道化の愉快な仲間たち   作:UBW・HF

66 / 66
変わった未来の先で変わらない君は笑う:1

 

「おい、坊主達。見えてきたぞ」

 

車輪の音と振動に揺すられながら、荷台の上で麦と一緒に身を寄せ合うようにして眠っていた少年と少女は、その言葉で目を覚ます。

御者を務めている壮年の男は、まだ寝ぼけた二人に眼の前の道を顎で指す。

整備された街道、その小高い丘から見えるのはまさに圧巻の光景。

巨大な壁に覆われた都市、そしてその中央にそびえ立つ白亜の塔。

見惚れるほど美しい光景が、そこにはあった。

 

「おぉ………!」

 

「圧巻でございますね……!」

 

「はっはっは!オラリオを初めて目にするやつらは皆そう言うぜ!」

 

感動に似た感情を抱く二人に、行商をしているヒューマンの男は豪快に笑う。

これまでの道中でも見えていたが、近くまで来ればまた違う。

見る者を圧倒するようなその光景に、その二人は言葉を失ったかのように息を漏らしている。

 

「ありがとうございます、おじさん。ラキア近くで迷子になってた僕たちをここまで乗せてくださって。本当に助かりました」

 

「いいってことよ!旅は道連れ、世は情けってな!困り果てたガキ共見過ごすほど狭量じゃねえさ!」

 

別れが近づいたことを察した少年は行商の男に改めて礼を告げる。

諸事情あって、ラキアから逃げるように飛び出た二人は軽く迷子になっていた。

そこを通りがかった行商の男に拾われて、ここまでやって来たのだ。

 

「その格好見る限り、冒険者になりに行くんだろ?だったら、立派に活躍した時オレんとこのもん宣伝でもしてくれ」

 

「フフッ、分かりました。その時になったら、おじさんも自慢していいですよ?黒竜を討伐した英雄を英雄都市(オラリオ)まで案内したのは自分だって」

 

「はっはっは!そりゃ大層なこった!じゃ、その時になりゃそうさせてもらうぜ!」

 

少年の言葉を冗談だとでも思ったのか、壮年の男はまた豪快に笑う。

それを見て少年も釣られるように笑った後、少女と一緒に立ち上がる。

 

「それじゃあ、改めてありがとうございました」

 

「感謝申し上げます。私たちはここで失礼させていただきますね」

 

「おい、まだ距離があるぞ?」

 

「大丈夫ですよ。僕が走った方が早いので。行きましょうか、春姫さん」

 

「はい、ベル様」

 

「そうか、元気でやるんだぞ!」

 

「「はい!」」

 

春姫と呼ばれた少女の手を取りながら、ベルと呼ばれた少年は走る馬車から飛び降りる。

そのまま華麗に着地した後、春姫を抱えてベルは走り出す。

前を走る他の行商たちを追い越しながら、その場所に向かっていく。

 

やがて辿り着いたのは、巨壁にある唯一とも思える出入り口。

門の前にズラッと並ぶのは、旅人や行商人たちばかり。

そのなかに紛れながら、二人はその時を待った。

 

「次の者!」

 

呼ばれて、二人は一緒に前に出る。

門衛にジロジロを見られながらも、それを黙って受け入れる。

騒動や旅に慣れきって大抵のことでは動じなくなった二人は、ジッと終わる時を待つ。

やがて黒い制服を着た獣人の男───おそらく都市管理機関(ギルド)の職員であろう彼が一歩前に出て、書類を書きながら尋ねてくる。

 

「通行証はあるか?」

 

「ありません。必要なんですか?」

 

通行証が必要なんて聞いていないが、この15年で変わったのだろうか。

そう思いながらも尋ねるが、やはり違ったようで。

 

「時と場合による。随分良い身なりをしているが、貴族とその付き人(メイド)か何かか?」

 

「違いますよ。ていうか、春姫さんはメイドじゃないですし」

 

「じゃあその格好は?」

 

「これは、その…………」

 

「祖母の趣味です」

 

様々な経緯があって、色々特殊な衣類を身にまとっている二人だが、そのすべてはあの祖母の意向が強く反映されている。

実際に作ったのは義母だが、まあデザインは余程奇抜でなければ何でも良かったのだろう。

すべて丸投げにされていた。

結果として、ベルは礼服を模したシャツとネクタイに、白いコート、そして腰には大剣。

春姫は深紅の着物と黒い袴風スカート、それに白い前掛けをした和風メイドスタイルに落ち着いた。

 

「愉快な趣味してるな、君のお祖母さん」

 

「これでもマシになった方なんですけどね」

 

「まあ似合ってるから…………っと、これは────」

 

いくつか出されたデザインの中には、完全なるタキシードとウェディングドレスも混じっていた。

あの祖母が司るものを思えば当然なのだろうが、あまりにも目立ちすぎるし、それを嫌った義母に却下されたのだ。

そんな反応をしていると、背中にランプのようなものを近づけていた職員の顔色が変わる。

「ハシャーナを呼んできてくれ」と門衛に伝え、少し慌ただしくなる。

警戒をするように空気が変わるのを肌で感じ、ベルと春姫の表情も固くなる。

 

やがて二分もしないうちにやって来たのは、褐色の男。

ガタイもしっかりしており、帯剣もしている。

動きや身体の使い方から見ても、余人のそれではない。

そして何より、肩部分にある装備に刻まれた像の顔が刻まれたエンブレムが。

間違いなく、ガネーシャ・ファミリアの団員だ。

 

「悪いな、待たせちまって」

 

「いえ、お構いなく」

 

「えっと、その坊主と嬢ちゃんがそうなんだな?随分と可愛らしいのが来たもんだ」

 

ベルと春姫を値踏みするように見るその男。

警戒を悟らせないように、取り繕いながらベルは応対する。

 

「実はさっき背中に当てられたランプは神血(イコル)を検知する魔道具なんだ」

 

「へぇ~、そんなものもあるんですね」

 

「ま、具体的な所属先までは分からないけどな。それで?お前らは何でオラリオに?主神や他の団員は?」

 

う~ん、すこし面倒なことになってきた。

出来るならコッソリ入って、コッソリ別の派閥に改宗して穏便に事を運びたかったのに。

考えていた計画がダメになりそうだと、ベルは内心ため息を吐く。

 

「オラリオに来たのは、冒険者になるためです。これまでは都市外で活動してたんですけど、これからはオラリオでって言われたので」

 

「そうかそうか。なるほどな」

 

「主神様は浮気をされたご主人をそろそろ本格的にしばき回すから、と仰って別行動に」

 

