切り札はゴキボール   作:白銀蟷螂

33 / 100
究極

 インセクト遊羽 LP4000

 

    VS

 

 ドラゴンプリンセス麗華 LP3700

 

 龍堂院麗華の高笑いが奴隷杯コロシアムに鳴り響いた。

 

「ほほ、おほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほっ!」

 

 自らへのダメージを0にするのではなく、《アルティメット・インセクトLV7》を守る選択をした遊羽を龍堂院麗華は嘲笑った。

 

「愚かですわ! デュエルアカデミアを卒業しようと底辺はどこまでも低能ということですわね。次席で卒業したというのも何かの間違いではなくて」

 

 《真青眼の究極竜》の攻撃が《アルティメット・インセクトLV7》に直撃する。

 リアルソリッドビジョンの衝撃で遊羽は仰け反るが、《アルティメット・インセクトLV7》は無事だ。

 

 インセクト遊羽 LP2800

 

「これで終わりではないのは、お分かりでしょう。サンドバッグですわ。エクストラデッキから青眼の究極竜を墓地に送り、もう一度その虫けらに攻撃!」

「耐えて、アルティメット・インセクト!」

 

 リアルソリッドビジョンの衝撃を堪えながら、遊羽はアカデミア時代から共に戦ってきた相棒を見上げる。

 

 インセクト遊羽 LP1600

 

「これで理解したでしょう! 前回あなたがわたくしに勝ったのはマグレ! トップスのVIPに底辺が勝てるわけがありませんわ!! 三度目の真青眼の究極竜の攻撃! ハイパー・アルティメット・バースト!!」

 

 リアルソリッドビジョンの衝撃を連続で受け続けて、遊羽の体が大きく後退する。

 

 インセクト遊羽 LP400

 

 三度にわたる《真青眼の究極竜》によって、遊羽のライフは風前の灯火であった。

 

「あら、僅かに残りしましたか。まあいいですわ。わたくしはターンエンド」

「私のターン、ドロー」

 

 引いたカードは《超進化の繭》。

 《真青眼の究極竜》を破壊できるカードではない。

 だからこそ、やはり《アルティメット・インセクトLV7》を守る判断が正しかったと確信する。

 

「さあ、あなたのラストターンでしてよ」

 

 同感だ。確かにこのターンがラストターンとなる。

 遊羽の勝利で終わるという意味でのラストターンだが。

 

「私は応戦するGをリリースして、マザー・スパイダーをアドバンス召喚」

 

 《マザー・スパイダー》

 星6 闇属性 昆虫族

 攻撃力2300 守備力1200

 

「ほほ、今更その程度のモンスターを出して何になりますの」

 

 確かに《マザー・スパイダー》にこの状況を打開できる力はない。

 重要なのはアドバンス召喚のために墓地に送られたモンスターの方だ。

 

「応戦するGの効果発動。このカードがフィールドから墓地に置かれた時、デッキから攻撃力1500以下の地属性、昆虫族モンスターを手札に加える。サーチするのは昆虫機甲鎧(バイオインセクトアーマー)

「攻撃力1500以下のモンスターなんて、何を手札に持ってきても無駄ですわ」

 

 否、これで《真青眼の究極竜》攻略の準備は整った。

 

「私はアルティメット・インセクトLV7に昆虫機甲鎧(バイオインセクトアーマー)を装備して、バトルフェイズに移行」

 

 《昆虫機甲鎧(バイオインセクトアーマー)》は昆虫族モンスターに装備できるモンスターカード。

 そして、バトルフェイズに入った瞬間、装備モンスターの攻撃力を1500、守備力2000ポイントアップする。

 

 《アルティメット・インセクトLV7》

 星7 風属性 昆虫族

 攻撃力4100 守備力3200

 

「こ、攻撃力4100っ! ですが残念でしたわね。わたくしの真青眼の究極竜の攻撃力は4500。それでは届かなくてよ」

「忘れたの。あんたの場のモンスターはアルティメット・インセクトLV7の効果で攻撃力と守備力が700下がってる」

 

 《真青眼の究極竜》

 攻撃力3800 守備力3100

 

