塵埃の魔法少女【完結】   作:難民180301

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2. 修行

5月1日

 飽きてきた。赤根さんをしごくのに。

 

 最初の頃は良かった。レオタードのえぐい食い込みやニーソでむにっとなった太ももの肉、シバきがいのあるでかい尻なんかは見ているだけで楽しかった。

 

 だけどどんな楽しみにも飽きが来る。美少女と遊ぶのはもうお腹いっぱいだ。

 

 ここ一か月、毎日夕方から二時間、効率的な魔力運用をスパルタで叩き込んできた。そのかいあって、中規模までなら大抵の災禍に対処できる実力はついたと思う。さすがに震禍や星禍は無理だけど、これ以上は実戦で場数を踏んでいくしかない。

 

 というわけで、明日で終わりにする。

 

 いい暇つぶしになった。

 

 

 

5月10日

 なんか美少女が増殖した。

 

 赤根さんと同じ中学の子が二人。青芽(せいが)アオイさんと翠ケ原(みどりがはら)スイさん。赤根さんと同じく、素質を見出され魔法少女デビューした新人さんだ。すでに実戦経験のある赤根さんに教えを請おうとしたら、私を紹介されたそうな。

 

 青芽さんの方は見た目で私をナメていたのでボコボコにした。翠ケ原さんは戦闘中の乳揺れが痛そうでかわいそうだったので控えめにボコボコにした。

 

 指導の建前で初心者魔法少女をボコボコにするのは気持ちいい。特に青芽さんの悔しそうな顔は思い出すだけでニコニコする。

 

 私に戦いを教えてくれたとき、先輩もこんな気持ちだったのかな。

 

 いいおもちゃが増えて大満足な一日だった。

 

 

 

5月20日

 青芽さんと翠ケ原さんをいじめた。楽しかった。

 

 赤根さんは修業を減らしたのが不満なのか、もっとお願いしますとぐいぐい来る。めんどくさい。君はもう飽きたってのに。適当にあしらう。

 

 翠ケ原さんは二人と話すときと私と話すときで露骨に態度が、ていうかキャラが違う。敬意を払われるのは悪い気はしない。

 

 主に変身後の姿でテレビに出ていたからか、素の私を魔法少女ダストアッシュと気づく人は少ない。ほわほわした雰囲気だけど、翠ケ原さんは案外鋭いかもしれない。

 

 まあバレようがバレまいが何も変わらんのだけど。

 

 まだ遊べる。

 

 

 

6月1日

 今日も中学生女子三名をけちょんけちょんにした。快感だった。

 

 三人は私の家のご近所らしく、帰り道を共にした。普通に学校帰りに友達とだべるようで楽しかった。

 

 

 

 

 

ーーー

 

 

 

 町を縦断する翠川の土手を、三人の少女が歩いている。

 

 一人は赤根カガネ。先日魔法少女デビューを果たし、すでに実戦を経験した期待の新人だ。

 

「それにしても、魔法少女の師匠ですって? よくそんなすごい経歴の人と知り合えたわね」

「ほんと、人脈の力です~」

 

 並んで歩く二人が感心したように言った。

 

 口火を切ったのは青芽(せいが)アオイ。青い髪をツインテールにした小柄な少女で、少し吊り上がった猫目が特徴的だ。

 

 間延びした口調で同意したのは翠ケ原(みどりがはら)スイ。泣きぼくろとタレ目、そして何よりカガネやアオイと同年代とは思えないほどたわわに実り、学校指定のブレザーの上からでも分かる豊かな胸部が目を引く。

 

 そして二人は共通して、右手の中指に指輪を着けている。中学一年の女の子が背伸びしてオシャレしているわけではなく、それは魔法少女の証でもある変身機だ。二人はカガネの数週間後に協会に登録した、新人魔法少女である。

 

 しかし魔法少女になったからといってすぐに戦いがあるわけではない。災禍が発生しなければ今まで通りの中学生活だ。

 

