またまた続きました。でも前回より短いです…ごめんちゃい
渋谷駅地下構内にて虎杖悠仁を探すツギハギ顔の呪霊である真人が走っていたところ急に立ち止まる。
「地上に出ていた俺の分身が祓われた…」
真人は数刻前、虎杖を殺したい真人と同じ呪霊の仲間である虎杖を殺したくない漏瑚の意見のすれ違いから行動を止められそうになったので、地上に出る分身と地下を探す本体に分かれていた。そして地上に出ていた分身が何者かに祓われ今に至る。
「(俺の分身は無為転変で自分の体の形を変えることは出来ても、相手の魂の形は変えられない、しかし魂を知覚しなければ俺にダメージを与えられない。つまり、俺を殺せる術師が
真人の分身を祓った金髪の術師、禪院直哉の姿を思い浮かべて真人はその口元を微笑み、歪ませる。
「虎杖も殺したいけど…アイツも殺したくなったなぁ」
◆◆◆
「…なんや、どういう状況や?」
投射呪法によって高速移動をしていた直哉は、渋谷のスクランブル交差点で金髪のサイドテールの男が、瀕死の伏黒恵が十種影法術により呼び寄せた
「見れば分かるだろ!なんとかしろよ!」
「うっさいわ、指図すんなやドブカスが」
直哉は口では言ったものの、この魔虚羅の存在自体は禪院家の相伝である十種影法術だと当たりを付け、その対処をするべく、魔虚羅を呼び寄せた伏黒恵を探し、辺りを見回す。
すると少し離れたところに建物にぐったりと倒れ込んでおり、少なくとも無事なようには見えなかった。
「大方道連れのように呼び寄せたんやろうけど、思い切りが良すぎやろ恵くん…このまま見なかったことにしてもええんやけど、宗介くんにバレてどやされるのも嫌やし、助けたるわ」
直哉は伏黒に触れると、反転術式を行った。
そもそも反転術式は使用者そのものも少ないが、他人に対してのアウトプットでの反転術式は五条悟ですら不可能で、完全なセンスによるものが大きく、使用者は数名に絞られる。
しかし、こと投射呪法の術師は自身の術式を相手に強要させる事ができる点から、反転術式さえ使えるならその応用であるアウトプットの反転術式も他の術師に比べて幾らか使える可能性は理論上あり、そのことを指摘した愛染宗介により、禪院直哉は反転術式のアウトプットが可能となった。
「恵くんを治したんはええけど、あれどないすんねん…。まぁでも、ちよーっと試してみよか」
直哉は魔虚羅に向かって歩き出し、舌なめずりをした。
「俺がどれだけ強くなったんか自覚出来ひんかったからな、相伝の術式相手に試させてもらうわ」
「ひぃ、助け___」
直哉の目の前では呪詛師、重面春太の頭に魔虚羅の攻撃が振るわれようとしていた。
「多分恵くんはコイツと2人での調伏って事で呼び寄せたんやろな、せやから、俺がその儀式を無効にしたるわ」
直哉は投射呪法によって重面を助け、再度魔虚羅と向き合う。
魔虚羅は直哉を視認すると、直哉目掛けて右手に付けられた刀を大きく振るう。
「トロいわ」
直哉は瞬時に魔虚羅に近づき、投射呪法によってフリーズさせ、蹴り付ける。
「(魔虚羅は歴代の十種影法術の術師の誰も調伏出来ひんかった式神や、その魔虚羅の怖いところは適応力の高さにある)」
直哉は蹴り付け、後方に飛ばし投射呪法の加速に投射呪法を重ねる。
「(魔虚羅に俺の投射呪法が適応される前に倒し切る)」
現在直哉は投射呪法によって加速を繰り返し、その速度は亜音速の域にまで達し、そのままのスピードで魔虚羅に飛び蹴りを喰らわせ、そして更に加速させる。
「(力は重さと速さや、最高速度でブチ抜いたる!!)」
直哉はあまりの速さによって歪む体を、呪霊の血が混ざった体の根本的な強度と、尚且つ関節部分に呪力と反転術式を回すことによってカバーし、その速さはついに音速の域…マッハ2へと辿り着いた。
直哉が通る道の周りの建物のガラスが割れるほどの衝撃波を出しながら魔虚羅を蹴り付ける。
