最近、魔法少女の目撃例が相次いでいる。
そういう組織があるらしい。
しかも、少女達は借金を背負わされているとか。
人工呪術師の疑いもあり、見かけたら保護するように全術師に連絡が来ていた。
全く嘆かわしい事である。
だが、七海は保護しようとは思わない。
それとは別に、一時的に呪力を増す呪石が流通し出し、多い目撃証言と強い保護命令が出ているにも関わらず、一向に魔法少女が呪術界に保護されている様子はなかったからである。
そして、それについて五条が聞いた所、異様にバッチバチの空気になって五条ですら困惑していたからである。
そんなわけで。
「ねぇ、ナナミン。魔法少女になれって言われたんだけど」
「それね。アニメの魔法少女まどか⭐︎マギカそっくりなの。名前もおんなじ」
先輩の忘形見に相談され、七海は大いに戸惑った。
「きゅーべぇって奴、俺らには見えなかったんだよな。な、伏黒。釘崎」
「私のどこが少女じゃないって!?」
「言ってねぇよ」
「魔法少女の保護命令は出ていますが、実際に呪術界で保護されている魔法少女を見た事がありません。きな臭いので、魔法少女にはならない方が良いと思います。まどか⭐︎マギカとは?」
「これ!」
紹介されたそれを、七海は見てみる事にした。
最後に出てきた石が、呪石に大変そっくりだった。
最近よく現れる、絶望をばら撒く厄介な呪霊も思い出す。
点と点が繋がって線になりそうである。
「魔法少女になれば、どんな願いも叶うって。夏油様も助けられたり、するのかなって。実際、あいつ夏油様に会えるって言ってたし」
「並行世界の夏油さんを助ける事になるのでは? 最終的に大量の夏油さんが犠牲になりそうですね」
「うう……」
「そんなわけのわからないものに頼るのはおやめなさい」
「でも、あいつ、夏油様が私達を守ってくれた時にもいた気がする」
「……なんですって?」
「夏油様と、何か話してた」
「……五条さんに相談してみましょう」
七海が五条に相談した所、本腰入れて調べてみるとのこと。
ひとまず五条同伴できゅーべぇーと話してみる事になった。
そして、きゅーべぇーとの会談の場に現れたのは、緑髪の中学生くらいの魔法少女と。
「あの子達や悟や七海を巻き込んだら許さない!」
「すぐ……る……?」
ウェディングで、少女からぎりぎり脱却するぐらいの絶妙な年齢の魔法少女だった。
「18禁魔法少女は黙ってなよ、教育に悪い……ムー!」
お口を引っ張られ、もがく少女。
「傑! 何やってんだよ、傑!」
「何って、魔法少女? 私、借金して転生したんだよ」
「転生? 年齢合わねーだろ」
「今は願いの力で変身しているだけだからね。叶えた願いの分、働いて変えさないといけないのさ」
「願い?」
「お嫁さんになりたかったんだよ」
「お嫁さんに……?」
五条は夏油をぎゅっと抱きしめる。
「そ、それって誰のだよ」
「誰でも良いけど……」
「誰でも!?」
「あえていうなら賢太くんかな」
「誰だよ!?」
「集団登校でいつも私の手を引いてくれるお兄さんさ」
「集団登校って小学生じゃなかったか」
「小学生だからね」
そこで、たまらず美々子と菜々子が叫んだ。
「それって、魂と引き換えにしても欲しい願いなんですか!?」
「いや、契約はするって転生前に縛ったからね。どうしようもなかったんだよ。それに、せっかく生まれ変わったんだから、前世の、呪術師の夏油傑じゃなくて、生まれ変わった新しい私の願いを叶えたかったんだ」
そういって笑う夏油にあからさまに五条はときめいていた。
「五条さん。いうまでもなく犯罪です。登下校で補助されるのは小学校一年生ですよ」
「わかってる。待つ」
「ま……」
「ちょっと待ちなさいよ、おにーさん! こいつ、すっごくえっちなのよ!」
「何がかな?」
「こいつの魔法の力はお嫁さん! それも、出産に偏ってて、もう何人も産んでるんだから!」
「使い魔を、ね。人間はまだ産んでないよ」
「どうだか! それよりも、私達魔法少女は呪術師の仲間が必要なの。邪魔しないで!」
「なんで?」
「私の友達のあみちゃんが、呪術師に捕まってるからよ! 解放させるのに、情報が必要なの!」
「美鈴。巻き込めないよ」
「巻き込むのよ! あんただって後輩で前世からの友達が捕まってるんでしょ!?」
「まだ1日。猶予はあるよ。ちゃんと計画も練るし、私1人で奪還できる」
「あみはもう一週間も捕まってんのよ!!」
「まさか、その子って灰原 雄ですか?」
「……そうだよ」
すぐるの襟首を掴みそうになって、五条に跳ね除けられる。
「落ち着いて七海。すぐに助けに行こう」
こうして、助けに行った所。
総監部の作った結界内に大量の魔女が打ち捨てられ、閉じ込められていたのが発見されて大問題になった。
囚われていた魔法少女も救出されたのだった。