「あっ! あ、あ、あっ、あっ!」

 

 酸欠の金魚のように口をパクパクさせる龍堂院麗華。

 

「アルティメット・インセクトLV7で真青眼の究極竜を攻撃!」

「そ、そんな虫けらに、わたくしの究極が負けるわけありませんわ! 迎え撃ちなさい、真青眼の究極竜!」

 

 《アルティメット・インセクトLV7》に装着された《昆虫機甲鎧(バイオインセクトアーマー)》の大砲から放たれた火炎放射攻撃と《真青眼の究極竜》の光線攻撃がぶつかり合う。

 拮抗したのは一瞬、光線攻撃が徐々に火炎放射に押し込まれていき、最後には《真青眼の究極竜》が炎上した。

 究極の名を冠する昆虫がバトルを制し、究極の名を冠する龍は灰となって燃え散った。

 

 ドラゴンプリンセス麗華 LP3400

 

「そんなっ! わたくしの究極モンスターが! そんなっ! どうして、どうしてっ!」

 

 龍堂院麗華が大声を上げて喚き散らす。

 

「で、ですが、まだですわ! そちらでバトルをしていないのは攻撃力2300のモンスターだけ。それなら私のライフはまだ」

「速攻魔法《超進化の繭》を発動!」

「あ、ああ、あああああ、あああああああああああああああああああああああああああっ!」

 

 《アルティメット・インセクトLV7》が黄金の繭に包まれるのを見て、龍堂院麗華が真っ青になりながら絶叫した。

 召喚口上を遊羽は高らかに言い放つ。

 

「地べた這いずる虫けらも

 ――羽虫となって(ソラ)を舞う」

 

 黄金の繭から巨大な蛾のモンスターが姿を現す。

 

「究極完全態・グレート・モスを特殊召喚!」

 

 《究極完全態・グレート・モス》

 星8 地属性 昆虫族

 攻撃力3500 守備力3000

 

「こ、こんなところで終われない! わたくしは取り戻さなくては! 栄光を! VIPであることの証明を! 妹から不当に奪われた次期後継者の座を!!」

 

 どうやら恨みだけでなく龍堂院には勝たなければならない理由があったようだ。

 だが負けられないのは遊羽とて同じこと。

 

「究極完全態・グレート・モスでダイレクトアタック! モスパーフェクトハリケーン!」

 

 遊羽の攻撃宣言によって巨大な蛾の竜巻攻撃が放たれる。

 

「んほぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

 

 リアルソリッドビジョンの衝撃を受けた龍堂院麗華は悲鳴をあげながら宙を舞った。

 そのまま股をおっぴろげにして地面に落下する。

 

 ドラゴンプリンセス麗華 LP0

 

 丸出しになった白パンツは黄色い液体でびちゃびちゃになっていた。

 

『決まったぁぁぁぁ! 究極対究極の戦いを制したのは、インセクト遊羽選手だぁぁ!』

 

 遊羽の勝利を告げるアナウンスと同時に観客席から歓声が上がった。

 

 ここで一人の男性がコロシアムに乱入してくる。

 高級そうなスーツを着た、厳つい顔の中年男性。

 その男性は黄色く染まったパンツを丸出しにして倒れている龍堂院麗華の元まで歩み寄った。

 

「お、お父様!?」

 

 龍堂院麗華が驚愕の表情を浮かべながら声を上げる。

 あの男性こそブラックドミノシティ四大企業、龍堂院カンパニーの社長、龍堂院正臣。

 

「お、お父様、この負けは何かの間違いで」

「麗華、お前は何という事を仕出かしたんだ」

 

 龍堂院正臣は明らかに怒っている様子だった。

 

「保有していた龍堂院カンパニーの株20%を売るとは、自分が何をしたか分かっているのか」

 

 その理由はどうやら娘が奴隷杯で負けたからというわけではないらしい。

 

「わ、わたくしは青眼の白龍を買うお金が欲しかっただけですわ」

 

 この家族間のやり取りにおける声が観客席に響いていないことに遊羽は気づいた。

 コロシアム内の音声拡張ドローンが停止している。

 おそらく龍堂院正臣が奴隷杯運営に止めさせたのだろう。

 

