自分をエルフだと思い込んでいる一般ポンコツ魔族   作:エルフの耳バーガー

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茶番回です。
伝説も胸もラーメンも、盛れるものは盛っていこうというアレです。



伝説は盛れば盛る程良い

 

 

 

───それは、魔王が討伐され、勇者も亡くなったあとの話。

 

   勇者の意志を受け継ぐ者達の、新たなる英雄譚である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───北側諸国、グラナト伯爵領近郊。

 

 

グラナト伯爵が治める街から少し離れた地点。

木々も疎らで、障害物の少ない開けた場所。そこが決戦の地として選ばれた。

 

対峙するのは二つの陣営。

 

一つはフリーレン一行。

かつて魔王を倒した勇者ヒンメル一行。彼らを傍で支え続けたエルフの大魔法使い、フリーレンをリーダーとしたパーティーだ。

 

「この先の街には行かせない!」

 

最初に口を開いたのは気の強そうな顔をした一人の少女。

 

綺麗な紫色の髪をしており、闇夜のような漆黒のローブを身にまとっている。

その早撃ちは彗星に例えられ、魔法を放つ速度では右に出る者はいないとされる若き俊英。

フリーレンの一番弟子にして、最年少で一級魔法使いとなった天才…人は彼女を『彗星の魔女』と呼ぶ。

 

『彗星の魔女』…フェルンは力強く杖を握りしめ、眼前の魔族達を真っすぐ見据えた。

 

「フリーレン様の一番弟子である私が相手です!全員まとめてやっつけるんだから!」

 

 

「あんな二つ名は初めて聞いたんですけど。私ってそう呼ばれてるんですか?あと口調がおかしいです」

「どうだかなぁ。でも一級魔法使いになったのは本当だし、案外そう呼ぶ人もいるんじゃねぇの?」

 

 

杖をビシッと構えて宣言するフェルンだが、その発言に待ったをかける者がいた。

 

「おいおい、オレの獲物を奪うんじゃねーよ」

 

燃えるような赤毛が特徴的な、巨大な戦斧を肩に担いだ一人の少年。

山をも動かす怪力から放たれる戦斧の一撃は大地を揺るがし、局地的な地震すら引き起こす。

最強の戦士アイゼンの一番弟子にして、竜すら容易く屠る大戦士…人は彼を『赤毛の竜殺し』と呼ぶ。

 

『赤毛の竜殺し』…シュタルクは額の傷跡を手で押さえながら、好戦的な笑みを浮かべた。

 

「疼くんだよ、暗黒竜にやられた傷が!…この疼きは、てめーらをぶっ殺さないと治まらねぇんだ!」

 

 

「口調がチンピラだよ…あと暗黒竜のアレは、その…し、師匠の拳が暗黒竜並みに凄かったって事だから」

「好戦的な性格はシュタルク様には合いませんね。しかし、竜すら容易く屠る、ですか……嘘は言ってないのがなんとも…」

 

 

やる気満々と言った風に武器を構える二人。

そんな二人を、少し離れた場所から見守る少女がいた。

 

「二人ともやる気に満ち溢れているね。さて、それでは私も使命を果たすとしようか」

 

人目を惹く美しい白銀の髪と、人間とは違う横に突き出た長い耳。

弟子のフェルンとは対照的な雪のような純白のローブを着ており、美しい彼女の容姿も相まって神秘的な雰囲気を醸し出していた。

 

彼女こそは、千年にわたって魔族と戦い続け、ついには勇者ヒンメル達と共に魔王討伐を成し遂げた偉大なる大魔法使い。

 

歴史上で最も多くの魔族を葬り去ったエルフの英雄。

 

人類史に刻まれしその名は───『葬送のフリーレン』!!!