「浮気した夫を、と。…………なんかどっかで聞いたことがあるような話だな」

 

「私達以外には団長様しかおられないのですが、団長様は気になることがあるから、とこれまた別行動を」

「親戚のおじさんみたいな人をぶん殴って引きずりながら、何処かに行きました」

 

「親戚のおじさんをぶん殴って…………これもどっかで聞いたことあるな」

 

二人の話に妙な既視感を覚えながら、職員たちは首を傾げる。

職員達にハシャーナと呼ばれている男など、その既視感が強いのか頭を悩ませているようだ。

 

「オラリオで改宗ってことは、まだ元の所属のままなんだな?」

 

「はい、そうですよ」

 

「じゃあ今の所属を教えてくれ」

 

そう問われて、ベルと春姫は顔を見合わせる。

とうとうこの時が来てしまったと言わんばかりの表情だ。

それでも黙り続けるわけにもいかないし、もしかしたら杞憂という可能性もある。

二人はできる限り愛想よく笑いながら、自身が所属している派閥を告げる。

 

「「ヘラ・ファミリアです/でございます」」

 

瞬間、場の空気が固まった。

世界から音が消えたかのように、誰もが一切の動きを止めた。

やがて、その言葉の意味を理解したのか、後ろに並んでいる人たちが一歩距離を取った。

正気に戻ったハシャーナも、顔を引き攣らせながら必死に現実逃避をしている。

 

「へ、ヘラ?ヘラ・ファミリアって、あの?」

「他にどのヘラ・ファミリアがあるんですか?」

 

「15年前までオラリオにいた、最恐最悪の?」

「ただの最強です。まあ、そのヘラ・ファミリアで合ってると思いますけど」

「私達はその時にはまだいませんでしたが…………」

 

「ち、ちなみに、レベルは?」

 

あのヘラ・ファミリアであることは間違いない。

だが、相手はまだ子供だ。

それもずっと都市外で活動していたようだし、レベルは低いはず。

自分でもどうにかなるはず。

そんな淡い期待を込めて問いただすが、現実は非情だった。

 

「7」

「4でございます」

 

やゔぁい、超ヤヴァい。

非戦闘員にしか見えない少女ですら自分と同レベル。

少年に至っては都市最強と同レベル。

絶対にヤヴァい。

 

後ろで列をなしていた行商や旅人たちは蜘蛛の子を散らすように何処かに行った。

ギルドの職員も、門衛達もすでに逃げた。

ていうか、何をどうやったら都市外でレベル7にまで到れるんだ?

化物じゃないか?

 

(まさか────!?)

 

とある噂を思い出す。

いくつもの国で問題行動を起こした、白い悪魔の噂を。

とある国では王政を傾け民草を救い、とある国では破壊の限りを尽くした。

最狂の革命家にして最悪のテロリスト。

ついた通り名が────

 

「さ、【災禍】…………!?」

 

「その呼び名、嫌いなんでやめてくれません?」

 

その呼び名を肯定する少年を、ハシャーナはもう可愛らしいとは呼べなかった。

今ではもう、恐ろしい悪魔にしか見えない。

となると、取るべき行動はたった一つだ。

 

「ヘラ・ファミリアが来たぞおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉッ!!」

 

取り敢えず叫ぶ。

叫んで、助けを求める。

こうすれば、誰か来てくれるはずだ。

 

「ヘラ・ファミリアが【災禍】だった!!マジでヤバい!!ロキとフレイヤを呼べええええええええええええええ!!」

 

そう思った。

そう判断した。

それは正しい。

絶対的に正しい。

ただ、それを許すほどここのベルは優しくなかった。

 

「アストレアも─────グッフ!!」

 

「他人の個人情報、大声で叫ばないでください」

 

叫んでいたところを、顎下に掌底を喰らわされる。

その一撃で容易く意識を失ったハシャーナは力なく倒れるだけ。

そんな彼を無視して、二人はオラリオの中に足を踏み入れる。

 

「これ、絶対ゾロゾロ来ますよね?」

 

「そう、でございますね。いつものように…………」

 

「はぁ…………オラリオなら穏便に入れると思ったのに…………」

 

そう言いながらも、ベルは冷たい相貌で都市を見渡す。

聞こえてくる足音を聞きながら、ヘラ・ファミリアとしての最後の戦いに身を投じる決意をする。

 

「じゃあ、いつも通りレベル4以上は僕が相手しますから、レベル3以下は全部お願いしますね」

 

「はい、お任せを」

 

やって来た像面の集団を前に、二人は気怠げながらも戦意を見せる。

腰にある大剣を抜くこともせず、構えることもせず。

それでも、二人はすべてを蹂躙する決意を固める。

 

「『売られた喧嘩は買え』」

「『舐めてくる奴は叩き潰せ』」

 

「たった二つしかないヘラ・ファミリア(うち)の方針に従い、皆さんを排除します」

 

「怪我をされたくない方は、お下がりください」

 

最狂のファミリアは、都市でもその牙を剥く。

 

 


 

 

その衝撃は、都市全土を一気に駆け抜けた。

 

「ヘラだ!ヘラ・ファミリアが戻ってきたぞ!」

「ヤベえってマジで!」

「なんで今更戻ってきたんだよ!?」

 

「知らねえよ!」

「偽物じゃねえのか!?」

「ヘラを名乗る偽物なんているわけねえだろ!!」

「リスク考えろ、バカ!」

 

「白髪のガキと金髪の狐人(ルナール)がガネーシャ・ファミリア相手に暴れてるらしい!」

「今すぐアストレア・ファミリアに応援要請飛ばせ!ロキとフレイヤにもだ!」

 

都市全土は騒然とする。

その動揺は、やがてとある神々にも届いていく。

 

「よっしゃ!!ついに来た私の伴侶(オーズ)!!行きなさい、オッタル!丁寧に、とても丁寧に!あの子の意志を無視しない形で、丁寧にお願いして連れてきて頂戴!!」

 

とある美の女神は、自身の子どもたちに指示を飛ばす。

 

「はぁ………、ついに来てしまったわね」

 

とある鍛冶神は、憂鬱そうに溜息を溢す。

 

「ようやく来たか!」

 

とある絶対悪は、邪悪に嗤う。

 

「チッ、ほんまに来よったで」

 

とある道化神は、不機嫌そうに吐き捨てる。

 

「ああ、来たのね」

 

とある正義神は、嬉しそうに笑う。

 

「ついに来たね……」

「ああ、そうだな……」

 

二人の処女神は、決意を秘める。

 

