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「フラダリさん。」
「どうしたかね、2人とも。」
「それでも俺は、納得がいかないです。…アラン、ごめん。任せてもいいか?」
「ああ、わかっている。ゼルネアスとイベルタルには、俺が対応しよう。」
「…ほう?力を奪いつくせば生と死の力こそ封じることができるが、腐っても伝説だぞ?1人で立ち向かえる存在ではあるまい。」
「それでも俺は、1人で行きますよ。だからサトシ、俺のぶんまで...」
「ああ、アラン。
…フラダリさん、納得いかないぶんは、バトルで決着つけましょう!
行くぞみんな!」
「…ふっ、それでこそ博士の見込んだ子供たちだ...
ならば私も受けてたとう、行け、カエンジシ、ギャラドス!」
ー*-
時間はないーシトロンは焦っていた。
クセロシキのポケモンコントロールシステムのビームはプニちゃんを洗脳した。どうやら「最終兵器の回路」とやらはポケモンを直接装置に組み込まなくてもジガルデ巨樹の根でエネルギー的につないでいれば良いらしく、プリズムタワーを小刻みに揺らしながら育つ植物はタワーの外側を大きく覆い最上部につぼみを付け始めていて、そして遠くを見れば地平線まで煙が上がっている。
ジガルデ・コアが2つある状態で巨樹の根がセキタイタウンのフレア団アジトの休眠中のゼルネアス・イベルタルに届けばタイム・オーバー。その時までさして猶予がないことは明らかだった。
ーコントロールシステムを強制シャットダウンして無理やり破壊するしかない、接続しているシトロイドごと。だがそんなことをすれば接続しているシトロイドはどうなるか火を見るよりも...
「何か、お困りですか?」
「…シトロイド?」
「いいえ、ボクはシトロイドではありません。この身体を借りている者です。」
「…だったら、誰ですか?」
「名乗るほどの者じゃないです。だけど、ボクも、加勢したい。こんなことボクは望んでないから。」
「…助けてくれるんですか?」
「はい。ボクはこのコントロールプログラムにはちょうどいいワクチンプログラムを持っていますから。」
シトロンの端末のスクリーンが、高速でスクロールを始める。
シトロンは何度か頷いて、そして、「これならいけます!」と力強く呟いた。
「どこの方かわかりませんが、お力、お借りします!」
ー*-
「ジガルデのコントロールが、2体とも、止まった...!?」
フレア団の4幹部ことバラ・コレア・アケビ・モミジは混乱の極みにあった。
フラダリは打ち合わせにないことをしてなんだか様子がおかしい。クセロシキはガキとバトルすると言ってきてから連絡がない。せっかく確保したZ2はなんだかわからないが小娘の歌で正気を取り戻してしまったらしいし、その上Z1のコントロールまで消失してしまった。
「こうなったら相乗効果については考えるのを忘れるしかないわね…!」
「ジガルデがいなきゃ世界丸ごと創り変えるのは無理よね。でも、最終兵器2台の順次起動なら、カロスのリセットは可能だわ...!」
コツ、コツ...独特の重みのある足音が響き渡った。
「誰...?
ああ、お爺さん。貴方の出番はないわよ。鍵だけ渡してそろそろ成仏しなさい。」
-その男は、男なりに思うところがあった。そしてひっそり、こんなこともあるかもしれないと、託された。
「いいや。
お前たちになくても、私にはあるのだ。」
-フラダリはカロスを愛している。そして、3000年さまよい続ける男に、今後数千年のカロスのために働いてくれと頼んできた。
「これがこの時代と、子孫の選択なのならばな...!
行けゴルーグ!」
AZにとって、彼は誰よりも、まぶしく見えたー!
ー*-
「…なるほど、なかなかやるなサトシくん。
…やりたくはなかったが、これではどうだ?ギャラドス...
…メガシンカ!」
赤いギャラドスが、赤いメガギャラドスへと変貌する。その横でフラダリは、指示を下しながらも焦っていた。
「ギャラドス、じしん!」
(ジガルデはすべて解放されてしまった、最終兵器は2つ同時に繊細に起動すれば相殺するが、単純に順番に起動すればイベルタルで殺してゼルネアスでよみがえらせるだけだ、むしろフレア団の「選ばれた命だけでの新しい世界」にぴったりすぎる...!)
「上に飛ぶぞゲッコウガ!
みずしゅりけん!」
(もしアジトに戻った幹部が次善の策を選べば、一刻の猶予もない…!連絡は来るはずだがそれももう彼女らが私への違和感を抱いていればおしまいだ...!
AZにはカロスの人とポケモンの未来のため、今度は最終兵器を止めてくれ、罪をそれで償おうと言ったが…!)
「ピカチュウ、アイアンテール!」
「近づくんじゃないギャラドス!はかいこうせんの反動で退避!」
噴き出す光線の威力によりメガギャラドスが後ろへすっとび、ピカチュウがかすめた光線によってよろめく。
(だがフレア団はそれで足止めできても、ゼルネアスとイベルタルは満タン状態だ、覚醒させるには危険すぎる...!
どうするフラダリ、考えろ...そしてサトシくんは私を早く倒せ...!)
それでもフラダリは手を抜きはしない。ここでサトシと戦わなければ、アニポケの主人公に対し失礼に当たるではないかと、彼はそう考えていた。
「…っ、戻ってきたかポリゴンZ!」
だからフラダリは、隠していた力を解放することにした。
「サトシくん、私のポケモンが3体でキミが6体なのは不公平だと思わないかね?
だから私も、これを使わせてもらう。」
(まさかこんなことがあるとは、驚きだったよ。胡乱な考察ブログも馬鹿にならないね。)
「…その石、キーストーン?でもアレは一人一つ、それに色が...
