空の上からこんにちは。
私、空夢弦月と申します...
さて、俺のまわりは縦横無尽にビームが横切ってます。
何故この状況になってるか?
ことの発端はラウラをコジマでぶっ飛ばした後の話だ...
「あ、千冬先生、こんにちは。」
「貴様やりすぎだ!」
「俺だけ!?」
...あの理不尽。
なんか冬月でぶったぎられたんだけど。
まぁいいや。
その後の授業で、ISネクストとISの違いってのを見せる為にセシリアと戦っている。
とりあえず二段QBで飛び回ってビットの攻撃を避ける。
片手には本を持ち、もう片手でコーラを降ってる。
背中武器の一撃のみで倒せ、そう言われたのでまぁ遊ばせてもらってる。
セシリアに肉薄し、コーラの栓を開ける。
勢いよく飛び出したコーラはセシリアの目に入り視界を奪う。
そこに老神を叩き込むとシールドエネルギーが無くなったのかセシリアが落ちていった。
一夏が受け止めたのを確認して着地する。
「たーだいま!」
「やりすぎだ!」
「ペプシマン!」
で、だ、話は飛びに飛びまくってだ。
夜、部屋が決まったらしい、で俺は相部屋になったのだが...
なぜラウラ?なぜにラウラ?いやなんでボーデヴィッヒ?
どうでもいいや、あ、そう言えば、だけどこの前眼帯付けてて注意されたんだ。
この右目には忌まわしい「赤い月」がいるし、見た人間は必ず「不幸」が襲う。
いつまでもこの目を見られるのには慣れない。
嫌悪感さえ抱く程だ。
そう思うなら目を抉れば?って考える奴、手をあげなさい先生怒るから。
あ、お前手を上げたな!?足を上げろ足を!足上げるな行儀が悪い!
まぁ、とりあえず、九回もこの目は抉った。
痛みもあったし血も出たのに、眼球は無傷。
だからこの眼帯をしてるんだ。
あ、これ見た奴は基本お亡くなりになっております。
生存者なんている訳ないじゃん。
「不幸を運ぶ赤い幻月」だからな。
さて、もう寝る時間だ。
設計図はできた、やっと「あいつ」が作れる。
俺が最後に乗った機体が、最後に一緒に戦った最初で最後の機体。
作るのに時間を要するだろうが、いや、もう寝よう。
ラウラに一言、電気消すぞ?と。
あぁ、の一言、返しが冷たい泣いちゃいそう。
そのままベッドに倒れ込む。
ふぅ、と一息吐き、目を瞑り数分。
少しずつ眠気が襲ってきた時だった。
「なぁ、弦月。」
「...なんだ。」
リンクスの時の口調だった。
腹の底から冷えた感情の無い声だ。
この口調は緊迫した環境でしか出ないはず。
何かの暗示...か?
「お前は、なんで眼帯をつけてるんだ?」
「...すまん、俺は言えない。」
「頼む、教えてくれ、私の過去に...」
「黙れ、殺すぞ。」
「ッ!?」
一言、そして焦った。
つい、殺すなぞの言葉を使ってしまう。
異常なほどになりを潜めていたこの口調。
すまん、と一言いい、逃げるように俺は目をつぶった。
その時、後ろに気配がする。
しつこい、一言を言おうと振り返る。
「頼む...お願いします...!」
「...」
頭を下げているラウラ。
その声は不安に押しつぶされそうなただの少女の声だった。
俺の心が一瞬揺れ動く。
...見せることは出来ない、説明はするよ。
最大限に安心させる為の口振りで言葉を紡ぐ。
俺が込めた事のある感情は殺気だけだった。
まぁ、ありじゃぁないかなぁ...と一人考える。
「これは俺が劣化の汚名を着せられた忌まわしい呪いだよ。」
「...やっぱりお前も...」
「俺の一族は目に月があったら劣化と呼ばれたらしい。
何回殴られたかな...」
「...そうか、時間を取らせたな。」
「いや、こっちも楽になったよ。」
この言葉に一番驚いたのは俺だった。
これを言った千冬さんにもこんな声を出した事はなかった。
俺が安心しきってる?
