色々と間違ってる異世界サムライ   作:モッチー7

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第24話:憧れと現実

セツナperspective

 

ウンコセインより早く魔王を斃す事にしたのだけど……

「して、その魔王とは何処に?」

ですよねぇー……ツキツバの言う通りです。

「僕達の向かう先は決まっています!グリジットです!」

ノノの奴が張り切って言ったけど、なんか嫌な予感がするわね……

「何言ってるの?グリジットにはヒューマン達が開催する円卓会議があるだけで、魔王に直接―――」

「待てよ……なるほど!ノノ殿そう言う事ですか!?」

どう言う事?て言うか、ノノの奴はアンタとウンコセインを遭わせる為にグリジットに向かうって言うのよ!

「円卓会議と言う事は、マモノにとっては敵陣営。この拠点を墜とせばマモノにとってはとても有利!と言う事ですな?」

ツキツバさん……時々怖い事を言いますな。

「グリジットは駄目よ!」

「何でですか!」

「円卓会議と言えば、魔王対策を話し合う場よ。と言う事は―――」

「だから僕達は急ぎグリジットに向かわないといけないんです!」

「そんな事をしたら主様があの似非勇者に出遭っちゃうでしょ!そんな事も解んないの!」

今度はノノとフラウが喧嘩を始めた……

……本当にあのウンコセインは私達にとっては厄災だわ。

誰が助けて……

「私はオーサムを希望します」

めぐみんまでノノの言い分に反対する。

「めぐみんさん、僕達は至急グリジットに向かわなきゃ往けないんですよ」

ノノ……目が怖い……

「ですが、このグループのリーダーはツキツバ・ギンコであり、そのツキツバが魔王に逢いたがっている……つまりその切っ掛けが必要となります」

お?……これはひょっとして助け舟か?

「そう言う意味でもグリジットでしょ。勇者セイン様が向かうのですから魔王に逢いたがってる僕達も勇者セイン様が率いる白ノ牙(ホワイトファング)と足並みをそろえるのは―――」

「アンタはアホなの!?そんな事をしたら主様があの似非勇者に出遭っちゃうでしょ!」

「お静かに!めぐみん殿の言い分が聞こえませぬ!」

ツキツバの一喝でノノとフラウの喧嘩が停まる。

うん。やはりこのグループのリーダーはツキツバだわ。

「で、めぐみん殿は何ゆえにオーサムを目指すのですかな?」

「実はな……オーサムに向かう街道の近くに在る廃城に魔王軍の幹部が引っ越して来たらしいのだ」

……前言撤回……

「めぐみん……お前はその廃城に爆裂魔法を打ち込みたいだけだろ!」

「確かに、私は爆裂魔法を撃つ為にアークウィザードになりましたー。ですが―――」

バカ!其処は今は隠せよ!

「はい却下。急いでグリジットに向かうべきだ!」

言うと思った……今のノノならそう言うと……

「その魔王軍幹部が大量のゾンビを率いて通せんぼをしていると言うのです」

「で、そのゾンビの群れに爆裂魔法を打ち込むと?」

「はい♪」

「はい却下―――」

「待った!」

「ツキツバさん!?」

「めぐみん殿、その魔王の家老がこの近くの廃城に移り住んだと言うのは本当か?」

めぐみんがキョトンとしながら答える。

「は……はい……そうです」

「ならば!その敵家老に問い質す方が早い!行き先はオーサム近くの廃城にしましょう!」

「でも!グリジットには―――」

「ではノノ殿、そのセイン殿は魔王の居場所を知っていると?」

「う……そ……それはぁ……」

うん!やっぱりこのグループのリーダーはやっぱツキツバだわ!

 

月鍔ギンコperspective

 

こうして、某達はとある廃城に到着したのです。

「では早速」

「めぐみん殿、それは流石に反則が過ぎるのでは?」

其処へ、1人の男性が馬に乗ってやって来てめぐみん殿を叱りに来た様ですが……

「そんな所で何をしている?」

この者!?

首を斬られても死なんのか……

「ん?抜くか?つまりこの俺の挑むと言う事だな?」

お?

