デュエル孤児院の西区画。
そこは子供たちが寝泊まりするための寮があった。
入口から入った先には談話室。
古いソファーが並べられており、旧型のテレビも一台ある。
そこから奥に行くと食堂、更に進むと複数の部屋があった。
冊子に手書きで記入されていた遊羽に割り当てられた部屋に向かうと、既に子供が数人いた。
その部屋は四段ベッドが四つ置かれている十六人部屋。
四段ベッドは明らかに成人男性用で三段目や四段目から子供が落下すれば大怪我をしかねない。
それらのリスクを無視して一人でも効率よく子供を収容しようというデュエル孤児院の意図が丸出しの部屋だった。
部屋にいるのは全員女子。
男女で部屋は分かれていると冊子に記載されていたが、Fクラスで見かけた女子もいれば、そうではない女子もいる。
部屋にいた女子の一人から空いているベッドを聞くと、梯子を上って三段目まで移動してベッドの中に入り、座り込んでカードを広げた。
そして一枚のカードを満足げに眺める。
そのカードは《吸血ノミ》だった。
あの後、Dクラスにいた谷口を見つけて無事にトレードを行うことができたのだ。
トレードの際、《吸血ノミ》以外にも何枚か昆虫族のカードが入手できた。
それらのカードも含めて遊羽はデッキを組みなおす。
「あんた、勿体ないことしたね。山岸のデッキを殆ど人に渡すなんて」
デッキを組みなおしていると対面のベッドの二段目にいる女子に声をかけられた。
Fクラスで見かけた顔だ。彼女は西条洋子と名乗った。
「別に、そもそも私がデュエルしようと思ったのは《暗黒の竜王》を手に入れるためだから」
「でも山岸の残りのカードがあれば、それでデッキを強化できたし、使わない種族ならトレードに回すことはできたでしょう」
西条の指摘は的を射ていた。
「だとしても、私は自分の行動を悔やまない」
デュエルにおいて前のターンにとった行動によって自分が劣勢になったとしても、デュエリストであるなら、それを悔やむのではなく、現在、そして未来を見据えて勝利を目指すべき。
山岸のカードを萩原真帆に渡したのは、遊羽にとって既に前のターンの出来事であり、それを後悔したところで何も変わらない。
現在入手したカードでデッキを強化する方がよほど生産性のある行動だ。
デッキの改造を終えた遊羽は壁に掛けられた時計で時間を確認すると部屋を後にする。
向かう先は食堂。
冊子によれば、デュエル孤児院では朝と夜の決められた時間に食堂で朝食、夕食をとることができる。
そして昼食は各クラスの教室で食べると冊子には記載されていた。
夕食として出されたのはパサパサのメザシと冷えたご飯、みそ汁であった。
「知ってるか。デュエル孤児院の職員どもはステーキを食ってる。本来なら僕たちの食事のために市が出した予算でだ。その結果、子供にはこんな貧しい食事しか与えられない」
隣の席に座っていた男子が不満げに言う。
どうやら配布されたカードと同様、食費においてもデュエル孤児院の職員は予算をピンハネしているようだ。
まあ食事にこだわりはないし、メザシを美味しくいただいていたのだが、一般的にこれは貧しい食事らしい。
不満を口にしていた男子は遊羽より早く食べ終わると食堂を後にした。
残りのメザシとご飯を咀嚼してから飲み込んで、みそ汁をすする。
そして食事を終えて席を立とうとした時だった。
「あの、少しお時間をよろしいでしょうか」
座ったまま首を回して視線を背後に向けると、そこには豊満なバストの少女、萩原真帆がいた。
「私に何か用?」
「そのお礼を言いたくて。ありがとうございます。あなたが命まで賭けて手に入れたカードを私にくれるなんて」
「私はデュエリストとしてあんたにチャンスが与えられるべきだと思った。で、要件はそれだけ?」
話が終わったならと改めて席を立とうとする。
