自分をエルフだと思い込んでいる一般ポンコツ魔族 作:エルフの耳バーガー
あと、原作の大幅な改変があるのでご注意ください。
───勇者ヒンメルの死から30年後。北部高原、ルーフェン地方。
突然だが自分は現在、訳あってルーフェン地方のとある村に滞在している。
この村に来たのはつい数日前の話だ。
とある事情から自分とシュタルクだけがこの村に訪れ、現在は傷ついた村人達の介抱をしつつ、フリーレンとフェルンが来るまで周辺の警戒や村の復興を手伝っている。
当初の見立て通りなら、フリーレン達は今日中にはここに来るはずなのだが。
そう思いつつ魔法で作ったパンを村人達へ配っていると、周辺の警戒をさせていたはずの分身の一体が数匹の小動物を連れて戻って来た。警戒専門の動物使いの分身が言うには、この村に魔力反応が二つ近づいて来ているらしい。
その魔力反応はフリーレンとフェルンのものではない。
だが見知らぬものでもないという。魔力反応はオイサーストで感知したものと同じ…つまりは人間のものだ。二人組の魔法使いと言ったところか。
食料配りを分身と交代し、自分は瓦礫の撤去作業をしていたシュタルクに報告した。
「オイサーストにいた魔法使いの誰かって事か…よし、とりあえず俺達だけで会ってみるか。今はとにかく人手が足りないし、協力してもらえるように話してみよう」
その後、崩れた家屋から使えそうな物資を集めていた村人達に一旦教会に入るように促し、自分とシュタルクは二人組が来るであろう方向へ向かい、村の外で待機する。
すると、程なくして魔力反応にあった二人の魔法使いが姿を現した。
動きに迷いがない。恐らくは向こうも自分の魔力反応を覚えていたのだろう。
現れた魔法使いは男女一名ずつ。
二人とも、デザインは多少違えど似たような漆黒のローブを身に纏っている。感じる魔力は洗練されており、周囲を油断なく警戒しながらこちらに近づいて来た。
「五級魔法使いのシャオだな。そっちの赤毛は見ない顔だが、こんなところで何をして…」
「ゲナウさん。挨拶」
「…久しぶりだな。試験以来か」
最初に話しかけて来た無愛想な男性の魔法使いはゲナウ。
オイサーストでの試験の際に、一次試験を担当していた現役の一級魔法使いだ。見た目こそ無愛想で冷徹そうに見えるが、強い正義の心と慈愛を秘めた熱い漢である事を自分は知っている。
そしてゲナウを諫めた女性の魔法使い。
ゆったりと波打つロングヘアーと、服の上からでもわかる抜群のスタイルをしたザインが好きそうな大人のお姉さん。彼女は試験で何度か話した女性魔法使いのメトーデに相違あるまい。今は新米の一級魔法使いと言った所か。
二人とも信頼出来る味方であると確信し、ひとまず教会にいる村人達の下へ連れて行くことにした。
道すがら軽く事情を説明すると、二人からもこの村に来た目的を聞く事が出来た。
どうやら二人とも、魔法協会上層部…と言うより、ゼーリエから直々の魔族の討伐要請を受けて来たらしい。
「この村に駐留していたノルム騎士団から北部支部に要請が届いてな。大急ぎで来たんだが……正直、間に合わないと思っていたし、実際我々は間に合わなかった…その筈だったんだが」
そう言いながら教会の扉を開くと、そこには生き残った村人達がいた。
負傷して動けない者を含めて全員で数十人程度。中には重傷で意識がない者もいるので、メトーデに治療をお願いする事にする。
この教会にも神父のお爺ちゃんがいるが、魔族との戦いで無理をしすぎてしばらく動けないのだ。
「わかりました。治療が終わった後で構いませんので、詳しい事情をお聞かせくださいね」
メトーデの回復魔法は本職の僧侶に勝るとも劣らない。
きっと彼も助かるだろう。確か、村で唯一のパン屋を経営している男性だったか…腹部に重傷を負っているが意識はある。何とかなるはずだ。
「パン屋の…そうか。あいつは生きていたのか」
メトーデによる負傷者への治療も終わり、村人達と皆で食事をした後。