某の手が何時の間に柄に?

この者、そこまでの相手か?それとも、この男が首を斬られても死なぬ事に驚いての事なのか?

と言ってる間にセツナ殿も戦う準備をしておりました。

「こいつ、デュラハンだ!」

「でゅらはん?」

某がセツナ殿と会話している間にめぐみん殿が前に躍り出ました。

「我が名はめぐみん!アークウィザードを生業とし、最強の攻撃魔法〈爆裂魔法〉を操りし者!」

「ん?最強?」

めぐみん殿の名乗りを聴いて何かを感じたでゅらはんが何か考え込んでいる様です。

「質問を変えよう。お前達が噂に聞く『サムライ』か?」

某を探していた!?

つまり、この者はでるべんぶろの仲間か!?

……この街道には幸い某達以外は誰もいない……なら!

「某は月鍔ギンコ!侍です!」

「ベルディアだ。魔王様の命により、貴様等を葬りに来た。アンデッドナイト!この連中に地獄を見せてやるがいい!」

「それはありがたい!丁度魔王に戦いを挑みたいところでした」

とは言ったモノの、先ずはこの者達を倒さねばあの者とは戦えず、あの者を倒さねば魔王とは戦えずと言ったところでしょう。

「ツキツバ……先ずはこいつらを蹴散らすぞ!」

「何という絶好のシチュエーション!感謝します、深く感謝しますよツキツバ!」

「いいぜめぐみん!遠慮無くぶちかましたれ!」

セツナ殿もめぐみん殿も戦う気満々です!

「黒より黒く、闇より暗き漆黒に。我が深紅の金光を望み給う。覚醒の時来たれり、無謬の境界に落ちし理。無業の歪みとなりて、現出せよ!踊れ、踊れ、踊れ!我が力の奔流に臨むは崩壊なり!並ぶものなき崩壊なり!万象等しく灰燼に帰し、深淵より来たれ!これが人類最大の威力の攻撃手段!これこそが究極の攻撃魔法!爆裂魔法(エクスプロージョン)!」

べるでぃあの配下がめぐみんの妖術であっという間に消し飛んでしまいました。

「凄く……気持ち良かったです……」

「あぁ!観てるこっちもな!」

セツナ殿は喜んでおりますが、その程度の者が暗殺と言う大事な責務を与えられるであろうか……

「クハハハハ!面白い。この俺自ら貴様らの相手をしてやろう」

すると、べるでぃあは手にしていた生首を突然真上に放り投げました。

すると、まるで最初からセツナ殿とフラウ殿がどんな攻撃をするのかを知ってるかの様に剣を振ってセツナ殿とフラウ殿を追い払いました。

「……その生首、それがそなたの目の役割を果たしている様ですな?」

「そう言う貴様こそなかなかやるな?あのヘタレ勇者とは大違いだ」

べるでぃあのその言葉にノノ殿が蒼褪めました。

「え……勇者セイン様が……敗けた……」

ですが、べるでぃあはそんなノノ殿を嘲笑う様にセイン殿の罵詈雑言を吐き続けました。

「勇者?未だに此処に戻って来ぬ人でなし共がか?」

「大体想像出来るが、何でウンコセインを人でなしと呼んでんだ?」

「決まっている。仲間を見捨てたからだ」

ノノ殿がべるでぃあの言い分を必死に否定しますが、当のべるでぃあはセイン殿の侮辱を止めません。

「そうは言っても、その全てが貴様らより劣っていたぞ?魔法はそこの頭のおかしい紅魔の娘の方が明らかに強力だったし、剣の重さもそこの変な服を着た娘の方が明らかに重かったぞ?」

