魔法最強のゲーム世界に転生したけど、居合しかできない! 作:削り板
こいつずっと「やばい」とか「どうする!?」って言ってますね
「カカカッ」
妖しく嗤う黒鎧の鬼面がいた。
「「!!?」」
(……父さんじゃない!誰だ?というか人なのか?鎧兜と般若の面で人かどうかも判断できない。でも刀を持ってるし………いや、そんな事よりまずは赤手さんの方へ逃げないと!)
(何者だ!?…いや何者だろうが関係ないな、まずは情報の整理だ。見た感じだと少年も驚いている様だし、恐らく二人に面識はない。とりあえずは少年を護りながら捕縛を狙うべきだろう。あとは聖域管理使徒達にも救援を求めておかないとだね)
「行動が遅イ!お前よく此処に居られたナ!」
その場で最も早く動いたのは黒鎧の般若だった。
元々背後にいたようなものだったが、あっという間に更に距離を詰め灼葉の体に手を伸ばす。
「ぐっ!」
(速すぎる!逃げられない...ならせめて!)
その動きを見て、どれ程かは分からないが相手は格上である事、そして逃げられないだろう事を一瞬の内に悟った。
それなら少しでも時間稼ぎを、と抜刀して斬りかかろうとするがそれも無意味に終わる。
「フゥー、本当に遅イな。ステータスだけじゃナイ、技術もてんでダメダ」
(なっ、まじか!刀を
手を軽く*1
こちらを見下すその姿はそのまま自分と力の差を表しているようだった。
「マァいい、とりあえずこいつは連れて行くゾ。お前は...ただの山域管理士か、まだ人生に未練があるなら邪魔をしない方がイイ」
「…その言い方だとまるで君が私を殺せるみたいだな。残念だけど未練がどうとか気にした方がいいのは君の方だよ、なぜならこれからの人生はずっと牢獄で過ごす訳だからね」
(…この般若俺を連れて行こうとしてるのか?何者だ?いやそれよりも今は何かしら動かないと不味いな、このまま戦い始めたら確実に俺も巻き込まれる。般若の発言を鑑みると俺を殺したりはしないだろうけど、赤手さんは違う。俺のことなんて顧みずに戦うだろうから絶対に無事じゃ済まない。…やばいな、どうすればいい?)
そんな悩みは誰も気にすることなく場の空気が一段と凍りついていく。
まさに一触即発。
どちらかが動けば、即座に戦いが始まるであろうことが安易に察せられた。
「…十束君ごめんね、少し痛みは覚悟しておいてくれ」
先に動いたのは赤手さんだった。
一言身を案ずる言葉をかけた後に、右手を掲げる。
(あの爆発が来るのか?いや、あの時はノールックだったからもしやそれ以上の何かか?いやどちらにしても回避できねぇ、やばいな....!?)
そこまで思考したところで
「えっ」
足を振ってみるが地面につかない、恐らく50cm程地から離れているのだろう。だが足を振った時に気づいたことがある。
首がめちゃくちゃに痛い。
恐らく自分は今、般若に首根っこを掴まれて持ち上げられている。
「な「退いてロ」
何か言おうとしたその刹那、一言ぶっきらぼうに言い放った般若は
灼葉の体を上空に向かって
(うえっ!?!?)
「うえっ!?!?」
突然体に襲い掛かる衝撃、恐らく木の枝がぶつかったのだろう。
だがそれ以上に急に空に投げられたという事実に困惑を、そして驚きを覚えていた。
投げられた勢いのままあっという間に木の高さを超え空へと躍り出る。
周りが一望できるが、景色を楽しむ余裕は無かった。
まだまだ高度は上昇する。
(あいつ急に何やってんだ!!?俺は超人と違って空なんか飛べないんだか!?殺されないと思ってたけど、この高さからの落下は普通にやばいぞ!?……もしや戦いに巻き込まれないようにしてくれたのか?いやそれは無いか。普通にここから落ちたら巻き込まれなくても死ねるしな.......そうだ!死ぬじゃねーか!?やばい!どうする!?)
そんな事を考えてる間にも高度は上昇し続けそしてついに勢いが止まった。
何事も上がったあとは下がるのみ。
下降の瞬間が来たのだ。
「うおっ...!」
一気に呼吸がしづらくなる。まるで空気の面に叩きつけられているかのような痛みが体を襲う。
(痛い!…けどそんなことより着地はどうする!?……木の枝を利用するか?いや多分重さに耐えきれなくて折れるな。……落ちる時に木の幹に刀を刺して衝撃を和らげるのはどうだ!?…いや現実的じゃないな、あぁやばいやばいどうする!?)
思考をしている間も下降速度は加速し昇った時よりも早く同じ地点に到達する。恐らくは2.3倍加速しているのだろう。
下降し始めてから約10秒、地面に激突するまでにもう数秒程の猶予もなくっていたその時。
いや正確には落下の方向が変わったのではなく、速度はそのままに移動の向きが変わったのである。
黒鎧の般若の手によって。
(!?どうなった、まだ落下してるのか…いや抱えられてる?般若か!)
「…オイ、ガキ。今回は助けてやったガ次からは何もしねぇゾ。次からは自分の身は自分で守レ」
灼葉を小脇に抱え、そして
(えぇ...気になる事が多すぎてぶん投げたのを助けだと思ってるのがあんまり気にならん。とりあえず命は助かったし、こいつは今の所敵じゃなさそうだな....一安心とはいかないけどギリギリセーフだ)
一先ず命が助かったことに安堵する。実際には全く落ち着ける状態ではないのだが、この数日の異常の連続が価値観をぶっ壊していた。
ただ少なくとも、自身に降りかかる雨の冷たさを感じられるくらいには落ち着けていた。
(とりあえずコミュニケーションを取ってみるか?何が地雷かわからんし、短気そうだから慎重に探ってみよう。ずっと状況は分からんままだけどこいつは何か知ってる筈だ。………そういえばコイツ、ここにいるってことは赤手さんに勝ったのか?あんな短時間で?)
「あ、あのー」
「ア゛?」
「こっちに来たってことはあの人に勝ったんですよね?しかもこんな短時間で。どうやったんです?」
(やべ、ちょっとミスったか?言葉選びミスったかもな)
「………普通それを最初に聞くカ?こいつやっぱリ...まぁ良い、俺がどうやって勝ったかっテ?そんなのお前も知ってる筈だゾ。技を使って勝ったんだヨ、お前も知ってる技術サ。まぁあんな雑魚はステータスだけでも倒せるけどナ」
(余裕そうだけどなんかよく見たら仮面割れかけてないか?雨でそう見えるだけかな。………ん?そういえば
「俺が知ってる技術?ってなんですか?」
「ハァ?お前は本当に馬鹿だナ。お前は一体
「は?」
(いやまさかそんな筈はないだろ?こ、こんな奴うちでは一回も見たことないし聞いたこともないぞ。でも流派違いの人間が修められるようなやわな修行でもなかった。もしかしてこいつは....)
「やっと気づいたカ」
「俺は、お前の父から受け継いだ
キャラクター資料①
赤手 狩理(あかず しゅり)
年齢 28歳
身長 240cm
体重 130kg
体型 B 140 W 70 H143
見た目 黒髪のロング。後ろで束ねてる。黒目。山域管理士の制服を着ている。色は選べるので赤にしている
秘密 ちょっとだけ服がキツイので、魔物が弱い時は少し手を抜いて破れないようにしている。