病弱少女、転生して健康な肉体(最強)を手に入れる~友達が欲しくて旅に出ましたが、どうやら私の魔法は少しおかしいようです。私が育ったのが魔界!? またまたご冗談を~ 作:魔界育ちの一般人
こちら本日二話目なのでお気をつけ下さい...
大恐慌を起こした実技の授業。
その後の授業ではスヤリスヤリと眠りに落ち、隣の席のエリンさんにツンツンつつかれて起こされたり。
そうして午前中の授業が終わり、待ちに待った昼食の時間がやってきました。
(なんか色々失敗してしまいましたが、まだ取り返せます!)
(一緒に学食に行って、そこから華麗なる私のトーク力で話題を広げてみせます。おかずの交換だってしちゃいます!)
そんな意気込みと共にクラスメイトをお昼に誘う私ですが、
「ねえ、私とお昼ご飯を――」
「ヒィィィィィ、魔王!? どうか、お許しを!」
「ねえ、私とお昼ご飯に――」
「模擬戦なんてやりません! 許して~!!」
なぜかサササッと逃げられる始末。
何人かに話しかけてみましたが、クラスメイトの反応は似たようなもので。
(ど、どうしてこうなった!?)
「うう……、マティさんの嘘つき!」
どれもこれもカカシ爆破事故のせいです。
私は涙目で、とぼとぼ学食に向かうのでした。
そんなこんなで、食堂に到着。
学食はという場所は、裕福ではない地方貴族や、地方から出てきた平民が利用しているようで、今日も人でごったがえしていました。
(こうなったら作戦変更です)
(次は、私と同じ――1人でいる人を狙います!)
上手く行かなかった原因を考え、私は1つの結論に至りました。
すなわち、すでに出来上がっているグループに入るのは困難。私と同じ、ぼっち飯を決めてる人を狙って話しかければ、友達になれるはずです。
私が歩くと、サーッと人が捌けていきます。
その風景、まるでモーゼの奇跡。
まるで嬉しくありません。
すでに心が折れそうですが、私は負けじと
(むぅ。この時期じゃ、すでにグループが出来上がってますね……)
しばし歩き回ること数分。
ついに私は、1人でもぞもぞ食事を摂る学生を発見──そのままロックオン。
ササッと近づき隣に座り、ニコッと笑みを浮かべながら、
「隣の席、良いですか?」
「ヒィィィィ、魔王だぁぁぁぁ~!」
(クラス外にまで知れ渡ってる〜!?)
またしても悲鳴をあげられ、逃げられてしまいました。
笑みを浮かべたままフリーズする私。
あたふたと逃げ出した生徒は「これでお許しを~!」などと言いながら、私にプチトマトを献上していき、
「ぷ、プチトマトはいいので、私と少しだけお話を――」
「コロッケだけはお許しを~!!!」
すたこらさっさと姿を消してしまいました。
(これ、絶対ろくでもない噂が広がってますね!?)
編入試験における模擬戦のせいでしょうか。
それとも魔法演習の授業でお披露目した
しょんぼりと一人反省会を始める私。
「う~ん、メテオの魔法を披露したのは失敗だったかもしれませんね……」
格好いい魔法を見せようと、張り切りすぎました。
まさかこんなに怯えられるなんて。
「それなら次はアプローチを変えて、幻想的でうっとりする感じ? 美しさが足りなかったのかもしれません。こうなったら、次は学園ごと氷の彫像に変えるニブルヘイムの魔法で――(ぶつぶつ)」
「ギャー、魔王さまの怒りを買ってしまった~!?」
「どうか怒りをお鎮め下さいまし!」
私の呟きを聞いた通りすがりの生徒が、真っ青な顔でそんなことを言いだします。
気がつけば私のお皿には、デザートの山がお供えされており……、
「なんか思ってたのと違う!」
私は学園生活のままならなさに、頭を抱えるのでした。
***
そうして気がつけば、1日が終わろうとしていました。
1日が、終わろうと、していました……!
(た、大変です! 友達はおろか、結局まともにクラスメイトとお話すら出来てません!)
私が、エリシュアン学園に入ったのは友達を作るためです。
当初の計画では、放課後は友達と一緒に街に出かける予定だったのに、現実は放課後の教室でぽつんと1人。
このままでは、1人悲しい学園生活が始まってしまいます。
(ま、まだです……!)
エリシュアン学園では、生徒の自主性を重んじて部活動や冒険者活動を推奨しています。この学校の生徒であれば、誰でも冒険者として活動できるように、冒険者ギルドとエリシュアン学園は協力関係にあると聞きました。
生徒としても学費や名誉のため、冒険者として活動することに積極的な者も多く、生徒たちの間で上位冒険者のライセンスは、ある種のステータスのように扱われていました。
「私も、冒険者デビューします! どうにかパーティを組んで、数々の難敵を打ち破って死線をくぐり抜けて、徐々に心を縮めて――お友達になります!」
狙うは吊り橋効果というやつです。
様々な苦楽を共にし、数々の死線をくぐり抜けた先にあるパーティには、きっと友情が芽生えているはずです。
(少なくとも会話はできるはず!)
低すぎる目標と言うことなかれ。
学園デビューを失敗し、私の中で友達作りという行為のハードルは、爆上がりしていました。
「いざ、冒険者ギルドへ!」
そんなわけで私は、冒険者ギルドに向かうのでした。