それぞれが違った形で少年の来訪を悟った。

今後彼が齎す混沌と、希望を見出して。

少年の来訪を、静かに受け入れた。

 

…………

………

……

 

「ちょ、っとぉ!!お姉ちゃん、この子ヤバい!!」

 

「口より手を動かせ!!」

 

シャクティ・ヴァルマ。

アーディ・ヴァルマ。

都市の秩序を守る憲兵。

その中でも団長と副団長として活躍するその青髪のヴァルマ姉妹。

それぞれがレベル6という都市でも屈指の冒険者として名を馳せている二人だ。

そんな二人を、圧倒する存在が目の前にいた。

 

「もう終わりですか?」

 

相手は、たった一人の少年。

まだあどけなさすら残っている子ども。

しかも、この子どもは魔法はおろか武器すら使っていない。

その腰にある大剣は、未だ抜かれることなく収められている。

 

笑いながら、表情を崩すことなく二人を相手にしている。

 

右腕には鐘の音と共に白光が宿っているが、あれはおそらくスキル。

しかも、まだ炸裂していない一撃だ。

 

完全に舐められている。

完全に手を抜かれている。

その状態ですら、少年は都市の憲兵すべてを相手に圧倒していた。

 

もう他の団員たちは全員倒されている。

レベル4以上は少年によって、レベル3以下は少女によって。

全員が地に伏せている。

これで死者が出ていないというのだから、彼我の実力差を余計に分からされてしまう。

 

「ねえ……これってそもそもなんで戦ってるんだっけ?」

 

「あいつらが暴れ始めて……いや、最初は過剰反応したハシャーナが原因だったか」

 

「戦う必要、ある?」

 

「聞くな!体裁と大義があるだろ!」

 

少年たちは、見るからにやる気がない。

少女など、自分に向けられた分を倒し終えたら呑気に観戦し始めたくらいだ。

手助けすることもなく、今も眺めているだけ。

もしここで一言謝りながら武器を捨てれば、少年は何もしてこないだろう。

とは言え、それが簡単にできる状況と危険度ではない。

彼らがいくつもの国を混沌に貶めたのは、紛れもない事実なのだから。

 

「止まれ、小僧」

 

「誰ですか?」

 

「フレイヤ・ファミリア……!」

 

見れば、上から見下ろしているのはフレイヤ・ファミリア。

幹部は全員、団員の大半も勢揃いしている。

その様子を見て鬱陶しそうにしながら、少年はフレイヤ・ファミリアを眺めている。

 

「我が女神が貴様をご所望だ。ついてこい」

 

「ついてきてほしいなら頼み方ってもんがあるでしょう?まあ、まともに頼まれてもついていく気なんてないですけど」

 

「ならば、力尽くで連れて行くのみ」

 

「…………力尽く?お前らごときがか?」

 

オッタルのその一言が、少年の逆鱗に触れた。

口調と雰囲気が変わり、明らかにブチギレている。

 

「舐めるなよ、クソガキ。その程度の実力で、“私”に勝てるとでも?」

 

「なんだと……?」

 

「14で、ずっと都市の外で活動していた私すら!レベル7程度にはなれた。お前らはどうだ?今レベルはいくつだ?8か?9か?それとも10になれたか?もしそうなら発言を撤回しよう。お前らに媚びへつらって頭でもなんでも下げてやろう。で?どうなんだ?」

 

挑発するように少年は笑う。

隠しきれない怒りをその瞳に宿して、フレイヤ・ファミリアを嘲笑う。

 

「どうせ未だレベル7程度で燻っているのだろう?だからお前らはいくら経ってもその程度なんだ」

 

「…………仮にそうだとしても、たった一人で俺達に勝てるとでも?」

 

「勝てる。そもそも、私を前に雁首揃えてる時点でお前らは落第だ」

 

少年は右手を前に突き出す。

白光を纏い、鐘の音を鳴らすその右手を。

 

「【サタナス・ヴェーリオン】────“アンジェラス”」

 

鐘楼の音が響いた。

一瞬魔法陣が煌めいたかと思えば、それはすぐさま音撃に変わりフレイヤ・ファミリアを襲う。

 

完全に失敗だ。

今の少年を前に、無策に雁首揃えてる時点で負けていたのだ。

この少年を初見で攻略するなど、ほぼ不可能なのだから。

 

「このッ────」

 

「【炸響(ルギオ)】」

 

倒れきらなかったオッタル達に、すぐさま追撃が加えられる。

追加詠唱で発動するのは、同等の威力を誇る音撃。

残留した魔力を起爆することで発動する、同じ魔法。

白光で強化されていたそれももちろん、もう一度炸裂する。

 

「はぁ…………しょうもな」

 

砂埃と共に地に倒れるフレイヤ・ファミリア。

死んではないだろうが、それでもすぐに起き上がってくることもないだろう。

再起するのに必要な治癒師(ヒーラー)も一緒に潰したのだから。

そんな彼らを見ながら、少年はつまらなそうに吐き捨てる。

 

「─────!」

 

「チッ!しくじった!」

 

「輝夜!」

 

ここで初めて、少年は大剣を抜いた。

迫りくる凶刃を防ぐために、その大剣に手をかけた。

その一撃はもちろん防ぐことが出来たが、すこし驚いた。

まさか、こんなに早く抜かされるとは思っていなかったのだ。

 

「久しぶりだな、小僧。これは何の真似だ?」

 

「えっと…………何処かでお会いしたことありましたっけ?」

 

「…………覚えてないのか?二年前、アンタレスの時だ!」

 

「アンタレス……?あぁ、あのサソリですか。いましたっけ?」

 

「とことん舐め腐ってるな、クソガキが」

 

「いやいやいや!しょうがないじゃないですか!あんな目深にフード被ってたんですよ?人の顔なんて見えませんよ!」

 

「自業自得だ、バカが!」

 

叫ぶ輝夜。

突然現れた援軍にも大して驚くことなく、少年は首を傾げている。

 

「春姫さん、あの人何処かで見たことありません?アンタレスの時とは別で」

 

「そう言われれば、誰かに似ているような……えっと、どなたでしたっけ……?」

 

「どうでもいいことで悩むな阿呆共!!」

 

全く関係ないことを話し始める二人に輝夜の檄が飛ぶ。

そして、その間にも次々と援軍がやって来る。

 

「さあさあさあ!都市で暴れる困ったちゃんはだれ!?正義の味方、アリーゼちゃんが華麗に止めてあげるわよ!」

 

「アリーゼ、恥ずかしいからマジでやめてくんない?」

 

