切り札はゴキボール   作:白銀蟷螂

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オークション

 観客席からの歓声が落ち着いたところで、運営のアナウンスが流れた。

 

『優勝者であるインセクト遊羽選手には賞金1億円と高級決闘奴隷が贈呈されますが、ここで選択肢が二つあります』

 

 その選択が何なのかは言われるまでもなく分かっている。

 

『入手した高級決闘奴隷を手元に置くか、それとも売却するか。後者を選ばれた場合、手数料無料で我々がオークションを開催させていただきます』

 

 決闘奴隷の売買を素人がやるには仲介業者に高額な手数料を支払う必要があるが、このタイミングならそれらの費用を省いて奴隷を売却できる。

 この場に集まった面子は金を持っているデュエル成金が大半なので、オークション形式ならより高額で売れる可能性が高い。

 

『インセクト遊羽選手。どうされますか?』

「私は決闘奴隷(デュエルスレイブ)を売却する」

 

 その言葉が音声拡張ドローンを通して会場全体に響く。

 観客たちから歓声が上がった。

 

『承知いたしました。奴隷杯オークションは一時間後、このコロシアムにて行われます。準備ができ次第、観客席とコロシアムを繋ぐ通行口を開けますので、お客様方はもうしばらくお待ちください』

 

 少し間を置いて複数人の奴隷杯スタッフが椅子や機材をコロシアムに運び込み始めた。

 コロシアムの地面に布を敷いて、大量の椅子を並べていく。

 遊羽はその内一つの椅子に腰かけた。

 

 ――これでいい。私は甘さを捨てると決めた。

 

 仮に友人が決闘奴隷になっていたら、いくら何でも売却はしなかった。

 だが見ず知らずの他人のために、数億という金を捨てることはできない。

 そもそも決闘奴隷はブラックドミノシティで制度として認められており、今この瞬間にも街の至るところで何人もの決闘奴隷が取引されている。

 目の前の一人を助けることなど自己満足でしかない。

 

 けれども、デュエル孤児院にいた頃なら、デュエルアカデミアにいた頃なら、或いは手を差し伸べていたかもしれない。

 その甘さ故に遊羽はデュエルアカデミアの総合成績上位者二名による、主席を決める卒業試験で敗北した。

 だからこそ今の目的を達成するために、甘さを捨てて手段を択ばないと決めて、裏のデュエル社会に足を踏み入れた。

 

 見ればヘルカイザー亮もこの場に残っていた。

 彼がオークションに参加するとは思えないが、この大会に参加した者として最後まで見届けることにしたようだ。

 今回の商品となっている決闘奴隷の娘にとっては、ヘルカイザー亮が優勝した方が幸せだったかもしれない。

 一見冷たい男のように見えるが、彼ならきっと金持ち連中に決闘奴隷を売却なんてしないだろう。

 

 20分ほど経過してから観客の入場が始まった。

 観客席で奴隷杯スタッフが人数を区切りながら観客たちを誘導しているのが見える。

 

「優勝おめでとう」

 

 背後から声をかけられて振り向くとミカがいた。

 その後ろには大瀧と幸、明美の姿もある。

 

「幻滅した?」

 

 遊羽が売却しようとしているのは、幼い少女の決闘奴隷だ。

 あの金持ち連中が少女を買ったら何をするかなど容易に想像がつく。

 それを分かった上で売却するという行いを、ミカがどう思っているのか気になった。

 

「一つ言えるのはわしら四人に貴様の行いを非難する資格はないということじゃ」

 

 ミカはデュエルヤクザの組長であり、大瀧は裏カジノのオーナー。

 幸と明美は元デュエルマフィアの雇われであり、私的に他の女性を凌辱してきた。

 

「そもそも貴様が目的とやらのために、決闘奴隷を売却すると言うとったのは事前に聞いている。今更、幻滅することもないのう」

 

 目的の詳細を伝えたのはミカだけだが、あの倉庫でタッグデュエルをする前に大瀧と幸、明美の三人にも奴隷杯で決闘奴隷を売却することは言った。

 分かった上でこの四人は遊羽のことを応援してくれた。

 

