呪いと祈りと転生と   作:かりん2022

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この時間軸だと、五条先生は先生じゃありません。
後、ミミななは五条先生に助けられてたり、伏黒が京都校だったりします。


祈り

どうやら、悟はもう行ってしまったらしい。

いてもたっても居られず、追いかけようとするけど、止められる。

 

「ここから先に進むと危ないぞ」

「そうよ、親はどうしたのよ」

「悟がっ」

 

 生徒だろうか、若い術師にひょいと持ち上げられて仕舞えば、6歳の身ではどうにもならない。

 

「えっ 五条さんの子供!?」

「あんた、五条悟の子供なの? 名前は?」

「えと、違うけど……っ だけど」

 

 そして、私はスカートを掴んでぎゅっと唇を噛み締めた。

 今の私は悟と面識はないし、足手纏いだ。

 心の制御が効かない幼女の体は、勝手にポロポロと涙をこぼす。

 

「あー。大丈夫だよ。五条さん、最強の術師だから」

「こらっ 術師って言っちゃダメよ、一般人かもしれないでしょ。で、あんた五条さんの何? 子供じゃないんでしょ? 親戚?」

「んん? なんか夏油傑に似てるね」

「あっ 五条様のお友達だった夏油傑! 確かに!」

 

 私は、その場をなんとか誤魔化して、離れることとした。

 

 そうして、帰ることもできず、進むこともできず、帳の中になんとか潜り込んでヤキモキしていると、五条さんが封印された、という言葉が聞こえてきた。

 

 これ以上状況が悪くなんかならない。

 

 私は、箒で声のする方に向かった。

 

 ビルの上に立っていたのは、先ほどの青年だった。

 

「あ! さっきの女の子! 術師だったのか」

「詳しい事を教えて」

「えっと、その前に、あんた、誰?」

「私は夏油すぐる。悟の友達だよ」

「え、そう、なの? でも、あぶねーだろ、こんなところで。それに、夏油傑って五条さんを封印した奴じゃあ」

「封印? 私がどれだけ足を引っ張っても、今以上に悪くなることなんてないよ。いいから教えて」

 

 そこで、状況を聞く。

 どうやら、私の偽物が悟を封印したらしい。

 呪霊操術も使われているらしい。

 許せない。

 

「虎杖くん。その子は?」

「ナナミン先生! この子、夏油すぐるだって。五条さんの友達らしい」

「すぐる……? そういえば、夏油さんが亡くなった後、生まれた妹に同じ名前をつけたと」

「それ! それが私です!」

「とにかく、安全な場所に避難しなさい」

「いや! 私だって、出来ることはあるはず」

 

 七海は深いため息を吐く。

 

「無理やり返しても、飛んできそうですね。なら、目の届く場所にいてもらった方がいいですか……。仕方ありません。私達から離れないように」

「うん!!」

 

 そうして、私は虎杖お兄ちゃんと帳を壊す事になった。

 

「あ! 七海!」

「呼び捨てですか、最近の子供は……」

 

 ちゅっと七海のほおにキスをすると、小さなハートマークが刻印される。

 

「おまじない!」

「うわ、ハートマークついてる」

「七海にしかつけられないんだ、ごめんね」

「すげー。モテるじゃん、ナナミン先生」

 

 七海は深くため息を吐くと、私達と別れた。

 それから、帳を壊しに向かう。

 

 戦闘では、虎杖お兄ちゃんの傷を癒す事しかできなかった。

 というか、させてもらえなかった。

 せめて、後2倍の年齢だったなら……。いや、それでもまだ12歳。

 全然戦力にならない。

 

 一応、身体強化はできるのだが、6歳では高が知れている上に呪詛師相手は苦手なのだ、魔法少女は。何せ防御と浄化が主な力だから。

 

 戦っている最中、七海につけた刻印が発動したのを感じる。

 近い。

 

「虎杖お兄ちゃん! 近くで七海が大ピンチみたい! こっち!」

「あっ ちょっと待てって!」

 

 追いかけていくと、火山の呪霊が術師を襲うところだった。

 

「テリトリー展開!」

 

 私の領域を広げる。

 私の領域では、味方は私の祈りの力が続く限り何度でも復活する!

 

「宿儺の器! ちょうどいい」

「下がってろ、すぐる!」

「虎杖くん! 撤退しなさい!」

 

 だけど、私はその時には杖を掲げて漏瑚に攻撃を仕掛けていた。

 

「「すぐるーーー!!!」」

「浄化されちゃえ!!!」「小癪な!」

 

 真っ向から魔力と呪いがぶつかる。

 そうして、私は全部の魔力と引き換えに、漏瑚を精霊へ変えることに成功した。

 

 それから私の意識は途切れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私が目を覚ますと、父さんと母さんがいた。

 

「すぐる! 良かった。お前までいなくなるかと……」

「すぐる! よかったわ」

「父さん、母さん」

 

 二人は、私をそっと抱き起こす。

 

「さあ。帰ろう」

「あれからどうなったか聞かないと」

「すぐる! もういい、私達と帰ろう」

 

 そう言い募る両親を振り切り、補助監督を探して事情を聞く。

 

 呪霊操術で東京が消えたらしい。

 なんてことだ……。

 

「あ! すぐる! 良かった、心配した。なあ、ナナミン先生にだったら、おまじないもっかい出来る?」

「いいけど、交換条件。獄門疆「裏」を貸して」

 

 魔力は十分に回復した。

 私は祈りを捧げる。私の祈りは、魔法は、「日常」を取り戻すことだ。

 そして、その起点は、五条 悟。

 悟にこそ、最大の力が働く。

 

 私の周囲を風が吹く。光が漏れ出る。

 

「おおっ!?」

「行けそう」

 

 お願い、私の日常を返して。私の全部をあげるから。

 祈りは希望の光と化して、私は骸骨達に囚われていた。

 どうやら、無事悟とチェンジできたらしい。なんでもありだな、白魔法。

 

「うまく、いった……」

 

 後は、悟がなんとかしてくれる。

 でも。

 

「もう一度、悟と話したかったなぁ」

 

 まあいいや。後は頼んだよ、悟。




マシュマロ
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