呪いと祈りと転生と   作:かりん2022

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3話から5話くらいで終わるといいな。


没Ver
転生


もしも。もしも、神様がいるのなら。

どうか、助けて欲しい。

 

そんな切なる願いを聞き届け、私、降臨!!

 

「迷える子羊よ、私が導いてやろう……」

 

 私は夢枕にたった。

 そして、呆気に取られる。

 何だこの深い闇のような呪力。闇の塊にしか見えんぞ。

 迷ってるにしても迷いすぎだろ、子羊め。

 

「帰ります」

「何の為に来たのかな?」

 

 真っ黒な塊が聞いてくる。

 

「何って、君が神様に助けを求めてきたから、信者獲得出来るかなって来たんだけど。君は何をそんなに呪っているんだい?」

 

 その途端、苦しみが弾けた。

 拍手。拍手。拍手。

 悲しみ。慟哭。苦しみ。裏切られた思い。

 

「なるほど、なるほど」

 

 事情は分かった。え、呪と祈りは表裏一体なのに、呪しか適用されないの何なの。

 悪意しか感じない……。

 

「残念だけど、たとえ神でも、人を生き返らせる事はできない」

「そもそも、君は神なのか?」

 

 黒い塊がモゾモゾ動く。

 

「そうだよ。新米神のマジョリカって言うんだ」

「マジョリカ」

「そう、マジョリカ」

「それで、神様が私を救ってくれるって? この世界から呪霊を消してくれる?」

「それが君の望みかな?」

「っ! そうだよ」

 

 黒い塊が、ふるりと期待と恐れに震える。

 

「残念ながら、既にある世界のシステムを壊す事もできない」

「なら」

「だから、祈りを使えるようにシステムに追加しよう」

「!?」

「ゆくゆくは、ね。とりあえず、試運転が必要だ。君が願ったんだ。まず君が最初の祈り手となりなさい」

 

 私は覚悟を決めて、黒い塊に手を突っ込んだ。

 

「祈りを力に。そうだな、これを白魔術と名付けよう。君は生まれ変わり、祈りを操る者となる。ただし、夢々忘れる勿れ。決して呪ってはいけないよ」

 

 ファイヤー!

 気合を込めて干渉をすると、黒い塊は崩壊していく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「マジョリカ。相談とか許可とか説明って言葉知ってる?」

『何それ、美味しいの?』

 

 頭を抑えて、黒髪の幼女を卒業したての童女がため息を吐く。

 私は童女の頭の上で、小首をかしげる。直、力を使い果たした私は、小さなカエルになっていた。

 

「死ぬって知ってたら願わなかった」

『生まれたからいいでしょう。お母さん若くてよかったね』

「良くない。性転換したいなんて言ってない」

 

 夏油すぐる6歳。夏油傑の年の離れた妹であり、生まれ変わりである。

 すぐるは悩んでいたようだが、切り替えることにしたようだ。

 

「で? 祈りが力になるんだろう? どうするんだ。君の事を感じ取れるようになったということは、準備が整ったんだろ?」

『そうだよ。さあ、強い祈りを捧げるんだ。ただし、最初の祈りが肝心だ。それは君の核となる、心からの祈りでなくてはならない。自分を偽ってはダメだよ』

「心からの祈り……」

 

 すぐるは胸に手を当てて、考える。

 

「弱者生存。いや、これは違う……。私は……私は、守りたいんだ。小さな幸せを。失いたくないんだ、何も」

 

 どうやら、祈りは決まったらしい。すぐるは胸に手を当てる。

 

「木漏れ日、灯火、循環、出口のない輪、絆、繰り返されるまた明日」

 

 そうして、すぐるが胸に手を突き入れると、中から宝石が現れる。

 青く輝く宝石を掲げ、すぐるは叫ぶ。

 

「ドレスアップ! 不変の日常(エターナルデイズ)!」

 

 そうして、宝石から輝く光の帯が溢れて、すぐるの体を覆っていく。

 スカートがふんわり広がり、ステッキがくるくると回る。

 

「……魔女っ子とも聞いてない」

『かわいかろう?』

 

 握りつぶそうとしてくるすぐる。やめて痛い痛い痛い。

 

「で、何が出来るんだ。いや、わかる。……怪我の無効化、か」

 

 呪霊操術の方が使い勝手が良かったのに、とべちょりとしてすぐるは独りごちた。

 

『そう思って、呪霊も操れるようにしておいた。ただし、祈りによる転化が必要だよ』

「祈りによる転化?」

『祈りで浄化するんだよ』

「フゥン。やってみようか」

 

 呪霊を出して、杖を握る。

 

「悟に、会うんだ……! また、ううん、今度こそ。隣に、並ぶんだ!」

 

 いいね、頑張る子は美しい。

 

 そうして、呪霊は精霊となった。呪霊が剣なら、精霊は盾。

 攻撃には使い難い上、4級相当の呪霊の転化でも少し息切れしているようだ。

 まあ仕方ない。

 

「こんなんじゃ、悟に会えないな……」

 

 すぐるはせつなげな顔をして言った。

 そして、一ヶ月後。すぐるは、両親の目を盗んで、かつて通っていた学校へと向かった。遠くから見るだけ、だそうである。

 

「はあ、はあ、はあ。幼女の足だときついな」

 

 すぐるがようやく学校へ着くと、ゾロゾロと術師達が出て来る所だった。

 

「何かあったのかな」

『聞いてみれば?』

「今の私は非術師だ。部外者に教えてもらえるはずがないよ。でも気になる。この人数、ほぼほぼ全員出動じゃないか? 何があったんだろう」

 

 そうして、ついていって、五条悟を出せと叫ぶ民衆に、すぐるは圧倒された。

 

 どうやら、何かが起きたらしい。




マシュマロ
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