 覚悟していた二人はいささか拍子抜けするとともに、やる気を持て余した。そこで、普段の生活や心構えについて、数日ではあるが先達のカガネに意見を聞き、カガネはこう答えた。

 

『一緒に修行する?』

 

 元魔法少女の師匠とひょんなことから知り合ったカガネは、毎日のように厳しい修行を受け、戦いに備えている。

 

 やる気満々のアオイとスイは二つ返事で提案に乗り、修行場所まで案内されているのだ。

 

 二人の言葉に、カガネは首肯する。

 

「私も初めて知ったときはびっくりしちゃったよ。全然そうは見えなかったから」

「ふーん。どうやって知り合ったの?」

「迷子になって困ってたところに声をかけたの」

「ちょっとドジな人なのですか~?」

「んー、ドジというか、ふにゃふにゃしてるというか……まあ会えば分かるよ。ほら、もうすぐそこだよ」

 

 三人は土手を下り、川沿いの広場に到着した。放課後の時間帯もあって、犬の散歩をしている者、キャッチボールに興じる少年たちなど、そこそこ人がいる。

 

 その中でひと際目立つ人影が、カガネの師匠だ。

 

 車いすに座し、安っぽいビニール傘を膝上に置いた少女。髪は白く瞳は灰色、身に着けた長袖ワンピースも白色と、全体的に淡い色合いだ。

 

 彼女はカガネの姿を認めると、小さく手を振る。

 

「やあやあ、よくもまあ懲りずにやってきたねぇ」

「もちろん! 今日こそは、っと、その前に二人を紹介しておくね」

 

 カガネが横に退き、アオイとスイはその少女と対面する。瞬間、二人の脳裏に鮮烈なイメージがよぎる。

 

 アオイの連想は、掃除の時間に空気中を舞う塵だ。どこからともなく湧いて出て、知らずのうちに堆く積もる厄介者。埃っぽい教室の匂いまで鮮明な印象が刻まれる。

 

 一方、スイが抱いたのは、寒い境内で去年の破魔矢をお焚き上げしている情景。焦げ臭い匂いが漂う中、ごうごうと燃える炎が火の粉を吹き上げ、雪のように白い灰がそこら中を舞っている。役割を終えた矢が燃え尽きた残骸、燃えがら。

 

 初対面の相手に抱くには不自然なその感覚が、少女の第一印象だった。

 

「初めまして、私は木村。元魔法少女だ。よろしく、青芽さん、翠ケ原さん」

 

 少女、木村が微笑んだ。二人がイメージに浸っている間に、カガネが紹介していたらしい。

 

「宜しくお願い致します」

 

 スイは反射的に腰を折り、最敬礼した。奇妙なイメージはともかく、少女の面差しには見覚えがあったのだ。加えて、元魔法少女という経歴。ゆるふわのキャラづくりを忘れて最大限の敬意を払う。

 

 一方、アオイは胡散臭そうに少女を見下した。

 

「木村って……本当に元魔法少女? 登録名は?」

「言いたくないねぇ、悪いけど」

「怪しすぎ、胡散臭い。それに修行をつけるったってその体じゃ無理でしょ。魔法少女は体が資本なのよ」

 

 言いにくいことをずばっと言えるのがアオイの性格である。確かに車いすに座し片目には眼帯、全体的に儚くもろい外見の少女に、魔法少女の修行と言われてもピンとこない。

 

「座学ならネットの情報で間に合ってるわ。こっちは遊びで魔法少女になったわけじゃないの。世間知らずの中学生相手ならイタズラしても怖くないって思った?」

「せ、青芽さん、違うよ、本当に……」

「あぁ、分かった分かった、分かりましたよ」

 

 木村はどうどうとなだめるように両手を突き出した。

 

「とりあえず、いつも赤根さんとやってる修行をやってみよー。うだうだ言うよりそっちのが早い」

 