 

「断頭台のアウラ。お前は勇者ヒンメルの名に懸けて、この『葬送のフリーレン』が倒す…!」

 

 

「いやいや、魔族からそう呼ばれたことはあるけど、自分から名乗ったことは一度もないよ」

「すごく使命に燃えていますね。実際のフリーレン様は面倒臭がりのぐうたらなのに」

「葬送ってなんだ。普段使わない単語を二つ名にされてもわかんねぇよ」

 

 

そんなフリーレン一行に対峙するもう一つの陣営。

魔王軍の大幹部、七崩賢のアウラが率いる魔族達…首切り役人四天王だ。

 

「やっつけるですって?人間風情が生意気な…でも、中々に美しい娘じゃない。その血もさぞや美味いだろうねぇ…!」

 

フェルンの相手をするのは『吸血女帝リュグナー』だ。

四天王の実質的なリーダーであり、魔族の中でも上位に位置する強敵。魔法で血液を自在に操るが、見た目が気に入った者は必ず血を吸って殺すと言われている吸血魔族だ。

 

「我らを獲物と言うか。なんと傲慢なのだろう…さすがは竜殺しと言うべきか…相手にとって不足なし!いざ!尋常に勝負!」

 

シュタルクの相手は『首狩り騎士リーニエ』だ。

古今東西、あらゆる戦士達の技を習得した恐るべき女騎士。これまで戦って来た相手の首をことごとく刎ねて来たと言われている。正々堂々な戦いを好むようだ。

 

「この私を倒すですって…?ヒンメルはもういないじゃない!あなた一人で私に勝てるわけないでしょうが!」

 

そして、フリーレンの相手となる大魔族。

 

七崩賢『断頭台のアウラ』。

首斬り役人四天王を従える立場にある彼女は、服従の魔法で100万を超える首無し騎士達を操り、圧倒的な物量で敵対者を押し潰す事を得意とする。

 

 

「どうしてリュグナーが女に…それに四天王ってなんですか」

「あのリーニエって奴は確かに真正面から挑んできたし、性格以外は大体合ってる…かも」

「100万は多すぎるよ。街の人口より多いじゃん。どこからそんなに集めて来たの」

 

 

「80年続いたお前との因縁も今日で終わりだ!決着をつけさせてもらう!」

 

「すぐには殺さない!生きたまま永遠に私のコレクションにしてあげるわ!」

 

 

───戦いの火蓋は切って落とされた!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「行け、我が眷属達よ!あの小娘の血を全て吸い取ってしまいなさい!」

 

「こんなもの!全部撃ち落としてやるわ!…魔族を殺す魔法(クレイジーコメット)!!」

 

リュグナーが血液で作られた眷属、夜空を覆いつくす程の無数の蝙蝠を放つ。

すると、フェルンは素早く呪文を詠唱し、空の彼方から光り輝く星々を呼び寄せて蝙蝠たちを薙ぎ払う。

 

 

 

「これが最強の戦士、アイゼンの技だ!弟子が師に勝てるはずがあるまい!」

 

「物真似風情が、いい気になるな!うおおお!…閃・天・撃(震天裂空斬光旋風滅砕神罰割殺撃)!!」

 

リーニエはアイゼンを筆頭とする戦士達の動きを模倣して激しく攻め立てる。

対して、シュタルクは果敢に連撃を放つと、大地が裂ける程の強力な一撃を放った。

 

 

 

「さあ、騎士達よ!この私に歯向かった愚かなエルフを叩きのめしてしまいなさい!」

 

「アウラに立ち向かった勇敢な騎士達か。彼らを傷つけるわけにはいかないな…!」

 

アウラが命ずると、様々な武器を持った大量の騎士達が襲い掛かる。

フリーレンは騎士達の体を傷つけまいと、アウラの服従の魔法を解除し続けていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───長く続いた熾烈な戦いは、終わりの時を迎えようとしていた。

 

「そ、そんな馬鹿な…!100万を超える私の騎士達がやられるなんて!」

 

「ハァ、ハァ…これで、終わりだ…!」

 

首無し騎士達は全てアウラの魔法から解放された。

フリーレンは消耗しているが、アウラにはもう戦う手段は残っていない。

 

止めを刺そうと杖を向けようとしたその瞬間…フリーレンは体の動きを封じられてしまった!

 

「か、体が動かない…!これは…魔力の…糸!?」

 

そう!魔力で出来た無数の糸が、フリーレンの体を拘束してしまっていたのだ!

