fate/not focusing   作:振り子メンタル

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プロローグの続きです。

それでは、本編をどうぞ!


プロローグ2

「ふぅ、おいしかった!六香ってカレーライスを作るの上手だね」

 

「まぁね!私と一緒に戦ってくれたサーヴァントにすごく料理上手なアーチャーがいてね。その人から教えてもらったんだ」

 

「料理上手なサーヴァントなんているんだ…有名な料理人だったりするのかな…」

 

「そういうわけじゃないみたいだけど、みんなのオカンみたいな人だったよ」

 

「オカン…なるほど、そういう人もいるのか」

 

オカンって言われるぐらいだから、結構世話焼きな人だったんだろうな。

 

そんなことを考えつつ、手元にウィンドウを出現させる。

 

「なにそれ!すごっ!一応、この世界が仮想世界なのは知ってるけど、こういうのを見ると実感が湧くよね!…で、何をしようとしてるの?」

 

「拠点の強化をしようと思ってさ」

 

「拠点の強化?これでそれが出来るの?」

 

そう言いながら、六香がウィンドウを覗き込んでくる。

 

いや、近い近い!顔が近い!ぐいぐい来るな…この子。

 

それにしても…改めて見ると、六香って可愛いな…こう、華やかというわけではないんだけど、確かに可愛いのだ。

 

多分、一緒のクラスにいたら男子からも女子からも好かれてそうなタイプだと思う。

 

「うん?どうしたの?」

 

「…いや、何でもないよ。それでこれについてなんだけど、このウィンドウを操作して、色々と強化できるみたいでさ。単純に防御力を上げたり、いろんな罠に嵌めたりも出来たり、色々と出来るみたいなんだ」

 

「なるほど…流石は仮想世界ってところだね!複雑な工程もなしに、拠点の強化が出来るなんて」

 

「そうだね。現実世界でやる時はもっといろんな工程を踏まないと出来ないと思う。…それで、強化の方向性なんだけど…六香はどうすれば良いと思う?」

 

「うーん…私はこういうのに疎いからなぁ…あ!ビームが出来る拠点とかどうかな?」

 

「いや、どんな拠点!?ちょっとカッコイイと思っちゃったけど!」

 

一瞬、拠点がロボットに変形して、ビームを放つ所を想像した。

 

やばっ!カッコイイな!まぁ、拠点としてはダメかもだけど。

 

「さて、どうしようか…僕としてはそもそも拠点がバレにくくて、辿り着きづらいようにしたいんだけど」

 

「防御力は上げなくて良いの?」

 

「防御力を上げてもサーヴァントの攻撃で壊されちゃいそうだし…なにより他のマスター達の襲撃を受けずにゆっくり休みたい」

 

「なるほどね…OK!優斗君の方向性でいこう!でも、それって私達も拠点に帰れないんじゃ…」

 

「あぁ、そこは大丈夫。拠点にはワープポイントがあって、プレイヤーは好きなタイミングで拠点に帰ることが出来るんだって。まぁ、だからこそ、拠点を叩くというのが重要になってくるわけなんだけど」

 

先に拠点を叩いておくか、そうでなくても予め場所を把握しておかないと逃げられてしまうから、この聖杯戦争において、拠点というものはとても重要となる。

 

拠点をどう守るか?相手の拠点をどう探し出すか?そして、どうやって拠点を破壊するのか…これらの要素がこの聖杯戦争の勝敗を左右すると言っても過言ではない。

 

「そういえば、確認してなかったけど、六香のサーヴァントとしての能力ってどんなのがあるの?」

 

「私は、礼装ごとにちょっとした魔術が使えて、その礼装を切り替えると、使える魔術が変化するのが1つ」

 

「礼装の切り替え?」

 

「うん。こんな感じで!」

 

そう言うと、六香の服装が巫女服に変化した。

 

「おぉ!本当に変わった!可愛い!」

 

「あ、ありがとう。…ま、まぁ、こんな感じかな?」

 

そう言って、慌てて服装を元に戻した。

 

ぶっちゃけ、かなり似合ってたからそのままでも全然良かったんだけど…まぁ、戦闘向きではなないか。

 

「他には?」

 

