ワンダー「…………まさかここまで化けるなんてね」
ワンダーティラーは作曲の依頼から約2ヶ月、キタサンブラックのレースを見ながらそう呟いた
ワンダーティラーの視線の先には1着を取り嬉しそうに手を振るキタサンブラックの姿があった、レースの距離は2500m、中山レース場キタサンブラックはスタートと同時に爆発的な加速とスピード、そして何より途中でバテることの無い無尽蔵のスタミナを見せつけ他の追随を許さず圧倒的強さで見事1着を手にした
ワンダー「昔から才能はあったけど、ここまで化けると最早怪物だね」
ダイヤ「昔はワンちゃんの影に隠れて目立たなかったもんね、私もキタちゃんも」
横で一緒にレースを見ていたサトノダイヤモンドが悪戯っぽくそう言う
ワンダー「冗談きついよダイヤ、まぁでも、ダイヤはそうだろうけどキタサンは違うよ」
ダイヤ「え?」
ワンダー「キタサンにレースの才能ははっきり言って無いよ、速くないし、パワーはあるけど、賢い訳でもない」
ダイヤ「じゃあキタちゃんの才能って一体」
ワンダー「ダイヤも見たでしょ?、キタサンの練習」
ダイヤ「練習?……あ!!」
ワンダー「キタサンの才能は努力する才能、どんなに大きな才能の種でも、努力と言う水が無ければ成長しない、逆にどんなに小さな才能の種でも、努力と言う水を与えれば何処までも大きく強く丈夫になる、今のキタサン見たいに」
ダイヤ「努力する才能」
ワンダー「ある意味、一番大事な才能じゃないかな?、どんなに大きくても種は種、たくましく育った木には太刀打ちできない、今のキタサンは立派な大木だよ、この分じゃ次のG1挑戦も大丈夫かな?、…………やっぱりちょっと心配かも」
そう言うワンダーティラーの視線の先には疲労からかドジで転んだキタサンブラックの姿があった
2週間後 ワンダーティラーの部屋
ワンダー「…………ダイヤが帰ってきてない?」
キタサン「う、うん、最近遅くまでトレーニングしてるみたいで、全然休んでくれないの、どうしようワンちゃん」
ワンダー「…………止めなかったの?」
キタサン「勿論止めたよ!?でも全然言うこと聞いてくれなくて、このままじゃダイヤちゃん体壊しちゃうよ」
ワンダー「…………ダイヤの所行くよ」
キタサン「う、うん!!」
トレセントレーニング場
ダイヤ「はぁ、はぁ、はぁ、あと2周~!!!!」
ワンダー「死ぬよ」
ダイヤ「は!!、はぁ、はぁ、ワ、ワンちゃん死ぬって」
ワンダー「そのままの意味、そのまま続けたらウマ娘サトノダイヤモンドは死ぬ、残るのはサトノ家のお嬢様って言う肩書きだけ」
ダイヤ「はぁ、はぁ、はぁ」
ワンダー「努力する事と痛め付ける事は別だよ?、私みたいになりたいの?」
ダイヤ「え?」
ワンダー「私みたいに、2度と走れなくなりたいの?」
ダイヤ「…………や…………いや…………嫌だ!!私は走りたい!!、誓ったから、ワンちゃんの分までキタちゃんと走るって、誓ったから!!」
ワンダーティラーの目にサトノダイヤモンドの能力が映る、以前にも増してその力は強く大きかった
ワンダー「ならもう止めよう、これ以上
こうして潰え欠けていた1つの大きな才能が守られた