幻想ホロイズム 〜宝鐘マリン ほか の幻想郷探訪機〜 作:ふかちゃん
季節は夏。7月30日。
バーチャル東京都 港区では暑さのあまり陽炎が揺らぎ、幻聴か本物かの判別もつかないほどに蝉が煩く鳴く。
この日誕生日を迎える日本一のバーチャルアイドル、宝鐘マリンは死にそうな顔をしながら電車に揺られ、事務所へと赴く。
「Cover株式会社」。
数年前に創立されて以来、「ときのそら」に始まるアイドルグループ「ホロライブ」が所属する超大企業であり、所属するタレントは今現在、50人にも届く程である。
そんなアイドル達の事務所では窓が割れることは日常茶飯事、ビルが吹き飛ぶことだってザラにある。
しかしこの日はどうもおかしい。マリンが事務所に入った時には誰一人としていなかったのだ。
マリン「あれ?そら先輩?フレアー?…みんな…どこですか?」
どうも何かがおかしい。
誰かがいたという痕跡はあるし、タレントの私物も…つい先程までそこに誰かがいたという事を物語っている。
今すぐここから逃げろ。
何かが起こる前にここから離れろ。
そう、マリンの本能が叫ぶ。
いや、もう手遅れか。
何かがいる。
目には見えない。音は聞こえないが確かに…事務所の中に何かがいるのだ。
マリン「ちょっと…冗談ならよしこさんなんだワ。もしかして船長……誘拐されちゃうってコトォ!?」
後退りをするようにしてドアの方に向かい……マリンは虚空へと落ちていく。
マリン「あれ……この空間って…まさか……」
数々の眼が睨みつけてくるトンネルに既視感を覚えながら、吐き気を催すようなジェットコースターのような感覚に彼女は気を失って行った・・・。
「ただいま〜…暑かったからアイス買ってきたよ〜」
「あれ?マリン…まだ来てないんだ。」
数分後、青いアイドル衣装に身を包む少女と褐色色のエルフが戻ってきたがマリンが消えたということには誰も気づくことはなかった。
マリン「う…うーん……あれ?ここは………」
どれぐらいの時間が経ったか。
海賊コスプレの三十路女、宝鐘マリンは布団の中で目を覚ました。
周りを見渡せば…和室らしい。
身体を起こして部屋を出れば…時代劇に出てくるような内装に思わず目を擦る。自分はタイムトリップでもしてしまったのだろうか。
どうせタイムトラベルをするならば海賊の全盛期に行って本物の海賊になりたかったなぁ なんて考えていると、背後から声をかけられた。
「あら、起きていたのね」
声に振り返るマリンは…思わず目を疑う。
やや茶色の混ざった黒色の髪の毛を前方のサイドテールと後方のストレートに分けたヘアスタイル。
自身とお揃い…と言うよりも自分が彼女に似せるようにしてつけた赤いリボン。
そして何よりも印象的な赤を基本としたやや露出の多めな巫女服。
憧れの人物、博麗霊夢が彼女の目の前にいた。
マリン「ぇぇぇぇえええええ!?れれれ…霊夢ちゃん!?」
宝鐘マリンの絶叫が、幻想郷の空高くを飛ぶ白黒の魔法使いの鼓膜をこれでもかという程に震わせた。
Q:こんな駄文で大丈夫か?
A:大丈夫じゃない、問題だ。1番いい作者をたのむ。
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