魔法最強のゲーム世界に転生したけど、居合しかできない!   作:削り板

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毎日一万字くらい投稿してる人ってヤバすぎません?




父 弐

そして、さっきまで少年が立っていた場所からは

捨てていたはずの大木が飛んできていた。

 

(何?.....なるほど魔法糸を使ったか。考えたな、確かにこれは当たらざるを得ない)

 

魔法糸とは透明な糸に魔法を編み込んで作られたものであり、かなり高価だが多種多様な効果を持つため重宝されている。

また魔法の使えないものには効果発動中は視認することすらできないうえ、直接相手に関与するのではなく、物質のテレポートなどのあくまで戦闘中のじわじわと追い詰めていく手段として用いられた為、『絞殺の糸』などと呼ばれることもあった。

そんな魔法糸を使うことにより、大木を飛ばすことができたのである。流石の父さんも視認できていなかったものを躱すことは出来まい。

少年はそう読んでいた、だからこその笑みであったのだ。

 

「むぅ....!.」

そうして大木は父へと命中した。

 

 

 

 

 

だが、幾ら力を制限していても武を極めた者はその程度では倒れない。その程度の攻撃には揺らがない。様々な手段を使われてなお負けなかったから今ここにいるのだ。

 

 

 

「はぁぁぁぁ!.....ふぅ」

 

当たった瞬間に体全身を硬直させることでダメージを軽減させる。その後、少しあとずさりつつも木を蹴りによってかち上げ、おそらく合気か何かで木を地面へと叩きつけた。

この間約2秒程。

ありえない動きだった。

少なくとも少年が絶望を抱く程には。

 

 

 

 

 

(.......あぁ多分もう無理だ、俺では勝てない)

 

おそらくその大木での攻撃も致命打にはならないであろうことは分かっていた。だからこのあとに居合を浴びせるつもりであった。分かっていた。分かっていたのだが、

 

絶望させられた。その大きな力の差に。

 

 

 

転生してから死ぬ気で頑張ってきたつもりだった。

 

なんだかんだで俺は死なないし、強くなれるんだと思っていた。ご都合主義のライトノベルのように、俺は主人公で世界の中心なんだ。

そう勘違いしていた。

 

 

 

 

 

それは違った。

多分一生勝てない。俺は、この人に。

 

才能が違う。努力が違う。意識が違う。

そんな差を感じてしまった。

いや違うそんなものじゃ無い。そんな生ぬるいようなものではないだろう。これは多分もっと根本的な何かだ。それがある限り俺はこの人には追いつけない。

 

そう感じた。

 

 

(なるほど、この気持ちが絶望か.....)

 

 

集中状態も切れ、もう当たらないであろうやぶれかぶれの一撃を放つ。

胴を狙った斬撃は木によって防がれ、刀が木へと突き刺さった。

 

「うん、ここまでできるとは思ってもいなかった。中々成長したじゃないか。じゃあ殺すぞ、逃げろよ」

 

 

そう言いながら、父は俺の顔目掛けて打撃を放つ。

その打撃は見事にクリーンヒットし、顔が潰れ首があらぬ方向に向いた俺は、放物線を描き吹き飛んでいった。

 

その後のことはもう記憶にない。ただ酷い形相で逃げ回っていたことだけは覚えている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

体が芯から温まるような感覚と、それに付随するズキズキとした痛みで目を覚ます。

 

「.....ん、ここは...医務室か」

 

目が覚めると見知らぬ天井が...とはならず。

現状確認も含めて周りを見渡してみると、、自分はこれまでに何度もお世話になったベッドに横になっており、自分の首と四肢には魔法糸が結ばれているようだ。おそらく回復効果のあるものだろう。

 

 

自分の現状を把握したことで寝ぼけていた頭が冷めていき、ここにいたるまでの経緯を段々と思いだせるようになってきた。

 

「.....あぁ、そうか俺は負けたんだったな。」

 

思考が回り始めたことで、逃げ回っていては感じなかった負けの実感が、痛みを伴って湧いてくる

 

(体全体が滅茶苦茶いてぇ.....あんなクソ修行やらなきゃよかったわ。どうせあんな化け物には勝てないんだし)

 

(正直あの戦いを思い出しただけで、体が震えてくる。...いや、戦いにもなってなかったか?なんにせよ、もう父さんとは戦いたくねぇな...)

 

負けを理解すると次に湧いて出てくるのは、死の時に感じた絶望感。

いくら忘れたい恐怖でも、体が、痛みが、感情が、忘れることを許容せずに脳へと刻みつけてくる。

 

(あんなのはもう二度とごめんだし、思い出したくなんかない。けど...折角格上とやれたんだから振り返らないとな。俺みたいな雑魚は少しでも考えて改善していかないと、あっという間に本当の死だ)

 

あの時感じた絶望感を振り返りながら、考えを巡らせる。反省点や改善点は探せば幾らでも出てくるはずだ。

本当は思い出したくもないのだが、思いだし、整理し、改善していくしかない。

弱者には、この世界での選択肢など残されていないのだから。

 

 

 

 

 

はぁ...それにしても実力差が凄かったな。まず反省すべきは基礎スペックが違いすぎたことかな。手加減してもステータスがあるのはちょっと洒落にならん差だよなぁ。ステータスはあげないと駄目だよな。

まぁだからといって上げれるものでもないんだけど、もうちょっとステータスが高かったら取れる作戦も増えてたからな。やっぱり基礎は大事。はっきり分かんだね。

だから、とりあえずの目標はステータスをあげていくことになるかな。まぁそう簡単に伸ばせるものでもないから苦労してるんだけど。

 

ん?そういや今回の修行の目的って確か.....

そうだ!免許皆伝の為のステータス上げじゃん!そうだよ!

文字通り死ぬ気でやったんだし、結構期待できるでしょ!2、3レベは上がってるんじゃないの!?

 

 

 

 

 

Lv.14

 

 《体力》 28

 《筋力》 25

 《魔力》 2

 《知力》 4

 《運》  −1

 

スキル 《居合》Lv.12

 

 

 

ん???

上がりすぎじゃね?

 

いやいやいや、ちょっと待てよ。

 

 

え??

 

いやいや本当にこんな上がってる訳ないじゃん。本当にこんだけ上がってたらこれまでの苦行はなんだったんだ話だし。

 

こ、これなんかの間違いでしょ?

い、一旦深呼吸して見直そう、そうだそうしよう。

 

 

すぅーーーーー

はぁーーーーー

すぅーーーーーー

はぁーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いやガチで上がってるじゃねぇか!?!?!?!?!?

急に二倍以上になってるし!ちゃんと酷使したステータスが上がりまくってるし!

なんだよまじで!別に強くなったのは嬉しいんだけどさぁ。いやマジで嬉しいんだよ。でもさぁ、

 

じゃあこれまでにやってきたことは何だったの!?

山の主に追いかけられたり、頭に水瓶乗せて居合の素振り1000回したのは意味無かったんか!?

なんか一日中兄弟子とか投げ飛ばされても、ステータスほぼ変わらなかったのに!?

確かに《覚醒》したら原作でも大幅強化されてたし、今回はこれまでで1番ヤバかったけど、けど!!!

 

 

あぁぁ!もう!なんかめちゃくちゃ複雑な気分なんだけど!誰かこの気持ちの責任とってくれよ!!

 

ガチャ

「お、起きてたのか。父さんが見舞いに来てやったぞ」

 

 

うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!

(心の中で)考え事してる時にくるな!!!!

 

 

 

 

 

 




いやー面白い文章が書けませんね。

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