転生一般人は深海棲艦や艦娘と静かに過ごしたい(旧題:何故か、深海棲艦がたむろする様になりました。)   作:八雲ネム

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第49話 共闘枠、拡大へのきっかけ作り

「インド洋にいる深海棲艦と話を付けてほしい?」

「えぇ。現在、インド洋に派遣している艦娘の戦況は芳しくない様子なので最低でも敵対関係にはなりたくはないなぁ、と思いまして」

「既に敵対関係になっているとは考えないのかい?」

「そうなっていたら、既にインド洋に接している国々のいくつかは滅亡していますよ」

 

 政府との定例会議後、建造による戦力の拡大と演習による練兵を急がせていると深海棲艦側との調整をする為に、磨鎖鬼提督がやってきたのでお茶を出しながら話し合っている最中、インド洋に派遣している艦娘の話になったので話してみた。

 すると、当然ながら怪訝そうな表情で言われたので話を続けた。

 

「そもそも、現段階において人類側の戦力、特に海戦においてはかなり心許ないじゃないですか。なので、可能であれば味方になってほしいなと考えているんですよ。太平洋や大西洋と比べて規模は小さいですが、それでもかなりの範囲ですから味方になればかなりの数になる事が予想できます」

「それでも、敵対すると決めた連中よりも数は少ないぞ」

「ですので、味方になった場合は艦娘との共同作戦に参加してもらうつもりです。本格的に艦娘を運用するまで、深海棲艦側が主力になってもらう必要があるのでハイリスクハイリターンな物になりますが」

「………一応、話は通しておくがあまり期待しない方が良い。私も何度か、インド洋にいる提督と話をしているが反応は鈍いのでな」

「よろしくお願いします」

 

 どうやら、磨鎖鬼提督も俺と同じ様にインド洋にいる深海棲艦を味方にすべく、彼の地で指揮を取る深海提督と接触していた様だが良い返事は返ってこないらしい。

 まぁ、最初から期待していないがそれでもやらないよりかは遥かにマシだと思って、戦力が整うまで遅滞戦術による時間稼ぎを行いながら中立を保つ深海提督と地道に交渉を続けるしかなさそうではある。

 何しろ、今の人類はWW2前の軍縮によって碌な戦力が整っていなかったA国の軍隊並に数が足りていないので、大規模な反撃を行うのに必要な戦力が整うには後2年前後の時間が必要だ。

 

 それまで、残存する陸軍国家である旧東側国家群やインド洋と言う名前の由来になった(ナンとカレーの)国が中心となって頑張ってもらうしかないが、そこに一定数の深海棲艦が味方になればかなりの戦力が加わって反撃の機会が早くなる可能性がある。

 その為には、深海棲艦の中にも味方になってくれる奴もいる、と言う認識を広めるしかないのだが正直に言って難しいだろうな。大勢の人が知るきっかけとなったのが戦争をふっかけてきた化け物集団な訳だし。

 

「こんな事になるんだったら深海棲艦になった方が良かったかねぇ。勿論、独り言なんですが」

「軽はずみで言っているんだったらやめた方が良い。なったら半永久的に人類と敵対する羽目になるからな」

「ですよねー」

 

 今後の事を考えると頭が痛い、と思いながら愚痴ってみると磨鎖鬼提督から本気で忠告されたので、人間社会において本気でどうしようもなくなった時の最後の保険程度に考えておこうと思いながら他の話も進めていった。

 

 

 

 

 

 先遣艦隊・共同基地のメンバー side

 

「やはり、戦力の早期補充は難しいそうだ」

「やっぱりね。ただでさえ、突貫工事的な訓練を済ませてここへ送られてきたんだもの。そう簡単に補充できないわよ」

「となれば当面、僕達が主力となって戦うんだね」

 

 (ナンとカレーの)国に建設されたある軍港にて、補給と休養の為に停泊された船内の一室で武蔵は番頭から受け取った通信内容を叢雲と時雨に伝えると、彼女達は当然の結果だと言わんばかりに頷いた。

 何しろ、半年と言う期間は普通に生活していればそこそこ長い時間であるものの、予定が詰まって忙しければあっという間な時間とも言える期間を後者で過ごした彼女達からすれば、現地に到達してからすぐに援軍を要請しても来ない事は分かっていた。

 もしも、戦力が充実して援軍を送る余裕があれば話は別だが再び艦娘を本格的に運用してから、1年も経過していない現状では量産体制は勿論、教育プログラムだって洗い出しすら完全とは言えないのだ。

 

 となれば、教育期間を短縮した結果として訓練不足な半人前以下のメンバーを引き連れて戦うしかなくなるので、死傷者を無駄に増やす事になりかねない。

 政府の方針は兎も角、戦争から縁遠かった番頭からすれば可能な限り、死なないでくれと言うのが願いだと言うのを聞いているのでそう簡単に増援は送らないだろうと思っている。末期戦でもない限り。

 

「とは言え、このままだと士気の低下で艦隊行動の崩壊が起こりかねないので私から番頭の方にある提案を送っておいた」

「提案?」

「深海棲艦との共闘」

「………共同基地の再現をするつもりね」

「あぁ。前例がある以上、難しい道のりなのは確かだが不可能ではないと思っているよ」

 

 しかし、増援がない限りはジリ貧になっていつかは壊滅する可能性が日増しに増えている以上、それを未然に防いで任務が終わるまでの生存確率を増やすには敵の敵を味方に引き入れるぐらいの事をしないといけない。

 その為、意見の提出という形になるが番頭と同じ様にインド洋を拠点とする深海棲艦の一派と手を組む必要がある、と言う認識を武蔵達でも持つようになったので番頭や軍上層部に提出した。

 意見提出ぐらいで、すぐに共闘する動きになるとは最初から考えていないがそれでも現場の意見としてきっかけ作りの一助になれば良いと思って行動に移した。

 

 その為、もしもインド洋の深海棲艦が味方になった際に取るべき行動に対して、3人で意見を出し合う事になった。

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