「あんたの目的っていうのを私たちにも聞かせなさいよ」

 

 ミカの後ろで黙って話を聞いていた幸が口を開く。

 幸から受け取ったカードがあったからこそ、ヘルカイザー亮に勝つことができた。

 そもそもこれは隠す話ではないし、幸には聞く権利がある。

 

「私は賞金と決闘奴隷を売却した金で参加費五億のデュエル大会に参加する」

「それって、まさか」

 

 幸が左目を見開いた。

 この条件に当てはまるデュエル大会はブラックドミノシティに一つしかない。

 

女王杯(クイーンカップ)

 

 その単語を口にしたのは幸の横にいた明美だった。

 

 『女王杯(クイーンカップ)』とは年に一度、A区にて開催されるデュエル大会である。

 一般枠の参加費は五億円。予選免除のVIP枠の参加費に至っては五十億円という、参加だけで超高額な費用がかかる大会。

 だが、その参加費に見合うだけのチャンスが大会の優勝者には与えられる。

 

「癲狂院さん。あなたは二代目決闘女王(デュエルクイーン)になろうというのですか」

 

 女王杯の優勝者には、現在の決闘女王とデュエルする権利が与えられ、勝利することができれば、男性なら決闘王(デュエルキング)、そして女性は決闘女王(デュエルクイーン)になることができる。

 実際、一年前に当時の決闘王が挑戦者の女性に敗れたことによって、王杯(キングカップ)女王杯(クイーンカップ)と名称が改められ、その女性は初代決闘女王(デュエルクイーン)になった。

 

 ブラックドミノシティにおいて『決闘王』及び『決闘女王』はただの称号ではない。

 それらの立場を手にした者にはA区の市民権が与えられ、トップスの市民になることができる。

 

「目的を達成すれば決闘女王になるのは事実だけど、私の目的は現在の決闘女王とデュエルをして勝つこと」

 

 結果は同じだとしても、そこだけはしっかりと明言しておく。

 

「癲狂院遊羽、19歳。君はデュエルアカデミアを次席で卒業している。つまり以前にも決闘女王を目指したということだ」

 

 遊羽の経歴を調べた大瀧からの指摘。

 ブラックドミノシティにおいて決闘王及び決闘女王になる手段は二つ。

 一つは女王杯で優勝した上で、優勝者にのみ与えられる権利『女王戦』を行って、現在の決闘女王に勝利すること。

 女王杯の参加可能年齢は18歳以上であり、それは以前の王杯も同様だった。

 

 そしてもう一つはデュエルアカデミアを主席で卒業すること。

 アカデミアの主席卒業者には、卒業時点での決闘王及び決闘女王とデュエルをする権利が与えられ、勝利することができれば、その地位を手にすることができる。

 現在の初代決闘女王もアカデミアを主席で卒業した上で、当時の決闘王に挑んで勝利した。

 

「確かに私はかつてアカデミアを主席で卒業することによって、当時の決闘王に挑戦しようとした。その決闘王の地位、トップスの市民権を手に入れる必要があった」

 

 ブラックドミノシティA区の警備は厳重で、人の出入りも大きく制限されており、情報の管理も徹底されている。

 トップスの内情を知るためには、トップスの市民になる必要があった。

 

「だけど、それはもう過去の話。今更トップス市民の地位にそこまで興味はない。現在の私の目的は決闘女王(デュエルクイーン)と、あいつとデュエルをして勝つこと」

「その言い方……あんた、決闘女王と知り合いなの?」

「それは」

 

 幸の問いかけに答えようとしたところで、奴隷杯運営からのアナウンスが入った。

 

『いよいよ高級決闘奴隷が運び込まれます。所有者のインセクト遊羽様はこちらの椅子にどうぞ』

 

