女王杯の予選会場であるB区にて、裏と表のデュエリストが入り乱れてのデュエル乱闘が行われていた。
赤馬セレナ / LP4000
VS
Sランクプロ / LP4000
「「決闘!!」」
先攻をとったのはSランクプロデュエリスト。
「《コストダウン》発動。私はデーモンの巨神を召喚する」
《デーモンの巨神》
星6→4 闇属性 悪魔族
攻撃力2400 守備力1600
「デーモンの巨神に《デーモンの斧》と《ミスト・ボディ》を装備」
《デーモンの巨神》
攻撃力2400→3400
「ターンエンド。見たところ君は裏の関係者ではないようだ。それなら私にでも勝ち目はある。堂本会長の言う通りプロデュエリストでは裏の人間には勝てないからね」
セレナの相手は堂本春男と同じ年代のSランクプロデュエリストであり、若いSランクプロと比較すると落ち着いた雰囲気だった。
「確かに私は裏のデュエリストではない。だが、お前のように裏に勝てないと決めつけるような奴に負けるつもりなどない!」
「若いな。君は裏の世界を知らないだろう。私は一度裏に足を踏み入れたことがあるが、あそこのデュエルはレベルが高すぎた。だからプロデュエリスト協会に引き籠ることにしたんだよ。ここでなら上に立てるからね」
そうやってこの中年のSランクプロデュエリストはAランクやBランクのプロ相手にマウントをとってきたのだろう。
「裏の怖さなら私だって知っている。その恐怖を理解した上でデュエリストとして高みを目指すだけだ。私のターン!」
引いたカードをセレナは手札に加える。
「月光彩雛を召喚」
《
星4 闇属性 獣戦士族
攻撃力1400 守備力800
「効果によって
これで《月光彩雛》を融合素材にする場合《月光舞豹姫》として扱えるようになった。
「魔法カード《融合》を発動。月光の原野で舞い踊るしなやかなる野獣よ! 青き闇を徘徊する猫よ! 紫の毒持つ蝶よ!」
融合素材にするのはフィールド場で《月光舞豹姫》扱いとなっている《月光彩雛》と手札の《月光紫蝶》と《月光蒼猫》の三枚。
「月の引力により渦巻きて新たなる力と生まれ変わらん! 融合召喚! 現れ出でよ、月光の原野の頂点に立って舞う百獣の王! 月光舞獅子姫!」
《
星10 闇属性 獣戦士族
攻撃力3500 守備力3000
「更に《月光香》発動。墓地から月光蒼猫を特殊召喚する」
《
星4 闇属性 獣戦士族
攻撃力1600 守備力1200
「特殊召喚に成功した月光蒼猫の効果発動。月光舞獅子姫の攻撃力を倍にする」
《
攻撃力3500→7000
「バトル!
リアルソリッドビジョンの衝撃を受けたSランクプロデュエリストが大きく後退する。
Sランクプロ LP400
「だが《ミスト・ボディ》の効果によってデーモンの巨神は戦闘では破壊されない。次のターンで攻撃力を上げるカードを引けばそれで」
「
「な、何!?」
《デーモンの巨神》は特殊召喚されたモンスターではないため、破壊効果の方は通用しないが、この攻撃力であれば関係ない。
「行け、
二度目の《
Sランクプロ LP0
リアルソリッドビジョンの衝撃によってSランクプロデュエリストが吹っ飛んだ。
古牧美玲 / LP4000
VS
Sランクプロ / LP4000
「「決闘!!」」
先攻をとったのはSランクプロデュエリスト。
「俺のターン。《コストダウン》発動。迅雷の魔王-スカル・デーモンを召喚」
《迅雷の魔王-スカル・デーモン》
星6→4 闇属性 悪魔族
攻撃力2500 守備力1200
「《デーモンの斧》を装備して攻撃力を1000アップ。更に《ミスト・ボディ》を装備だ」
《迅雷の魔王-スカル・デーモン》
攻撃力2500→3500 守備力1800
「これでターンエンド。おい、古牧先生。俺を覚えているか」
「久しぶりですね、横山君」
美玲はこのSランクプロデュエリストのことを知っている。
デュエルアカデミアに通っていた元教え子だ。
「俺はてめえのせいでオベリスクブルーから降格してラーイエローで卒業することになっちまったんだよ」
「あなたがラーイエローに降格したのは試験の成績が悪かったからでしょう」
「あの時言ったよな、金なら親父が出すから実技試験のデュエルで俺を勝たせろって。お前が忖度デュエルしてりゃ、俺はオベリスクブルーで卒業できたんだ」
誰が相手であろうと美玲は教師として、そのような申し出を断ってきた。
「親父のコネでSランクプロになれたから良かったが、あの時の恨みは忘れてねえぞ、古牧!」
「言いたいことはそれだけですか。私のターン、ドロー」
引いたカードを美玲は手札に加える。
「古代の機械飛竜を召喚」
《古代の機械飛竜》
星4 地属性 機械族
攻撃力1700 守備力1200
「効果で《古代の機械融合》を手札に加えます」
