転生一般人は深海棲艦や艦娘と静かに過ごしたい(旧題:何故か、深海棲艦がたむろする様になりました。)   作:八雲ネム

61 / 79
第57話 大規模演習 with 海外艦娘

「災難だったねぇ」

「災難ってモンじゃねぇ。ありゃ、満水のダムが崩壊して押し寄せる濁流の如く、建造されたからな」

「現在、この基地で確認された海外艦はA国とR国以外の艦娘だな」

「A国は内乱が発生しているとは言え、消滅した訳でもないから良いとしてR国もかい?」

「国境近くまで押されているとは言っても国自体が消滅しないとこないのもあるのだろう」

 

 額に青タン(皮下出血)を作った俺は、時雨に心配されながらも武蔵の報告を聞いた結果として報告に上がった2ヶ国の妖精さんが未だにこちらへ来ていない以上、アイオワやガンクート等は諦めるしかなさそうではある。

 これでもしも、西欧諸国が消滅していないのであれば素直に喜んでいたのだが、消滅している現状では彼女達を宥める事に時間が掛かりそうで何とも言えない。

 特に、近現代において占領された時期はあっても長期間に亘って東西分裂したD国の様に、国家が消滅した経験がない(トリコロールの)国や(パスタの)国の艦娘の動揺はかなり大きかった。

 

 また、艦娘以外の西欧諸国が有していた技術   美味いチーズやワインの作り方など   の消失と言う衝撃もかなり強く、日本で例えるなら日本酒の製造法や米の品種が丸ごと、文字通りに消失する様な物なので彼女達のショックは計り知れないものである。

 その為、当面は海外艦娘達を無理に任務へ従事させずに現状を受け入れさせる方向で話を進めようとしているのだが、国が消滅した割に平然としている艦娘が2人もいる。

 

「あー………一応、聞いておくけど大丈夫かい?」

Ce n'est pas bien(大丈夫じゃないわ).けれど暇だとnégatifに考えちゃうから手伝ってるだけよ」

「そうだ。私達も動揺しているが、艦隊の旗艦を勤める者が落ち着いていないでどうする?」

「そうか。君らは強いんだな。ただ、本当に辛くなったら他の人に相談してほしい。話ぐらいなら聞いてくれるだろうからな」

Compris(分かったわ)

「あぁ、そうさせてもらう」

 

 その2人とは、F国艦娘のリシュリューとUK国艦娘のネルソンであり、一見すると平然としていても気を紛らせる為に仕事を手伝っているらしい。

 

(まぁ、当然だよな。国が消滅すると言う事が近現代、特に世界を引っ張ってきた先進国と呼ばれた国々で発生するなんて微塵も思わないわな。俺でも暫く呆然としてるし)

 

 前世も含めて国家の消滅、或いは分裂したと言う経験をしてこなかった日本からすると実感し難い事ではあるが、冷戦期に東西分裂した(ビールとウインナーの)国や南北に分裂した大陸から盲腸の様に生えているK国の様に、消滅や分裂をした後は難民等のかなり大きい禍根を残してしまう。

 ましてや、独裁国家として存続してきた中東諸国や戦火が絶えないアフリカ大陸と違って、国家として内部に多数の問題を抱えながらも先進国として世界を牽引してきた西欧諸国が崩壊したと聞いたら到底、受け入れられないのは当然である。

 その為、建造した海外艦娘達のメンタルケアをしないとなぁと思いながら仕事をしていると   

 

「大変です! 一部の艦娘がこの基地にいる深海棲艦と戦わせろとデモを起こしかけてます!」

「本日の予定を全て変更! これより、大規模演習を行う! 参加希望の艦娘は国籍に関係なく、全員参加させろ! 歓迎しようじゃないか! 盛大に!」

「畏まりました!」

 

    大淀さんが緊急事態として、報告を上げに駆け込んできたので彼女達の不満を抑え込んで不発弾にするより、意図的に起爆させてスッキリさせた方が遥かにマシだと判断して予定を変更した。

 通常業務であれば、事前に政府へ申請して予定表に組み込むのだが今回は状況が状況なので、消費した分の各種資源や政府との調整は後で埋め合わせるとして今は彼女達の要求を飲む事にしよう。

 

「にしても良かったのか? 後で詰められるだろう?」

「今、抑えつけてもいつかは爆発する。そしとそれがテロにでもなったら詰められるだけじゃ済まないからな。責任取らされて何されるか、分かったモンじゃない」

「はっ、そうなったら離島棲姫達が黙っていないだろうよ」

「まーな。だが、損失しかないリスクの回避ができる手段があればするのは間違ってはないと思ってるよ」

「だな」

 

 そう言った思惑から、大淀に飲む事を伝えると彼女はすぐに出て行ったのだが今度は武蔵が聞いてきた為、リスクを回避する為だと答えると彼女も同意してくれた。

 このまま、暴走した海外艦娘がテロに走ったら政府から責任能力に問題があるとして別の意味の責任を取らされるので、俺からすればバッドエンド直行。

 別の意味の責任から逃げるつもりで、離島棲姫達と共に深海側に行けば艦娘と敵対する羽目になるので可能であればこちらも回避したい。

 

 となれば、予定外の大規模演習で荒ぶる海外艦娘達を沈めるしかないなぁと決断したのだが、この話を聞いていたリシュリューとネルソンが聞いてきた。

 

「その演習、私達も参加できるかしら?」

「勿論だとも。参加したいのか?」

「そうだとも、Admiral。戦艦として戦える機会があれば参加したいのが艦娘という者だ」

「なら、準備をして行くと良い。俺は必要な手続きをするからな」

「Thanks!」

「merci」

 

 当然ながら演習の事であり、参加したい様子だった彼女達にも許可すると勢いよく、飛び出していったのでお国柄なのか、或いは今の状況で居ても立っても居られないと思っているのかについて考えてしまった。

 恐らく、後者だろうが今の俺にできる事は新たに参加する海外艦娘達の練度をこの基地に在籍する艦娘と同等の練度に上げる事であり、それ以上の事に関しては政府の役人の仕事なので俺からは何も言わない。

 ただ、問題なのはゲームでは登場しなかった海外艦娘も建造で登場し始めているのでこのまま、増え続ければ欧州派遣艦隊の一翼として参加する羽目になるだろうなぁと思いながら演習への手続きをした。




かなり雑な流れなのは認める。
それはそうと、本作の次回投稿は来月の6日か、遅くとも13日なので来年もよろしくお願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。