切り札はゴキボール   作:白銀蟷螂

69 / 100
強姦魔王

 インセクト遊羽 /  LP4000

 

    VS

 

 レイプデビル叡傲(えいごう) / LP4000

 

 

「私はバトルフェイズを終了してモンスターをセット」

 

 裏側守備表示で場に出したのは《ドラゴンフライ》。

 相手の伏せカードが除去できず《究極変異態・インセクト女王》を《孵化》で出すこともできなかったので、攻撃要員には加えずに壁として残しておいた。

 

「カードを一枚伏せてターンエンド」

「俺のターン。《強欲なカケラ》に強欲カウンターが一つ置かれるぜ。そしてレジェンド・デビルの効果発動。俺のスタンバイフェイズ毎に、このモンスターの攻撃力は700アップする」

 

 《レジェンド・デビル》

 攻撃力1500→2200

 

「こういう時、決闘強姦魔なら何て言えばいいんだったか。攻撃力が徐々に上昇していくのを勃起にでも例えればいいのかね」

 

 確かにセックスデーモン豚島ならそんな事を言いそうではある。

 

「まあいい。魔法カード《マジック・プランター》。場に残った《デモンズ・チェーン》を墓地に送り二枚カードを引くぜ」

 

 《マジック・プランター》は自分フィールド場の永続罠を墓地に送って二枚ドローする魔法カードだ。

 

「カードを二枚セットして《命削りの宝札》発動」

 

 これでレイプデビル叡傲の手札は再び三枚になった。

 

「更に魔法カード《予見通帳》。デッキの上からカードを三枚裏側表示で除外する。さて、俺は手抜きの一環として自分に二つの制約を課してデュエルをするぜ」

 

 レイプデビル叡傲が親指と人差し指を立てる。

 

「一つ。レジェンド・デビルが場に出ている間、俺は他のモンスターを召喚、特殊召喚しない」

 

 この言葉を鵜呑みにすることはできないが、一回戦でレイプデビル叡傲は《レジェンド・デビル》召喚後、他のモンスターを場に出さなかった。

 

「二つ。俺はライフポイントを一切減らさない完全決闘(パーフェクトデュエル)を行う。ライフが100でも削られそうなら戦略的に防御札を温存した方がいい場面でも使っていく」

 

 実際、この決闘強姦魔はライフポイントを4000残したまま、一切ダメージを負うことなく一回戦を突破している。

 どうやら初戦でもその二つの制約の元にデュエルを行っていたらしい。

 

「これだけ手を抜いてやるんだからレジェンド・デビルを倒してみろや。そしたらようやく暇潰しを始められるからよ。それじゃあバトルフェイズに移行するぜ」

 

 現在の《レジェンド・デビル》の攻撃力は2200であり、攻撃力2400の《セイバー・ビートル》には及ばない。

 

「くひひ、その裏側守備表示のモンスター、十中八九、効果モンスターだな。一回戦のような破壊効果持ちのリバース効果モンスターか、或いは昆虫デッキならリクルーターってとこだろ」

 

 レイプデビル叡傲が半笑いで口元を歪ませながら舌なめずりする。

 

「だが、あえて攻撃してやるよ。モンスター効果が使いたければ好きに使えや。レジェンド・デビルで裏守備モンスターを攻撃」

 

 《ドラゴンフライ》

 星4 風属性 昆虫族

 攻撃力1400 守備力900

 

 《レジェンド・デビル》の攻撃を受けてセットしていた《ドラゴンフライ》が戦闘破壊された。

 

「《大樹海》の効果発動。デッキからレベル4昆虫族モンスター、髑髏顔 天道虫(ドクロがん レディバグ)を手札に加える」

 

 例え戦略を読まれていたとしてもやることは変わらない。

 

「更にドラゴンフライの効果発動、破壊された時、攻撃力1500以下の風属性モンスターを1体特殊召喚する。私はアルティメット・インセクトLV3を特殊召喚」

 

 《アルティメット・インセクトLV3》

 星3 風属性 昆虫族

 攻撃力1400 守備力900

 

「そいつを次のターンにLV5にしてレジェンド・デビルを弱体化しつつ戦闘破壊を狙うかい」

 

 やはりこの決闘強姦魔はこちらのカードの効果を把握している。

 それに関して驚きはない。

 デュエルアカデミアを主席で卒業したのであれば当然の事だ。

 

