ひきこまり吸血姫の執事   作:神無月 優

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主人公(執事)の声がcv.神谷さんだったらしっくりきそうだなぁ


コマリ隊と変態たち

 翌日。広々とした貴族然なダイニングテーブルにて朝食を並べていく。

 朝食を作ったのはヴィルヘイズで、昼は軍事訓練中の為あるいは戦争中の為弁当生活、俺は夕食を任されている。

 それにしても遅い。

 朝食を作った当の本人は閣下を起こしてくると息巻いて、俺に食事の準備を済ませるように指示をしてから一時間が経とうとしていた。

 

「仕方ない。様子を見に行くか」

 

 閣下の部屋へ向かう前に、埃が食事に入らないように微細な網目の蠅帳(はいちょう)を被せておく。

 

「な、何だこれは!?」

 

 閣下の部屋の扉の残骸がべこんべこんになって無惨にも床に転がっている。

 

「閣下、ご無事ですか!?」

 

 俺は勢いよく部屋へ入ると、そこには寝起きの閣下と全裸の変態(ヴィルヘイズ)がいた。

 

「コマリ様、お寒いようでしたら私が肌で暖めて差し上げますよ──って、どうしたのですかアルク大尉。食事の支度を済ませておくよう指示を出した筈ですが?」

 

 変態(ヴィルヘイズ)は布団に全裸で潜り込み、閣下の体を弄っている最中だった。

 

「そんなもんとっくにできてるよ。もうあれから一時間は過ぎている。とりあえず早く服を着ろ。」

「いやん。コマリ様、この変態が私の裸に触れてきました。今すぐ粛清してください」

「変態はお前だあああああああぁぁ!」

 

 俺は柄にもなく大声を張り上げてしまった。

 閣下もそれに驚いたのか、唖然とした表情だった。

 

「あ、アルク? そんな声も出せるんだな。それに……口調もいつもと違う感じだし」

「っ! お見苦しい姿を見せました。先程のが私の素です。……落胆されましたか?」

「い、いや。そんなことないぞ。私の読む小説にギャップというものがある。普段見せない姿がグッとくる時もあるということだ」

「……閣下」

 

 小説の設定で励まされるのはどうかと思ったが、裏表で評価しない閣下のお心遣いに改めて感服した。

 あと小説の話をする時の閣下は生き生きとしている。

 

「つまりコマリ様。普段クールに振舞う私が、コマリ様だけに向ける愛情表現に、実はときめいてらっしゃったということですね。全く照れ屋さんですね」

「いつお前の話をしたんだよ! さっさと服を着ろ! 風邪引くぞ!」

 

 ヴィルヘイズはベッドの上に直立すると、くるりと一回転する。

 まるで手品のように全裸状態からメイド姿に早変わりした。

 全裸で急に立ち上がって回転するのはやめてほしい。

 顔を逸らすのが間に合わず、色々と見えてしまったものが脳裏に焼きついてしまった。

 

「さて、コマリ様。新聞をご覧ください。ほら昨日の写真が写ってますよ」

「ん?」

 

 ヴィルヘイズが差し出した紙の束に閣下は目を落とし、俺も横から覗き見る。

 そこには記事の一面を飾っている閣下と、長々とした文章が綴られていた。

 

『新七紅天誕生! 「全世界をオムライスにしてやる」ムルナイト帝国新七紅天テラコマリ・ガンデスブラッド大将軍は八日、隣国のラペリコ王国との戦争に見事圧勝した。大将軍は二日に殺害されたオーガス・ヌッパイヤー前大将軍の後任として七日に就任し、その役目を果たすどころか圧倒的な成果を見せつけた。敗軍の将となったラペリコ軍総大将ハデス・モルキッキ中将は「絶対に許さない。いずれ徹底的に凌辱してやる」と述べ、報復戦争を行う意思を明らかにした。対する大将軍閣下は「私はオムライスが大好きだ。他五カ国の将軍も全員殺戮し、無造作にケチャップをぶちまけられて中身をほじくり出されたオムライスみたいにしてやる」と述べ、凶悪な殺意を表明した。尚、大将軍閣下は側に長身のイケメン執事と美人メイドを侍らせており、かなりの好色家であることも窺える……(省略)』

