ワンダーティラーが啜り泣く、その声は小さく、近くにいる4人にしか聞こえず、落ちる涙は静かに消えていく、何時までそうしていただろうか、ワンダーティラーは抱き締めていた少女を放す
少女「おねーちゃん大丈夫?」
ワンダー「うん、大丈夫、ありがとう」
少女「???」
ワンダーティラーはそう言うが少女は何故お礼を言われているのか分かっていない様だった
ワンダー「あそこのお姉さん、今度レースで走るの、勝ったらまた私が歌うって約束してるんだ、だから応援してあげて」
少女「本当!?、うん私おねーさんの応援する!!」
ワンダーティラーがサトノダイヤモンドを指差しそう言うと少女はとても嬉しそうに応援すると宣言した
それから2人は少し世間話をすると少女の母親が少女に家に帰るように促すと少女は母親の元に戻る、そこで1度ワンダーティラーの方を見ると
少女「おねーちゃんバイバイ~!!!!」
と元気に手を振って来た
ワンダー「…………うん、バイバイ」
ワンダーティラーもそう言って手を振り返すと母親が1度お辞儀をして帰っていった
ワンダー「…………キタサン、ダイヤ、帰ろっか」
キタサン「…………うん!!、帰ろう、ほらダイヤちゃんも!!」
ダイヤ「え?あ、うん!、ってワンちゃん!!どうしてあんな話したの!!、私今凄いプレッシャー感じてるよ!!」
ワンダー「ごめんごめん、でもダイヤなら絶対勝てるよ、沢山準備してきたんだから」
ダイヤ「準備って言われても…………」
ワンダー「ある人が言ってたよ、『勝敗は
ダイヤ「レースの前から」
ワンダー「うん、他には確か、より準備をした勝ちそうな人が勝って準備が足りない負けそうな人が負ける、って言ってたかな?、ダイヤは負けそうな人じゃないよね?」
ダイヤ「…………うん!!、ワンちゃん、キタちゃん、私勝つよ、絶対!!」
キタサン「うん!!、頑張ってダイヤちゃん!!」
そしてレース当日 天候晴れ 京都レース場 距離2000m
サトノダイヤモンドは勝負服に身を包み軽くストレッチをしている
キタサン「ダイヤちゃん大丈夫かな~!?、何か緊張してるみたい」
ワンダー「…………大丈夫じゃないかな、何時かの誰かさんみたいに慌てなければ」(今回出走する他のウマ娘と比較してもダイヤの能力は高い部類に入る、人数多すぎて一番高いって言いきれないや)
キタサン「うぐっ!!、ぜ、善処します」
実況『注目の1番人気、サトノダイヤモンドです』
解説『ここまで無敗で来ています、今日もその記録を伸ばせるか期待したいですね』
ワンダー「あ、そろそろ始まるよ」
最後に呼ばれたウマ娘もゲートに入る
実況『さあ、最後のウマ娘がゲートに入りました、この中の誰が栄光を手にするのでしょうか!!』
解説『注目しましょう』
実況『今……スタートしました!!』
ゲートが開き皆一斉に飛び出した、サトノダイヤモンドは少し後方に位置取る
ワンダー「お、良い位置じゃないかな?」
キタサン「ダイヤちゃん頑張って!!」
サトノダイヤモンドは得意な位置の確保に成功する、しかし
ワンダー「…………広がってるね」
キタサン「あ~、時々あるよね」
サトノダイヤモンドの前で何人かのウマ娘がほぼ横一列に広がっておりこのままだとサトノダイヤモンドが仕掛ける時かなり大回りをしなければならない状態だった
ワンダー「誰か落ちてくるのを待っても良いけど、多分落ちないだろうし落ちたとしてもそれから仕掛けても多分間に合わない、となると」
キタサン「うん、早めに仕掛けて、それも大外から行くしかない」
ワンダー「問題は、ダイヤはキタサンみたいなスタミナお化けじゃない事、…………おっと」
キタサン「ダ、ダイヤちゃん!?」
ワンダーティラーとキタサンブラックはサトノダイヤモンドの走りに驚愕した、いや恐らくレース場にいる全員が驚いたかもしれない
ワンダー「そう行くかダイヤ、お嬢様とは思えない、…………いやこれもある意味お嬢様かな?」
サトノダイヤモンドがグングンスピードを上げる、前にはウマ娘の壁、そのまま1人のウマ娘にぶつかるかと思われた時サトノダイヤモンドがスピードを落とした
ワンダー「まるで『どけ!!』って脅してるみたい」
この無言の脅しが効いたのか効いてないのか分からないが結果として最後のコーナーを曲がった時ウマ娘の壁に綻びが生まれ、サトノダイヤモンドはその綻びを見逃さず壁に潜り込んだ
ワンダー「全く、とんだお転婆姫が居たもんだよ」
実況『1着はサトノダイヤモンド!!、サトノダイヤモンドです!!、見事逆境をはね除け1着に輝きました!!!!』