 ビニール傘を地面につく。車いすの片輪を回し、その場で旋回。自分を囲うように円を描いた。

 

「よいしょ、と……さて。どんな手を使ってでもいい。私をこの円の外に出してみて」

「はぁ?」

 

 アオイは素っ頓狂な声でカガネを睨む。カガネは苦笑して答えた。

 

「やってみたら分かるよ。ほんっっっとにめっちゃ難しいから」

 

 怪訝そうに眉をひそめ、木村に向き直るアオイ。いかにも不機嫌ですと言いたげに、ずんずんと大股で近づいていく。まずは普通に押し出そうと言うのだろう。

 

 その行く手に突如、輝く板が出現する。

 

「な、なにこれ?」

 

 半透明、六角形の光る板。それがアオイの進路を遮る。左右に体をずらしても追従し、右と見せかけて左、下と見せかけてなどのフェイントにも対応される。飛び越えようとしても無駄だった。

 

「ただの魔力バリアだよー。魔力がある子なら誰でも使える」

「へえ。元魔法少女ってのは本当だったみたいね」

「そだねー。で、どうする。降参する?」

「冗談!」

 

 右手中指の変身機に手を添え、戦う意思を流し込む。変身機の機構が流された意思を自動で解釈し、装着者の魔力をリソースとして必要最低限だけ確保、戦闘に適した魔法の衣装と武器として出力した。

 

 そうして変身したアオイは、魔法少女『ブルーアビス』の姿に変わっている。衣装はディープブルーを基調に黒の差し色が入ったドレス、魔法の武器は石突まで刺々しいトライデントである。

 

 急激な身体能力の向上により、アオイは全能感に満たされる。

 

「貫く!」

 

 その感覚に半ば酔いながら、全力でトライデントを突き出した。変身さえすれば、魔力を固めただけのこんな小さなバリア簡単に抜ける。

 

「いったぁ!?」

 

 が、バリアは岩のように硬くびくともしない。穂先から衝撃がそのまま跳ね返り、手先がじーんとしびれた。

 

 だったら避けて進めばいい。痛みをこらえて立ち上がり、バリアに突進する。

 

 変身後の身体能力は人間の域にない。矢のように突き進み、暴力的な脚力で左右に切り返す。地面が爆ぜるほどの踏み込みから生まれるステップに、さすがのバリアも追従しきれないはず──

 

「めっちゃ付いてくる!?」

 

 しかし余裕でついてきた。人の目では追えないはずの凄まじい左右ステップにも、垂直跳びで真上から飛び込む動きにも、当たり前のようについてくる。

 

 しばらく愚直にバリアを振り切ろうと動き回るが、次第に息が切れ、動きが鈍ってくる。

 

 一度止まって息を整えていると、車いすの少女がニヤニヤ笑っているのが目についた。

 

「……なによ」

「ぱっと見自分より弱そうな相手に手も足も出ない気持ちはどんなもんだい? おん? どんな気持ちか言ってみ?」

 

 ぶん殴ってやりたい。

 

 だが木村とアオイとの間には突破できない執拗なバリアが立ちふさがっている。食いしばった歯がぎりぎりと音を立てた。

 

「災禍は倒すのが遅れるほど被害を大きくするんだよ。君が今変な踊りをやってた間に何人死んだかな?」

「変な踊り言うな……っ!」

「じゃあもっと別の手を見せてよ。他に何もできないなら魔法少女辞めたほうがいいね、向いてない」

 

 この瞬間、アオイは(たが)が外れた。

 

 変身に伴い、何ができるのかはざっくりと把握している。向上した身体能力やトライデントの扱いは魔法少女の能力の一つ。

 

 その中でも、生身の人間に使うものではない、と封じていた手段を実行する。

 

 トライデントの穂先を木村に向け、意識を集中。アオイの意志に従い、バスケットボール大の水球が空中に生成される。数は十。

 

 大技には名前を付けると威力が上がるらしい。

 