「株なんて後から買い戻せばいいでしょう」

「簡単に言うんじゃない! どこまで愚かなんだお前は」

 

 遊羽は株に詳しいわけではないが、会話の流れから察するに親族で過半数を保有していた自社株を売ったとかだろうか。

 素人目に見てもヤバいと思うが、どうやらあのお嬢様はそれが分からないらしい。

 

「言われるまでもなく株の買い戻しは清香を主導で行わせている。私がここに来たのは、お前に伝えることがあるからだ。最後になる以上、私の口から言うべきだと判断した」

「さ、最後、どういうことです、お父様」

 

 龍堂院麗華の声が震える。

 

「麗華、お前を龍堂院家から勘当する」

「えっ……?」

 

 それは龍堂院家当主から告げられた無慈悲な宣告。

 

「既に口座も凍結してクレジットカードも止めた。デュエルアカデミアの退学手続きも済ませておいた。そしてA区の市民権も抹消済みだ」

「何を……言ってるのです、お父様?」

 

 龍堂院麗華の顔からは完全に血の気が引いていた。

 過去にトップス市民だとしてもA区の市民権を剥奪されたなら、それはもう下民。

 デュエル前に彼女自身が言った言葉だ。

 

「お前はもうトップスの市民ではない」

 

 音声拡張ドローンが停止しているにもかかわらず、観客席にまで聞こえる声で龍堂院麗華の慟哭の叫びが響き渡った。

 

 

 

 ◇

 

 

 

 観客席にて遊羽は缶コーヒーを飲みながら試合を観戦していた。

 隣にはミカがおり、傍の席には大瀧と明美がいるが、幸は戻っていない。

 手に持っている缶コーヒーは、ここに戻る途中自販機で購入したものだ。

 

 あの後、泡を吹いた龍堂院麗華が奴隷杯のスタッフに担架で運ばれていった。

 常にトップスの市民、VIPであることを自慢していた彼女にとって、特権階級からの転落は受け入れがたいことだったのだろう。

 それを見届けた龍堂院正臣は遊羽のことを一瞥してから去っていった。

 

 そして現在。

 コロシアムで行われているのは準決勝、第二試合。

 デュエルをしているのは二人の男性。

 地獄帝王(ヘルカイザー)の異名を持つデュエリスト、丸藤亮。

 触手植物(ファックプラント)の異名を持つデュエリスト、植木森林。

 デュエルは既に終盤に差し掛かっており、遊羽にとって予想外の展開となっていた。

 

 ヘルカイザー亮 LP100

 

    VS

 

 ファックプラント植木 LP6800

 

 現在の状況、全てにおいてファックプラント植木が優位に立っていた。

 ライフポイントだけでなく、盤面にも大きな差があった。

 ヘルカイザー亮の場には1体もモンスターがいないのに対して、ファックプラント植木の場には5体の植物族モンスターがいた。

 

 《ギガプラント》

 星6 地属性 植物族

 攻撃力2400 守備力1200

 

 《瓔珞帝華-ペリアリス》

 星7 光属性 植物族

 攻撃力3200 守備力2400

 

 《ヘル・ブランブル》

 星6 光属性 植物族

 攻撃力2200 守備力1800

 

 《マンドラゴン》

 星5 地属性 植物族

 攻撃力2500 守備力1200

 

 《ローズ・テンタクルス》

 星6 地属性 植物族

 攻撃力2200 守備力1200

 

 そのどれもが上級、最上級のモンスターであり高い攻撃力を持っている。

 しかもその中の二体《瓔珞帝華-ペリアリス》と《ヘル・ブランブル》はシンクロモンスターだ。

 ファックプラント植木はシンクロ使いのデュエリストだった。

 

『いや、感心しましたよ。まさか攻めきれないとはね』

 

 音声拡張ドローンを通してコロシアムの会話が聞こえてくる。

 5体の植物族モンスターの猛攻を、ヘルカイザー亮はかろうじて凌いだ。

 ファックプラント植木はバトルフェイズを終了して、メインフェイズ2に移行する。

 

