピードスターで迎撃して宇宙線損傷をじこさいせいで修復でき自分もその気になれば回線経由のバーチャルな方法で帰還できるためスペースデブリにならない(ポリゴンからポリゴンが出現できないのでさすがに打ち上げは無理だが)という、ポケモンのいない世界からすると夢のような性能を持っている。
(が、アニポケの世界にポリゴン系のポケモンが登場するかもしれないわけか…
私が転生者として特異点である証ともいえるし、はたまた運命レベルでサトシの出会うはずのないポケモンだからコイツを特異点として使えるかもしれないし、そしてここがアニメの中ではなくまぎれもない現実だって証明でもあるかもしれないな。)
ポリゴン2にアップグレードして次世代通信衛星として使おうとしたうちの1匹に、エンジニアが良かれと思って入手したあやしいパッチを当てたら、さらに進化して挙動がおかしいポリゴンZになってしまった上に通常のポリゴンZとも違いなんか天使のわっかをかぶっている。だが性能は素晴らしいはずだし特殊な個体だから使いこなせる人物がいれば災い転じて福となすかもしれないーコルチカムはそう説明してくれたのだった。
「まず聞こう。キミはどうしたいんだい?」
>役に立ちたい
>だけどボクは変な奴。何をどうすればいいかもまったくわかんない。
「…社員諸君。席を外したまえ。私一人で話したい。記録も切ってくれるか?」
「はいCEO!」
>どうしたの?
「今から話すことはヒミツなんだがね。
私もキミと同じだ。少々特殊な生まれでね。このせか...この立場も、少し慣れないものがあるんだ。」
>そうなの?検索した。すごい人だってwikiに書かれてるけど...
「ネット百科事典とボカロ解説動画は信じるな、私の妹の遺言でね。」
(...遺言にしてしまった。助けられなかったからな。)
>妹...? 書かれてない、複雑な事情があるんだね。
>ボクも、みんなと違った生まれでも、重大な仕事を任されて、はたせるかな?
「できるかできないかじゃない。人には宿命の境遇というものがあるんだ、それに割り当てられたからには、やるしかないんだよ。もちろん、ポケモンもだな。」
(カロス地方のラスボスとしてふるまいつつハッピーエンドを目指すという、宿命がな。)
>どうしたら、そんな覚悟が固められるの?
「覚悟なんてできてないさ。自身もない。だから...この厳しい境遇の中で助けてくれる、仲間が欲しいんだ。
私とこの世界を生きてくれないか?」
>ボクでも、いいの?
「キミが、いいんだ。私と似ている、キミがね。」
ー*ー
転生者と特異点。私たちはパートナーとして歩き出すことができた。
そしてついでに、いろいろ吹っ切れた。やるしかないんだと。
・イベルタルとゼルネアスは再び目覚めたが、森を少し焼いて少し癒して終わった。最終兵器として力を使いつくした時にはカロス全土を焼いたことからすれば暴れたりないはずで、今回の封印は数十年か数百年が関の山だろう。
・カロスの未来は実のところ明るいとは言えない。たぶんゼルネアスとイベルタルのイベントはアニポケ映画だと思うんだが、サトシたちのような公式チートをもってしても相殺させるしかなかったし、単独で目覚めたときにそれを処理できるジガルデは行方が分からない...というか伝説のポケモンの覚醒に生殺与奪を握られてその解決も別の伝説に頼っている時点で状況がロクでもなさすぎる。
「数十年後にイベルタルが目覚めたとして、その時のトレーナー層と運によってはジ・エンドだな...」
そうでなくとも、野生ポケモンすなわち自然の脅威を野放しにしておくのはおっかない。何しろ前世はそれで死んだのだから。
>プロジェクトYを中止するって言ってたけど、もしかしてプロジェクトは僥倖だった?
「ああ。放っておいたらいつか暴れるイベルタルは、確保しておいた方がいい。不発弾ならいっそ爆破処理してしまうのが好都合だな。」
>でも、安全に処理できない。宇宙にでも飛ばす?
「相手は伝説のポケモンだ。コントロールしないで宇宙に飛ばしたらカロスに戻ってきて怒って都市の3つや4つ焼き尽くすだろうし、最終兵器に組み込んでコントロールしてもAZの伝承上打ち上げたビームが曲がって落ちてきてカロスを焼き尽くしたんだから向きを調整できるとは思わない方が良さそうだな。」
>じゃあ、誰かにゲットさせる?
「フレア団にか?嬉々として最終兵器を起動するぞ。私には無理だ、たとえ手持ちが6体いてもな。だいたい伝説のポケモンだぞ。」
サトシなら主人公補正がかかっているからいけるかもな...さすがにポリゴンZにも、転生のことは打ち明けられないから、説明できないが。
>じゃあ、どうする?いつか暴れて危険だからコントロールしてパワーを使い果たさせた方がいい、でも危険にコントロールはできても安全にコントロールはできない。
「…困難は統合しよう。イベルタルとゼルネアスを同時に起動するんだ、最終兵器を2つ作って。死の力と生の力を食い合わせるんだ。」
>そう都合よくいく?
「そのために3体目の伝説のポケモン、ジガルデを使う。コイツはイベルタルとゼルネアスを監視して秩序を守っているくらいだ。2体の力を食い合わせることくらいできるはずだし、『逆に2体を暴走させて相乗させるため』と言えばフレア団も騙されてくれる。ついでにコイツも強大な力を持っているはずだしな。」
3体の伝説ポケモンという名の不発弾、まとめて爆破処理して大団円だ!
>そううまくいく?
行くとも。なにしろ処理の現場にいるのはあの主人公、サトシくんなんだからな。…まあアニポケミリ知らだからアニポケでサトシくんがフレア団をどうしたのかよく知らないけど!