TS外道転生者のガゴウ   作:般若バール

86 / 87
犯罪者編12

 

「エミリーさん、少しよろしいでしょうか?」

 

 首を刎ねられた翌日、私は再びエミリーさんに会いに教会まで来ました。メイルゥさんがピンピンしている私を見て驚いています。流石に昨日の今日で何かしてくるとは思いませんが、用心はして来ました。他人の目が沢山ある所では流石に殺しにかかってはこないとは思いますが一応。

 

 因みにモラモラ医師は『貴女の診療をする度に私の医療記録の信憑性が無くなっていく』と文句を言っていました。そう言った小さな例外の積み重ねが進歩につながるのです。信じて前を向きましょう。

 

「ええ、ええ。もちろん大丈夫ですよ」

 

 エミリーさんはニコニコと私の手を取って返事をしてきました。

 

「少しお話ししたい事がありまして、何処か2人きりで話せませんか?」

 

 要するにメイルゥさん、ついてくるな!ですね。

 

「そうですね、それでは私の部屋に行きましょうか」

 

 この場合の部屋とはエミリーさんの私室になっている教会の離れではなく、その下、あの地下牢の先の個室を指します。

 

 その後、地上の離れの外に護衛を残し、2人だけで地下まで来ました。護衛の人達は自分達もと粘りましたが、いつもの事だから心配無いと言っておいて来ました。

 さて、先ずは

 

「殺しにくるなら事前に一言言って下さい。死んでしまうではないですか」

 

 昨日の苦情からですかね。

 

「ごめんなさいね。メイルゥにどうしてもとお願いされちゃて。でもほら、どうせ死なないでしょう?」

 

 と笑って言ってきます。

 何を言っているのでしょうか?私だって人間です。普通に死にます。人を不死身の怪物か何かと勘違いしているのではないでしょうか?

 

「兎も角、今後は注意して下さいね」

 

 昨日の話はとりあえずこれでいいでしょう。

 では

 

「本題に移りましょうか。エミリーさん、私はランセア連邦とアーリア聖光国との間で戦争、は無理でも軍事衝突を起こそうと考えています。貴女にはその協力をしてもらいたいのです」

 

 一番の目的は連邦のおバカ共とレオン君の血族の殺害ですが他にも色々あります。シン君に経験を積ませるのもそうですが、今代の勇者を実際に見ておきたい。後、レアなアイテムとかどさくさに紛れてかっぱらえないかな。

 戦争を起こすのはこの二つの国の間に他の国がありますから難しいでしょう。いくら大国だからと言って、友好国とは言え他国の領内に自由に軍隊を移動させられるわけがありません。必ず制限が付きます。出来て精々少数の部隊を派遣し、周辺諸国の教会から呼びかけて連合軍を作るくらいでしょうか?……いや、まぁ、十分凄いですが。宗教をおさえているって凄いですね〜。

 

 エミリーさんは少し考えた後

 

「戦争でも紛争でも何でも好きに起こしてくれて構いませんし、何なら聖光国が滅んでも私は全然良いのですがそれはそれとして、私が協力する事で私にどんなメリットが?」

 

 そうですよね。どうでもいいとは言っていますが、一応はエミリーさんにとって聖光国はパトロンです。そこに攻撃を加えるメリットはありませんよね。デメリットしかありません。

 

「初代聖女、アーリアの聖骸、そして、竜の炉心の在処を教えましょう」

 

 私がそう言えばエミリーさんは少し驚いた表情をして

 

「友人の頼みですから、喜んで協力させてもらいますよ」

 

 そう言って手を取ってきます。まったく現金な人です。愛国心とか無いのでしょうか?無いのでしょうね。どちらも前々から妹さんの新しい身体の素材として探していた物です。喉から手が出る程欲しいでしょう。

 

 さて、兎も角第一関門突破です。

 

 先日サラさんから送られてきた手紙によると、ポンジさん達は私に竜人、レクシィさんを送り込もうとしているそうです。

 レクシィさんはランセア連邦の兵士です。

 彼女はゲームにも登場していた人物でファンによる最強キャラランキングでも上位に位置する人物でした。

 本編には関わってこない人物ですがランセア連邦内の闘技場で最後まで進むと出てくる人物です。レベルはMAXでステータスも全体的に高い、強敵です。

 さて、この世界ではどうかと言えば、そもそも竜人は竜の血を引く一族らしく、生まれながらにして常人を超える身体能力と魔力を兼ね備えた優良種らしいです。

 そして彼女はこの世界でも闘技場で無敗のチャンピオンとして君臨しているとか。

 愛国心が強く、国の為なら汚れ仕事もやれる人物だそうです。

 

 彼女の存在をサラさんから知らされた時、さてどうしようかと悩みました。無駄なリスクな上に私個人として戦う旨味が無い。シン君の練習相手としては強すぎる。正直面倒だなと思っていたところ、丁度良く解決策が来てくれました。メイルゥさんをレクシィさんにぶつけましょう。最強には最強を、怪物同士食い合って下さい。獅子と竜の食らい合いです。

 相打ちになってくれれば理想的、そうでなくてもどちらかが倒れてくれれば十分でしょう。

 ポンジさん達の自信の源の一つは間違いなく彼女でしょう。それを先ず潰します。

 

「それでは打ち合わせを始めましょう」

 

 エミリーさんの帰国期間中にランセア連邦とアーリア聖光国の間で不和を起こす。出来ればアーリア聖光国の顔に盛大に泥を塗る感じでいきましょう。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。