TS外道転生者のガゴウ   作:般若バール

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犯罪者編1

 

 ゲーム時代、懸賞金クエストと言う物があった。賞金がかけられた犯罪者を倒すものだ。本編とは関係ないやり込み要素の様な物だ。クリアすると経験値とお金とアイテムなんかが手に入るもので、まぁ、やってもやらなくても良いがやると色々手に入るよ、と言ったものだ。

 

 因みにマリーさんはゲームではこの賞金首だったりします。マリーさんを倒すと他国で懸賞金がかけられていた事が分かります。

 

 さて、少し昔の話ですが、私は各地をめぐり、記憶にある限りの犯罪者に片っ端からスカウトをかけました。『どうです?最近色々やり辛くなってきたんじゃ無いですか?どうでしょう、私の国に来ませんか?今なら簡単に国境を超えられる手引きをしますよ?更に新しい戸籍もオマケで付けちゃいます!』ってな具合に。

 しかし、結局この話に乗ってくれたのは3人だけでした。他の方は皆、私の口を封じようと襲ってきました。無論全員返り討ちにしましたが。人を信じる心の無い人は駄目ですね。

 

 そんな私の努力の結果、今この王都には3人の理解が有る素晴らしき犯罪者が集まったのです。

 

 そこら辺を掻い摘んでシン君に説明するとシン君は頭を抱えました。

 

「何で態々そんな事を……?」

 

 それは勿論

 

「修行ですよ、修行。平時では味わえない緊張感。人が一番成長するのは命の危機にひんした時です」

 

 某週刊誌の長期連載では定期的にくるアレです。

 怠けたシン君の心に喝を入れるべく、本来はもう少し成長して強くなってから始めようと思っていましたが早回しです。

 

「ハイ、そんな訳で1人目です。生死は不問です。気張っていきましょう。あ、因みに断ったらリリさんの目をくり抜きます」

 

 シン君に1人目の手配書『シルバ・ゴールド』の紙を渡します。

 それを受け取ったシン君はその名前を見て目を見開きます。

 

「ゴールドってまさか⁈」

 

 まぁ、直ぐに分かりますよね。

 

「はい、マリーさんのお父様です」

 

 ゲームにおいて、マリーさんのお父さんは本編の時系列では既に亡くなっているので登場しません。設定のみで存在するキャラでした。しかも特に深く触れられず、ただ亡くなっていて、その死がマリーさん覚醒の引き金になったとしか書かれていませんでした。

 ただ、私はちょっとした興味をひかれました。マリーさんのお父さんは何故お亡くなりになったのか?事故かな?病気かな?ひょっとして犯罪に巻き込まれたとかかも知れない。まぁ、本当にちょっとした好奇心でした。

 

 そこで本当に純粋な興味でマリーさんのお父さんに会いに行きました。そして分かった事はマリーさんのお父さんの死因はほぼ間違いなく、斬首刑だと言う事です。

 なんて事はない、血は争えないと言う事です。マリーさんのお父さんはマリーさんに負けず劣らずの殺人鬼で、おそらくは逮捕され、処刑されたのでしょう。

 マリーさんが見たお父さんの死の瞬間、それは処刑台で首を刎ねられる瞬間だったのです。

 そりゃ、歪むわ。

 マリーさんが各地を巡るきっかけも、親が犯罪者で地元に居られなくなったからでしょう。

 

「やり方も期限も指定しません。ただし、マリーさんにこの事を話すことは禁止します。マリーさんは父親が人殺しであることを知りません。彼女はこの件とは無関係です」

 

 そもそも、マリーさんにそんな事を言って、下手に父親を問い詰めたりしたらどうなるか?絶対にろくな事にはなりません。世の中知らない方が良い事は知らなくて良いのです。マリーさんの安全の為にも。

 

「……言えるかよ、こんな事」

 

 シン君もそれくらいは理解出来る様ですね。

 

 さて、私がスカウトに成功した犯罪者は『人形制作者』『錬金術師』『硫酸男』の3人。

 

 この中で現在も活動しているのは『硫酸男』だけで、他の2人は現在は一切犯罪行為を行わず、静かにしています。

 その『硫酸男』も慎重に行動しているので被害は少数です。まあ、出る事は出ています。

 

 しかし『人形制作者』ことシルバさん、彼だけは早くに倒さなければいけません。彼は殺人を辞めた訳ではありません。彼はただ待っているのです。来るべきその時を。

 

 私は先程期限はありませんと言いました。それは嘘ではありません。しかし、彼だけが3人の犯罪者の中で唯一、タイムリミットが有るのです。

 彼だけは、一刻も早く倒さなければいけません。

 

 何故なら、シルバさんの次なるターゲットは自分の娘、マリーさんなのてすから。

 早く倒さなければマリーさんが死んでしまいますよ、シン君。

 




行き詰まっている時とかに気分転換で書いている物です。
お時間がありましたらこちらも読んでくれると嬉しいです。

https://kakuyomu.jp/works/16818093084916710084
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