 

 閣下はあくまで好物をサービス精神で答えたにすぎなかったはずだ。

 それをこんな風に解釈する六国新聞──記者メルカには恐れ入る。

 

「最悪だろこれ! 完全に他国煽ってるよね!?」

「そうですね。現時点ではチンパンジーが問題かと。なにせ全国紙で堂々と犯罪予告をしてますので」

「チンパンジーは潰すとして、閣下が変態のレッテルを貼られていることの方が問題な気が……」

「いぃぃやああああああぁぁぁ!」

 

 閣下は頭を掻きむしりながらベッドに倒れ込んだ。

 俺は、その時落ちた金色の髪を拾おうとした変態(ヴィルヘイズ)の腕を掴み静止する。

 

「ご安心ください。コマリ様の貞操は私が守ります」

「お前がいちばん安心できないよっ!」

 

 するりと俺の手から腕を抜いて、微塵の遠慮もなく布団に潜り込む変態(ヴィルヘイズ)

 閣下は変態(ヴィルヘイズ)をベッドから転げ落とすと、体を毛布で覆い現実逃避し始めた。

 

「コマリ様、本日のご予定ですが」

「……ふん、言っとくけど私はここから出ないからな。そこから一歩でも近づいたら大声あげるぞ」

 

 ヴィルヘイズがどこからともなく紙束を取り出す。

 

「おい、それだけは勘弁してやれ……」

「『いちごミルクの方程式』」

「…………、」

 

 俺の静止も聞かず、ヴィルヘイズは紙束を読み上げる。

 途端、閣下の体が硬直する。

 

「『いちごミルクのような恋をしてみたいと思った。』」

「………………、」

「『甘くてまろやかで、ぴりりと舌をいじめる刺激は少しもなくて、どこまでも温かく、穏やかな、陽だまりのような恋のことだ。』」

「……………………や、」

「……もうそれくらいにしてやったらどうだ」

「『物語の読みすぎだって笑われるかもしれない。そんな恋なんてあるわけないって言われるかもしれない。私も最初はそう思ってた。だけど──あの人に出会ってから、私の世界は本当に、いちごミルクみたいなピンク色に染め上げられてしまったんだ。』」

「やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」

 

 閣下は涙目で俺に紙束(恋愛小説)を燃やせと命じ、俺は命令通りに燃やすのだが、

 

「無駄ですよ。一応コピーは保管しておきました。ちなみにそこの男もコピーを隠し持ってますよ」

「おい、何で知ってるんだよ! 閣下、違いますよ。閣下の自作小説を保管していたのには理由がありまして──」

「…………」

「所詮アルク大尉も私と同じということですよ。それにしても恋愛小説とはびっくりですね。経験がおありなのですか?」

「………………」

「ところで、このままおサボりになられるようでしたらこの小説を宮廷にばら撒きますけどよろしいでしょうか? もちろん作者名つきで」

「……………………」

「あの……閣下、大丈夫ですか──」

 

 閣下はか細い手でヴィルヘイズの胸倉に縋り付き、力いっぱい懇願していた。

 

「……何でも、言うごど聞ぐがら。お願いだから、誰にも、言わない、で」

 

 メイドの鼻から(忠誠)が吹き出した。

 可愛さあまりに、俺も思わず片膝をついてしまった。

 

 ⭐︎

 

 七紅府──執務室。

 

「──で、何すればいいんだ?」

「閣下、本日は尉官以上の部下とのミーティングになります。」

「幹部クラスのチンピラと親睦を深めることが目的です。早いうちに会議を開いておいて損はないでしょう?」

「ねぇ、いまチンピラって言った? キンピラの間違いじゃなくて?」

「あながち間違いでも無いと思いますよ。ヨハンなんて対面すらしていないのに襲いかかってくるんですから」

 