 

「ふ、ふふふ…パーフェクトなタイミングよ、ドラート」

 

「感謝の極みでございます」

 

そう言って木々の陰から現れたのは一人の魔族。

魔力で出来た糸を自在に操る、首切り役人四天王の最後の一人にしてアウラの懐刀『執行者ドラート』である。

 

「フリーレン様!今行き───くっ!?」

 

「行かせないわよ!」

 

「アウラ様の邪魔はさせん!」

 

「チィッ…このままじゃ…!」

 

フェルンとシュタルクは魔族によって足止めをされてしまい、フリーレンを助けに行く事が出来ない!

 

「フフフ、形勢逆転ね。このまま支配して、あなたにあーんなことやこーんなことをしてあげるわ!」

 

「くっ、殺せ…!」

 

その手に魔法の発動媒体である天秤を持って近づくアウラ。

フリーレンは必死に拘束から逃れようとするも、すぐには解けそうにない。

 

 

万事休す!

このままフリーレンはアウラに好き勝手されてしまうのだろうか!?

 

 

「そこまでだ!」

 

「なにっ!?」

 

「これは…?」

 

その瞬間、何者かの勇ましい声が戦場に轟く。

光り輝く閃光が駆け抜けたかと思うと、フリーレンを拘束していた魔力の糸は全て斬り落とされていた!

 

「あ、あり得ません!ボクの糸を切るなんて…!」

 

「お前は何者だ!」

 

驚愕に狼狽えるドラートと、突然の闖入者に怒りを向けるアウラ。

その者はフリーレンの前にふわりと降り立つと、勢いよく聖剣を抜き放って魔族達に突きつけた。

 

「我が名はシャオ!エルフの戦士にして、勇者ヒンメルの意志を受け継ぐ者!義によって助太刀いたす!」

 

「ま、まさか…噂に聞く、次世代の新たな勇者か!?」

 

「フッ」

 

エルフの戦士はフードを脱いでその美しく勇ましい顔立ちを露わにしながら、尻もちをついていたフリーレンに空いた手を差し伸べた。

 

「助太刀、感謝する」

 

「礼はいい…フリーレン、まだいけるな?」

 

「ああ!共に戦い、奴らに人類の力を思い知らせてやろう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

★☆★☆★

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『『必殺!ダブルエルフキック!』』

 

『ぐわー!あり得ない!この私がーー!』

 

 

「───こうしてフリーレン一行によってアウラは倒され、グラナト伯爵領には平和が訪れた」

「フリーレン一行は新たにエルフの勇者を仲間に加え、世のため人の為、魔族退治の旅を続けるのであった」

 

英雄譚の語り手…シャオが話を終えると、酒場に集まった人々の拍手が鳴り響いた。

 

 

北部高原ビーア地方のとある町に来ていたフリーレン一行。

町にはフリーレンの知り合いであるドワーフのファスがおり、彼の要請で皇帝酒(ボースハフト)が眠るとされている遺跡の石室を開けたまではよかった。

 

皇帝酒(ボースハフト)はファスの予想に反して非常に不味かったが、町の人々も巻き込んで、皆で不味い酒を楽しく飲んでいたのだ。

 

 

フリーレンも昔の知り合いであるファスに会えてテンションが上がっており、フェルンとシュタルクに昔の馬鹿話を語って聞かせながら楽しんでいた…が、いつの間にかシャオがいなくなっている事に気が付いた。

 

酒場でシャオを見かけたと聞いたのでファスも含めた四人で向かうと、そこでは大人達の騒ぎに影響されて起きて来た子供達を加えて、複数の人々が一人の少女…シャオの語る話に聞き入っていた。

 

ご丁寧に魔法を使い、大きな木板に場面場面の絵を描きながら語っている。

邪魔をして良い雰囲気ではなかったので、フリーレン達は大人しく話が終わるまで待っていたのだが…

 

「七崩賢のアウラが倒されたってのは噂に聞いていたが…まさかフリーレン、お前さん達が倒したとはなぁ。しかし…あれか?戦ってる時はみんな性格が変わるのか?」

 

…ファスの誤解を解くべく説明をしていると、興奮した人々にもみくちゃにされていたシャオが抜け出して来た。

 

顔を赤らめ、歩みはふらついている…どうやら皇帝酒(ボースハフト)で酔っているらしい。

 

