魔法最強のゲーム世界に転生したけど、居合しかできない! 作:削り板
深夜に書いてるのでどうしても誤字脱字は出ます。どんどんご報告ください。
どっちへ行くかを決めて走り出した少年だが、走りながらでもまず決めておかないといけないことがあった。
(……うーん。とりあえずは戦場とは反対方向に走りだしたけどこれから何処を目指して行くべきなんだ?)
決めておかないといけないこと、とはつまり自分は何処を目指して行くのかということである。
(大まかな目標として『強くなる』ことは前提としてあるんだけど、今みたいな未来が不明瞭な時は短期的な目標を設定した方が絶対に良い。だからまずは自分が今からどこへ向かうかを決めるべきだ。……べきなんだけど....)
(ただなぁ....いかんせん俺の今持ってる情報があまりにも少なすぎるんだよなぁ.....)
そう、今頭を悩ませているのは判断材料の少なさについてだった。
先程は選べる選択肢も少なかった為、少ない判断材料から仮定を立て、無理矢理行動することができた。分からない状態でも動くことができたのだ。
だが今は違う。
今は先程よりも更に判断材料が少なく、辛うじて分かるのは時間とここが『大和』の平地であるということだけ。
どこへ進めば何があるのかも分からない。
更に、周囲のどちらに進んでも良い状況が判断しづらさに拍車をかけている。
(せめて中央大陸の世界樹が見えたら話は違うんだけど....何故かこっからは見えないんだよな...。生まれた時からずっとどこかには見えてたのにおかしいな.....)
(まぁいいや、見えない理由なんか考え出したら幾らでも出てきそうだし。謎がどんどん増えてくけど、しょうがないや。
そんなことよりも、情報を増やす為に俺が今特定すべきは、
(出来るかどうかは別として、これからの俺の理想は
原作を動かさない為に人との関わりを最小限にして暮らしつつ、原作に影響がない程度に原作要素を回収して、原作開始後に主人公と出会うこと)
(その為にはまず大きな街、できれば火砕くらいの大きな街を見つけておきたい。実際にそこで暮らせるかは分からんけど、見つけておかないと主人公にも会いづらいからな)
(だからここがどこなのか、もしくは方角を特定することで街とかの分かりやすい所まで行きやすくなると思うんだが.....)
(いかんせんそれが特定できないんだよなぁ....。世界樹は見えないし、この世界の太陽は確か東から西じゃ無かったから方角は分からないしな)
(となると、地道に歩き回ってとりあえずこの平原の大きさを確認するしかないかぁ?ある程度の大きさが分かったら『大和』の平原はそう多く無いし特定できそうなもんだけど.....いくら時間がかかるかも分からんし、不確定な要素もありそうだからあんまりしたくねぇなぁ.....)
(………………でもこれ以上思いつきそうにもないし、とりあえず歩き回ることを目標にしないと駄目かぁ......。はぁ、まだまだ走るのはいいんだけど無意味になるかもしれないっていうのがなぁ)
(……ま、しょうがないか。街を見つける為に、判断材料を増やす為に、ここがどこなのかを調べる為に、歩くしかないな。………何かめちゃくちゃややこしい感じがするけど頑張ろ)
そう思い、少し落ち始めていたペースを上げて走り出す。かなり曖昧になるが、自分の走る時の歩幅はおそらく7m程。前世では6歳がそんな歩幅で走るのはありえないが、そこはステータスの賜物だろう。
とにかく、自分の一歩の大きさが分かる以上はなるべく歩数を数えていたら、平原の大きさも大体予想ができそうだ。
そんな途方もないことを考えながら、歩みを再び進め出した。
目標を決めてから約3時間後、少年は未だに平原を走っていた。
(....結構走ったけど全然まだまだ何も見えてこないなぁ。......ま、これでもそこそこどこかは絞れたかな。多分俺が走ってきた距離は4、50km。で...よいしょっ!)
脚に力を込め、真上に思いっきり跳躍する。おそらく4、5m程跳べただろうか。跳んでいる間に周囲を見渡して、距離を予想する。もしかすると端が見えるかもと思ったが、地平線が続いているだけであった。
(ふぅ、まぁ今見た感じだと7、80km先までは平原が続いてそうかなぁ。
だとすると、最低でも90から100kmは直径がある平原だろうから、原作に出てきたそのぐらいのサイズでいうと、
(まぁ3つに絞れたっていっても、あそこで軍隊がいたのを見るに、火砕平野の確率が高そうだけど。火砕平野だったらあの軍が火砕の国軍で納得できるし)
(というか他二つの平野はなぁ.....。清曽平野はど田舎にあるからあんなに人集めにくいだろうし、守左平野だったとしたら、水神教の管理区だから争いなんて起きないだろうしな。だから火砕平野だとは思うんだけど.....)
(まぁあくまでこれは予想だし、あんまり固執し過ぎないで行こう。精度高めの予想が出来たのは嬉しいけど、火砕平野だとしたらとりあえず平野を出た所の、山間部にある通行人の休憩所まで行かないと行けないしな)
(ま、希望が出てきたのは素直に喜ぼう。よーし、あと20kmくらい頑張るぞぉ)
そうして再び走り出した矢先に空が曇ってきた。先程までは雲一つない晴天で曇りの兆しなど欠片も無かったのにも関わらず。
(はぁ?どういうことだ、もしかして戦場で何かあったのか?………まぁ俺が気にしてもしょうがないか...。とりあえず今は早く走るべきだな)
だが無視しようとする気持ちを何かが笑うかのように、天から水が落ちてきた。最初はぽつぽつと数滴降っていたそれも、段々と力を増し、瞬く間に世界は雨に包まれた。
(おいおいまじで勘弁してくれよ。雨ほどモチベーションが下がるものもないぞ。視界もかなり悪くなって奥まで見えなくなったし、いつ雷が鳴り始めるかも分からないぞこの調子だと。.....流石に速度上げるか)
流石に前世の人間とは肉体の強度が違うが、いくら違うといえど雷に打たれて無傷でいられるような頑強さは持ち合わせていない。
危うい匂いを感じ取ったのかこれまで以上に速度を上げ始めた。
(…………目の前しか見えなくなってきた。まっすぐ進めてるかどうかも分からんな、これでは。……これは………まじでやばいかもしれないな。確かに『大和』は天候が移ろいやすいけど、それでもこれだけのゲリラ豪雨がただの平原で起こるのは流石に何かしら理由があるはずだ。………もしかして何かの魔法にでも巻き込まれたか?)
ついに台風に巻き込まれたような天気になり、誰かの作為を疑いはじめる。勿論その間も脚の動きは止めずに全力疾走を続けている。だが、天気は変わる兆しを見せず、いつまでも抜け出せない。むしろ雨風は強くなっているようだ。
(………これは…流石に…進めないぞ、穴でも掘って入るか……?……………いや、ちょっと待て、あれは....?)
ついに暴風雨もピークに達したのか、息さえもしづらくなってきた。
だがその時自分から少し離れた所に大きな
確かにさっきまでは目の前のものしか見えてなかったが、これは例外だろう。これなら見える筈だし、誰だって驚くはずだ。
何故ならそれは
「………おい、まじかよ」
(いつの間にこんな所にあったんだ?魔法なんて大概なんでもありだろうけど、これは、無しだろ)
(だっていつのまにこんなに大きな
大きくそびえ立つ山脈だったのだから。
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