オリ主クロウの紹介回です。
「・・・大きくなったら、一緒に逃げましょーーー」
「・・・
今でも思い出す。俺が小さい頃、共に居た少女達のことーーー
「・・・イヴ、エミリィ、ミーナ姉ーーー」
もう彼女達は居ないーーー何故なら、俺が殺してしまったから
「・・・お前さんが、
「誰?」
「俺の名はアザゼル。お前さんの周りに倒れている死体達の上司だよ・・・」
冥界にある深い森の中・・・少年は立ち尽くしていた。
黒いロングコートのような戦闘服に、二本の刀を背負っており、その内の一刀は抜かれている。
彼の周りには夥しい量の血が流れ、倒れ伏す男たちの死体が山のように積まれていた。
その死体の山を作ったのは、少年の手に握られた一刀の黒い刀であり、死体によって浴びた返り血が少年も含めて付着していた。
「僕を殺そうとした人たちの上司の人?だったら、僕を・・・殺してよ」
少年は、そう言って自身の首筋に刃を突き立てる。
「・・・この屍山血河を築きながら、何故、死にたい?矛盾しているぞーーー」
そう言って、アザゼルは少年を見据えるように観察する。
「・・・僕は傀儡。このムラマサの、この刀の奴隷・・・僕が望んでなくても、この刀は獲物を求め、殺し尽くす。僕が愛した者すらも・・・」
少年から、一筋の涙が溢れた。
「・・・まただ。ムラマサが起きるーーー」
少年は、刀を地面に突き刺しーーー崩れ落ちる。
そしてーーー
『・・・この魂は大物か。さっき喰らったカラス共とは別格で、美味そうだ!!』
少年の瞳から赤い、血のように赤い瞳孔が開く。
その様子を見て、アザゼルは確信する。
「やはり、100本は既に集まっていたか・・・親父が望んだ通り神殺しの器と化した」
『ごちゃごちゃとうるせぇ!!』
そう言って、黒い刀を再び握った少年は地面から引き抜くと、アザゼルの首を狙いに小さい子供とは思えない獣じみた速度でアザゼルの頭に飛び掛かる。
そして、その首を刎ねようと刀を振り降ろそうとする。
だがーーー
「まだまだ餓鬼だな。幾ら、
そう言って、即座にアザゼルは、その太刀筋を躱しながら、斬り掛かってきた少年の左手首を掴み、そのまま背負投の要領で、地面に叩き付けた。
『クァ!!』
地面に叩き付けられた衝撃で、少年は口から吐血する。
そして、その隙に少年の手にある刀に・・・
「とりあえず、このままじゃあ話ができんから一時的に封印させてもらうぜ」
特殊な術式が書き込まれた白い帯状の布を刀の刀身に巻き付ける。
布が全て巻かれて刀身が隠れると術式が赤く輝き・・・
『アッアアア!!!』
少年の身体から赤黒い鎖のような入れ墨が出てきて、そのまま顔に刻まれる。
『ち、力が出ねぇ・・・』
「お前さんの力を一時的だが封じ込める封印術式だーーーしばらく、俺の話を聞いてくれたら解除してやるよ」
そう言って、アザゼルは叩き付けた少年を起こし、イヤらしい笑みを浮かべていた。
『・・・話は何だ?さっさと、封印を解け!!お前を喰わせろ!!!』
「そう慌てるな・・・お前さんにも、そして、依代になっている坊主にも得がある話だ」
『特のある話だと?ふっ、俺の望みは全ての獲物を喰らい尽くすこと・・・依代は、その為に必要な身体に過ぎん!!』
「それは
『嗚呼。それが、俺・・・100本から1本に統合した時に生まれたムラマサとしての意志だ!!』
「だったら、俺のところに来い。お前さんが欲する獲物とやらがいる戦場という狩場を提供してやるよ」
『貴様に提供されんでも、俺が赴き、殺し尽くせばいい。何のメリットも感じられん』
そう言って、少年・・・否、少年の中にある
アザゼルは、それを軽く流しながらある事実を突き付ける。
「じゃあ、お前さんの悲願である究極の一刀こと