魔族討伐の任務のためにも詳しい話を聞きたいと言うゲナウ達の為に、ここに至る経緯をシュタルクと共に詳しく説明する事になった。
───あれは、ここから数十キロ離れた場所で野営をしている時だった。
単独で飛行していた鳥型の魔物を撃ち落としたことから全ては始まったのだ。
魔物はとある物…いや、はっきり言ってしまおう。
魔物は餌となる人間を足で捕まえており、自分が魔物を撃ち落とした事でその人間は地上に落下して来たのだ。
すぐさま飛行魔法でキャッチしに行ったのだが…
「まさか生きた子供が捕まってるなんて思わなかったよな。タイミングが神懸ってたっていうか、なんというか…」
フリーレンが言うには、鳥型の魔物には生きた餌を好む種がいるらしい。勉強になるが、捕まった者からしたらたまったものではないだろう。
「子供の怪我は大したことなくて、すぐに意識は戻ったんだけどさ…そしたらその子、目を覚ますなり『村の皆を助けて』って、泣きながら縋り付いて来たんだ」
子供から詳しく話を聞くと、住んでいた村に魔族の軍団が押し寄せて来たと言うではないか。
混乱の中、偶々外に出ていた子供は村の外に逃げだしたらしいのだが、逃げた先で不運にも魔物に捕まってしまった、というわけだ。
「んで、皆で色々話し合って…飛行魔法で向かっても距離的に間に合わないし、そもそもフリーレンとフェルンは魔力を残しておかないと、間に合ったとしても戦えないんじゃ意味ないだろ?だから…」
そう、だから自分がシュタルクを背負って、全力で村まで走ったのだ。
より厳密に言えば、飛んだり走ったり跳ねたり滑ったり…山を越え、谷を越え、川を越え、魔物の群れを越え…それはもう全力で村に向かった。
「…どうしてそうなったんだ?」
「こいつは飛ぶのも走るのも速いんだよ。シャオが全力で行けば間に合うかもしれない、でも相手の戦力がわからないし、着いた時には疲労しているシャオ一人じゃ危ないだろ?だから俺を背負ってもらったんだ」
「フリーレンさんでもよかったのでは?」
あの二人は、恐らく着いた頃にはグロッキーになって碌に戦えないからと辞退された。
自分も気を遣う余裕はなかったし、戦士として我慢強くて硬くて頑丈なシュタルクが適任だったのだ。
「死ぬかと思ったけどな。何度か意識飛んだし…それに最後は───」
と、とにかく!
自分とシュタルクがこの村に来た時には、駐留していたノルム騎士団は既に全滅していた。
幸い、村人の大半は騎士達によって教会に避難させられていたので、自分達が保護した子供も含めて結構な数が生き残っている。村を復興する事も可能だろう。
…しかし、教会の結界は壊れる寸前だった。
あと少しでも遅れていたら、ここにいる村人達も助からなかっただろう。
だが、村を襲った魔族の首魁はまだ生きている。
確か、蛇のような下半身に人間の上半身がくっついたような魔族だったらしい。腕が四本もあり、それぞれに剣を持っていたと言う。村人達が言うには、そいつが駐留していたノルム騎士団の過半数を討ち取ったようだ。
「蛇のような下半身に、四刀流の魔族の戦士…いや、将軍か…」
───その後、自分達は村人達の世話をしつつもゲナウ達の仕事も手伝う事になった。
村に残った魔力の残留を調べ、逃走した魔族の情報を集める。
何人かの村人の話によれば、四本腕の魔族は何らかの理由で負傷していたようで、それが原因で撤退したのではないかとの事。
…うぅむ。実は、自分もシュタルクも魔族達とは戦っていないので、ゲナウ達に提供できる情報がほとんどないのだ。村人達からの目撃証言と、残留魔力からの情報しかない。
魔族達が再びやって来る前に、フリーレンとフェルンも来てくれればよいのだが…。
★☆★☆★
「くお~!ぶつかる~!!ここで魔力を全開、インド人を右に!」
「インド人ってなんだよ!てか死ぬってこれ!やばいって…うおおおおお!?」
瞬時に全力で脚力を強化して崖の側面に足を突くと、そのまま重力に逆らうようにして斜め上に向かって走り続ける。