『では念のためこれを使っておきましょう。伏せていた《デストラクト・ポーション》を発動。瓔珞帝華-ペリアリスを破壊して私のライフを3200回復』

 

 《デストラクト・ポーション》は自分のモンスターを破壊して、その攻撃力分ライフを回復する罠カード。

 攻撃力が3200に上昇している《瓔珞帝華-ペリアリス》を破壊したことによって、その数値分ファックプラント植木のライフポイントが回復した。

 

 ファックプラント植木 LP10000

 

 このデュエルにおいてファックプラント植木が《デストラクト・ポーション》を使用するのは三度目だった。

 大量のライフを回復するためとはいえ、大型モンスター1体を破壊するのは本来ならば簡単に行える行為ではない。

 

『そしてギガプラントの効果発動。瓔珞帝華-ペリアリスを墓地から特殊召喚』

 

 《瓔珞帝華-ペリアリス》

 星7 光属性 植物族

 攻撃力3200 守備力2400

 

 大型モンスター破壊による回復を容易にするのが《ギガプラント》の存在だ。

 このモンスターがいる限り、レベルを問わず何度でも植物族モンスターを再生できる。

 また《瓔珞帝華-ペリアリス》にも同じような植物族再生能力が備わっており盤石な布陣だった。

 

『前の試合でドラゴンプリンセス麗華はインセクト遊羽のライフを残した結果、返しのターンで逆転された。ですが、それは盤面が甘かったからです。彼女は究極と称するモンスター1体のみで相手にターンを渡してしまった』

 

 ファックプラント植木は眼鏡のブリッジを指で押し上げながら言葉を続ける。

 

『私は龍姫ほど甘くはありません。可愛い植物族モンスター5体で完全に包囲させてもらいました。そして私のライフポイントは10000。ライフが100しかないあなたの100倍のライフポイントを保有しています』

 

 しかもヘルカイザー亮の手札は0枚で、かろうじて場に伏せカードが1枚あるだけだ。

 加えてファックプラント植木の植物族シンクロモンスター《ヘル・ブランブル》が場にいる限り、お互いに手札から植物族モンスター以外を召喚、特殊召喚するためには1000ライフを払わなければならない。

 ライフポイントが100のヘルカイザー亮は手札からモンスターを召喚することもできない状況だった。

 

『真青眼の究極竜よりも、上級植物族モンスター5体を並べて、ライフを潤沢に回復した上で召喚制限までかけた、この盤面の方がよほど究極だと私は思いますね。カードを一枚伏せて、ターンを終了します』

『速攻魔法《サイクロン》!』

 

 ファックプラント植木のエンドフェイズ時にヘルカイザー亮が動いた。

 直前で植木が伏せたカードを即座に《サイクロン》で破壊する。

 破壊されたのは《棘の壁(ソーン・ウォール)》。

 第二試合でもファックプラント植木が使用した植物族専用の《聖なるバリア -ミラーフォース-》だ。

 

『おや、破壊されてしまいましたか。ですが伏せカードが《サイクロン》と分かったのでよしとしましょう。これで、あなたの場のカードは全てなくなった。そして手札も0枚です』

 

 圧倒的不利な状況でヘルカイザー亮は、まだデュエルを諦めていないようだった。

 そうでなければ《サイクロン》なんて使わないし、何より目が死んでいない。

 

「これは勝負あったな。決勝に進出するのはファックプラント植木だ」

 

 だが観客たちの間では既にファックプラント植木が勝利するというムードになっていた。

 

「融合召喚は場や手札のモンスターを融合させるが、今のヘルカイザー亮にはそれがない」

「この状況では、例えあの《パワー・ボンド》とかいうカードを引いても無意味だ」

「彼はもう終わりですね」

 

 基本的に観客たちの言っていることは正論。

 ファックプラント植木の言う究極の盤面なる言葉も大げさではない。

 

 だが遊羽はヘルカイザー亮がこのまま何もできずに終わるとは思えなかった。

 それはデュエリストとしての直感。

 

『俺のターン。ドロー!』

 

 ヘルカイザー亮が勢いよくカードを引いた。

 