「私が契約していたサーヴァント達の影を召喚出来るよ。最大6人まで。といっても、優斗君の魔力消費を考えると、3人ぐらいが良いかも」

 

「影とはいえ、サーヴァント達を召喚出来るのはすごいね…ちなみに、何人ぐらいと契約してたの?」

 

「うーん…正確な数はわからないけど、200人以上は契約してたかな」

 

「に、にひゃく!?す、すごい…つまり、200人以上のサーヴァントから、好きなサーヴァントの影をチョイスして出せると…いや、本当にすごいな…もう十分すぎるくらいだけど、他に出来ることは?」

 

「後はこれかな?」

 

そう言って、六香が出したのは大きな盾だった。

 

「随分と大きな盾だけど…六香はキャスターだよね?」

 

「うん、私はキャスターだよ。この盾は私の後輩が使っていた盾なんだ…これを私が持っているのは、多分その後輩との縁と、別の世界の藤丸立香がこれを持ってゲーティアと殴り合ったからだと思う」

 

「なるほど、六香の後輩さんが。…ゲーティア?っていうのと殴り合った別の六香についてもかなり気になるけど、とりあえず置いておいて。…これを使っての戦闘って可能なの?」

 

「…無理!」

 

「だよね…こんな重そうな盾を使って戦うのは絶対に大変だろうし」

 

「あはは…私、戦闘とかは全然ダメダメだからね…」

 

「まぁ、キャスターって大体そういうものだろうし、大丈夫だよ。それに、六香はマスターだったわけだし、正面から戦うよりもサーヴァント達を指揮して戦うのが役割なわけだし…それもまた六香の強さでしょ」

 

「…優斗君って、優しいね」

 

「そうかな?誰でも同じことを言うと思うけど」

 

「確かに、そうかもね…でも、ありがとう!」

 

「どういたしまして」

 

「ふふっ!よーし!サーヴァントとして、優斗君を勝たせるために頑張るぞー!」

 

「頼もしいよ。よろしくね!」

 

「うん!…そういえば、聞いてなかったけど、優斗君は聖杯を手に入れたら何を願うの?」

 

六香の質問に、少し頭を抱える。

 

そっか、聖杯を手に入れたら、なんでも願いが叶うんだっけ…まさか本物の聖杯があるとは思ってなかったから、何も考えてないや。

 

「うーん…巨万の富?お金があれば色々と出来ることがあるし、なんなら一生働かずに生きていけたら最高だ」

 

「えぇ〜…流石にそれは俗物すぎない?」

 

「まぁ、流石に今のは冗談だよ。まだ何を願うか決めてなくてさ…巨万の富も悪くないし、超人的な能力を手に入れるのも良い…後は可愛い女の子達に囲まれて生活するとかも良いかもしれない…とはいえ、どれもしっくり来ないんだよね」

 

「そっか…叶えたい願いがいっぱいあるんだね」

 

「そうだね。…まぁ、当面の願いは死にたくない、生きていたい…かな。死んだら元も子もないし、まだまだやりたいこともあるから死にたくない」

 

これは俺の嘘偽りのない本心だ。まだ死にたくない、生きていたい。

 

願いについてはこの戦いを生き残って、聖杯を手に入れてから考えれば良い。

 

僕がそんなことを思っていると、六香がクスッと笑ってこちらを見る。

 

「…良い願いだと思う!さっき言っていた願いのどれよりも。…任せて!私、戦闘はからっきしだけど、生き残ることにかけてはすごいから!」

 

「そっか…それは安心だね!なら、お任せするよ」

 

「任せて!」

 

六香は笑みを浮かべながら、フフンと胸を張る。

 

その影響か、六香の立派な双丘が強調される。

 

…こうして見ると、六香って意外と大きいな…なにがとは言わないけど。

 

というか、こんな思考をするのは六香に失礼だな、うん。

 

「…さて、拠点の改造が終わったら寝ようか」

 

「そうだね!明日に備えて休もう」

 

そうして拠点の改造を終え、明日に備えて眠りにつくのだった。

 

/////////////////

 

「…寝ちゃったか」

 

気持ち良さそうに眠っている彼を見ながら、そう呟く。

 

「ごめんね、優斗君…本当の私はさ、お世辞にも性格の良い人とは言えなくて、自分の目的のために君を利用することだって厭わないと思う」

 