 変身機の説明書に乗っていた情報を思い出し、アオイは名づけをもって引き金とする。

 

「アクアキャノン!」

 

 水球が弾け、白い線となって発射される。ダイヤモンドさえ両断する超高水圧の激流、それを魔力によってさらに高めたものを同時に十発発射する、アオイの最大火力だ。

 

 激流のすべてがバリアに着弾し、水蒸気が弾ける。白煙となった水が標的を覆い隠す。

 

「やった……!?」

 

 急激な魔力消費で立っているのもやっとなアオイは、煙が晴れるのを待ちわびる。あの憎らしいバリアさえ破壊できれば、後はどうとでもなる。

 

 しかし煙が晴れたそこには、変わらず健在のバリアが──三枚に増え、強固に組み合わさっていた。

 

「今のを動きながら好きなだけ撃てるようになれば強いね。さあどんどん撃ってみよう」

 

 アオイは力尽きた。前のめりに倒れ、「無茶言うな」とつぶやく。

 

「まさか一回で魔力切れ? ちょっと運用効率悪いね。魔力ってのは使い方次第でなんでもできる超万能便利パワーなんだから、闇雲に威力を上げるだけに使うんじゃなくてもっと他の……聞いてないか」

 

 聞いてはいるが、答える余裕がない。

 

 魔力切れの脱力感。何より、変身もしていない元魔法少女に近づくことさえできなかった無力感に支配されている。

 

 うつぶせで強く拳を握り込むアオイ。

 

 その隣に、二人の気配が寄り添う。

 

「アオイちゃん、大丈夫ですか~?」

「翠ケ原さん……平気よ、疲れただけだから」

 

 翠ケ原スイが手を差し伸べる。アオイは少し迷った末、手を取って立ち上がった。

 

 赤根カガネが慰めるように背をぽんぽん叩く。

 

「仕方ないよー。この才能に満ち溢れた私でも木村さんには全然敵わないんだから」

「なんて?」

「この才能に満ち溢れた地元一番の才媛である私でも木村さんには……」

「ああうん、分かった、もういい」

 

 こいつこんなやつだったっけ? と思いつつ、そういえば今日知り合ったばかりだと納得する。

 

「でも本当に仕方ないです~。あんなに緻密な魔力制御普通できませんし……それに木村さんって多分……」

「おーい、そこの赤青緑!」

 

 スイが何かを言いかけたとき、木村が三人ひとまとめにして呼ぶ。

 

「どうせ一人じゃザコなんだから、三人で力を合わせろー! やーい、ザコザコあーほ!」

「あほじゃないよー!」

「じゃあばーかばーか!」

「バカって言う方がばーか!」

 

 カガネが極めて低レベルな言い合いをしているが、三人でというのは的を射ている。一人では敵わないのは嫌というほど分かったし、同じ町で魔法少女をやる以上、災禍が出れば三人で協力することになるだろう。

 

 話している間に魔力が微量回復したアオイは、トライデントを構える。

 

「めちゃくちゃ腹立つし悔しいけど、あいつの言う通り。みんなでやりましょ」

「チームプレーだね!」

「三人寄れば文殊の知恵~。ところで文殊って何でしょう?」

「なんかすごいやつだよ!」

「なんかすごいやつですか~?」

 

 カガネとスイも変身し、それぞれレッドエッジ、グリーンゲールの姿になる。

 

 そうして三人は力を合わせ、なんかすごい連携を目指して木村に立ち向かったのだが──

 

「ワハハ! 自分より弱い相手をいたぶるのは気持ちいいなぁ!」

「覚えてなさいよ……!」

 

 結局バリアを突破できず、木村を気持ちよくさせるだけの結果に終わるのだった。

 

 

 

ーーー

 

 

 

 木村と出会って以来、三人は放課後に毎日土手下の広場で落ち合い、仲良く木村にしごかれた。

 

