今回少し?かなり短めです。
私、篠崎スイは記憶喪失だ。
自分が何処から来たのも、何者なのかも覚えていない。
そんな自分の記憶を思い出すまで、ここ、シャーレで先生のお手伝いをしながら私は日々を過ごす事になったのだった。
だけど・・・
「(この状況は一体・・・・・・!?)」
「初めまして、篠崎スイさん。私はアロナ。シッテムの箱のメインOSであり、先生の秘書をしています」
気が付いたら何故か、星々輝く青空教室で少女と2人きりになっていた。
シャーレの休憩室を部屋代わりに間借りしている私は、
今日の手伝いを終え、部屋で休息を取っていた筈、なのだけど・・・
気が付いたらここに居た。
考え付くのは眠っている間に運び出された可能性だけど、運ばれて気付かない程自分は深く眠っていたのか?最近夢ばかりであまり深く眠れてはいないのだけども。
目の前の少女、アロナは先程名乗った後、何故かずっと無言で私を見つめている。
言葉を待っているのか。それとも何かを見定めているのか・・・
でもこのままじっとしてるのは正直居心地が悪い。
敵意は感じないし、話しかけた方が良さそうだと覚悟を決める。
「えーと、アロナさん?でいいんですよね。あの此処は、一体・・・」
話しかけると彼女はハッとしたようで、朗らかに笑い返してきた
「・・・・・・ごめんなさい、驚かせちゃいましたね。どうしてもスイさんと1度と話をしたくて」
「秘書・・・というのは?」
シャーレに滞在して数週間になるけど、彼女の姿を見た事はない。
ひと月近くも先生の側にいて、その先生の秘書を名乗る人を見た事もないというのは正直不自然だ。
「秘書といっても、私はあくまでシッテムの箱のOS、実体はありません。やり方次第では出せなくもないですけどね
見た事ありませんか?先生の持つタブレット、あれがシッテムの箱です」
タブレット・・・先生が肌身離さず持ち歩いているアレの事かな?
「なるほど・・・えっとじゃあ、この場所は?」
「説明が難しいですが、スイさんの夢の中に私がお邪魔させてもらってる様な物、ですかね。ちょっと私に引っ張られちゃいましたけど・・・」
後半は声が小さく聞き取れなかったが、所謂夢の中という事らしい。
明晰夢の様な物なのかな?
「へぇー、キヴォトスの技術は凄いんですねぇ。夢の中に入れるなんて。つまり、アロナさんは、先生の元でお世話になってる私に1度会いたくて・・・みたいな感じですかね?」
私がシャーレに来てからひと月近くは経ってる点を見ると、もしかして秘書としてら相応しい人物かどうか監視されていたのかもしれない。
そう思うとこの可愛らしいこの笑顔が怖くなってきた。
いや、まだ間に合う筈。つまりこれは面接の様な物に違いない。正直、彼女に悪意は感じないが、何より言ってることが本当なら私の方が後輩になる訳で・・・
「じゃあ、改めて先輩に挨拶しなくちゃですね」
姿勢を正し、立ち上がる。
「私は篠崎スイです。これから暫く、先生の元でお手伝いをさせて貰う事になりました!宜しくお願いします!」
第一印象というのは大事だ。
「私」は「私」の事については思い出せないが、「私」がどの様にするべきかは何となく分かる。
差し伸べた私の手をアロナは握り返す。
「はい!これからよろしくお願いします!スイさん!」
それから少しの間だが、色々話をした。
「先生は何時も健康に悪い食事ばかりしているので、スイさんからも何か言ってあげてくださいね」
「そうなんですよ!先生と私は基本一緒に食事してるんですけど、私が来て最初の数日は先生が用意してくれたんです。でも、カップ麺が3日続いた辺りでアレ?って思って・・・」
それ以降は私が食事の支度をしている。
栄養学に詳しい訳ではないが、カップ麺だけが不味い事くらい分かる。ゲヘナ学園や、山海経には調理に詳しい生徒も居るらしいので、今度調理のいろはを習うおうかと考えている。先生と私の健康の為に!