「某がセイン殿より強い?」

「それにこの俺が真に頭にきている事は他にある」

「何です?」

「あのヘタレ勇者共は、俺に捕まった仲間を助けようと言う気概は無かったのか!?」

べるでぃあがセイン殿をこき下ろす度にノノ殿の顔がみるみる青くなっていきます……

「そんな筈は無い!勇者セイン様が仲間を見捨てて逃げたと言うのか!?」

ノノ殿は「違う」と言って欲しかったと思いますが、べるでぃあが冷酷に言い放った現実は……非情に残酷でした……

「……そうだ。疑うのであれば、あそこにある城に往ってみろ。そこにあのヘタレ―――」

某はべるでぃあの腹に飛び蹴りを見舞いました。

「う"ぷ!?今のは……剣閃はおろか体のこなしすら見えなかった!」

そんな事はどうでもいいです。問題なのは、

「何で殺してやらなんだ!」

「何?」

「セイン殿の仲間も戦死ならば、敵に捕虜にされ生き恥を晒すより、潔い討ち死にを望んでいる筈です……それを貴様は……」

「……本気度と度胸もあのヘタレ勇者とは別格か……」

その前に某がやるべき事は、セツナ殿への指示です。

「セツナ殿!その囚われの者の許へ疾く!」

だが、セツナ殿はでるべんぶろの事もあってか直ぐには動きません。

「ツキツバ!何を言ってんだ!?」

「敵は最早1人。数で勝は武士の恥です」

「待て待て!この前のデルベンブロの時もそう言って結局長期戦になっちまったじゃねぇか!」

その間に、べるでぃあが生首を上に投げ、上から某の動きを見ようとしている様です。

「油断だな。おしゃべりが過ぎた様だ?」

だが!

某は咄嗟にべるでぃあの突きを躱してその剣を下へと払い流しました。

「加勢は無用!」

そして、セツナ殿達がようやく動きました。

「解った!そいつはツキツバに任せた」

 

セツナperspective

 

ベルディアの言う通り……廃城の地下牢に1人のヒューマンが放り込まれていた。

間違いない……これがウンコセインの仲間の……

沸々と怒りがわき上がる。

セインはどこへ行った?

なぜ仲間を1人だけで戦わせた?

どうして助けに来ない?

お前はこいつを従えてた勇者じゃないのか?

セインとは、何様だ?

セインは誰だ。セインは何だ。大義とは何だ。未来とは何だ。ベルディアのせいなのか。こいつのせいなのか。どうして、なぜ、何の為に、何を成して、何を思って、何の権利が有って、何様の心算で、何故こいつが傷付いて、何故セインは逃げ切って、何故セインが生きている。何かが間違ってる。何もかもが歪んでいる。何が、何が、何が、何が。

頭は冴えるが腹の底では怒りが煮えたぎっていた。

ウンコセインをこいつの受けた痛みだけボコボコにしてから殺したかったが、すぐに手当てをしなければ不味い。

「おい!しっかりしろ!おい!」

「あ……セイ、ン……」

「こんな時までウンコセインの事かよ!しっかりしろ!」

ダメだ、意識が朦朧としていて危険な状態だ。

私は無理矢理ハイポーションをなんとか飲ませた。

ハイポーションは非常に優れた回復薬だ。

部位欠損は治せないが、骨折や内臓破裂くらいなら瞬時に修復してくれる。

ただし、あくまでも強引に元の形に戻すだけで、1度傷ついた箇所はダメージが残っていて傷が開きやすい。

どこか寝かせられる場所へ運び込まないと。

……その間、ノノの奴は何も出来なかった……

恐らく、ウンコセインの本性を見せられてどうして良いのか解らなくなったのだろう……

……もし今ウンコセインに出遭ったら、私は躊躇無くウンコセインを殺すだ―――

「これを使って!」

フラウが私に何かを投げ渡す。

「妖精の粉よ!それがあれはしばらくは飛行状態になる筈よ!」

つまり、さっさと空を飛んでさっさと病院を見つけろと?

……取り敢えず、ウンコセインへの恨みは後回しにする。

ベルディアと1人で戦っているツキツバの事も気になるが、先ずはウンコセインに見捨てられて重傷を負ったこいつからだ!




おことわり

最近、急に書きたい作品が複数浮かびましたので、しばらくはそちらの執筆に集中し、本作の連載ペースを大幅に減衰させる事にしました。
真に勝手ながらご了承いただければ幸いです。
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