 ベージュ色をしたミディアムヘアの白いワンピースを着た少女が、金属製の檻に入れられた状態で六人の奴隷杯スタッフによって運ばれてくる。

 『三条望羽(みう)』。元トップス市民の高級決闘奴隷。

 その檻の横に多少は高級そうな椅子が置かれる。

 

「行きなさいよ。よく考えたら、あんたと決闘女王の関係なんてどうでもいいわ」

 

 僅かに不機嫌そうな口調で幸が言った。

 その言葉を受けて遊羽は立ち上がり檻の方へと向かう。

 

 椅子の前まで来た時、三条望羽(みう)と目が合った。

 強い瞳だった。

 現実を理解して、それを受けとめている人間の目だ。

 決闘奴隷の少女は遊羽に助けを求めるでもなく、静かに檻の中の椅子に座っている。

 遊羽は檻の隣にあった高級そうな椅子に腰かけた。

 

「……決勝戦、見事なデュエルだった」

 

 檻の中にいる三条望羽(みう)が、こちらを向いて落ち着いた口調で言った。

 

「見てたの?」

「モニター越しに」

 

 決闘奴隷の監禁部屋に試合を映すモニターがあったようだ。

 

「悪いけど私はあんたを助けない」

「分かってる。あなたのデュエルからは強い意志を感じた。だから、あなたは自分の目的を果たせばいい」

 

 それだけ言うと三条望羽(みう)は前を向いて口を閉じた。

 やはり強い娘だと遊羽は思った。

 

 改めて集まった観客たちを見る。

 その中にはキース・ハワードの姿もあった。

 彼が決闘奴隷を購入するとは思えない。

 だって奴隷よりも金を優先する男だ。

 オークションを見世物として楽しむつもりだろうか。

 

 ここで奴隷杯スタッフの一人から声をかけられる。

 

「賞金はブラックドミノ銀行の口座に振り込んでありますので、ご確認を。それから、これをお受け取りください」

 

 手渡されたのは装飾の施された金色の鍵だった。

 

「これは決闘奴隷の首輪の鍵であり、所有者の証となります。オークション終了時に落札者にお渡しください。入札価格が伸びず、ご希望の金額に達しなければ、売らないという選択も可能です。今回の商品に限って、そのようなことはないと思いますが」

 

 それから10分ほど経過して、奴隷杯運営のアナウンスが流れる。

 

『皆様、お待たせいたしました。これより奴隷杯オークションを開催します。本日の商品はこちら。高級決闘奴隷の中でも珍しいトップス出身の少女、三条望羽(みう)。普段は5000万円からの開始ですが、今回は1億円からスタートとさせていただきます』

 

 A区の高級決闘奴隷なら1億円は軽く超えるという運営の判断。

 

「1億2000万円」

 

 さっそく身なりのいい中年男性から声が上がった。

 

「1億3000万」

「1億3500万円」

「1億5000万円!」

 

 1億5000万円と言ったのは真珠のネックレスをした太ったオバサンだった。

 オークションに集まった観客たちの九割以上は男性だが、女性も多少はいる。

 もしや、この太ったオバサンは決闘奴隷、三条望羽(みう)を助けようとしているのだろうか。

 

「うふふ、私、ああいう若い娘をベッドの上で滅茶苦茶にするのが好きなの。しかも処女だそうじゃない。大人の玩具で処女膜をブチ破ってやるわ」

 

 決闘奴隷に1億5000万円の値を付けた、太ったオバサンが興奮気味に言う。

 どうやら、ただのレズババアだったようだ。

 そもそも1億円以上払って無償で決闘奴隷を助けようと思う人間など、このブラックドミノシティには基本的にいない。

 

「1億6000万円!」

「1億6800万円だ!」

「1億7500万円」

 

 順調に決闘奴隷の入札価格は伸びていく。

 

「2億円」

 

 演説慣れしているような通りのいい声で、舞台役者のように整った顔立ちの中年男性が2億円の入札額を提示した。

 

「嘆かわしい。ここには性欲まみれの汚らわしい輩が溢れている」

 

 舞台役者のような男性が椅子から立ち上がって、他の観客たちを見回す。

 

