TS外道転生者のガゴウ   作:般若バール

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遅くなりました。

今回何故か物凄く書きづらかったです。


Side シン 日常編2

 

「おはようございます!マリッペ商店です!御用聞にまいりました」

 

 この家で暮らし始めて3ヶ月が経った。今日もマリーさんは元気だ。

 本来なら僕は学校に通っている時期のはずなのだが入学時期が変更になった。

 何でも王都で謎の病気が流行し、多くの人が倒れたり命をおとしているらしい。

 一般市民は勿論、貴族にもこの病気は広まっていて、今期に入学する予定だった新入生にも多くの罹患者が出たらしく、収まりを見せるまで延期になったのだ。

 今は国が調査団を組織して原因究明に乗り出している。

 

 そんな訳で僕の生活に少しの余裕が生まれた。相変わらず勉強は続いているし、最近は剣術の稽古も始まったが、期限に追われる事もなくなり時間に余裕が出来た。

 

「おはようマリーさん。アンリは今日は留守でいないよ。代わりに、はい、これが今回の注文ね」

 

 そう言って事前に用意しておいたメモを渡す。

 

「了解っす。お預かりします」

 

 マリーさんはメモを受け取りカバンの中に入れる。

 

「そう言えばマリーさんは今日この後は暇?」

 

 ふと思い付きでマリーさんの予定を尋ねてみる。

 

「この後っすか?残念ながら予定があるけど、どうしたんすか?」

 

「いや、今日は久しぶりに1日何も予定がなくて、かと言ってやりたい事も無いしどうしようかな〜と」

 

 そう、暇なのだ。本当に何も無い日は久しぶりでどうしようか悩む。

 

「あ〜、なるほど。暇だと。自分はこの後病院に行かなきゃいけないっすからね〜。残念ながら付き合えないっすね〜」

 

 それは残念、いや、それよりも

 

「病院?どこか悪いの?まさか最近流行っているっていう病気?」

 

 心配になってつい尋ねてしまう。

 

「違うっすよ。いや、まあ、それ関連ではあるっすけど……」

 

「どういう事?」

 

 よく分からないので尋ねてみる。

 

「知り合いの病院が人手が足らなくて困っているっす。それで周囲の皆んなで協力して持ち回りで手伝っているっす。とは言っても出来る事は洗濯や病院食の調理とかその程度っすけど」

 

「へー、そうなんだ。……ねぇ僕も何か手伝えないかな?」

 

 力になりたいと思ったのもあるけど、皆んなから助けになりたいと思われるその病院に純粋に興味がわいた。

 

「いや、人手が増えるのは歓迎っすけど、何かあっても責任持たないっすよ?」

 

「大丈夫、分かってるよ。それじゃあ行こっか」

 

 そうしてマリーさんの家に一旦よった後件の病院への道中、マリーさんにどんなところか聞いてみた。

 

「そうっすね〜、まぁ一から話すっすか。先ず王都の外壁の外を下町って言うんすけど、そこは簡単に言えばお金がない人が集まる地区なんす。外敵から襲われた時真っ先に危険にさらされるわけっすからね。壁の中は地価が高いっすからお金が無いと暮らせないっす」

 

 王都には現在4つの壁があり、上から見ると木の年輪みたいになっている。これは王都の拡大をする度に外に壁を作ってその中に街を作るという事を繰り返してきたからだと習った。

 これ以上の拡大は壁を作るだけでお金がかかり過ぎる為行われず、壁の中に入りきらない人は壁の外に街を作っているらしい。彼女の言う下町とはこの街の事だろう。

 

「で、そこにモラモラ先生って言うお医者様がいるんす。この先生、格安の治療費で病人を診てくれて下町のお金が無い人達から重宝されているんすよ。腕も良いっすからお金持ちから引き抜きの話が来ているみたいっすけど断って、下町でお金が無い人を診つづけてる変わり者の良い人っす‼︎」

 

 へー、それは凄い‼︎

 

「ただ先生も今回の病気で患者が多過ぎて人手が足らなくて困っているっす。それで普段からお世話になっている人達が少しでも力になろうと集まっているっす。私も今のお店に引っ越す前は下町に住んでて、その頃は先生に大変お世話になったっす。だから空いている時間でお手伝いに参加しているっすよ」

 

 へー、王都に来てから余り外に出ていないから知らなかったけど、そんなに人の繋がりが強いんだ。

 

 そんな話をしながら門から壁の外に出る。因みに王都の住民票を持っていれば出入りは簡単に出来る。

 

 そうしてしばらく歩いて行くと

 

「ここっす。ここが先生のマンボウ病院っす」

 

 住宅街らしき場所の外れにポツンと庭付きの民家らしき見た目の病院があった。入り口には見たこともない魚が描かれた看板がかかっている。

 窓から中を見ればベッドは人でうまっていて、床にモーフを敷いて寝ている人や、診察待ちの人、看病に走る看護師らしき人等、様々な人でごった返している。

 

 ふと見れば、庭のベンチに白衣を来た男性がぐったりともたれ掛かってタバコを吹かしている。

 

「ちわーっす、先生休憩中っすか?お疲れ様です」

 

 此方に気づいた男性はタバコを灰皿で消すと

 

「ああ、マリーちゃん来てくれたんだね。ありがとう。助かるよ。其方の彼は初めて見るね、お友達かな?私はモラモラ。ここで医者をしている。よろしくね」

 

 そう言って握手をしてくる。

 モラモラさんは見た目は40代後半、黒い髪をしていて優しそうな雰囲気の人だ。

 かっこいい容姿をした男性なのだが、今は全体から草臥れた印象を感じる。顔もやつれている感じがするし、無精髭をそのままだ。今がどれだけ忙しいのかが見ただけで察してしまう。

 

「あ、はい。シンって言います。マリーさんとは友人で話を聞いて何かお手伝い出来る事はないかと」

 

 握手を返しながらそう言えば

 

「いや、本当に助かるよ。タバコ一本吸う時間を捻出するのですら大変でね。ハハハ、禁煙しようかな。さて、私はもう行かなきゃいけないから後はマリーちゃんに聞いてくれ。それじゃあよろしくね」

 

 そう言って手をヒラヒラ振りながら病院に戻って行った。

 

「それじゃ、私達も行くっすよ。頑張るっすよー!」

 

 そう言ってマリーさんは病院の裏口に回って行った。

 さて、僕も手伝うといった以上真面目に頑張るとしよう。気合いを一つ入れて僕もマリーさんの後を追っていく。

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