「銃・・・ですか?」
「はい、キヴォトスの生徒は基本的に銃を所持しています。スイさんはどうやら持ってない様なので、手に入れて置いた方が良いと思うのですが・・・」
「なんて治安の悪さ・・・」
「それに、キヴォトスの外から来た先生には銃弾1つで致命傷です。いざと言う時に先生を守る力にもなりますから」
「それは・・・大事ですね。なるべく早く先生に相談してみます」
銃を持ってないと襲われる程とはどんな治安の悪さだ・・・
「すみません、私の方でも色々調べたのですが、スイさんに関する情報はまだ見つかってなくて・・・」
「いえいえ!謝らないでください!先生も、リン行政官も、それにアロナ先輩も!皆私の為に色々してくれて・・・感謝しこそすれ、悪くなんて絶対思わないですから」
先生に頼まれ、アロナ先輩の方でも色々調べてくれていたらしい。本当に先生には頭が上がらない。
しかし、未だに私の身元は不明だ。私が悪い訳では無いけど申し訳なさが凄い。
私は先生と違い、ヘイローを持つ。つまりキヴォトスの何処かの学園の生徒なのだろうとの事で、その筋で調べてくれているみたいだ。
何処かしらの学園の生徒だろうと言う点から、連邦生徒会が公的に認知、認可している学園の中の学籍を洗ってくれた様だが、そのいずれにも篠崎スイという人物は居なかった。
他の可能性としては、連邦生徒会が認知していない非公式の学園や、組織に所属している可能性な訳だけど・・・
あんまり胸を張れない様な身分だったらどうしようと怯える日々だ。
こちらの方は、データとしてすぐ調べる事も出来ない為、今すぐ調べる事は出来ないとのこと。それに先生達も暇では無い。本来の仕事の余暇にわざわざ調べてもらってるのにそう急かす訳にもいかない。
(やっぱり自分で調べれる様にしなきゃダメだな)
私自身不安なのもあって、未だにシャーレの外に出たことは無い。ただ、これ以上迷惑をかけるよりは、自分の足で外を見て回れば思い出すこともあるかもしれないし、いつまでも怖がってはいられない。
それに、アロナ先輩と話をしていて改めて気付いた事がある。
記憶喪失と言っても様々だ。
しかしどうやら私は、私自身に加え、キヴォトスそのものについての記憶が無い。キヴォトスでの社会常識等も全く分からないので、それが原因で外に出るのは控えて居たというのも理由としてはあるのだ。
「でも・・・ほんとに私は運が良いですね。偶然、先生達みたいな良い人たちに拾ってもらえて・・・・・・・・・」
夢の中というのに何故だが眠くなってきた。
「そろそろ時間ですね。色々お話出来て良かったです。改めてこれからよろしくお願いしますね!スイさん」
「はい、よろし・・・くお・・・」
振り払う事も出来そうにない睡魔が突然襲ってきて、話すのもままらならない。
視界が落ちていく・・・
「・・・本当に、偶然なんでしょうか?」
呟かれた言葉がもう1人の少女に届く事は無かった。
「って事があったんですよ」
「そっか。アロナに会ったんだね」
「はい!とても良い先輩でした!」
朝起きた時は夢でも見たのかと思ったけど、どうやら夢ではなかったらしい。
基本表には出てこないが、裏方としてサポートにアロナ先輩は回ってくれているのだろう。
ならこうして直接動ける私が、私に出来る事を頑張らねば!
「よーし!じゃあ今日も頑張って行きましょう!先生!」
「元気一杯だね」
「勿論です!先輩にも、先生にも、恥ずかしい所は見せたくないですからね!」
「短いのになんでこんな遅れてんだよカス」という謗りは甘んじて受けます・・・
言い訳をさせてもらうと、まあ普通に私生活が忙しかったというのと、とあるコラボのイベストを読んで一部分を丸々書き直したのも理由と言えば理由です。
文章量的には大した事なかったんですが、「この際今後との整合性も着くように決めちゃおう!本筋決まってるしラクショーよ楽勝」みたいなノリで書き直してたんですが、それがまあ進まず。
1週間に1万字以上のお話を何回も投稿される方には平服するしかありませんね・・・
とあるコラボは驚きましたけど結構納得でしたね。とあるシリーズは随分昔に見たキリだったので久々に見直そうかなと思います。世界観的にも気になる点が少し見えてきたりと良いシナリオでした。
以下本編について
スイとアロナの顔合わせ回です。
最初は1話で纏めるつもりだったのですが、時系列と話の章が多すぎるなと思い分けました。
基本的にはアロナチャンネルで見るようなスーパーなアロナちゃんですが、スイという身元不明の得体の知れない異物に対してちょっとお堅い感じにはなってます。アロナの立場を考えればまあ当然と言えば当然ですね。
ただまあ基本本編準拠なので、どうしてもアロナの出番は少なくなっちゃいそうなのが残念ですね。上手く登場さしてあげられらば良いのですが、作者の技量がそこまであるかどうか・・・
「買い出し編」とか「生徒同士の交流編」とかもちまちま書いて行きたいのでそこで登場させられたらなと思ってます。
所で、ハーメルンさんってPV?みたいなのって何処かで見れるんですかね?
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