「何だよ、お前だって決闘奴隷が欲しいからオークションに参加したんだろ!」

 

 近くにいた若い男が苛立ちを含んだ口調で言った。

 皆で性欲をオープンにして楽しんでいるところに、こんな水を差すようなことを言われればそうなるか。

 

「それは違う。私はここに決闘奴隷を保護するために来たのだよ」

 

 苛立つ若い男を見下すように、舞台役者のような男性が宣言する。

 

「自己紹介しておきましょう。私はデュエルで子供の笑顔と人権を守る会の副会長をしている、正岡誠実という者だ」

 

 この男とは初対面であるが、遊羽も名前だけは知っている。

 まさか、よりにもよって『デュエルで子供の笑顔と人権を守る会』の幹部、それも副会長がこの場に現れるとは。

 デュエルで子供の笑顔と人権を守る会は表向きは人権派デュエリストの集団とされているが、裏のデュエル社会においては、並みのデュエルカルト宗教よりも悪名高い組織として有名だった。

 現会長の『子守良人』はデュエル有識者として名高い男だが、裏のデュエル社会では『チャイルドレイプマン』と呼ばれており、1000人以上の子供を強姦してブラックドミノ湾に沈めたと言われている。

 

「私は守りたい! デュエルによって性的搾取される子供たちを! だからこそ、このような薄汚い場に足を運んだ! 何としても子供を救済してみせる!!」

 

 一見すれば、正岡誠実は子供を思いやる好漢にも見える。

 実際、この演説力によって一般会員たちから多額の募金を集めるのに一役買っているのだろう。

 

「さあ、オークションを続けましょう。私たちデュエルで子供の笑顔と人権を守る会は何としても三条望羽(みう)君を落札して、救い出して見せる!」

 

 だが股間の欲望は隠しきれていない。

 正岡誠実のズボンには明らかな膨らみがあり、端的に言うのであれば勃起していた。

 裏のデュエル社会において、彼は『ライアーペニスマン』と呼ばれている。

 

「2億1000万円!」

 

 先ほどライアーペニスマンに食って掛かっていた若い男が宣言した。

 

「2億2000万円」

「2億3500万円!」

「2億5000万!!」

 

 それに続いて何人ものデュエル成金たちが、ライアーペニスマンに苛立ちを含んだ視線を向けながら声を上げる。

 この男にだけは落札されたくないという共通の意思があった。

 

「本当に醜い連中だ! 私は何としても、この外道どもから子供を救って見せる! 2億7000万!!」

 

 結果的にライアーペニスマンの存在は遊羽にとって有利に働いた。

 このデュエルで子供の笑顔と人権を守る会の副会長によって、奴隷杯オークションは更に加熱する。

 

「2億8500万円!」

「2億9300万!!」

「3億500万円!」

 

 入札額が3億円を超えた時だった。

 

「4億」

 

 いきなり更に1億上乗せした金額を提示する中年男性が現れる。

 その男の容姿を端的に言い表すのであれば、脂ぎった醜い禿デブのおっさんだった。

 デュエル孤児院では「他人の身体的特徴を悪く言っていけません」と教育を受けたし、この4億円男に対して嫌悪感があるわけでもない。

 だが悪く言わない形で、この人物の外見的特徴を言い表すのは不可能。

 それ程までに、この4億円男は脂ぎった醜い禿デブのおっさんだった。

 

 周りの観客たちからも敬遠されているようで、脂ぎった醜い禿デブのおっさんの両隣の席は空いていた。

 視線を向けたデュエル成金たちも、すぐに脂ぎった醜い禿デブのおっさんから目を逸らす。

 観客たちにとって、ライアーペニスマンが見ていて苛立つ人物なら、脂ぎった醜い禿デブのおっさんは視界にも入れたくない存在のようだ。

 

「醜い! あまりにも醜悪、容姿だけで既にデュエル性犯罪者だな!」

 

 そしてライアーペニスマンにとっては丁度いい批判対象だったのだろう。

 