「ちょ、アリーゼ!?輝夜!?待ってくださいって!」

 

痛々しいアリーゼと、それを冷めた目で見つめるライラ。

二人を必死に止めようとするリュー。

 

「来て早々何のマネだい、少年?」

 

「ヘラ・ファミリア……やはり横暴さは変わらんようだな」

 

「あぁ、どうしてこうなった……」

 

「言ってる場合か、バカドワーフ」

「酷くなりすぎる前に止めるわよ」

 

「え、いや、でも!」

「あ、あの子と戦いたく……」

 

挑発するフィン。

暴れる二人を蔑むように見つめるリヴェリア。

頭を抱えるガレスに、割り込む機会を伺っているティオネとティオナ。

戸惑いながらどうすればいいのか迷っているレフィーヤとアイズ。

 

「ったく、クソバカ道化が……」

 

「まあそう言うなって。騒々しい方がらしいってもんだろ」

 

胃と頭を痛めるベートに、それを笑い飛ばすヴェルフ。

その他にも、ロキやヴィーザルに所属する多くの団員たちが集まっている。

 

「う~ん、これは少し不味いかも……?」

 

正直、土壇場になれば勝てはすると思う。

でも、そこまで追い詰められると後々面倒くさそうだ。

そう判断した少年は、切り札の一つを切ることにする。

 

「“春姫”」

 

「────はい」

 

これは二人の間で決められた合図。

少年が少女の名を呼び捨てにする時、それは彼女の魔法を使う合図。

 

「【──大きくなれ】【其の力に其の────」

 

その魔法が使われようとした、その時だった。

 

 


 

 

戦いの場を少し離れたところから眺める影が二つ。

その二人は、戦いの中心にいる純白の少年を愛おしそうに見つめていた。

 

「う~ん、何かしら騒動は起こすだろうと思ってたけど、まさかここまでとはね~」

 

「まったくだ。でも、それでいい……それがいい」

 

あの少年はきっと、希望だ。

7年前、そして2年前に示された光を繋ぐ、希望の未来だ。

それを、二人は痛いほど知っている。

 

「この2年の間、胸の内で燻っていた想いにようやく答えが見つけられそうだ。お前もそうだろう、ヘスティア?」

 

「うん、そうだね。これは確信だ。絶対に変わらない、例え世界(カオス)であったも変えられない、普遍の思いだ」

 

「いつの日か私は────」

「いつの日かボクは────」

 

その言葉を、二人は声を揃えて言葉にする。

 

「「きっと、あの子のことを好きになる」」

 

二人は、声を揃えて笑い合う。

戦いながらも眩しく笑う彼を見て、二人は未来を誓う。

 

「じゃあ、行ってくるね」

「ああ、早く行くといい。他の馬の骨に取られるぞ?」

 

「アルテミスは良いの?あの子をボクに渡して」

「構わない。あの子が誰の眷属になろうと、私のこの想いは変わらない。それが信頼できるお前のところに行くのなら、尚更だ」

 

「そっか、ごめんね」

「謝るな。それに、譲る気なんてないんだろう?」

 

「うん───あの子と、約束したからね」

 

ヘスティアは走り出す。

愛しい子どもたちを、愛するあの子を迎えにいくために。

 

…………

………

……

 

「【──大きくなれ】【其の力に其の────」

 

「すとぉおおおおおおおおおっぷ!!」

 

少女の詠唱を遮るように、幼い女神の声が響いた。

全員が唖然とし、彼女の方を見る。

息を切らして、それでも何処か嬉しそうに笑う女神が、そこにいた。

 

「まったく、何やってんだ君達は!!町中でこんな騒動起こすんじゃない!」

 

「「す、すいません……」」

 

「そういうとこ、直していかないと今後苦労するぜ?」

 

呆れるようにしながら、この女神は二人を止めた。

彼ら彼女らが暴力でしか止めようとしなかったこの二人を、言葉だけで諌めた。

そんな彼女の姿が、周囲にはどう映っただろう?

 

「君達、ヘラの子どもなんでしょ?ヘラはどうしたの?」

 

「えっと、お祖母ちゃんだったら浮気したおじい…………男神ゼウスを捕まえるために何処かに行きましたよ」

 

「まだ懲りてないのか、あのバカは……。まあいいや、そのうち捕まるだろうし。でも、君達はどうするの?ステイタスの更新とか出来ないと、色々不便でしょ?」

 

「オラリオで信頼できる神を見つけなさいって言われました。改宗の許可も貰ってます」

 

「あ~、やっぱそんな感じか。だったら…………いや、その前に君達何で暴れてたの?」

 

「最初は穏便に入って改宗するつもりだったんですけど、思いっきり所属叫ばれて止めたら駆けつけた人たちに斬りかかられて」

「来る人来る人を相手してたら、いつの間にかこうなっておりました……」

 

「つまり、不可抗力だと?」

 

「お前らは事情も知らずにここに来たのか?なるほど、ハイエルフとは底抜けのバカの代名詞だったか」

 

「貴様…………!!」

 

「はいはい!喧嘩しないの、そこ!」

 

リヴェリアに対して皮肉を言う少年を嗜めるヘスティア。

その様子に若干疲れて溜息を溢す。

 

「これからどうするの?」

 

「特には決めてません。取り敢えず神様探しからスタートですね。今までの汚名と今回の騒動もありますし、簡単には見つからないでしょうけど。それ以前にまともにオラリオにいられるかどうかも分かんないですし」

 

「それ、条件とかある?」

 

「何も。ただ、信用できるか否か。それだけです」

 

「そっか。だったら─────ボクが立候補していいかな?」

 

「え?」

 

ヘスティアは右手を差し伸べながら、笑顔でそう言った。

その言葉に流石の少年も呆気にとられたようで、驚きの声を上げている。

 

ヘラとその眷属が世界中で恐れられているのは少年たちも知っている。

彼ら自身もその一端を担っている自覚もある。

でも、それを知っていてもなおこの女神は手を差し伸べる。

 

「一応ここに根付いてるファミリアだから、改宗さえしてしまえば追い出されることもないと思う。いざとなれば神友に口添えしてもらうし」

 

「「…………。」」

 

「うちは眷属は今のところたった一人しかいないし、その子も頑張ってるけど大して強くはない、零細中の零細ファミリアだ。それでも、君達を何があっても裏切らないと誓うよ」

 

「「…………。」」

 

「だから────だから、こんなボク達でよければ、家族になってくれないかい?」

 

真っ直ぐとした視線で、ヘスティアは告げる。

その視線に、少年たちは初めて戸惑いの表情を見せる。

 