《古代の機械飛竜》は召喚に成功した時、『アンティーク・ギア』カードをサーチすることができる。
「魔法カード《古代の機械融合》を発動。手札の《古代の機械巨人》二体とフィールドの古代の機械飛竜を融合します。
《
星9 地属性 機械族
攻撃力3300 守備力3300
「バトル、
「おいおい先生、わざと負ける気か? 今さら忖度しても遅いぜ。返り討ちにしろ、スカル・デーモン!」
「速攻魔法《リミッター解除》。私の場の機械族の攻撃力を二倍にします」
《
攻撃力3300→6600
「何っ!? 攻撃力6600だと!」
リアルソリッドビジョンの衝撃でSランクプロが大きく後退する。
Sランクプロ LP900
「だが《ミスト・ボディ》がある限りスカル・デーモンは戦闘破壊を免れる。それに《リミッター解除》の効果はこのターンが終われば切れるはずだ。次の俺のターンでそのモンスターに攻撃してやるぜ」
「《リミッター解除》が適応されたモンスターは私のターンのエンドフェイズに破壊されますよ」
「そうだったのか。なら次に俺がスカル・デーモンの攻撃力を上げるカードを引けば勝ちじゃねえか」
確かにこのまま美玲がエンド宣言をするならそうなる。
「
「何だと!?」
今回融合素材にした《古代の機械巨人》の数は二体。
よってもう一度《
「ま、待て、先生! あんた教師だろ。こんな体罰みたいな真似するのかよ!」
「あなたが在学生ならしなかったでしょう。私は学生相手にデュエルで体罰を与えるようなことはしないと決めています」
唯一それを破りかけたのは、あの卒業試験の時。
今は決闘女王となった教え子に対して本気でリアルソリッドビジョンのセイフティモードをオフにして強制デュエルで体罰しようかと思った。
目の前にいる犯罪に手を染めたSランクプロの元教え子にも相当な憤りを覚えているが、あの卒業試験の時の怒りはある意味では今以上だった。
「
Sランクプロ LP0
リアルソリッドビジョンの衝撃によってSランクプロデュエリストが吹っ飛んだ。
このデュエルで全てが決まる世界において、デュエルは原則として一対一で行うと決まっている。
それは強制デュエルも同じで一人の相手に対して複数で強制デュエルを挑んだり、進行中のデュエルに対して乱入することは基本的にはできない。
例外的に多人数デュエルが認められるのは、対戦相手が同意した場合のみだ。
強制デュエルの場合は、相手がバトルロイヤルモードを設定した上で許可した人数まで強制デュエルを仕掛けることができる。
ヘルカイザー亮 / LP4000
VS
Sランクプロ / LP4000
Sランクプロ / LP4000
Sランクプロ / LP4000
Sランクプロ / LP4000
Sランクプロ / LP4000
つまり現在のこの状況はヘルカイザー亮がバトルロイヤルモードを五人に設定して多人数強制デュエルを受けたということ。
「随分と舐めた真似をするじゃないか、ヘルカイザー亮、いや丸藤亮君」
中年のSランクプロデュエリストに本名で呼ばれる。
「君は以前プロデュエリストだった男だ。若手の中でも人気が高かったが、正直目障りな存在だったよ」
それは亮にとっての過去。
ヘルカイザー亮ではなくカイザー亮と呼ばれていた頃の話。
「不調になって裏に行った時は邪魔者が消えてくれたと思ったんだが、まさか裏で復活するとはね。随分なご活躍だそうだが、調子に乗りすぎだ。我々相手に五対一で勝てると思ったのか?」
現在Sランクプロデュエリストたちの場には《コストダウン》によって出された四体のモンスターがいる。
《迅雷の魔王-スカル・デーモン》
星6 闇属性 悪魔族
攻撃力2500→3000 守備力1200
《デーモンの巨神》
星6 闇属性 悪魔族
攻撃力2400→3400 守備力1600
《冥界の魔王 ハ・デス》
星6 闇属性 悪魔族
攻撃力2450→2950 守備力1600
《迅雷の魔王-スカル・デーモン》
星6 闇属性 悪魔族
攻撃力2500→3500 守備力1200
これらのモンスターには《デーモンの斧》《ミスト・ボディ》《伏魔殿-悪魔の迷宮》などで強化が施されていた。
一方でヘルカイザー亮の場にあるのは最初のターンに発動した《未来融合-フューチャー・フュージョン》とセットした《身代わりの闇》の二枚のみ。
「《コストダウン》発動。私はデーモンの巨神を召喚する」
《デーモンの巨神》
星6→4 闇属性 悪魔族
攻撃力2400 守備力1600
中年のSランクプロデュエリストも他と同じように《コストダウン》を使用して上級モンスターをリリースなしで召喚してきた。
「デーモンの巨神に《ミスト・ボディ》と《デーモンの斧》を装備」
《デーモンの巨神》
攻撃力2400→3400
