トレセン学園の客室の1つ、そこで右手で煙草を吹かし左手に手帳とペンを持つ中年の男とカメラを持つ若い男がいた
???「はぁ~」
???「井木さんまだぼやいてるんですか?、後相手に会う前に煙草吸うの止めて下さい、相手は女子高生ですよ、それもデリケートな」
井木と呼びれた男は用意された灰皿に吸い殻を捨てカメラを持つ若い男に言う
井木「上木、俺が憂鬱な理由はそこよ」
井木はそう言うと手帳のあるページを開くと言う
井木「ワンダーティラー、最近ネットに上がった歌が話題になったウマ娘、『足を失った天才ウマ娘の美しい歌』確かに雑誌のネタとしては申し分無いと思う」
上木「なら何が不満なんですか、このネタが上がれば井木さんだって晴れて昇格、ワンダーティラーだって走れない為に世間で注目されなかったのがネット、そして俺達の雑誌から知って応援してくれる人も増える、万々歳じゃないですか」
井木「上木、お前そんなんじゃ何時か痛い目見るぞ」
上木「え?」
井木「良いか、俺達の仕事ってのは取材を受けてくれる人、雑誌を読んでくれる人が居て初めて仕事として成り立つんだ、間違っても
上木「な、成る程、勉強になります」
井木「それに、こりゃあ個人的な事だが、ああ言う年頃の子の不幸話しをネタにしなきゃならんのは1大人としては気分が悪い」
上木「確かに、そうですね」
その時扉を叩く音が聞こえ2人は返事をする、扉が開き廊下きらゆっくりと車椅子に座る少女が現れる、顔には傷跡が残り両足は無く右耳がボロボロになっている
ワンダー「初めまして、ワンダーティラーです、今日はよろしくお願いします」
ワンダーティラーが手を差し出すと上木と井木は慌てて立ち上がりその手を掴み自己紹介をする
井木「こ、これはご丁寧に私、今回取材させていただきます、井木と申します」
上木「お、同じく上木です、今日は宜しくお願いします」
上木と井木は椅子に座り直す
井木「では早速ですが質問していきます、宜しいですか?」
ワンダー「はい」
井木「ありがとうございます、早速ですが歌の反響が凄いですね、このままプロの歌手として活動する等は考えていますか?」
ワンダー「いえ、特にそう言ったのは考えてないです、歌も趣味程度で、私の歌は体調の変化に左右されやすいですし、左手と右目に後遺症が残ってますから楽器の演奏にも関わりますから」
井木「成る程、では歌を歌おうと思った切っ掛けは?」
ワンダー「最初は事故にあって左手のリハビリ目的で、それからは友達のキタサン、えっとキタサンブラックとサトノダイヤモンドにせがまれて時々歌ってたんですけど、例の動画も本来はキタサンブラックが勝った時に聴かせてあげるって約束したのが噂になって皆集まったみたいで」
ワンダーティラーは頬をかきながら困った様に言う
井木「成る程、では次にお友達のキタサンブラックさんとサトノダイヤモンドさんについて、どちらも世代を代表するウマ娘ですがお友達としてその辺りいかがですか?」
ワンダー「…………………………」
井木「あの?、ワンダーティラーさん?」
ワンダー「…………ああ、すいません少しボーッとしてました、えっと、ああキタサンブラックとサトノダイヤモンドについてですね、まぁ、何をどうしようと2人の自由なのでそこら辺はどうもこうも無いですが、私の分まで後悔しないように走って欲しいですね」
井木「後悔ですか?」
ワンダー「はい、人は何時やりたいことをやれなくなるか分かりません、昨日までそこにあったものが今日突然無くなる事だってあるんです、ならせめて後悔しない今日を生きて欲しい」
井木「成る程良く分かりました、では次の質問ですが………………」
こうしてワンダーティラーの初めての取材は無事終わり次の週ある雑誌は歴代最高売り上げを記録したと言う