「ま、待ってください。私、貰ったカードをトレードして昆虫族のカードを集めたんです。あなたみたいな昆虫を使うデュエリストになりたくて」
この言葉に遊羽の頬が僅かに綻んだ。
昆虫カードを使うデュエリストが増えるのは悪い気はしないからだ。
「それで、お願いしたことがあるんです」
「言ってみて」
すでに39枚のカードを受け取った上で更に頼み事をする。
一見すれば、それは図々しい行為。
「あなたに、私の師匠になってほしいんです」
真剣な眼差しで真帆はそう言った。
「もちろん、お礼はします。こちらを受け取ってください」
真帆が差し出したのは数枚の攻撃力1200の昆虫族カードだった。
山岸のデッキは攻撃力1200が主力だったので、それをトレードに出せば、同じ攻撃力の昆虫族を集めるのも容易だったのだろう。
元を辿ればこの昆虫族は遊羽が渡したカードをトレードすることで入手したカード。
だが、それらのカードを交渉材料にする真帆の強かさを遊羽は面白いと思った。
「一つ聞かせて、昆虫族についてあんたはどう思ってるの」
「それは……」
僅かに言いよどむ真帆。
「正直、少し苦手です。でも今は昆虫族を好きになりたいと思っています」
遊羽の目を真っすぐ見ながら真帆が言った。
「わかった。その師匠ってやつをやってあげる」
差し出されたカードを受け取る。
真帆がぱっと顔を綻ばせて笑顔になった。
「とりあえず私の部屋まで来て、真帆」
「はい、師匠!」
真帆をつれて自分に割り当てられた部屋まで行った。
「ねえ、誰かこの子と部屋を変わってほしいんだけど」
現在部屋に戻ってきているのは十人程度。
遊羽はその女子たちに声をかけた。
「部屋交代してくれた人にはカードを3枚渡してもいい」
遊羽はこの短時間でデュエル孤児院の暗黙のルールを把握し始めていた。
デュエル孤児院では子供に金が渡されることはないが、毎月三パック分のカードが支給される。
デュエル孤児院で他の子供に何か頼み事をする時は、デュエルモンスターズのカードが貨幣代わりになるのだ。
「私はパス。馴染みのルームメイトと別れたくない」
「悪いけど3枚じゃ少ないかな」
「私は5枚なら考えてもいいけど」
拒否する者、不満を示す者、条件を出す者。
どうやらそうすんなりとは決まりそうにはない。
「あの師匠、カードなら私が出します」
「いや、元が山岸のデッキのカードより、私の残りの60枚から出した方がいい」
小声で真帆に耳打ちする。
デッキに使用しなかった60枚のカードは、元が山岸のデッキである40枚カードよりカードパワーが低い。
こういう取引に出すならまずはカードパワーが低いカードからだ。
「カードはいらないけど部屋交代してもいいよ」
そう言ったのは先ほど部屋で会話したFクラスの少女、西条洋子だった。
「どういうつもり?」
「あんたはクラスのリーダーだった山岸を倒した。明日からのFクラスでリーダーの立ち位置になる」
「別にクラスを仕切るのに興味はないけど」
「だとしても暗黙でそういう立ち位置になる。なら点数稼ぎをしておくさ。萩原さん、だっけ。元の部屋を教えてもらっていい」
真帆が部屋番号を伝えると、西条は遊羽に目配せしてから部屋を出て行った。
◇
翌日。
教室にて一限目の授業が始まる前に話しかけてきたのは、隣の席の鈴木良子だった。
以前カード20枚で勉強を教えてもいいと言ってきた少女だ。
「遊羽ちゃん、授業でわかんないところあったら何でも聞いてね」
「カード20枚、いや今は30枚だっけ? 渡す気はないけど」
「やだなぁ、カードなんていらないよ。隣の席なんだし、困ったときはお互い様」
ニコニコしながら言う鈴木を見て、昨日西条が言っていたことの意味を実感した。
クラスを仕切っていた山岸を公衆の面前で倒したことによる恩恵。
授業開始三分前に教室のドアが開き、デュエル孤児院の職員でFクラスの教師でもある宮原が入ってきた。