「それは、何で…………?」

 

「君達と家族になりたいんだ。家族の元から離れて心細い君達に、寄り添ってあげたい。ボクはそういう存在だし、うちの子もそうだ。どうしようもなく心細い子どもと家族になるって、昔約束したんだ」

 

その約束とは何なのか。

それは聞けない。

でも、決して邪なものではないと分かる。

 

「貴女は…………?」

 

「ボクはヘスティア。君の─────」

 

ヘスティアはそこで一度止まり、言葉を選び直す。

二人の子どもを受け入れるために、笑顔でその言葉を告げる。

 

「────君達の“神様”さ!!」

 

その眩しい笑顔に、少年と少女はどうしようもなく心惹かれた。

気づけば、その手を取ろうと手を伸ばしていた。

 

「さあ、君達の名前を教えてくれないかい?」

 

 


 

 

~物語の1ページを綴る~

(時々罪状列挙)

 

◇『ヘスティア・ファミリアの本拠にて』

 

「紹介するね、ベルくん、春姫くん。この子がリリルカくん。うち唯一の眷属だよ。リリって呼んであげて」

「紹介するね、じゃないですよ!!なあにトンデモナイ二人組連れ帰ってんですか、この駄女神!!」

 

「だぁれが駄女神だ!?いいだろ、別に!こんな零細ファミリアでも構わないって言ってくれる逸材だよ!?」

「逸材すぎるんですよ!!絶対うちじゃ持て余す人材ですよ!!御二方!この駄女神に騙されてませんか!?うちは本当にどうしようもない零細ファミリアですよ!!」

 

「ちゃんと聞いたから大丈夫ですよ」

 

「こっわ!自分より圧倒的に格上にへりくだられるのクッソ怖い!この鳥肌どうしてくれるんですか、駄女神!」

 

「お、大袈裟すぎませんか?」

 

「いい加減納得しなって。二人共いい子なんだからさ、心配するようなことにはならないって」

 

それはリリルカにも分かっている。

ヘスティアが連れてきた以上、そんな心配はしていない。

ただ、それはそれ。

何処までも小心者な彼女には、この状況は些かキツイものがある。

 

「その、そんなにどうこう思わなくても大丈夫ですよ。レベルだけは無駄に高いかもしれないですけど、オラリオやダンジョンに関しては本当に初心者なんですから。きっと、色々お世話になることのほうが多いと思います」

 

「そ、そうでございますよ!それに、私も似たようなものです!未だに元団長(アルフィア)様にポンコツ狐だのエロ狐だの言われるくらいですから!」

 

「エロ狐に関して言えば春姫様の性根の問題では……?」

 

「と、とにかく!これからよろしくお願いしますね、リリ団長!」

 

「よろしくお願いします、リリ団長!」

 

「り、リリ団長……?」

 

二人に言われた『リリ団長』という言葉が、彼女の脳内を埋め尽くす。

今までずっと、駄女神(ヘスティア)と二人きり。

こんなファミリアに入ろうとする変わり者なんていないし、ずっと誰かを尊敬するしかなかった日々。

しかし、今日初めて尊敬された。

初めて団長と呼ばれた。

その事実が、彼女の脳内麻薬を大量分泌させる。

 

「────いいでしょう!リリについてきてください!!お二人は、リリが面倒を見ます!!」

 

「流石リリ団長!!」

「頼もしいです、リリ団長!!」

 

屈託のない笑顔で拍手をしながらリリルカを褒め称える二人。

嘘は言っていない。

紛れもない本心だ。

それが分かっているこそ、リリルカもここまでの反応をしているのだろう。

だが、それはそれとして。

 

「我が眷属(こども)ながら、流石にチョロすぎない?」

 

ほんの少しだけ、リリルカのことが心配になったヘスティアだった。

 

ちなみに、初めてダンジョンに行ってトンデモ行動を取り続ける二人を見て、リリルカがいじけるのはまた別の話。

その機嫌を取るために三人が奔走するのも、また別の話だ。

 

◇『星屑の庭にて』

 

「春姫殿!!」

「おお、春姫!」

 

「命ちゃん!!タケミカヅチ様!!」

 

互いの存在を確認した瞬間、それを確かめるかのように駆け寄って抱擁を交わす三人。

一瞬遅れて、タケミカヅチ・ファミリアの全員が駆け寄り、全員で無事を確かめ合っている。

その様子を見て、ベル達は穏やかに笑っていた。

 

「ありがとうね、アストレア。こんな場を設けてもらってさ。ウチもタケのとこも狭くて……」

 

「構わないわ、ヘスティア。輝夜にとっても関係のあることだし」

 

「それでもありがとうございます、アストレア様。春姫さん達の、再会の場を用意していただいて」

 

「気にしないで。7年前の、返しきれないほどの恩があるのだから」

 

「7年前?」

 

「…………なんでもないわ。忘れて」

 

口を滑らせたと言わんばかりに頭を振って誤魔化すアストレア。

その様子が少し気になったが、それよりももっと別な話題にベルのリソースは割かれることになる。

 

「それにしても、安心したぞ、春姫!サンジョウノの家が焼き討ちにあったと聞いてから、心配で仕方なかったんだ!」

 

「ギクゥッ!」

 

「そうです!聞けば高位氏族もすべて廃絶させられ、朝廷そのものが一度転覆させられたとか!大丈夫だったのですか!?」

 

「祭器の類もすべて壊されたとか」

「アマテラス様がぶん殴られたとか」

「他にも多くの貴族が襲撃にあったとか」

「色々聞いてたんだ!」

 

「ギクギクゥッ!」

 

「…………なんだか、様子がおかしいね?」

 

春姫はこの話題になってから冷や汗をかきまくってるし、ベルは頑なに目を合わせようとしない。

 

「そ、その時は既に諸事情あって勘当されて、ヘラ・ファミリアに入った後でしたので…………」

 

「なに!?そうだったのか!?」

 

「ならば女神ヘラ様にお会いした時は、より一層お礼申し上げなくては!」

「ああ、そうだな!気難しい神だが、この礼だけは必ず伝えないと!」

 

「ソ、ソウデスネ…………」

 

消え入りそうなほどか細い声。

絶対に何隠してる。

 

「ねえ、ベルくん?君達────」

 

「と、ところでタケミカヅチ様!極東の事情にお詳しいんですね!やっぱり、繋がりのある神様と文通でもされてるんですか!?」

 

あからさまに話題をそらした。

それを見てより一層疑念を深めていくが、この話題の選択は間違いだった。

 