「これぞ我が村に伝わる秘技!壁走りだぁ!」
「高い高い高いって!何でこんなとこ走るんだよぉ!」
「そこに崖があるからだよ!」
「理由になってない!」
崖の高さは数百メートルはある。
飛行魔法があるシャオはともかく、シュタルクがこの高さから落ちたらきっと助からないだろう。少なくともシュタルク自身はそう思っていた。
「…む!ここからショートカット出来そう…ヨシ!」
崖を登り切ろうというところで、シャオは何かを思いついたように笑みを浮かべた。
「お、おい…次は何を───」
「マグナ〇トルネード!」
「(あっ、死んだ…)」
───話は数日前に遡る。
相変わらず北部高原を旅していたフリーレン一行が、何度目かになる野営をしていた時の話だ。
「蒲焼さ〇太郎はお菓子、蒲焼さ〇太郎はお菓子、蒲焼さ〇太郎はお菓子、蒲焼さ〇太郎は…」
シャオは地面に寝転がりながら、目をかっぴらいて何事かを呪文のようにぶつぶつと呟き続けていた。
突然の妹弟子の異常行動に若干ビビりながら、シュタルクは小さな声で問いかけた。
「あれ何やってんの?呪いの呪文かなにか?」
「違うよ。あれは多分、自分の中の認識を書き換えようとしてるんだ。シャオの中では、蒲焼さん〇郎とやらは心の底からお菓子だと認識出来るものではないようだね」
「なるほどな…さすがに肉を作るのは難しいか」
「こっちは成功したんですけどね」
そう言いながら、三人は敷物の上に積まれたものを摘まみ取り口に運んだ。
積まれているものは形がそれぞれ違うが、いずれも一口で食べられる程度の大きさなのは共通している。色はバラバラだが、大まかに赤、緑、茶が大半を占めているようだ。
…ぶっちゃけてしまうとこれらは野菜だ。
ピーマン、ニンジン、サツマイモ、カボチャなどなど…大雑把に言えば、様々な野菜を食べやすい形に加工して油で揚げたものだ。シャオの魔法によって既に出来上がった状態で作られている。
「…なんでだろう。野菜を食べている筈なのに、とても健康に悪い物を食べているような気がする」
「このほんのりとした塩味とサクサクした食感はいいね…ちょっと油っぽいけど」
「結局、蒲〇さん太郎って何だったんでしょうか」
三人がお菓子を食べながら明日からの道程について話し合っていると、寝転がっていたシャオが突然声を上げた。
「蒲焼さ〇太郎はお菓子、蒲焼さ〇太郎は…あ、魔物発見!」
そう言って跳ね起きると、素早く弓を構えて上空を飛行している魔物に向けて矢を放った。
矢は寸分たがわず鳥のような魔物の首を撃ち抜き、魔物は体を魔力の粒子に変えながら消えていく。
「この私の真上を飛んだのが運の尽き……あれ?」
「ん、どうしたの?」
魔物は魔力の粒子になって消えたので、そこには何も残らない筈だった。
それなのに、消えていく魔物の足から何かが離れ、現在進行形でシャオ達がいる場所に向かって落ちて来るではないか。
「なんだあれ。人…か?」
「そうだと思います。生きているかはわかりませんが」
視力の良いフェルンはそれが人であることを一発で見抜いた。
体格がフリーレンよりも小柄で髪が長いので、恐らくは幼い女の子なのだろう。
シャオはフリーレンに顔を向けると、キリっとした顔で叫んだ。
「親方!空から女の子が!」
「馬鹿言ってないで早く行ってきて」
「がってん!」
……空から落ちて来た女の子から事情を聞いた後、フリーレン一行は魔族に襲われている村を救援するべく準備をしていた。
「…うん、これならいい感じ。安全ヨシ!」
「頼むから落っことさないでくれよぉ…」
「ダイジョーブ!ワタシヲシンジテ!!」
「なんで片言なの!?」
現在、シュタルクは木材とロープを魔法で組み合わせて作った担架のような物に括りつけられ、シャオの背中に背負われるようにして固定されていた。
村に到達する前、敵に感知される前にシュタルクをパージして、二人で一緒に魔族へカチコミをかけるわけだ。