「えー、皆さんに残念なお知らせがあります」
言葉に反して宮原の口調は特に残念そうなものではなかった。
「皆さんのお友達の山岸君ですが、デュエルリンチによって絶命しました」
どうやらあの後取り巻きからリアルソリッドビジョンによるリンチを受けて山岸は死んだようだ。
いくらデュエルディスクのセイフティモードを外したとしても、リアルソリッドビジョンによって直接デュエリストが怪我を負うことはない。
具体的に言うなら剣士系のモンスターの剣やドラゴン系モンスターの爪によるダイレクトアタックを受けたとしても、その剣や爪で皮膚が切り裂かれることはない。
あくまで強烈な衝撃を受けて吹っ飛ばされるというだけ。
吹っ飛ばされた後、壁や地面に激突するのが、セイフティモードなしのデュエルにおける怪我の原因。
少なくとも一回や二回のデュエルでは絶命まではしないはず。
どうやら、あの取り巻き二人は度を超えたデュエルリンチを何度も行ったようだ。
「罪のない山岸君を死なせてしまった男子二人についてはデュエル孤児院から追放しました」
そういえば取り巻きの姿が見当たらないが、あの二人は追放されてしまったらしい。
仮に取り決めをした上でデュエルを行い勝利して相手を飛び降り自殺させたならデュエル孤児院も隠ぺいで済ませたはず。
「デュエルをリンチの手段にするなどデュエリストとして許される行為ではありません」
だがリアルソリッドビジョンで死ぬまでリンチにした場合、どう見ても事故で済ませられる見た目ではなくなる。
取り巻き二人は山岸本人とは異なり限度を知らなかったのだろう。
F区の治安の悪さなら、おそらく取り巻き二人は数日中、早ければ今日にでも死ぬ。
その後は何事もなかったかのように授業が始まった。
昨日と同じように教科書を読み進める。
まずは授業でやっている箇所まで追いつく必要があった。
◇
一週間後。
遊羽はデュエル孤児院に馴染んでいた。
リーダー的な立ち位置になったためか新入りだからと舐められることもなくなり、比較的快適な生活を送っている。
授業中は教科書を読み進め、分からないところがあれば隣の席の鈴木に聞く。
放課後は真帆とデュエルをして過ごすことが多かった。
真帆と行うのはカードや命を賭けることのないデュエルであるが不満はない。
遊羽は決して積極的にアンティでカードを巻き上げたいわけでもなければ、命を賭けることを楽しむスリルジャンキーでもない。
ただ同じなのだ。
遊羽にとってはレアカードを賭けるデュエルも、命を賭けるデュエルも、何も賭けないデュエルも、優劣なく等しく同じデュエル。
そしてデュエリストである以上、どのようなデュエルであっても全力で行うだけのこと。
四限目の授業が終了して昼休みになった。
昼食は職員が各クラスに運んでくる仕組みだ。
デュエル孤児院の食事は例のごとく予算をピンハネされた一般的には貧しい食事なので、子供たちのモチベは低いのだが今日は様子が違った。
意外にもクラスの子供たちは昼食を楽しみにしているようだ。
「今日はね、月に一度デザートとしてプリンが付く日なんだよ」
表情から遊羽の疑問を感じ取ったのか、隣の席の鈴木良子が言った。
鈴木自身、デザートのプリンを楽しみにしているようだ。
職員たちが食事を運んでくると、子供たちがトレーを手に取って列を作る。
遊羽のトレーにはご飯、みそ汁、鮭一切れと並べられていき、最後にプリンが置かれた。
席に戻った遊羽はご飯と鮭から箸をつける。
それらを食べ終わると、みそ汁を飲み干してから、プリンの蓋を開けた。
スプーンでプリンを口に運んで咀嚼する。
口の中に甘味が広がって幸福感が溢れた。
皆がプリンを楽しみにしていたというのも頷ける。
「おい、プリンが一個余ってるみたいだぜ」
プリンを食べ終わって食器を片付けようとしていた時、男子の一人が言った。
「そのプリンを食べる奴をデュエルで決めるか」