 閣下は「確かに」と言い、そろそろと執務室から逃げ出そうとする。

 

「『いちごミルクの方程式』」

 

 閣下は抵抗虚しく椅子は座った。

 

「尉官以上の隊員は私とヴィルヘイズを除けば四名です。その内ヨハンは死んでいるため本日は欠席となります」

「あいつ幹部だったのかよ……。みんな死ねばいいのに」

「というわけで、本日のコマリ様のお仕事は、三名の幹部と話し合い、今後の方針を決めることです。簡単でしょう?」

「どこが簡単なんだよ……」

 

 閣下は顔をしかめる。

 だが、今日話す三名に関しては第七部隊でも比較的マシな部類である。

 俺は閣下に部下の詳細な情報データがまとめられている資料を見せていく。

 一人目はベリウス・イッヌ・ケルベロ中尉。

 狼の頭を持つ大柄の獣人。

 犬なのか狼なのかよく分からないやつだ。

 以前は第六部隊に所属していたが、殺人の罪で第七部隊に左遷されてきた。

 確か第六部隊は甘ったるい魔法を得意とするメイジー・ベリーチェイスが七紅天だったな。

 第七部隊の中では常識人だということを伝えると閣下は安堵していた。

 二人目はカオステル・コント中尉。

 枯れ木のような体躯だが、多彩な魔法を扱う変態だ。

 幼女誘拐未遂で第七部隊に左遷されてきたが、本人は冤罪だと主張している。

 流石の閣下もこの不埒者にはかなり引いていた。

 だがこの男も変態性を差し引けばまともな部類だ。

 三人目はメラコンシー大尉。

 宮殿爆破未遂で第七部隊に左遷されてきた、テロリスト予備軍。

 火力重視の遊撃隊を指揮しており、なぜか俺と階級が同じである掴みのない男。

 しょっちゅうラップ調に乗っており、ラップバトルなるものを他隊員に仕掛けてくるが、俺以外は誰も相手にしていない。

 以上三名を閣下に説明したが、容量(キャパ)を超えたのか頭をくらくらさせ顔を青くさせる。

 

「ご心配なさらずとも、もしコマリ様を害するような輩がいたら、私がすぐさま消し炭にしてやりましょう」

「え? お前、火炎魔法使えたっけ?」

「黙りなさい、アルク大尉。消し炭にするくらい魔法を使わずとも可能です。心配入りませんよコマリ様、私がついていますから」

 

 そう言ってヴィルヘイズは閣下を抱きしめる。

 側から見ればただの抱擁だが、

 

「あ、ありがとう、ヴィ……」

「──ふあああっ! いいにおいっ、いいにおい! やっぱり嗅ぐなら枕じゃなくて実物です! ああもう、このいちごミルクみたいな甘い香りに抱かれて昇天したい──すーはーすーはー」

「今世紀で一番ひいた!!」

 

 俺は変態(ヴィルヘイズ)を閣下から引き剥がした後、幹部三名を招集すべく執務室を後にした。

 

 ⭐︎

 

 十分後、俺は幹部三名を連れ執務室に入室する。

 閣下の正面に右からカオステル中尉、ベリウス中尉、メラコンシー大尉の三名が横並びになる。

 

「ご機嫌麗しゅう閣下。本日はどのようなご用件でしょうか?」

 

 カオステルがニコニコ笑みを浮かべながら言う。

 資料を見せたのがかえって良くなかったのか、閣下は警戒の意を示している。

 

「う、うむ。とりあえず座ってくれたまえ」

「………………」

「どうした? 楽にしてくれて構わないぞ」

 

 しかし、部下たちは動かない。

 まあ彼らの反応は当然なのだろうが、閣下は気づいていないご様子。

 耳打ちして気づかせるべきかと思ったが、それより早くベリウスが「閣下……」と言いにくそうに口を開いた。

 

