【完結】機動戦士ガンダムSEED Revelation ~紅蓮のフレイ~ 作:kayako
ガンダムSEED・SEEDDestinyを元に、サイ・アーガイルをメインとして新たな物語を構成する!!という試みの元、10年以上書き続けて2021年にpixivにて完結した作品です。
書くにあたり、自らに課した縛りの一部が以下の通り。
・種・種運命で描かれた本編の歴史改変禁止
(※書いた後に公式から発表された設定と、書いた内容が矛盾するのはノーカンとする。
つまりエクリプスや、2024年公開の劇場版などの設定は一切考慮に入れておりません!)
・MSに乗るオリ主人公・オリジナル主役機体を別に設定する
これらの縛りと「種運命時からその後にかけてのサイを描く」という想定により、
オリキャラ乱舞が回避不可能です。オリキャラ苦手な方は十分ご注意ください。
☆本作品はpixiv、自サイト(ttp://kayako.okoshi-yasu.com/gseedevoindex.htm)にも掲載しております。
☆キャラクターに対するアンチ・ヘイト描写は全編通して殆どやっていないつもりですが、一部そう受け取られても文句が言えない描写がある為、タグはそのようにさせていただいております。苦手なかたはご注意ください。
part1 時が止まった日
第2次ヤキン・ドゥーエ攻防戦が終結した、C.E.71年9月27日。
俺は、何も出来なかった。
目の前で泣いているキラを前にして、俺は、何も出来なかった。
自分でも驚いたが、涙すら出なかった。
大破するドミニオンから飛び出した一隻の脱出艇。そこに彼女は乗っていた。
彼女を護るべく伸ばされたフリーダムの腕。しかしその手は届かず、彼女とともに脱出艇は撃沈。
──それが、キラから告げられた現実の全てだ。
あの時、モニターごしに見ていた宇宙の闇。
陽電子砲の攻防の直後、光となって吹き飛ばされたドミニオン。無数の熱い鉄屑となった戦艦の残骸が未だに僅かな光を放つ。
フラガ少佐の行動がなければ、あの鉄屑はそのまま俺たちの運命だった。彼もまた、ラミアス艦長の眼前で、艦長を護るように光の粒子となり消失した。
その片隅で生まれた紅蓮の光芒。あの中に彼女はいた。キラの絶叫と共に彼女は消えた。
──そんな現実を、どうやって認識しろというんだ?
ミリィが涙を流しながらも、必死で俺の腕をつかみ揺さぶっているのが分かったが、俺はそのまま立ち尽くしていただけだった。恐らくミリィは俺の表情を見て、さらに錯乱してしまったんだろう。
しっかりして、しっかりして、ねぇ、お願い。いつまでもミリィは叫んでいた。
ミリィの後ろにいたディアッカ・エルスマンが、何とも不器用に彼女を落ち着かせようとしているのも分かった。艦長席では、ラミアス艦長が未だに胸元のロケットを手にうつむいているのが見えた。
だが、俺に認識できたのはそれだけだ。
キラのように泣くことも、ミリィのように叫ぶことも、ましてや艦長のようにローエングリンを撃つことも、俺に出来はしなかった。
ただ、俺に向かってひたすら頭を下げ、慟哭し、彼女の死を自分の責任と思い込んでいるキラの肩に手を置くことぐらいしか、俺に出来ることはなかった。
その時確か、俺はこう言ったと思う。
お前が生きていてくれて、うれしい。
あいつだってお前の気持ちを、きっと理解したはずだ。
本当に、お前はよくやった。感謝してる。
「だからもう、何も心配するな。ゆっくり休んでくれ」
どんな声色で言ったか自分でも分からないが、それは確かに俺の、正直な気持ちだった。
ただ、その時から――
俺の時間は、止まった。
それは、かつて愛したはずの娘を目の前で爆死させられながら、彼女の存在をろくに認識することすら出来ず、彼女を守ろうと手を差し伸べることすら出来なかった俺への、当然の罰だったのかも知れない。
PHASE-00 Boy meets Girl,again.