その攻撃は知覚することも難しく、本来であれば反撃などできない…ただし、魔虚羅の能力は高い適応力ではなく"あらゆる事象に対する完全適応"である。
魔虚羅は最初の直哉の投射呪法のフリーズからずっと適応を繰り返し、亜音速レベルの速さの直哉に対しての適応を完了させ、更にマッハ1段階の直哉の速さに適応した魔虚羅の反撃は、偶然にもカウンターを喰らわせるかのように直哉に直撃し、左腕を吹き飛ばす。
「クソが、やられたわ…」
直哉と魔虚羅のお互いが倒れ伏し、直哉は失った腕を反転術式で戻すが、その呪力量は心許ない。
「もうちょいどうにかなる思うとったんやけどな…悟くんと同じ眼と術式持ちでも敵わんかったんも納得やなー」
フラつきながら立ち上がる直哉は、魔虚羅に笑う。
「もしかして、宗介くんはこの展開を予想して決め手を用意しろ言うてたんかもなー」
直哉は投射呪法のできる決め手を用意するように愛染に言われていたが、最高速度がマッハ2に達してからその必要はないと断じていた。しかし傷が治りつつ完全適応を済まそうとしていた魔虚羅相手にそのことを後悔した。
「いかんなー、呪力の残りも少ないし、このまま俺は死ぬのかもしれへんな………思うてへんけど」
しかし、この極限状態の直哉は更に上のステージへと上がる。
死地にて掴んだ、まるで世界そのものを掴むかのようにして、近づく魔虚羅の胴体に手を置き…呟く。
「極ノ番『たそがれ』」
魔虚羅を中心に世界が割れるかのようにひび割れ、直哉が手を置いた部分から魔虚羅の体は粉々となっていく。
極ノ番『たそがれ』とは直哉が死期を悟った境地から、空間そのものに対しての投射呪法の使用であり、"空間"をフリーズさせると世界そのものはその"空間"を修復しようと動く、しかし一秒のフリーズから"空間"は停止し、世界のズレとバグが起こり…結果、"空間"は崩壊する。
この極ノ番は世界そのものに対しての干渉であり、仮に無下限であってもこの世界のズレを回避することは…出来ない。
「あーしんど…呪力が一ミリも練られへんわ」
直哉は魔虚羅との戦闘が終わり伏黒の元まで戻り、見るからにぐったりとする。
「いやー助かったー。俺って運良いからまた助かっちゃったなー」
「五月蝿いわ、さっさと去ね」
本来であれば、呪詛師重面春太は直哉が魔虚羅と対峙した瞬間に殺されていてもおかしくはなく、生かされる意味はない。
しかし重面春太の術式は"奇跡"を貯める。日常の小さな奇跡を重面の記憶から抹消し、奇跡を蓄える。それ故、"奇跡的"に直哉が重面を殺さずに魔虚羅を優先させて、"奇跡的"に重面の目の前で直哉が呪力切れを起こした。
「助けてもらったところ悪いけど、俺って恩を仇で返しちゃうタイプなんだよねー。だからさー、死んでくれる?」
重面春太が持ち手が人の手で出来ている呪具を振りかぶると、背後から飛んだ釘が腕と足に刺さり重面春太が呻き声をあげて蹲る。
「ナイスタイミングってとこね」
そこには釘崎野薔薇が駆けつけていた。
この時、重面の貯めていた奇跡は、目の前で直哉が呪力切れを起こした段階でゼロとなった。
尚、直哉は内心気の強そうな女であったことから辟易することとなる。
◆◆◆
地下五階を目指す半ば、呪霊に変えられた改造人間が多いと思っていたが、やはり奴がいたね。
「愛染宗介、夏油傑…そして虎杖悠仁!」
真人が私たち一行を"ちゃんと"認識していた。そうか、やはりな…真人は私にとっての天敵であった。
お疲れ様でした。
渋谷事変、場面転換が難しすぎる…
他人に対しての反転術式、(創作)獄ノ番、最高速度マッハ2、実は直哉くんめちゃくちゃ強くなってる?
ちなみに釘崎辺りの話はダレそうだったのでどう差し込むか、そもそも省くか悩み中、多分このまま伏黒と一緒に戦線離脱かな…