「椅子が無いのですが」

 

 閣下は心中で「やってしまった」と脂汗をかいている。

 それよりもヴィルヘイズの方だ。

 俺が退室してからの十分間、椅子くらい用意できただろうに。

 メイドを見ると親指を上に突き立ててニヤついていた。

 確信犯か。

 

「何を言うのですかベリウス! 閣下が座れと仰ったのですから黙って座るのが我々隊員の仕事でしょうに! たとえ椅子が無くとも座布団が無くともそこが火の海だったとしても針の山だったとしても閣下の膝の上だったとしても!」

「イェーッ! 犬は犬らしくお座りヨロシク、なのにベリウス厚かましく座布団敷く」

「誰が犬だッ!」

 

 ボゴォ、とメラコンシーの顔面にベリウスの拳が突き刺さる。

 なのに掛けてるサングラスは何故か傷一つ無かった。

 ベリウスは恐縮した態度で閣下に頭を下げる。

 

「失礼致しましたッ! 座らせて頂きますッ!」

 

 幹部三名はその場に正座する。

 

「さ、さて! 忙しい中よく集まってくれた。今後の第七部隊を運営していくにあたって、しっかりとした方針を決めていきたい。というわけで、さっそくだが質問しよう。諸君は今後どうしていきたい?」

「絶え間ない戦争」

「閣下のご活躍が見たいです」

「閣下とのラップバトル! イェーッ!」

 

 ベリウス、カオステル、メラコンシーと要望を告げる。

 メラコンシーに至っては意味不明だ。

 

「な、なるほどな。とにかく戦争がしたいと」

「その通りです」

 

 カオステルが肩をすくめて言う。

 第七部隊の犯罪歴は主に戦争が関与している。

 台風で戦争が中止になったから街で暴れるとか、戦争をドタキャンした敵大将を無断で暗殺したりとか、まあロリコンやテロリスト予備軍もいるから一概には言えないか。

 

「うんうん、そうだよなあ。その気持ちよくわかるぞ。なんたって私も軍人だ。ふとした拍子に血沸き肉躍って誰かと戦いたくなるんだ」

 

 部下の手前か閣下が虚言を吐くと、

 

「では閣下、明日辺りに私と手合わせ願えませんか」

 

 犬が期待の眼差しで閣下を見ていた。

 普段はまともだが、コイツは紛れもなくバトルジャンキー。

 下剋上こそしないが、強者との闘いを常に望んでいる。

 

「ひ、百億万年早いっ! 私と戦いたかったら他国の将軍を全員殺してからにしろ! その後で気が向いたら相手してやる!」

「そうですか……」

 

 しゅんとベリウスの耳が垂れ下がる。

 戦果をあげたのに褒美がないのは少し可哀想かと思い、俺はある提案をする。

 

「ベリウス中尉。私で良ければお相手しますよ。もし私に勝てれば閣下へ挑むことも認めましょう」

「ッ!? おい、何勝手に決めてんだ!?」

 

 閣下は周囲に聞こえないように小声で話しかける。

 しかしベリウスは獣人。

 聴覚に優れており、このまま話していても丸聞こえなので、咄嗟に【念話】に切り替える。

 

『閣下、今後一切の下剋上を無くすにはどうすれば良いと思いますか? 答えは簡単です。圧倒的な実力差を見せつけてやれば良いのです』

『……それができれば苦労しないし、今回のことと何の関係があるんだ?』

『第七部隊全員に喧伝するのです。閣下に挑むのであれば、まず私──アルク大尉を倒してみろってね。そうすれば私が負けない限りは閣下へ挑む者は一人もいなくなるというわけです』

『それは──お前が勝ち続けられたら、の話だろ。そういえばアルクって強いの?』

『ご安心ください。第七部隊において、閣下の次に強いと自負しております。私の負けは有り得ません』

『いや……私の次に強いって、全然安心できる要素がないんだが・・・・・・』

 