これから戦いに赴くと言うのに、いつもと変わらずアホみたいなやり取りをしている二人を見て、フリーレンは浮かべていた笑みを引き締めて真剣な顔で語り掛けた。
「何度も言ったけど、二人が少しでも勝てないと思ったら戦わずに逃げる事。それは忘れちゃいけないよ。勇気と無謀は違うからね」
「もう、フリーレンは心配性だなぁ」
実際のところ、フリーレンはあまり心配していない。
シュタルクもシャオも人助けは積極的にするタイプだが、自分の命を顧みないような無謀な事はしない。第一、二人とも根っこが臆病なので敵が格上だと悟れば軽率に戦いを挑むような事はしないだろう。
「シュタルクの出る幕はないかもね。なにせ、この最強無敵のエルフの勇者が魔族をけちょんけちょんにしちゃうから!」
…シャオは色々と暴走する不安があるが、シュタルクなら止めてくれるはずだ。
もしも相手が大魔族で、二人が村人達を見捨てて逃げるような状況に陥った場合…二人はとても苦い思いをするだろうが、こんなことは世界中でありふれている悲劇に過ぎない。これも一つの経験だと受け止めるしかないのだ。
「フリーレン様の言う通りです。二人とも無茶はしないでくださいね…」
フェルンは背中にスヤスヤと眠る女の子を背負いながら、心配そうに顔を歪めている。その様子を見て、シュタルクは可能な限り強気な表情を作りながら頷いた。
「大丈夫だ、絶対に無茶はしないって。だからフェルンは心配しないでくれ」
「シュタルク様…」
…が、次の瞬間にはいつもの情けない顔に戻ってしまった。
「……でも、出来る限り二人も急いでくれると助かるかな…。二人だけじゃ不安だよぉ」
「こういう時くらい最後までカッコつけてくださいよ…」
───そんなこんなで二人が出発して数時間が経つ。
フリーレンが魔力切れになる前提で、全力で飛行魔法を使い続けて直線的に向かったとしても丸一日はかかる距離。
しかもそれは、途中で魔物に襲われたりして足止めをされなかった場合の話。理論上ならそれくらいはかかるという計算だ。
そんな距離を、シャオは僅か数時間で踏破しようとしている。
無論、村に着くころには魔力切れとスタミナ切れで動けなくなっているだろうが…それでも世界最速を名乗ってもいいくらいには超人的なスピードを発揮していた。
「うぷ…吐きそう…」
「(じゃあなんでやったんだよ…)」
崖を跳躍すると同時にぐるぐると高速回転して、空中を弾丸のように突き進んだ二人。
着地はうまく行って今も走り続けているが、シャオは酔ったのか顔色が微妙に良くなかった。シュタルクに至っては喋る元気すらなくなって心の中でツッコミをしていた。
「もうすぐかな。えっと、地図地図…」
シャオは走りながら器用に地図を取り出すと、村の位置を確認しようと目を向けた。
………さて、今現在の状況を少し整理してみよう。
走り始めて数時間が経ち、シャオは体力も魔力も大幅に消耗していた。
しかもマ〇ナムトルネードによって気分も悪く、注意力も普段より落ちている。
ただでさえ全力疾走中、しかも長時間加速を続けたせいでシャオ自身経験した事のない速度に達している。
そんな状況で余所見しながら走ったらどうなるか。
「…あれ、この地図向きがわからな…あっ───」
★☆★☆★
「うぐぅ…ひどい目にあった」
シャオは半泣きでぽつりと呟いた。
余所見していたせいで、案の定躓いて転んでしまったシャオ。
魔力で肉体を強化していた事、魔族であるが故に元々体が頑丈だったおかげで何とか軽傷で済んでいたが、普通の人間であれば大根おろしのようにすりおろされていただろう。
「シュタルクは大丈夫?ごめんねぇ、ながら運転はしちゃだめってわかってたのに。こうして事故は起きるんだね………あれ、シュタルク?」
背中にいる筈のシュタルクに問いかけるも返事がない。
…そこでシャオは背中が妙に軽い事に気が付いた。斧の分も含めれば背中に感じる重量はそれなりにあったはずなのだが…?