『魔法カード《オーバーロード・フュージョン》を発動! 自分のフィールド、または墓地から融合素材モンスターをゲームから除外、機械族の融合モンスター1体を特殊召喚!』

『墓地のモンスターで融合召喚だと!?』

 

 ファックプラント植木の余裕の表情が崩れた。

 

『出でよ! キメラテック・オーバー・ドラゴン!!』

 

 《キメラテック・オーバー・ドラゴン》

 星9 闇属性 機械族

 攻撃力4800 守備力4800

 

 《キメラテック・オーバー・ドラゴン》は《サイバー・ドラゴン》を含む、任意の枚数の機械族モンスターを融合させることで出せるモンスター。

 その攻撃力と守備力は素材にしたモンスターの数×800となる。

 ヘルカイザー亮は6体の機械族モンスターを墓地から除外して《キメラテック・オーバー・ドラゴン》を融合召喚したようだ。

 

『キメラテック・オーバー・ドラゴンで瓔珞帝華-ペリアリスを攻撃! エヴォリューション・レザルト・バースト!!』

 

 ファックプラント植木の最上級植物シンクロモンスター《瓔珞帝華-ペリアリス》が《キメラテック・オーバー・ドラゴン》に戦闘破壊された。

 

 ファックプラント植木 LP8400

 

『……認めましょう。あなたは確かに強かった。ですが、ここまでです』

 

 ファックプラント植木が一枚のカードを見えるようにかざす。

 映像撮影用のドローンによってそれが巨大モニターに映された。

 そのカードは《ブラック・コア》。

 手札を一枚捨てることで、フィールド場の表側表示モンスター1体を除外する魔法カード。

 

 成程。ファックプラント植木のターンになれば《ブラック・コア》によって《キメラテック・オーバー・ドラゴン》が除外される。

 そしてライフポイントが100しかないヘルカイザー亮は植物族モンスター軍団の攻撃によって敗北することになる。

 

 だがそれはあくまで次のファックプラント植木のターンが来たらの話だ。

 デュエルアカデミアを次席で卒業した遊羽はあらゆるカードの効果を把握している。

 《キメラテック・オーバー・ドラゴン》の効果テキストも一言一句違わず記憶していた。

 

『キメラテック・オーバー・ドラゴンは素材にしたモンスターの数だけ相手モンスターに攻撃することができる!』

『な、何!?』

 

 複数回攻撃モンスターは今回の奴隷杯で何度か登場した。

 三回攻撃できる《真青眼の究極竜》。

 場のモンスターをリリースした数だけ追加攻撃可能な《バーバリアン・キング》。

 

 だがヘルカイザー亮が融合召喚した《キメラテック・オーバー・ドラゴン》は、それらのモンスターよりも攻撃力が上で攻撃回数も多かった。

 

『エヴォリューション・レザルト・バースト! 5連打ァ!!』

 

 《ヘル・ブランブル》《マンドラゴン》《ローズ・テンタクルス》、そして《ギガプラント》。

 最初の《瓔珞帝華-ペリアリス》も含めると5体の植物族モンスターが《キメラテック・オーバー・ドラゴン》の連続攻撃によって木端微塵に粉砕された。

 リアルソリッドビジョンの衝撃によって、ファックプラント植木が転倒して尻餅をつく。

 

 ファックプラント植木 LP0

 

 植木の作り上げた盤面は確かに『究極』だった。

 だがヘルカイザー亮はその『究極』すらをも超越した。

 

『ま、まさかの展開だぁぁぁ!! あの絶望的な状況から大逆転! 決勝へと進んだのはヘルカイザー亮!!』

 

 勝者を告げるアナウンスと共に観客席から大歓声が鳴り響いた。

 観客たちにとって、この逆転劇は最高のエンタメになったのだろう。

 

 これにて決勝戦の相手は決まった。

 

 地下より生まれし怪物。

 リスペクトデュエルを捨てて勝利だけを求める男。

 裏サイバー流の使い手であり、地獄帝王(ヘルカイザー)の異名を持つデュエリスト。

 丸藤亮。

 この奴隷杯(スレイブカップ)における最後の対戦相手だった。

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