これで合計五体の上級悪魔族モンスターがSランクプロデュエリストたちのフィールドに並ぶ。
「私はターンエンド。次のターンから攻撃が可能になる。そうなったら君は終わりだよ」
「俺のターン、ドロー。《未来融合-フューチャー・フュージョン》の効果発動! エクストラデッキの融合モンスターをお互いに確認し、その融合素材を墓地に送る。俺が公開するのは《キメラテック・オーバー・ドラゴン》」
《キメラテック・オーバー・ドラゴン》の融合素材は《サイバー・ドラゴン》と機械族モンスター1体以上。
「《サイバー・ドラゴン》を含めた15体の機械族モンスターを墓地に送る」
「確か未来融合は次のターンにその融合モンスターを出せるんだったか。はは、だが無駄だよ。君に次のターンは回ってこない」
「《オーバーロード・フュージョン》発動! 墓地から融合素材を除外して機械族闇属性モンスターを融合召喚する!」
「な、何!?」
《未来融合-フューチャー・フュージョン》によって墓地に送られた15体の機械族モンスターが除外される。
「クク、出でよ! キメラテック・オーバー・ドラゴン!」
《キメラテック・オーバー・ドラゴン》
星9 闇属性 機械族
攻撃力12000 守備力12000
融合召喚された《キメラテック・オーバー・ドラゴン》の効果で《未来融合-フューチャー・フュージョン》とセットしていた《身代わりの闇》が墓地に送られるが最早関係ない。
「キメラテック・オーバー・ドラゴンは融合素材にしたモンスターの数だけ攻撃できる」
「攻撃力12000で複数回攻撃可能だと!? こ、これが裏デュエリストとなった男の力なのか」
「エヴォリューション・レザルト・バースト! 5連打ァ!!」
《キメラテック・オーバー・ドラゴン》の連続攻撃がSランクプロの各上級モンスターに命中する。
Sランクプロ LP0
Sランクプロ LP0
Sランクプロ LP0
Sランクプロ LP0
Sランクプロ LP0
リアルソリッドビジョンの衝撃によってSランクプロが五人まとめて吹っ飛んだ。
三条望羽 / LP4000
VS
Sランクプロ / LP4000
「「決闘!!」」
先攻をとったのはSランクプロデュエリスト。
「よし! 他がどれだけやられようが、この小娘をデュエルで拘束すれば俺たちの勝ちだ。《コストダウン》を発動。デーモンの巨神を召喚」
《デーモンの巨神》
星6→4 闇属性 悪魔族
攻撃力2400 守備力1600
「デーモンの巨神に《ミスト・ボディ》と《デーモンの斧》を装備!」
《デーモンの巨神》
攻撃力2400→3400
「ターンエンド。堂本会長は警戒していたが所詮は小娘。このSランクコンボを破れるはずがない」
「私のターン、ドロー」
力を込めて望羽はカードを引いた。
恐れがないわけではない。
だが、それ以上にデュエリストとして高揚感を覚えている。
師匠や、ここに集まってくれた皆のような凄いデュエリストになりたいと。
そのために、まずは目の前のSランクプロデュエリストをワンターンキルする。
「吸血ノミを攻撃表示」
《吸血ノミ》
星4 地属性 昆虫族
攻撃力1500 守備力1200
「装備魔法《凶暴化の仮面》を装備。攻撃力を1000アップ」
《吸血ノミ》
攻撃力1500→2500
「更に《魔界の足枷》をデーモンの巨神に装備。このカードを装備されたモンスターの攻撃力と守備力は100になる」
「な、何だと!?」
《デーモンの巨神》
攻撃力3400→100 守備力1600→100
「バトル。吸血ノミでデーモンの巨神に攻撃」
「《ミスト・ボディ》によってデーモンの巨神は破壊されねえ」
「でもダメージは受けてもらう」
LP1600
リアルソリッドビジョンの衝撃を受けてSランクプロデュエリストが後退する。
「だがライフは残ったぜ。次のターンにデーモンの巨神を守備表示に変えれば、戦闘破壊されない壁になる。その間に何とかして対策を」
望羽は静かに首を横に振る。
「まだ私のバトルフェイズは終わってない」
「何を言ってんだ。だってお前のモンスターは攻撃を終えて」
「速攻魔法《超進化の繭》を発動」
装備魔法である《狂暴化の仮面》を装備した《吸血ノミ》がリリースされて、デッキから新たな昆虫族モンスターが特殊召喚される。
「グレート・モスを特殊召喚!」
《グレート・モス》
星8 地属性 昆虫族
攻撃力2600 守備力2500
「う、嘘だろ。Sランクプロデュエリストの俺がこんな子供に」
「グレート・モスでデーモンの巨神を攻撃。モス・ハリケーン!」
《グレート・モス》の竜巻攻撃が《デーモンの巨神》に直撃する。
Sランクプロ LP0
リアルソリッドビジョンの衝撃によってSランクプロデュエリストが吹っ飛ばされた。