「オケーオケー。レベルアップの邪魔はしねえよ。妨害ばっかりじゃデュエルが白けるからな。俺の依頼主は大会を盛り上げたいみたいなんでね。最終的に公開レイプするとはいえ、そのぐらいの意向には従うさ」

 

 一回戦の相手が超高額デッキを所持したプロデュエリストだったこと。

 そして二回戦目で二大決闘強姦魔に当たったのは偶然ではない。

 これが決闘女王の意志であり、目の前の男こそ女王の刺客であると確信する。

 

「永続トラップ《闇の増産工場》を発動」

 

 《闇の増産工場》は1ターンに一度、自分のフィールド、または手札からカードを一枚墓地に送って一枚ドローする永続罠。

 奴隷杯の決勝戦でヘルカイザー亮相手に用いた《大樹海》と《闇の増産工場》のコンボを今回も使用する。

 

「手札の髑髏顔 天道虫(ドクロがん レディバグ)を墓地に送って一枚ドロー。更に髑髏顔 天道虫(ドクロがん レディバグ)が墓地に置かれた時、ライフを1000回復する」

 

 インセクト遊羽 LP5000

 

「俺はカードを一枚セットしてターンエンド。エンドフェイズ時《命削りの宝札》の効果で残った手札一枚を墓地に捨てるぜ」

「私のターン、ドロー。アルティメット・インセクトLV3の効果発動。このカードを墓地に送ることでアルティメット・インセクトLV5を特殊召喚する」

 

 《アルティメット・インセクトLV5》

 星5 風属性 昆虫族

 攻撃力2300 守備力900

 

「アルティメット・インセクトLV3の効果で特殊召喚されたアルティメット・インセクトLV5が場にいる限り、相手フィールド場の全てのモンスターの攻撃力は500ダウンする」

 

 《レジェンド・デビル》

 攻撃力2200→1700

 

「バトル! セイバー・ビートルでレジェンド・デビルを攻撃」

「トラップカード《和睦の使者》。俺のモンスターは戦闘では破壊されず、戦闘ダメージは0になる」

 

 命中したかと思われた《セイバー・ビートル》の攻撃は罠カードによって阻まれた。

 これでこのターン《レジェンド・デビル》を戦闘破壊することはできず、戦闘でレイプデビル叡傲のライフを削ることはできない。

 

「私はこれでターンエンド」

「俺のターン。《強欲なカケラ》に二つ目の強欲カウンターが乗る。そしてレジェンド・デビルの攻撃力が700アップするぜ」

 

 《レジェンド・デビル》

 攻撃力1700→2400

 

「二つの強欲カウンターが乗った《強欲なカケラ》を墓地に送ることでカードを二枚ドロー。バトルフェイズに移行だ」

 

 《アルティメット・インセクトLV5》の効果で弱体化してなお《レジェンド・デビル》の攻撃力は2400ある。

 

「レジェンド・デビルでアルティメット・インセクトLV5を攻撃」

 

 現在の遊羽の魔法、罠ゾーンに伏せカードはないが防御兼カウンターの手段なら手札にあった。

 

「相手モンスターの攻撃宣言時《ジャイアント・メサイア》の効果を発動。このカードを手札から特殊召喚する」

「くひひ、手札誘発か。悪いがそんなの手抜きしながらでも対応できるんだよ。カウンタートラップ《天罰》発動。手札を一枚捨てて、モンスターの効果発動を無効にして破壊する」

 

 《天罰》によって《ジャイアント・メサイア》の効果は無効化されて、そのまま墓地に送られた。

 《レジェンド・デビル》の攻撃を受けて《アルティメット・インセクトLV5》が戦闘破壊される。

 

 インセクト遊羽 LP4900

 

「《大樹海》の効果発動。デッキから昆虫機甲鎧(バイオインセクトアーマー)を手札に加える。そして《闇の増産工場》で昆虫機甲鎧を墓地に送って一枚ドロー」

「ターンエンド。正直、ここまでは期待外れだな。女王サンが執着してるから、どれ程のものかと思ったが、俺が犯した女たちにまるで及ばねえよ」

 

 レイプデビル叡傲が退屈そうに欠伸をした。

 

「私のターン、ドロー」

 

 引いたカードを遊羽はそのまま発動する。

 

「魔法カード《おろかな埋葬》。デッキからゴキポールを墓地へ送る。そしてゴキポールの効果発動」

 