…まさかその石、ヒャッコクシティの日時計...!?」
「御名答だよサトシくん。
さあ、不完全だろうがぶっつけ本番だ。ポリゴンZ、over=...
…テラスタル!」
ポリゴンZが結晶のような輝きを放ち、そして、透明な宝玉を抱いた王冠が頭上に浮かんだ。
ー*-
この時点では設定すら存在しないはずの要素の、それも本来ならば運命レベルでサトシが出会うことのできないポリゴンZによる使用、それはサトシという超人的トレーナーの能力を以てしても、まさしく特異点だった。
「over=テラバースト!」
しかもパルデア地方に存在するテラスタルではない。これはヒャッコクシティ日時計の力とメガシンカエネルギーと転生知識を用いた疑似的なテラスタルで、それだけにリミットが外れているー例えば、メガシンカエネルギーをくれたポケモンすべてのタイプにテラスタルしている、とか。
因果がきしむような音とともに放たれた強烈なビームは、サトシの6体を一瞬でボロボロにした。
「ギャラドス畳みかけるぞ、はかいこうせん!」
「…っつ、オンバーン、ばくおんぱで迎え撃て!」
「ポリゴンZ、type:ゴースト=テラバースト!」
ノーマルわざであるばくおんぱが、ゴーストわざとして放たれたover=テラバーストにかき消され、はかいこうせんでオンバーンが戦闘不能となる。
「まずは一体...楽しくなってきたなサトシくん...!」
(チートは、キミだけではないのだよ…!)
~滅茶苦茶長いチート解説~
over=テラスタル
カロスに存在するメガシンカは、同じエネルギーを放つヒャッコクシティの日時計と大きく関係すると言われているが、日時計は破壊不能オブジェクトなので日時計の力を直接用いることはできず、一説には日時計が宇宙から降ってきたときに別たれた欠片とされるキーストーン・メガストーンが用いられている。
一方で転生者であるフラダリは、お隣のパルデアで確認されているパラドックスポケモンが、トドロクツキとメガボーマンダの類似に見られるようにメガシンカに似ていることから、単にゼンリョクを引き出すZワザ以外のすべての「ポケモンから通常以上の力を引き出す現象」は元をたどれば同根で原始の力」と考えていた。この考えから立てた「ヒャッコク日時計は種類を指定しない未分化のメガストーンであり原初のメガストーンで、その力はテラスタルともほぼ同一のはず」という仮説に基づき、カロスを監視する機能を持つジガルデなら一応カロスのオブジェクトである日時計を掌握・破壊する権能があるはずだとしてZ2の力で少しだけ削った。
日時計の微欠片をテラスタルオーブの代替品いわば「テラスタルエネルギーではなくメガシンカエネルギーを充填したテラスタルオーブ」として用いるこの現象は、メガシンカに類似していながらも能力の進化ではなく能力の付加であり、ポケモンに強大な力を与える。
メガシンカは絆による一時的な進化による潜在能力の引き出しとそれに必要なエネルギーの発生。
テラスタルではオーブに込めたエネルギーを、与えたポケモンとそのテラスタルタイプのエネルギーへと”変色”させて、潜在能力を引き出すのに不足するエネルギーを充当する。
over=テラスタルはメガシンカエネルギーというもともとの持ち主の”色”に染まったエネルギーをオーブに込めて”変色”させないまま直に追加能力として付け足す。
特徴上、over=テラスタルはポケモンが進化時に発生させたエネルギーでもなく潜在的にあるべきものを借り物で再現したエネルギーでもなく、純然たる借り物。そのためメガシンカエネルギーを日時計微欠片が浴びるほど強くなるし、テラスタルタイプも浴びたポケモンのタイプだけ増える(浴びていなくても日時計が本来持つメガシンカエネルギーでノーマルにテラスタルできる)。なおタイプが重複しているが、疑似的な現象なのでタイプ相性はテラスタル前と同じ。
今回のこれは、浴びたエネルギーが10番勝負やリーグのおかげでかなり多いので強力。
over=テラバースト
虹色を帯びたビーム。over=テラスタルで帯びたすべてのタイプの属性を同時に併せ持つ(ただし計算上、タイプ相性のうち無効は計算しないでそれ以外のすべての相性計算を乗算する)。また任意で帯びるタイプを1つからいくつかに絞ることができる。この「タイプを同時に帯びたわざ」という概念は量子力学的なものであり、演算性能の高いポリゴン系などの一部のポケモンにしか再現できないが、それ以外でどうなるかは不明。
フラダリのひとこと「要するにメガシンカ系グッズで無理やり実現したテラスタル。クソみたいに難しい原理で全タイプ同時両立なんてクソみたいなチートを実現したけど、ふつうに6体いるならそれで弱点つけばいいだけであってこんなややこしいことしなくていいし、そもそもここはゲッコウガがメガジュカインに勝ってメガリザードンに負けるアニポケ時空なのでタイプ相性で小細工しても負ける時は負ける。手間に見合ってない。」
クセロシキのひとこと「確かにすべてのタイプを両立できてわざにも好きなだけ好きなタイプだけを盛れるのは強いんだゾ。でも悪の組織だから弱点でわざの威力を上げるよりしたっぱの数としたっぱに持たせるポケモンの数を増やして10倍の手数で殴った方が早いんだゾ。」
ただしtype:こおり+フェアリー+ドラゴン=テラバーストはジガルデに16倍、type:こおり+フェアリー+じめん+でんき=テラバーストはイベルタルに16倍、type:どく+はがね=テラバーストはゼルネアスに4倍の威力があるので伝説ポケモンが降臨した場面で絶望的な戦局を少しでも打開することができるかもしれないという意義がある。