「いや、ツクヨミ達も何処かで漏れるのを警戒して手紙では迂闊なことを書けないらしくて、詳細は知らないんだ。だが、当事者の一人が1年ほど前に俺達のファミリアに入ってくれたのでな」

 

「口数が少ない方ですし、このことはあまり語りたくないのか中々話してくださらないのですが、それでも尋ねれば少しずつ教えてくださって!」

 

「ど、どの方で……?」

 

「まだ来てないんだ。こういう場があまり好きではないようでな」

 

「今輝夜が迎えに行ってるわ。その子は輝夜の妹だから」

 

「か、輝夜様の妹御…………あれ?まさか────」

 

「輝夜さんってアストレア・ファミリアの黒髪の方ですよね?ちなみにですけど、家名をお伺いしても…………?」

 

ベルと春姫の冷や汗が止まらない。

嫌な予感はすぐそこまで迫っている。

 

「まったく、我儘もいい加減になさいな。タケミカヅチ様たちを困らせるものではありませんよ?」

「黙れ、出来損ない!!」

 

「おやおや、あれだけ痛めつけられてもまだ足りないようで。そんなにお姉ちゃんに構ってほしいのですか?」

「その猫かぶりをやめろ、気色悪い!そもそも、私には関係ない集まりだろうが!!」

 

「拾われた御恩を忘れるな、愚妹が。家を飛び出して行く宛もないお前を同郷だからと受け入れてくださっただろうが」

「うるさい、頼んでない!私は一人でもなんとかなった!!私は仲良しこよしをするためにここに来たわけじゃない!私は強くなりに来たんだ!」

 

「無駄な虚勢を張るな、ぶぁかめ。もう一度教育されたいか?私に手も足も出ない分際でほざくな」

「貴様こそほざくな!私は貴様なんぞ眼中にない!私の標的は、あの男だけだ!」

 

「一人の男に懸想とは。おぼこ娘が言うようになりましたねぇ」

「そんな生易しいものではない!今の貴様といえど、あの男の前では成すすべもないのだからな!」

 

「分かった分かった。後でいくらでも聞いてやる。今は少なくともまともにしろ」

「チィッ!!」

 

そんな会話が聞こえてきたかと思えば、庭に現れたのは二人の着物を着た美女。

一人は首根っこを掴まれ引きずられるように連れてこられている。

だが、そんなものはどうでもいい。

この声に聞き覚えがある。

ていうか、姉妹だという姉にその面影を感じていた時点で分かっていたことだ。

 

「遅くなり申し訳ございませんね、皆様。この愚妹が言うことを聞かないもので」

 

「うるさい!来てやっただけ感謝─────」

 

首根っこを掴まれ後ろを向いていたが、言い返すために振り返ったときだ。

その顔が、二人の目にも飛び込んできた。

 

「ヒィッ!さ、サクヤ様!?」

「ゲェッ、サクヤさん!」

 

「お前、化け狐!それに!!」

 

二人の顔を見て、先程まで姉と言い争いをしていたことすら忘れた様子で、酷い形相でベルを睨むサクヤ。

そして、刀を取り出して斬りかかる。

 

「死ねえええええええええええええええええええっ!!因幡の白兎ィッ!!」

 

「“福音拳骨(ゴスペルパンチ)”!!」

 

「ブッフォっ!!」

 

義母直伝、鐘の音とともに放たれる不可視の拳────“福音拳骨(ゴスペルパンチ)”。

痛みを与えることと意識を奪うことに特化しており、これを喰らったものは例外なく地に沈むことになる。

まあ、沈むというより吹き飛ぶんだが。

 

「ふぅ、ビックリした。なんでいるんだろ……」

 

「はぁ…………今回はあの愚妹が明らかに悪いから何も言えんが、他人様の妹に何をしてくれる、小僧」

 

「す、すいません。でも、しょうがないじゃないですか。僕、あの人に命狙われてるんですから」

 

「なんで命狙われてるのさ?」

 

気まずげに目を逸らすベルと春姫。

必死に沈黙を守ろうとするが、やがて耐えきれなくなったのか小さくその言葉を溢す。

 

「そ、その……朝廷、転覆させたから、みたいな?」

「例のバカげた騒動を引き起こしたのはお前か!?」

 

「ま、まさか春姫殿のご実家を焼き討ちしたのも!?」

「それは違うんです、命ちゃん!勘当されたのに戻った私を悪様に言うお父様に、ベル様とアルフィア様とヘラ様が怒ってくださって!!家を半壊させたのはそうですが、その、それを見て慌てた私はうっかり灯籠を倒して、その…………燃えちゃって…………」

 

「じゃあ祭器の破壊は!?」

「一番重要そうな剣を壊したのは本当にごめんなさい!!でも、お義母さんがあのタイミングで投げてくるから!!」

 

「高位氏族廃絶は!?」

「ぶっちゃけあれはしょうがないです!貴族腐ってましたし!一回全部壊すしかやりようがなかったんです!」

 

「じゃあ、あの愚妹に命を狙われてるのは?」

「貴族たちを廃絶させていく中で刺客として送り込まれて、まあ普通に撃退できたんですけど、初めて負けたのがショックだったのかそれ以降命を狙い続けてきて…………」

 

「死ねえええ、大罪人め!!」

「“福音拳骨(ゴスペルパンチ)”!!」

 

「今のサクヤじゃなかっただろ!何処の刺客だ!?」

「多分アルテナです!研究内容が気に喰わなかったからオーディンぶん殴って研究施設破壊したらそれ以降命狙われてるんです!」

 

「お前、全部話せ!何処の誰にどれだけ命を狙われてるか、全部だ!!」

「全部なんて、覚えてないですよ!!」

 

「どれだけ恨みを買ってるんだ、お前は!!」

「ベル様は感謝もされてます!!罪人都市ベルゲンの囚人全員を更生させた時など、皆様から感謝されてました!!」

 

「あの珍事を引き起こしたのもお前か!!」

 

「ベルくん!全部話すんだ!!」

 

…………

………

……

 

【極東】

罪状

・朝廷転覆

・全貴族廃絶

・情けなかったアマテラスに拳骨

・貴族邸を焼き討ち

・祭器強奪

・祭器破壊

・その他、余罪多数

功績

・国内全モンスター討伐(学区と協力)

・飢餓や貧困の解消

 

【魔法大国アルテナ】

罪状

・重要研究施設破壊

・研究員に暴行

・研究結果の抹消

・その他、余罪多数

功績

・研究の犠牲になった存在の救済

 

【罪人都市ベルゲン】

罪状

・囚人二名の逃亡を許す(その囚人による被害は未だ未確認)