 この効果で通常モンスターの《甲虫装甲騎士(インセクトナイト)》を手札に加えれば、それを特殊召喚した上で、その攻撃力以上のモンスターを破壊することができる。

 《レジェンド・デビル》が自身の効果でどれだけ攻撃力を上げようと効果破壊に対しては無力だ。

 

「永続トラップ《ディメンション・ガーディアン》。レジェンド・デビルを対象にしてこのカードを発動する。これでレジェンド・デビルは戦闘、効果では破壊されない」

 

 だがレイプデビル叡傲は即座にこちらの戦略を先読みして対処してきた。

 

「たったら私が手札に加えるのは《ドラゴンフライ》」

 

 それを受けて遊羽も戦略を切り替える。

 《レジェンド・デビル》を効果破壊できないのなら、現在の手札で通常モンスターを特殊召喚する意味はない。

 

「モンスターをセット。セイバー・ビートルを守備表示にしてターンエンド」

「おいおい、マジでこの程度かよ。これじゃあ暇潰しはできそうもねえな。さて、ドローしたカードは……はぁ、どれだけ手を抜いても結局俺は勝っちまうわけか」

 

 《レジェンド・デビル》

 攻撃力2900→3600

 

 スタンバイフェイズにレジェンド・デビルの攻撃力が700上昇する。

 

「ここで《予見通帳》で除外した三枚のカードが手札に加わるが、これの出番はなさそうだな」

 

 最初にドローしたカードをレイプデビル叡傲が発動する。

 

「《メテオ・ストライク》をレジェンド・デビルに装備」

 

 装備魔法が装備されたにもかかわらず《レジェンド・デビル》のステータスに変化はない。

 だが遊羽は舌打ちを堪えた。

 前のターンの判断が間違っていたとは言わないが、結果的に《セイバー・ビートル》を守備表示にしたのが裏目に出たことになる。

 

「レジェンド・デビルでセイバー・ビートルを攻撃。《メテオ・ストライク》を装備したモンスターが守備表示モンスターを攻撃した時、攻撃力が守備力を超えた分だけダメージを与える」

 

 現在の《レジェンド・デビル》の攻撃力は3600。

 対する《セイバー・ビートル》の守備力は600。

 《レジェンド・デビル》の攻撃で《セイバー・ビートル》が戦闘破壊されたことにより、その差である3000のダメージを遊羽は受けた。

 

 インセクト遊羽 LP1900

 

「《大樹海》効果発動。スケイルモースを手札に加える。《闇の増産工場》でスケイルモースを墓地に送って一枚ドロー」

「俺はターンを終了。次のターンまでにレジェンド・デビルを何とかできねえとお前の負けは決まるぜ」

 

 事実として次のレイプデビル叡傲のターンになれば《レジェンド・デビル》の攻撃力は4000を超える。

 しかも《ディメンション・ガーディアン》により破壊耐性が付与され《メテオ・ストライク》の効果で攻撃が貫通する状態でだ。

 

「私のターン、ドロー」

 

 引いたカードを遊羽はそのまま発動した。

 

「速攻魔法《ツインツイスター》。手札のゴキポールを捨てて、フィールド場の魔法、罠カードを二枚破壊する」

 

 この効果で《ディメンション・ガーディアン》と《メテオ・ストライク》を破壊して《レジェンド・デビル》の強化を剥がすことはできるが、その程度ではこの決闘強姦魔の予測の範疇だろう。

 奴の予想を上回るには、その先を行くプレイングをするしかない。

 

「私が破壊するのは、あんたの場にあるセットされた二枚のカード」

「へぇ、そうくるかい。どうぞご自由に」

 

 レイプデビル叡傲が伏せカードを発動することはなく《ツインツイスター》により、二枚のセットカードが破壊された。

 これで奴の場の伏せカードはなくなり、魔法、罠ゾーンのカードは《ディメンション・ガーディアン》と《メテオ・ストライク》の二枚。

 

「《ツインツイスター》のコストとして捨てたゴキポールの効果発動。デッキから甲虫装甲騎士を手札に加えて、そのまま攻撃表示で特殊召喚」

 

 《甲虫装甲騎士(インセクトナイト)

 星4 地属性 昆虫族

 攻撃力1900 守備力1500

 

「だが《ディメンション・ガーディアン》の効果で俺のレジェンド・デビルが破壊されることはないぜ」

 