「僕も参加する」
「あたしだってプリンを食べたい」
クラスの子供たちはデュエルディスクを片手にプリンを賭けたデュエルを行おうとしていた。
「へえ、なら私もそのデュエルに参加しようかな」
デュエルディスクを腕に装着して立ち上がる。
「……癲狂院さんも、参加するんだ」
「そ、そうか、君もプリンが気に入ったんだね」
「なら今回は彼女に譲るのはどうかな」
すると子供たちは僅かに委縮した様子で会話した後、女子の一人が遊羽の席にプリンを持ってきた。
「……そう。なら遠慮なく貰う」
これもクラスのリーダーだった山岸を倒した恩恵なのだろうが、若干拍子抜けだった。
別に彼らに嫌悪とかいう感情を抱くことはないが、デュエリストでありながらデュエルせずに負けを認めるのはある意味ではサレンダーと変わらない。
とはいえ労せずしてプリンが手に入ったのは悪いことではなかった。
気を取り直してプリンを食べようとした時、勢いよく教室のドアが開いた。
「ごきげんよう。Fクラスの皆さん」
入ってきたのは黒髪ロングヘアの少女。
遊羽は彼女を知っている。
「私はEクラスの杠葉色音よ」
遊羽とカードのトレードをした少女だ。
隣には妹の杠葉沙良。後ろには男子が複数人いる。
「さっそくだけど、このクラスにプリンの余りはないかしら」
「余りなら私が一個持ってるけど」
別に隠すことでもないので手に持っているプリンを見せる。
「あら、遊羽。丁度よかった。そのプリンを私に頂戴」
杠葉色音はそれが当然だというようにプリンを要求した。
「断る。私はプリンがけっこう気に入ったからね」
その要求を遊羽は即座に拒否する。
これに声をあげたのは杠葉色音の後ろにいた男子たちだ。
「おい、このまな板女! 色音様がプリンを寄越せって言ってんだから、さっさと出せ!」
「四の五の言わずプリンを渡せよ!」
「貧乳の馬鹿女! 色音様の言葉に逆らうなよ、身の程を知れ!」
男子達は遊羽を口汚く罵りながらデュエルディスクを振りかざす。
強制デュエルでプリンを奪いにきそうな勢いだ。
「師匠を悪く言わないでください!」
ここで乱入してきたのは真帆だった。
男子達を睨みつけながら遊羽を庇うように前に出る。
腕に装着されたデュエルディスクは起動済みであり臨戦態勢だ。
「私の友人に対して、その発言は不愉快ね」
そんなやり取りを見た杠葉色音が不快感を含んだ口調で男子たちに言った。
途端に男子たちの態度が一変する。
「も、申し訳ありません、色音様」
「ご友人だったんですか」
「そうとは知らずなんてことを」
男子たちは委縮して色音に謝罪する。
「私たちって友人だったんだ」
「あら、悲しいことを言わないで。カードをトレードした仲でしょう」
遊羽がカードをトレードした子供は他にもいる。
だがその中で一番印象に残ったのは、この杠葉色音という少女だった。
杠葉色音はトレードの際、自分ではなく妹を優先していた。
ブラックドミノシティにおいて珍しい部類の人間であるのは間違いなく、そんな杠葉色音を遊羽は面白いと思った。
「まあ、あんたと友人になるのは悪くないね」
「よかった」
杠葉色音は右手を差し出す。
一見すれば、それは友好を示す握手にも見える。
「友人としてお願いするけど、プリンを私に頂戴」
だが実際はプリンを要求しているだけである。
「友人だって言うなら二度同じことを言わせないで」
このプリンは自分で食べると決めている。
杠葉色音にも、あるいは遊羽を師匠と慕う真帆にも渡す気はない。
「そう。ならプリンを賭けてデュエルをしましょう」
片手に装着されたデュエルディスクを見せながら色音が言った。
「私がプリンを賭けるとして、あんたは何を賭ける?」
見たところ色音たちはプリンを持っていない。
ならばプリンの代わりになる何かを出さなければアンティは成立しない。
「そうね。あなたの欲しがりそうなカードに心当たりがあるわ、沙良」