・囚人や看守(神)への暴行と調教

功績

・罪人都市の健全化

・全囚人の更生

 

▶偉業

一つの例外を除き、すべての国から出入り禁止を言い渡される

 

その他、別紙記載

 

 


 

 

ベル・クラネルCルート

レベル:7

通り名:【災禍】【白い悪魔】【因幡の白兎】

所属:ヘラ→ヘスティア・ファミリア

スキル:

此岸静穏(イレギュラー・レコード)

家族の物語(ファミリア・ミィス)

・状態異常への高耐性。

・魔法効果増幅。

・神血共鳴。イコルを同じくする眷属に、状態異常・精神汚染への高抵抗付与。

不撓一途(フィリアス・フレーゼ)

・逆境時、全ステイタスに超高補正。

・逆境時、全ステイタスの限界突破。

・逆境時、獲得経験値増加。

・不屈の意志が続く限り効果持続。

・意志の丈により効果向上。

英雄之船(アルゴノゥト)

・能動的行動に対するチャージ実行権。

・いずれ巡り会う愛しき英雄たちへ(08/08)。

・◾️◾️◾️◾️発現者と共鳴。

魔法:

【サタナス・ヴェーリオン】

速攻魔法

追加詠唱:【炸響(ルギオ)】

発展アビリティ:

幸運:C

魔導:F

精癒:G

逃走:H

魔防:I

覇光:I

装備:

【晩鐘の大愚剣】

・長剣。専用武装。

・素材は『ヘスティアとアルテミスの神血』『アンタレスの黒針』『ウダイオスの黒剣』『ベルが工場から奪った魔石』『ミスリル』その他諸々。

・ありとあらゆる負債を背負わされたこっちのベルを流石に気の毒に思ったへファイストスが製作を主導。

・へファイストス直接監修の元、ヴェルフが作った渾身の一振り。文句なしの超第一級武装。お値段は10億ヴァリス(すべてヘファイストスへの慰謝料:完済済み)。

・完成後ヘルメスを通じてベルに渡され、それ以降ベルは誰が何故作ったのかも分からないまま愛用している。

【残響の魔法衣】

・ヘラ・ファミリアが残した魔法衣を使って作られた戦闘服。アルフィアが持ち前の才能をフルに発揮して一針一針丁寧に仕上げた一品。

・髪型や服のデザイン、コーディネートに至る今のベルの装いはヘラの趣味が全開で作られている。

技:

「斬響」

「【サタナス・ヴェーリオン】─“アンジェラス”」

 

サンジョウノ・春姫Cルート

レベル:4

通り名:【災厄の狐】【傾城傾国】【愛息子の純潔を狙うエロ狐】

所属:ヘラ→ヘスティア・ファミリア

スキル:

妖想狐術(ミクズメノホウ)

・魔法効果増幅。

・精神力消費効率化

八咫合鏡(ヤタノアワセカガミ)

・魔法発動の要間隔短縮。

・魔法の持続時間延長。

・精神力の常時自動回復。

妖狐嫁入(キツネノヨメイリ)

・魔法使用時、『魔力』『耐久』に高補正。

・魔法使用時、『力』『敏捷』に弱化補正。

・魔法非使用時、『力』『敏捷』に高補正。

・魔法非使用時、『魔力』『耐久』に弱化補正。

魔法:

【ウチデノコヅチ】

・階位昇華。

・発動対象は個人限定。

・発動後、一定時間の要間隔。

・術者本人には使用不可。

【ココノエ】

・付与魔法。

・詠唱連結。

・連結対象の魔法効果を装填。最大発動数は九。

【    】

装備:

【天の羽衣】

・実家(サンジョウノ)にあったものをドサクサに紛れてアルフィアがパチり、それを仕立て直した一品。

・多分元は神事とかに使われる由緒正しい羽織だったが、ヘラ・ファミリアにとっては有用な防具以外の価値はない。おかげで今では立派なメイド服。

・ちなみに、他にもいくつかパチった。

発展アビリティ:

魔導:G

精癒:H

調合:I

 

 

二人がやったこと(やらかしたこと)

【極東】

学区と協力し国内に蔓延るモンスターを総退治

国内に蔓延る腐敗貴族や敵対派閥もろとも、朝廷を一度壊滅、転覆させる。その最中一人の暗殺者に命を狙われるも撃退。因縁が出来た結果、【因幡の白兎】と呼んでくるストーカーが爆誕。ついでに気に食わない神ぶん殴ったり、不甲斐ないアマテラスに拳骨食らわせたり、あるモンスターを倒す際に宝剣を掻っ払ってそのまま壊したり、色々問題行動を起こして国外退去及び入国禁止に。

 

この件を聞いたとある正義の剣士の反応

『…………はあ?』

 

【闘国テルスキュラ】

腕試しのため全アマゾネスと決闘、勝利。テルスキュラを事実上崩壊させるも、今は国規模のストーカーに悩まされている。ついでにうるさかったのでカーリーにゲンコツを喰らわせる。当然国外退去及び入国禁止。

 

この件を聞いたとあるアマゾネスの姉妹の反応

『『何やってんだ、あのバカ!!』』

 

【魔法大国アルテナ】

気に食わない研究や暗躍をしていたため、重要な研究施設を破壊。ついでに鬱陶しかった大神オーディンをブン殴る。そして国外退去及び入国禁止、今も命を狙われている。

 

この件を聞いたとある正義の魔導士の反応

『これが、踏みとどまるキッカケになれば……』

 

この件を聞いたとある魔術師(メイジ)の反応

『ザwwwマwwwwアwwwww!!フゥッ、ヘラ・ファミリア最高!!』

 

【罪人都市ベルゲン】

収容されていた囚人全員を一度完膚なきまでに叩きのめす。収容されていた双子のエルフに何故か付け狙われるも撃退。しかし脱獄を許した結果、ストーカーが増えた。ついでに双子のエルフ以外の収容されていた囚人全員を更生(調教)させる。

 

この件を聞いたとある正義の小人族(パルゥム)の反応

『Huh?』

 

【シャルザード王国】

侵攻し、都市を陥落させたラシャプ・ファミリアとワルサ国軍を再起不能にさせる。ラシャプ・ファミリアは全員ワルサ王国の王城まで連行した後拷問。団員は全員廃人化、主神ラシャプは自害(自らの意思で送還)にまで追い込んだ。救われたことに感謝しながらも、再興している最中に他国と足並みを揃えないわけにもいかないため、やむなく出入り禁止を言い渡される(内緒で訪れれば、国賓クラスの待遇を受ける)。