「はぇ、みんなこんなとこで何してるの?」

 

「それはこっちのセリフだよ…何なのさっきの話」

 

「新たなる勇者パーティー!私達の英雄譚を聞かせてあげてたんだよ!」

 

確かに、客観的に見れば英雄譚ではあるけど、それにしても話を盛り過ぎだ。

そもそもシャオはアウラと戦ってないし、むしろ誤解からフリーレンと戦って…というより、一方的に殺されそうになっただけである。

 

それなのに、なんか聖剣とか持ってるし、エルフの勇者とか名乗ってるし…話の最初から最後までツッコミどころしかなかった。

 

「確かにアウラ達を倒したのは間違いありませんけど、なんか違くないですか?」

 

「そうだそうだ。俺あんな技知らないぜ…かっこよかったけど」

 

「(かっこよかったんだ…)」

 

フリーレンは不満を隠せなかったが、それは他の二人も同じだったようだ。

いつの間にか子供達に群がられていたシュタルクと、ごく自然に二本目の皇帝酒(ボースハフト)に手を出していたフェルンが声を上げた。

 

「かっこよかったでしょー?」

 

「かっこよかったとしても、さすがにお話を盛り過ぎです」

 

「マシマシにしといたー!これで私達も有名人だよ!」

 

「こうして歴史は歪められていくんだね…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

★☆★☆★

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───勇者ヒンメルの死から30年後。北部高原、ノルム商会領。

 

 

北部高原の魔物達との戦いにも慣れて来た頃、自分達はノルム商会領の街に辿り着いていた。

 

 

北部高原を実質的に支配しているのは、国家ではなくこのノルム商会らしい。

支配と言うと悪そうに聞こえるが、実際は国家が手を出す事を躊躇われる不毛の危険地帯に人類の生活圏を作り上げ、それを維持し続けているので、とってもありがたい事なのだ。

 

さて、北部高原では超貴重な補給地点だ。

ここで物資を補給して、次の旅路に備えなくては。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「鉱山で300年働くことになっちゃった。私の旅もここで終わりだね」

 

何を言ってるんだろう、このポンコツエルフは…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

★☆★☆★

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

80年前、勇者ヒンメル一行にいた際にしていた借金。

シュトラール金貨500枚を超えるあまりにも膨大な借金を払う事が出来ず、フリーレンは返済のために鉱山で働く事になってしまったのだ。

 

残されたフェルン達三人はフリーレンを連れ戻して旅を再開するべく、あーでもないこーでもないと頭を悩ませていた。

 

「シュトラール金貨500枚かぁ。それってどれぐらい凄いの?」

 

「そうですね…単純に考えて、私たち全員が毎日おやつ付きで50年は暮らせる金額でしょうか」

 

「って事は、慎ましく暮らせばもう働かなくていいくらいの大金ってことか…これが借金じゃなければなぁ」

 

フリーレンとの付き合いが長いフェルンを筆頭として、ここにいるパーティーメンバーはフリーレンとの旅で長期滞在には慣れている。

 

半年か、長くとも1年くらいなら何とか耐えられるだろう。

しかし300年は待てない。エルフ(魔族)であるシャオはともかく、フェルンとシュタルクは寿命で亡くなってしまう。

 

かと言って、金貨500枚と言う大金はすぐに稼げるものではない。

鉱山で働くフリーレンがある程度借金を返済する事を想定し、残りの三人で全力で稼いだとしても余裕で数十年はかかる。

 

国家や魔法協会からの直々の依頼を受け、よっぽどの偉業を成し遂げれば別かもしれないが…。

 

「さすがにフリーレン抜きで危険な依頼を受けるのはなぁ。俺達じゃ、大魔族を相手にするのはまだ早いってフリーレンもこの前言ってたしよ」

 

「うぅん…さすがに私のお菓子を作る魔法(エールトザーネ)でも金貨500枚を稼ぐのは大変だよ。何年かかるかなぁ…」

 

「…仕方ありませんね」

 

そう言うと、フェルンは杖を取り出した。

なお、一見するといつものように冷静そうに見えるが、今のフェルンは結構焦っている。相手は北部高原を支配する国家並みの勢力だし、正攻法ですぐさまフリーレンを取り戻すのは不可能だと確信しているのだ。