「お前のような醜い男はさっさとセキュリティに自首して、デュエルで処刑してもらうように懇願すべきだ! デュエルで子供の笑顔と人権を守る会はこのような醜いデュエル性犯罪者から子供たちを守るためにある! 4億1000万円!!」

 

 脂ぎった醜い禿デブのおっさんをデュエル性犯罪者認定する。

 

「4億2000万」

 

 脂ぎった醜い禿デブのおっさんが即座に1000万上乗せした額を宣言。

 

「どこまでも最低な性犯罪者め! 私は貴様のような汚らわしい存在から子供を守る! 4億3000万円!」

「4億4000万円!」

「4億5000万円!」

「4億7000万」

「4億7200万円」

「4億7500万円!」

「4億8000万円!」

「4億8200万円!」

「5億円」

 

 現時点において入札に参加しているのは、ライアーペニスマンと脂ぎった醜い禿デブのおっさんの他には5人ほど。

 

「5億2000万円!」

「5億3000万円」

「5億5000万」

「5億5500万円!」

「5億7000万円」

「5億7500万円!」

「6億円」

 

 ついに脂ぎった醜い禿デブのおっさんが6億円の入札額を提示する。

 

「こいつ! 本当に性欲まみれの汚らしい奴だ! 6億1000万」

 

 ライアーペニスマンに僅かな焦りが見え始めた。

 

「6億2000万」

「6億3500万円!」

「6億5000万」

「6億5500万円!」

 

 入札額が6億を超えた時点で、声を上げているのはライアーペニスマンと脂ぎった醜い禿デブのおっさんの二人だけになった。

 そもそも高級決闘奴隷の相場は1億円。

 元トップス市民である点を踏まえても、相当高値が付いている状態だ。

 

「6億7000万」

「ちっ! 6億7100万円!」

「6億8000万」

「6億8500万円!!」

 

 容姿だけは美形なライアーペニスマンと観客の中で最も醜男の脂ぎった醜い禿デブのおっさん。

 対照的な二人による入札合戦。

 

「7億」

「ちょっと待て! 決闘奴隷一匹にその金額はおかしいだろ」

 

 ここでライアーペニスマンが待ったをかける。

 

「この男、優勝者の女とグルで入札額をつり上げているのではないか!」

 

 遊羽からすれば完全な言いがかりだが、確かにそう言われても仕方ない程に決闘奴隷の金額が高騰していた。

 

『それはあり得ません、正岡誠実様。ここにいる皆様の身元は我々が確認済みです』

 

 助け船を出してくれたのは奴隷杯の運営。

 

『そして支払い不能な金額を提示した時点で我々が無効にします』

 

 遊羽を庇ったというより、奴隷杯の信用を保つための行動。

 

「くそっ! 奴隷の小娘がトップス出身ということは会長に伝えてしまった。あの方は必ず落札してこいと仰せだ。7億1000万円」

「7億2000万」

「7億2100万円!」

「7億5000万」

「こ、こいつ! 7億5100万円!」

「7億7000万」

「7億7100万円!!」

「8億」

 

 脂ぎった醜い禿デブのおっさんが平然とした態度で8億を宣言。

 一方でライアーペニスマンは完全に余裕が失われている。

 

「8億500万円!」

「8億5000万」

「何考えてんだ! トップス出身だろうが所詮は性欲処理の道具! 子供なんてオナホと変わらねえだろうが! トチ狂った金額提示してんじゃねえ!」

 

 本性をむき出しにしたライアーペニスマンが脂ぎった醜い禿デブのおっさんに吠える。

 

「くそったれが! 8億5500万!!」

「8億7000万」

「8億7010万円!」

 

「10億」

 

 脂ぎった醜い禿デブのおっさんは9億円を飛ばして10億円の入札額を宣言。

 

「ば、馬鹿な」

 

 ライアーペニスマンが脱力しながら椅子に座り込む。

 彼の股間のモノは萎えきっており、完全に膨らみが失われていた。

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