 

【ラキア王国】

オラリオに来る前、休息のために訪れたら主神アレスに絡まれた結果軍隊を差し向けられ、しょうがなく壊滅させる。残存していたクロッゾの魔剣を全て叩き折り、ついでにウザかったアレスをブン殴り、無事国外退去及び入国禁止処分に。

 

この件を聞いたとある炎の鍛冶師の反応

『相変わらずバカなことしてんな……』

 

【帝国】

強引に勧誘してきた国。同時期に訪れ勧誘されていたレオンを学区ごと巻き込んで大騒動に。王族をブン殴り、城を全壊させたことで国外退去及び入国禁止を言い渡される。一応対外的な立場があり、ベルほどやり過ぎなかったレオンは免れた。

 

【ベルテーン】

国を苦しめていた「沼の王」を討伐。珍しく何も問題を起こさず、またとても平穏に人知れず入国していたこともあり、入国禁止処分にはならなかった。現状、ベルたちに入国禁止を言い渡していない唯一の“国”。

 

【学区】

共闘などのも含めて一時期行動を共にした結果、色々あって学区内に応援者(ファン)否定者(アンチ)を増産。学区を二分する大騒動の原因になった。ベルと春姫のファンクラブ、通称『ベル春FC』は今や教師でも無視できないレベルの規模になっている。ファンはベルがもたらした功績や偉業を間近で見て触れてきたのが大半。アンチも憎んでるわけではないが、アルフィアが学区の教員軒並み半殺しにしたり、ベルがブチギレてワルサ王国でラシャプ・ファミリアを拷問したりしたのを重く感じてる。ちなみに、FC筆頭はどこぞのハーフエルフ。

 

この件を聞いたとある受付嬢の反応

『な・ん・で!!そんなことになってんのっ!?』

 

【その他】

これ以外にも多くの国から出禁を言い渡されてきた。言うまでもないが、ラキアとシャルザードの一件を除いてこれら全てはアルフィアとヘラの指示によるもの。こうして、一つの例外を除いて訪れた全ての国から出入り禁止を言い渡されるという偉業を成した。

 

 


 

 

あとがき

 

もっと書きたいことがありますけど、長くなりそうなので一旦ここで終了。

次回は調子が良ければ明日、遅くなれば来週?

 

最悪世界のベルくんですけど、初見殺し性能が半端じゃない。

最大限蓄積してたら、廉価版ジェノス・アンジェラスが無詠唱で飛んでくるわけですから。

しかも、スペルキーでもう一回遊べるドン!が出来るわけですし。

そっちに気を取られ続ければ、斬光が飛んでくるし。

接近戦もバカ強いし。

ザルド評価で、『強いのはアルフィアだけど、戦いたくないのはベル。魔法剣士としての完成度ならベルの方が上』という感じ。

ちなみに、【不撓一途(フィリアス・フレーゼ)】を見たアルフィアが『こいつ、追い込めば追い込むだけ強くなるな』って思って面白がった結果、ベルくんはより一層地獄を見るようになった。

 

ベルくんから春姫さんへの恋愛感情は今のとこない。

というか、アルフィアとの地獄の特訓のせいで、黒竜倒すまでその手の感情が死んでしまってる。

アルフィアから春姫さんへの評価は、『まあ悪くない』。

色々言いたいことはあるが、春姫にならベルを任せても良いと思ってる。

それはそれとして、16で子ども作るような真似したら殺す……って感じ。

 

次回は本拠の改装と、本拠に襲いに来た冒険者たちを春姫さんが撃退したり。

学区を二分する戦いをベルくんが喧嘩両成敗したり。

そんな感じになると思います。

 

他になんか書こうと思ってたけど忘れた!

すっごいモヤモヤするけど、疲れたからおしまい!

思い出したら次回のあとがきで書きます!

 

追記:

思い出した!

都市外での活躍だから最初は控えめのしようと思ってたんですけど、もう色々やらかせば面白くね!って思ってこうなりました。

結果、ほぼ全ての国から出禁受ける最狂ベルくんが誕生しました。

これを書こうとしたんだ!

 

 

以上、あとがきでした

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

二人の姫と出会った少年は英雄の道を歩む(作者:Kkky)(原作:ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか)

この物語は、本来なら出会うことも見ることもなかった一人の女がある少年の“髪”を見てしまったことにより分岐した世界。▼その出会いによる変化がもたらすものは喜劇か、はたまた悲劇か▼これは少年が突き進み、少女が歩む、眷属の物語(ファミリア・ミィス)。▼


総合評価:8410/評価:9/連載:123話/更新日時:2026年07月18日(土) 00:00 小説情報

アーネンエルベの兎(作者:二ベル)(原作:ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか)

「忘れないで、私達はいつだって貴方と共にある」▼「忘れない、貴方達がいたことを」


総合評価:5826/評価:8.9/連載:139話/更新日時:2026年05月23日(土) 23:28 小説情報

時を渡る正義の乙女たち(作者:UBW・HF)(原作:ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか)

時を渡る道化師の活躍により、悲劇は防がれた。▼だが、その道化師の全ては世界により消し去られてしまった。▼これは、そんな物語の続き。▼終わりの続き。▼神々よ、ご照覧あれ。▼※注意※▼時を渡る道化師のネタバレがあります。▼時を渡る道化師の内容が前提となっているお話です。▼以上の二つにご注意して、御覧ください。▼


総合評価:1661/評価:8.96/連載:5話/更新日時:2026年06月20日(土) 22:30 小説情報

さあ──『喜劇』を始めよう!(作者:Sakiru)(原作:ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか)

それは何の因果か。▼少年(ベル・クラネル)はその英雄譚を聞いた時──嘗ての記憶(ぜんせ)を思い出した。『始まりの英雄(アルゴノゥト)』と呼ばれていた己の記憶を──。▼そして十数年の刻が流れ────。▼「ふはははははは! 迷宮都市(オラリオ)よ、待たせたな! 遂に私が来たぞ! このベル・クラネルがな! そして今一度誓おう! 私は『英雄』に至る!」▼さあ──『喜…


総合評価:12690/評価:8.83/連載:91話/更新日時:2025年10月06日(月) 19:00 小説情報

白き英雄譚(作者:ラトソル)(原作:ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか)

英雄は時を超え、暗黒の時代へとたどり着く。▼彼はそこで何をなすのか。▼旧名「英雄は暗黒期に何を成すのか」


総合評価:8501/評価:8.95/連載:41話/更新日時:2025年07月09日(水) 00:00 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>