眠っている彼に何を言った所で、無駄なのはわかってる。だから、これは勝手な自己満足だ。

 

勝手に謝って、勝手に楽になりたいだけ。

 

「でも、君のために戦うのは本当だよ。君が生きたいと願うなら、全力でそれに応える。君が危険な目に遭いそうになったら、守る」

 

そう言いながら、彼の頭を撫でる。

 

「私のすべてを懸けてでも、君のことだけは絶対に助けるよ」

 

自分でも不思議な気持ちだ。

 

私が、私の願いを叶えるために彼を利用する…その気持ちは変わらないのに、私は彼を…優斗君を助けたい。

 

目の前で命がけの戦いに巻き込まれている彼を見捨てられない…見捨てたくない。

 

「あはは…優斗君には聞こえてないだろうけど、責任重大だなぁ…でも、守ると決めたからにはちゃんとしないとね」

 

「…そうだね。ちゃんとしてくれた方が助かるかな」

 

「うへぁ!?」

 

突如として、聞こえてきた声に思わず変な声が出る。

 

声の主は優斗君だった。

 

「どどど、どこから聞いてたの!?」

 

「えっと…ごめんね、優斗君あたりから」

 

「全部じゃん!あぁぁぁ…恥ずかしい恥ずかしい…穴があったら入りたい…」

 

優斗君の言葉に思わず蹲る。

 

「いやいや、そんな気にしなくても…というか、叶えたい願いがあるなら、言ってくれれば良かったのに」

 

「うぅ…だって、マスターの願いを無視して自分の願いを叶えるサーヴァントってどうなの?私がマスターの時は気にしてなかったけど、他のマスターの場合はどうなるかわからないじゃん」

 

「あぁ、なるほど…確かに僕もあんまり気にしてなかったけど、他のマスターだとどうなるかはわからないよね。…よし、決めた。聖杯を手に入れたらさ、六香の願いのために使おう」

 

「へっ!?良いの?優斗君にも叶えたい願いがたくさんあるんじゃ…」

 

「まぁ、そうなんだけどさ…わざわざ聖杯に願うほどのことでもないし、六香の願いを優先しよう。聖杯の力が君の為になるなら、僕は構わないよ」

 

そう言って、優斗君は笑みを浮かべる。

 

「…本当に良いの?」

 

「もちろん」

 

「言っとくけど、私、性格悪いよ…前に別の世界の自分を謀殺して組織を乗っ取ろうとしたし、君のことだって聖杯を手に入れるために利用しようとした」

 

「思ったよりすごいことしようとしてたんだ…まぁでも、六香を見ていると込み入った事情がありそうだし、仕方ないんじゃないかな?それに、性格が悪いとは言ってたけど、君は悪人というわけじゃなさそうだし」

 

「…戦闘力皆無だし、そこまで魔術が使えるわけでもない、貧弱サーヴァントだよ?」

 

「その分、召喚が強力じゃん。戦い方さえ工夫すればどんなサーヴァントが相手でもどうにかなると思う」

 

「…あぁもう!」

 

優斗君との会話に、思わずそう叫んでしまう。

 

このマスターはまったく…色々と考えていた私が馬鹿みたいじゃん。

 

「後悔しても知らないからね!今更、別のサーヴァントの方が良かったなんて言わせないから!ばーか!」

 

「うん、後悔なんてしないし、別のサーヴァントの方が良かったなんて言わないよ。…改めてよろしく」

 

そう言って、優斗君は手を差し出す。

 

「よ、よろしく…」

 

私は差し出された手を握りながら、そう答える。

 

何故だろう、似たようなやり取りをしたはずなのに気恥ずかしい。

 

「さて、それじゃあ寝る…明日は本番だし。お休み、六香」

 

そう言って、優斗君はさっさと眠ってしまった。

 

今度こそ本当に寝たらしく、規則正しい呼吸が聞こえてくる。

 

「…お休み、優斗君」

 

私はそう言って、眠りにつくのだった。

 




といった感じのプロローグ2でした!

次回から、本格的にスタートすると思います。一応、こういうサーヴァントを出そうというのはあるのですが、上手く書けるかどうか…

それでは、今回はここまで!ここまでの拝読ありがとうございます!
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