動揺する心がゆっくりと落ち着いていく。
俺は望んでいたのだろうか?話を聞いてくれる人を。
対等に、一人の人間として話をしてくれる人間を。
ラウラに最大限に感情を込めて笑いかける。
「ありがとうな、ラウラ。」
「...っ!?い、いや、いいんだ。」
「どうした?動揺しているぞ?」
「な、何でもない!」
急いで布団を被ったラウラ、どうしたんだろうと、首を傾げる。
その布団からひょこっと頭を出すラウラ、小動物みたいでかわいい。
そうかい、一言呟き、ラウラの頭を撫でる。あぅ、と声が漏れるラウラ。
表情は心無しか嬉しそうだ。それを見て、微笑みながらお休み、といい布団を被る。
それから数秒で俺の意識は闇に落ちた。
その一瞬、額に柔らかい感情とシャンプーの匂いを嗅いだ気がした。
「頼む...お願いします...!」
私は不安に押しつぶされそうだった。
劣化と言われ続けて、最終的には軍人として、命を捨てることに疑問すらない。
なのに、その眼帯を見続けていた、何度も思った。
私は本当に死ねるのだろうか?
彼を何度も撃った時、その圧倒的なスピードに、
そして私に緑色の光が迫った時に思ったのだ。
怖い、死にたくない、嫌だ、と。
軍人が聞いて呆れる。
でも、聞かなければ劣化から「何も無くなってしまいそう」で。
劣化ですら無くなって、自分ですら無くなって。
感情も無くなったらどうなってしまうのだろう?
彼の殺気を浴びて思ったのだ。
殺す為の兵器に成り下がったら?
私は..一体何になればいい?
殺戮兵器か?感情の無い人形か?殺意に呑まれた狂人か?
どうすればいいんだ...?
「見せることは出来ない、説明はするよ。」
安心してくれ、そう直接言われるよりも安心する声色。
思わず顔を上げた先には、悲しそうな顔で笑っている弦月の姿があった。
彼は話してくれた、自分は劣化だと。
劣化の汚名を着せられ虐待を受けた、と。
彼に対する感情は安心から少しずつ信頼に変わっていた。
同じ境遇、同じ汚名。
故に安心したのだろうか?
千冬先生には尊敬と畏怖の心しか無かった。
無論、尊敬の方が強いが。
でも、彼へはどうだろうか?私自身、あまり感情を出すのは苦手な方だが。
今の私は、彼に対して表情が柔らかくなっている。
私が安心しきってる?
動揺する心がゆっくりと落ち着いていく。
私は望んでいたのだろうか?話を聞いてくれる人を。
対等に、一人の人間として話をしてくれる人間を。
弦月に最大限に感情を込めて笑いかける。
「ありがとうな、ラウラ。」
「...っ!?い、いや、いいんだ。」
「どうした?動揺しているぞ?」
「な、何でもない!」
急いで布団を被る。
...反則じゃないか、そんなに優しくして...
このモヤモヤは一体何だというのだ。
彼はそうかい、と一言、そして、私の頭を撫でてお休み、と言ってくれた。
これは彼なりに歩み寄ろうとしてくれたのだろうか?
それなら、と彼のベッドに身を乗り出す。
そして、その顔を見た。
白髪の髪に男らしく少し頬骨が高い位置にある、男らしい顔だ。
右目の眼帯がもったいなく思えてしまう。
そして、気恥ずかしくなった。
な、何をじっくり観察してるんだ私は!そうだ、あくまでお返しだ。
深い意味は無い、深い意味は無いぞ!
額に唇を付けて、すぐにベッドに戻った。
自分でも凄いと思うくらいに速く潜る。
そして枕を抱えていた。
やっちゃった、き...キスしちゃった...!
ラウラはしばらく赤面していた物の、結局寝てしまい、
寝ぼけて弦月のベッドに潜り込み、千冬先生に見つかって更に赤面する...
のは次のお話の冒頭で。
to be contend→