杠葉色音が声をかけると妹の沙良がデイバックから大きめの箱を取り出した。
箱の中にはおよそ1000枚以上のデュエルモンスターズのカードが入っている。
「……随分カードが増えたね」
少なくとも遊羽とトレードを行った時は色音の手持ちのカードは100枚のはずだ。
それをどうやって一週間で10倍以上に増やしたのか。
真っ先に思いついたのは遊羽自身がやったようにアンティルールで相手のデッキを奪い取る方法。
「アンティでカードを集めまくったの?」
「あら、そんな面倒なことしなくても簡単な方法があるでしょう。男子にカードを貢いでもらえばいいのよ」
それが当然の事とでも言うような口調で色音は言った。
「私のファンの男子たちにとりあえず初回はカード60枚を貢がせたわ。それから毎月配布される15枚のカードのうち10枚を私に上納することになっている」
「デュエルで勝ってそういう契約を結んだってこと?」
疑問に答えたのは色音の後ろにいた男子の一人だった。
「勘違いされては困りますね。僕たちは色音様のファンになった。デュエルで従えられているわけではないのですよ」
先ほどとは異なり丁寧な口調。色音が遊羽を友人認定したからだろう。
「色音様は、そして色音様のデュエルは美しい。この方は初日にEクラスでリーダーをしていた佐藤という女をデュエルで倒した」
クラスのリーダーを初日に倒すというのは遊羽も行ったこと。
「僕たちはそれを見て思ったんですよ。この方はデュエル孤児院で終わっていいような人物では断じてない。もっと上の世界に行くべきだと」
男子たちが色音に向けているのは崇拝とも言うべき感情であった。
「Eクラスの男子は21人。今ではその全員が私のファンよ。あなたのファンはその子だけかしら」
色音が真帆を指差しながら優越感を含んだ口調で言う。
「別に私はファンを増やしたいとは思っていない」
「遊羽、あなたは真のデュエリストの条件は何だと思う」
突然の問いかけであったが答えに詰まることはなかった。
「悪いけど私は真のデュエリストには興味がないね」
それは単に真のデュエリストとかいう定義が曖昧なものに興味がなかったからだ。
「なら私が真のデュエリストとは何かを教えてあげる。それは、より多くのデュエリストを支配して上に立つことができるデュエリストよ」
それを有言実行すべく杠葉色音はEクラスの男子21人をファンにして支配したというわけか。
「私はデュエル孤児院のクラスを支配する程度で終わるつもりはない。いずれ特待生としてデュエルアカデミアに入学するつもり」
ブラックドミノシティのデュエルアカデミア高等部は毎年四名のみ特待生として学費免除で入学することができる。
F区のデュエル孤児院出身者であっても試験に通れば入学することは『制度上』は可能だ。
だがレアカードどころか攻撃力1500のモンスターすら貴重なデュエル孤児院の環境では、デュエルアカデミア高等部の入学試験で通用するデッキ、ましてや上位四名に入れるデッキを構築するのは、正攻法ではまず不可能だろう。
「話が逸れたわね。プリンを賭けたデュエル、アンティとしてはこのカードはどうかしら」
色音が妹に持たせている1000枚以上のカードが入った箱から1枚のカードを取り出す。
そのカードは《フライングマンティス》。
攻撃力1500のインセクトカードだった。
あの1000枚、本当に男子たちは自分たちが持つ中で強いカードを色音に貢いだようだ。
「いいよ、アンティ成立だ」
「それじゃあ始めましょう」
遊羽と色音は互いにデュエルディスクを展開して構えた。
オートシャッフルシステムによって両者のデッキが自動的にシャッフルされる。
デュエルディスクによって自動的に先攻、後攻が決定される。
癲狂院遊羽 / LP4000
VS
杠葉色音 / LP4000
「「決闘!!」」