 閣下は不安そうではあったが、仮に俺が負けたとしても挑戦権が与えられるだけで、すぐに戦う必要は無いと提案したら納得された。

 

「閣下、アルクに勝てば本当に手合わせしていただけるのでしょうか?」

「う、うむ。ただし、もし勝てたとしてもあくまで私に挑む最優先権利を与えるだけだ。実際に戦うのは今後のお前の活躍次第ではあるがな」

「いえ、それで構いません。アルク、早速明日構わないか?」

「ええ。ただし、第七部隊に今日あなたに告げた条件を喧伝してください。軍にはまだまだ血の気の多い連中が多そうですからね。全員私がお相手しますよ」

 

 納得したベリウスは閣下に一礼すると一歩身を引いた。

 

「さて、テラコマリ様のご褒美タイムに移ります。閣下は先のラペリコ王国におけるあなた方の活躍を大変評価しております。何でも一つだけ言うことを聞いてくださるそうですので、遠慮せず己の内に秘めたる欲望を吐き出してください」

「おいおいおいおいおい!?」

 

 閣下は部屋の隅にヴィルヘイズを引っ張っていくと、血眼で問い詰める。

 

「ご褒美タイムって何だよ! もう帰れるんじゃないの!?」

「褒めておけば下剋上の可能性が低くなりますよ」

「いやそうだけどさ……そうなんだけどさ……」

「大丈夫です。コマリ様はあのチンピラどもの上司──しかも七紅天なのですよ? だって無茶なお願いはできないでしょう。仮に『においを嗅がせてください』とか『胸を揉ませてください』とか言ってくるやつがいたら死刑にしてしまえばいいんです」

「お前を死刑にしていいの?」

「私の場合は合意の上ですので」

「合意した覚えは一ミリもねーよ!」

 

 閣下は一旦深呼吸をして落ち着きを取り戻すと、幹部三名に向き合う。

 

「閣下、私はコレを」

 

 ニヤニヤしながらカオステルは魔力を練り始めた。

 発動したのは上級魔法【魔界の扉】である。

 空間魔法の一種で、虚空に物体を収納しておくことができる。

 宮廷魔法師でも扱える者が二、三人なので、かなり優秀な変態だ。

 取り出した物はごく一般に使用されているカメラ。

 

「さすが閣下、どの表情も素敵ですね。どうせなら服装のバリエーションを増やしましょう」

 

 一心不乱に閣下の撮影会を始めたカオステルは、さらに虚空からメイド服や、水着、園児服を取り出した。

 

「はい、死刑ーッ! お前死刑なッ!」

 

「似合うと思ったのですが……」と言い、カオステルは引き下がる。

 そしてぬるりと新たに一人。

 

「イェーッ! ラップバトル!」

 

 メラコンシー大尉がマイクを持って躍り出る。

 いつもラップ調で話すから、たまに言ってる内容が理解出来ないことがある。

 そんな男が閣下にラップバトルを仕掛けてきた。

 

「血祭りラッパー、メラコンシー、俺が歌えばみな苦しい。ノってくれたのアンタだけ、オレとアンタで死人だらけ?」

「YO! YO! 私は最強コマリン将軍、暗黒の帝国に降臨明君! お前は誰を慕うのか? 私は誰をも愛すのだ! いえーっ!」

 

 このラップバトル、その場にいた全員を巻き込み、一時間に渡り行われた。

 ベリウスはもうすでに褒美を頂いたようなものなので、特に進言しなかった。

 ミーティングが終わる頃にはすでに日は沈んでおり、夜を迎えていた。

 閣下は疲れのあまりか机に寝そべり、横から閣下の頬をヴィルヘイズは突いていた。

 今日の収穫は、幹部連中の閣下への忠誠心の高さを知れたことだ。

 誰もが匙を投げたこの第七部隊を閣下なら上手く纏め上げてくれるだろう。

 そう俺は確信した。

 

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