 無論、それは分かっている。

 ここで欲しかったのは攻撃力1600以上のモンスターだ。

 

「セットしていたドラゴンフライを反転召喚」

 

 《ドラゴンフライ》

 星4 風属性 昆虫族

 攻撃力1400 守備力900

 

「そしてチューナーモンスター、インフェルニティ・ビートルを召喚」

 

 《インフェルニティ・ビートル》

 星2 闇属性 昆虫族

 攻撃力1200 守備力0

 

「レベル4《ドラゴンフライ》にレベル2《インフェルニティ・ビートル》をチューニング。シンクロ召喚! レベル6、地底のアラクネー」

 

 《地底のアラクネー》

 星6 地属性 昆虫族

 攻撃力2400 守備力1200

 

 このシンクロモンスターなら戦闘破壊も効果破壊もできない《レジェンド・デビル》に対処することができる。

 

「地底のアラクネーの効果発動。相手フィールド場に表側表示で存在するモンスターを装備カード扱いとして、このカードに装備する」

 

 既にレイプデビル叡傲の場に伏せカードはないので、これを止める手段はない。

 《地底のアラクネー》が蜘蛛の糸によって《レジェンド・デビル》を捕縛した。

 

「くひひ、レジェンド・デビルを攻略したか」

「余裕そうにしてるけど、あんたの場にモンスターはいない」

 

 魔法、罠ゾーンのカードもなく、レイプデビル叡傲の場には一枚のカードもない状況だ。

 そして攻撃力2400の《地底のアラクネー》と攻撃力1900の《甲虫装甲騎士(インセクトナイト)》のダイレクトアタックが通れば奴のライフは0になる。

 

「私はバトルフェイズに」

「おっと、墓地にある《光の護封霊剣》を除外することで、このターンの直接攻撃を封じる」

 

 《光の護封霊剣》は墓地で発動する効果を持った永続罠カード。

 これを墓地に送る機会は何度かあったので驚きはない。

 

「それなら《闇の増産工場》の効果で甲虫装甲騎士を墓地に送って一枚ドロー。ターンエンド」

「俺のターンだな」

 

 ドローしたカードを手札に加えながらレイプデビル叡傲がくつくつと笑う。

 

「レジェンド・デビルを攻略してくれてありがとよ。これでようやく暇潰しができる」

「ここからは手抜きをやめるってこと?」

「馬鹿、そんなわけねえだろ。せっかく暇潰しができそうなのに、俺が本気を出したら一瞬でデュエルが終わっちまう」

 

 相も変わらず傲慢な発言。

 

「まずは《予見通帳》で除外した三枚のカードが手札に加わる」

 

 これによってレイプデビル叡傲の手札は九枚になった。

 

伝説の黒石(ブラック・オブ・レジェンド)を召喚」

 

 《伝説の黒石(ブラック・オブ・レジェンド)

 星1 闇属性 ドラゴン族

 攻撃力0 守備力0

 

 召喚されたのは《レジェンド・デビル》とはシナジー皆無のドラゴン族モンスター。

 

「伝説の黒石の効果。このカードをリリースすることでデッキからレベル7以下の『レッドアイズ』モンスターを特殊召喚できる」

 

 おそらくはそのカードこそ、この決闘強姦魔のデッキにおける本来のテーマ。

 

真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)を特殊召喚!」

 

 《真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)

 星7 闇属性 ドラゴン族

 攻撃力2400 守備力2000

 

 現れたのは深紅の目を持つ伝説の黒竜だった。

 

「装備魔法《闇竜族の爪》をレッドアイズに装備。これで攻撃力が600ポイントアップして、相手の効果では破壊されなくなるぜ」

 

 《真紅眼の黒竜》

 攻撃力2400→3000

 

「更に魔法カード《融合》を発動。手札にある二枚目の《真紅眼の黒竜》と《終末の騎士》を融合する。いくぜ、融合召喚! 真紅眼の黒刃竜(レッドアイズ・スラッシュドラゴン)

 

 《真紅眼の黒刃竜(レッドアイズ・スラッシュドラゴン)

 星7 闇属性 ドラゴン族

 攻撃力2800 守備力2400

 

「くひひ。さぁ! 暇潰し開始だ!」

 

 最上級モンスターである二体の黒竜が、レイプデビル叡傲のフィールド場に並んだ。

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