「シュ、シュタルク?シュタルクさん?シュタルクさんやーい……あ、あれれー、おかしいなぁ…」
目的の村から数キロ離れた森の中で、少女の弱弱しい声が空しく響いた。
北部高原、ルーフェン地方にある村。
一級魔法使いゲナウの故郷でもあるその村は、突如として押し寄せて来た魔族の軍勢によって滅びの危機にあった。
「死に物狂いで結界を強化したか。無駄な事を」
「どうされますか?」
「私がやろう。お前たちは周囲の警戒を怠るな」
主の命を聞いた片角が折れた魔族は、同僚の二人の魔族と共に後ろに下がった。
四本腕の魔族…レヴォルテは教会に立て籠もった村人達を始末するため、扉に向かって四本の剣を振り上げた。
認知した魔法協会によって『神技のレヴォルテ』と呼ばれているその魔族は、数多の魔法使い、戦士を葬って来た強大な魔族の将軍であった。
四本の剣を操る四刀流の剣技の達人。
作り上げた魔法の剣は『神技の砕剣』と呼ばれ、重量を自在に操る事が出来、速さと破壊力を完璧に両立したインチキ染みた性能を誇る。この剣と四刀流の剣技によって、一級魔法使いや熟練の戦士すら倒して来た。
村に駐留していたノルム騎士団の隊長や上位の騎士はレヴォルテによって殺害され、残りの騎士達は配下の三人の魔族と、道中で合流して来た木っ端の魔族達によって殺されている。
あとは教会に立て籠もった村人達を始末すればこの村は完全に滅び去る…筈だった。
「む…?なんだ…?」
レヴォルテの戦士としての直感が、自身に迫る危険を察知した。
直感に従って顔を隣に向けるも、そこには名も知らぬ数人の魔族が、教会の結界が壊れるのを今か今かと待っている様子が見えるだけ。
何も異常は見当たらない。
「気のせいか…?」
そう考えなおし、結界を破壊するべくもう一度剣を振り上げた。
「この村も、これで終わ───たわばっ!?」
次の瞬間、レヴォルテは何かに横合いから衝突されて吹き飛んだ。
その威力は凄まじく、教会の結界は破壊される寸前まで罅が入り、衝突に巻き込まれた近くの雑魚魔族達も巻き添えであえなく死んだ。
「レヴォルテ様が死んだ!?」
「いや待て…」
突然の異常事態に少女の姿をした魔族が狼狽えるが、片角の魔族は見るも無残な姿になったレヴォルテに近づいて容態を確かめる。
「全身の骨が砕けている…内臓もいくつか潰れているが、致命傷ではない。レヴォルテ様はまだ生きている」
「いったい奴は何者なんだ…」
目隠しをした魔族は先ほどまでレヴォルテがいた場所に立つ者を見つめた。
「…」
教会の扉の前には、赤毛の人間の戦士が立っていた。
戦士と断定出来たのは、その者から大した魔力を感じなかった事に加え、感じる威圧感が尋常ではなかったからだ。このオーラは強大な戦士特有のものだろう。
状況を考えれば、レヴォルテを吹き飛ばし、これほどの重傷を負わせたのは間違いなくこの男だ。
「撤退するぞ。あの戦士は我々の手に余る」
「…やむを得んな。不意打ちだったとはいえ、奴は間違いなくレヴォルテ様と同格の戦士…我らでは相手になるまい」
「幸い、奴はあの場を動くつもりがないようだ。村人達を守ることを優先しているのだろう。この村にいた騎士達のように」
「あんなの人間じゃないよ…」
魔族達は瀕死のレヴォルテを連れ、拠点である北の砦に向かった。
「…はっ!?お、俺はいったい…ていうかここどこ!?」
赤毛の戦士…シュタルクは意識を取り戻し、意味不明な状況に混乱しつつも、教会にいた村人達と、後からやってきた妹弟子と共に村の復興に勤しむのであった。
「なんか体中が痛いんだよなぁ…もう治ったけど」
なんかゲナウさんの故郷が救われました。
やっぱり原作を改変させてこそのオリ主だと思います。
♰神技のレヴォルテ♰さんは療養中です。
不幸な事故によって全身複雑骨折といくつかの臓器を破損しました。並みの魔族なら致命傷ですが、魔族の将軍はとっても頑丈なので生きてます。
ひどい!誰がこんな酷いことを…!