 一歩も動かない木村を円の外に出すだけ。言葉にすれば簡単なようだが、三枚の魔力バリアを駆使する木村には近づくことさえ難しく、へとへとになって変身を解くたび、「ザコザコあーほ」と煽られた。

 

 気の強いアオイは煽りにいちいち熱くなっていたものの、三日目の終わり頃には「煽りの語彙少なすぎじゃね?」と気づき、雑音として受け流せるようになった。それからは落ち着いた動きができるようになり、三人による連携戦術を試し始めた。

 

「そーれ!」

 

 前衛のカガネが大剣を横薙ぎにする。バリアの一枚が軌道上に割り込み、受け止める。

 

「くたばれっ!」

 

 その後ろから、殺意混じりの気合をのせてトライデントの刺突を放つ。二枚目のバリアに止められる。

 

「いくよ~!」

 

 そして後衛、スイの弓による魔法の矢が放たれる。緑に輝く光の束が木村に殺到するが、三枚目のバリアで止まった。

 

「ワハハ、甘い甘い……」

「そこぉ! アクアキャノン!」

 

 またも煽ろうとした木村の隙をつき、アオイは魔法の超高水圧流を発射。練習により、動きながらでも一発なら発射準備ができるようになったのだ。

 

 三枚のバリアはそれぞれの得物を受け止めるのに使われている。今ならとれるはずだ。

 

「ぴゃあ!?」

 

 が、木村は悲鳴を上げつつも冷静に対処した。

 

 膝にのせていた傘を一振り。傘に白い魔力がまとわりつき、激しく発光する。

 

 返す刀で輝く傘を振るい、目前に迫った水流を切り払った。発生した爆発的な水蒸気もまた、傘を一振りして払い、視界を確保する。

 

 木村は冷や汗をだらだら流している。

 

「あ、あほかー!? 円の外に出すんだってば! 殺せばおっけーじゃないのよ、分かる!?」

 

 輝く傘をぶんぶん振り回す木村。

 

 三人は顔を見合わせて、三者三様の答え。

 

「どうせ通じないだろうなっていう信頼よ」

「そうそう、木村さんは才能に恵まれた最強の私よりも強いんだし」

「実際、見事に対応なさいました。その技についてお尋ねしても?」

 

 木村は大きくため息をつき、汗を拭って息を整える。

 

「ふー……これ、エンチャ。物に魔力を付与して強くする。バリアと同じで誰でも使える」

「出た、誰でも使える詐欺」

「センス抜群の私でもバリア難しいからねー」

 

 木村の誰でも使える、というのはあてにならない。理論上は使えるだけで、実際はおそろしく緻密な魔力操作が要求される。

 

 カガネが試しにバリアを作ろうとするが、不格好な赤い靄のようなものが中空に浮かぶだけで、木村の正六角形のバリアとは比較にならない。アオイもスイもこれは同様だった。

 

「まあ無理に練習する必要はないよ。所詮は魔法未満の手品だし。君たち才能はあるから、経験積んで魔力運用を最適化していくのが一番いい。ああ、あと青芽さん」

「何よ」

「動きながらあの、アクアなんとか撃てたの良かったね。えらいぞ」

「……! ふん、何様よ」

 

 アオイはそっぽを向いた。

 

 それを気にした風もなく、木村は仕切り直すように手を打ち鳴らす。

 

「よぉーしザコども! おしゃべりで休憩できたな! 次からは私も反撃していくから、死ぬ気でがんばれぃ!」

 

 こうして木村のエンチャ傘による反撃が解禁され、修行は激化した。

 

 エンチャ傘を振るえば、その軌跡に沿って三日月形の光波が発射される。その威力たるや、カガネが大剣でガードしても体ごと後ろに吹き飛ぶほどだ。

 

 木村によると、エンチャも光波も魔法少女なら誰でもできる小手先の技術らしいが──バリアの突破だけでなく光波の回避でいっぱいいっぱいの三人に、そんなものを覚える余裕はなかった。

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