 

正攻法が無理となれば、とれる手段は多くない。

そして、それらの手段は正攻法ではない…つまりは非合法のものになってしまう。

 

つまり───

 

 

「もう鉱山を襲撃するしか…!」

 

 

───こういう力技になってしまうわけだ。

 

「…襲撃は早い方がいいです。今夜あたりに速攻で襲撃を仕掛け、フリーレン様を連れて逃げましょう」

 

あまりにも物騒な話である。

しかも、その辺の野良魔法使いならともかく、魔法協会に正式に認定された一級魔法使いによる人類圏の一大勢力に対する襲撃。

 

魔法協会からの宣戦布告と捉えられてもおかしくはない。

仮にここを逃げられたとしても、後々魔法協会やノルム商会から追っ手を差し向けられる可能性もある。

 

さすがに引いてしまったのか、シュタルクとシャオは呆れたような目をフェルンに向けた。

 

「もっと平和的に行こうぜ…」

 

「フェルンって結構武闘派だよね…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

★☆★☆★

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ったく、一時期はどうなるかと思ったぜ」

 

なんだかんだ三日足らずでフリーレンは解放された。

今代のノルム卿はフリーレンを本当に300年鉱山で働かせるつもりではなかったらしく、どうしてもフリーレンに助けてほしい事があったので借金の話を持ち出したようだ。

 

 

今は物資の補給を済ませ、街を出発してから最初の野営となっていた。

 

「ごめんて。でもほら、おかげでこれからは柔らかいパンが食べられるからさ…流通網が回復してからだけど」

 

「銀鉱が見つかったとは言え、すぐさまどうにかなる事でもありませんからね」

 

流通網が回復するまでは、カッチカチに硬いが栄養満点のパンのような何かが食料となる。他の旅人や商隊、魔族と戦っている魔法使いや戦士達も、皆これを当たり前のように食べているのだ。

 

…とはいえ、このパーティーに限ってはそうではないのだが。

 

「なんかすげぇ罪悪感があるよな。夜中にジュースを飲んだ時の比じゃねぇよ」

 

「いいじゃん、こういう時こそ活用していかないとね」

 

そう言う二人が食べているのは硬いパンではない。

柔らかくて栄養満点、噛めば噛むほど甘くておいしい…菓子パン風の白パンであった。

 

「ほいよ、10段重ね熱々パンケーキ…はちみつたっぷりアイス乗せだよー」

 

「ありがとうございます……うん、今日も美味しいです。シャオ様はどんどん腕を上げていますね」

 

フェルンはパンケーキでほっぺを膨らませながら、今日も至福の時間を堪能していた。

 

 

そう、このパーティーは北部高原に入ってからシャオが作るパンを食べているのだ。

栄養と保存に特化した事と引き換えに味も薄くて食感がボッソボソのパンではなく、どの店でも人気商品になりそうな超美味しいパンを食べている。

 

…え、なんでお菓子を作る魔法(エールトザーネ)でパンが作れるのかって?

 

お菓子を作る魔法(エールトザーネ)は本人の認識とイメージがとても大事なのだ。

あからさまな惣菜パンとかは作れないが、本人が『お菓子っぽい』と認識さえしていればパンでも作れてしまうのがこの魔法。

 

おまけに栄養も満点なので食事のバランスとか考えなくてもオッケーなインチキっぷりを発揮している。

 

 

「なあ、野菜とか肉っぽいお菓子とか作れないかな」

 

「それが出来たらもう食料で悩むことはなくなるね」

 

「さすがにそれは…あ、でも蒲焼さん〇郎みたいな奴ならいけるかも…」

 

「蒲〇さん太郎ってなんですか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




なんか血の気が多い狂戦士エアプシュタルク。
無駄にテンションが高い真面目系エアプフェルン。
高潔で誇り高くて私生活もしっかりしてそうなエアプフリーレン。

首切り役人四天王(女体化一名、女騎士一名、執事一名の計三名)
あと微妙に小物っぽい大物魔族(アウラ)…アウラは原作と変わってないかも?


次回からは♰神技のレヴォルテ♰が登場するかもしれない。

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