『何だと!?何故だ!?理由を言え!!!』
「お前さんが危険過ぎる神器だからだよ。この話を断れば、可哀想ではあるが依代の坊主を殺し、そのままお前さんを封印する。二度と他の奴らに宿らんようにな・・・1本になったことが仇になったな」
『巫山戯るな!!俺の、俺たちの悲願である究極の一刀、宿業すら斬り裂く神刀に至る夢を!!お前ら獲物が阻むのか!!』
「嗚呼。あと、依代の坊主?聞こえてるか、分からんが伝えておく。お前さんが殺したと思っている嬢ちゃんたちは・・・生きている」
アザゼルの驚愕の一言に思わず依代の少年は意識を取り戻した。赤くなっていた目も片目だけ、元の黒い目に戻っている。
「・・・嘘だ。僕はムラマサで、彼女達を!!」
「嗚呼。身体は死んでる・・・だが、魂はまだ生きている。お前さんが持つ
「例外?」
「そう。歴代のムラマサの所有者の魂、そして、純粋で穢のない魂ーーー子供が持つ魂は消化されずに封じ込められる」
『貴様、余計な事を!!』
「・・・じゃあ。イヴ、エミリィ、ミーナ姉に会えるの?」
「嗚呼。お前さんが真の意味で覚醒したらな」
「そう。だけど、僕を恨んでるよ。絶対にーーーだから」
「死んで償うか。馬鹿言ってんじゃねえよ!!お前さんは俺たちの創造主、
「生きてこそ?」
「嗚呼。こう見えて、俺はお前さんが思うよりも長く生きている。殺した命の数で言えば、お前さんより多い。無論、誇りはしない。だけどな、死んで詫びようとすれば、そいつ等の死は何だったのか・・・彼が生きていた理由や証すらも、消してしまう」
「・・・」
アザゼルが放つプレッシャーに依代の少年は言葉を詰まらせる。
「じゃあ、僕はどうすればいいの!?」
「知るか。それを探してこそ、お前さんの償いだーーーお前さんが、殺した者達よりも長く生きて探し、その答えを出してみろ」
『我が依代!!耳を傾けるな!!!この男は貴様を、抱え込み、都合のよい兵士に仕立て上げる・・・この男も俺と同じーーー』
「・・・ムラマサ。僕は君を許しはしない。けど、彼女達を、ここにいる人たちを殺したのは僕だ。操られていたと言え、僕が殺したーーーなら、もし、この人の言う償いは必要だ。それが、その方法が償いになるなら、僕は、この人に付いていく」
『俺に逆らうとは生意気な!!・・・・・・アザゼルと言ったな。本当に俺を
「嗚呼。あと、戦い方も、今後の生活のサポートもするつもりだ」
そう言って、アザゼルは懐から1枚の長い巻物を広げる。
「契約書だ。お前さんの力なら読めるはずだーーー俺が裏切れば、お前さんの好きにしていい。だが、お前さんが裏切れば、坊主共々、この世から消し去るという特殊な呪術式が組まれてい」
『なるほど、だが、署名するにしろ、こいつには名前がない』
「
「じゃあ、そこから9を頂いて九郎ーーークロウ・ムラマサってのはどうだ?」
「クロウーーー悪くない。僕の名前はクロウ・ムラマサーーー」
『クロウね。悪くないーーーそして、俺はムラマサか。分かった、契約を結ぼうーーー』
そう言って、ムラマサは依代の少年ーーークロウの身体を操り、契約を結んだ。
『それで、俺の次のターゲットは誰だ?』
ムラマサによって無理矢理口角を上げれられ笑うクロウ。
彼の目は、赤い、血のように赤く染まっていた。
一人は、あらゆるものを、神すらも斬ると恐れられている
もう一人は最強の一振りの妖刀として、数多の生命を喰らい尽くす牙と化した新たな
この二人が、後に全神話勢力から神を滅ぼす黒刃として恐れられることになるのだが、それは、また別のお話ーーー
アザゼルの配下となったクロウ。今後、彼はムラマサという神器の意志とも呼べる存在と共に、様々な脅威に立ち向かっていくのだが、それは、また別のお話