勝利と敗北に嫌われて……   作:寝心地

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どれだけ助けられてどれだけ返せるのか

生徒会室を出たワンダーティラーとサトノダイヤモンド、2人はそのまま教室へ向かう、教室の前に着いた時サトノダイヤモンドがワンダーティラーに話し掛けた

 

 

 

ダイヤ「じゃあワンちゃんちょっと待っててね、先に先生に着いたって連絡するから」

 

 

 

ワンダー「分かった」

 

 

 

そう言うとサトノダイヤモンドは目の前の教室に入っていった

 

 

 

数分してサトノダイヤモンドは戻ってくる

 

 

 

ダイヤ「お待たせ行こうか」

 

 

 

扉の前に立つと中にいるであろう担任の声が聞こえてくる

 

 

 

担任「さて、皆さん、朝お話した通りワンダーティラーさんが到着されました、では入ってきて下さい」

 

 

 

サトノダイヤモンドが扉を開き車椅子を押してワンダーティラーを中へ入れ扉を閉める、何か話した方が良いだろうと取り敢えず簡単な自己紹介を済ませようとするも、教室に広がる冷たく感じる静寂に呑まれ余り言葉が出てこない

 

 

 

ワンダー「えっと………あの…………ワンダーティラーです。よろしく」

 

 

 

何とか言葉を振り絞りそう口にするとパチパチと席の後ろの方から拍手が聞こえてくる、キタサンブラックが笑顔で叩く拍手が教室に伝播し次第に拍手が増え少しずつ消えていく

 

 

 

ワンダー(ありがとう、キタサン)

 

 

 

担任「じゃあワンダーティラーさん、貴女の席はキタサンブラックさんとサトノダイヤモンドさんの間のあの席ね」

 

 

 

ワンダー「ありがとうございます」

 

 

 

ワンダーティラーは出来すぎた席に自分に気を利かせてくれたのだろうと心の底から感謝した

 

 

 

ワンダーティラーが席に着くと担任が話し始める

 

 

 

担任「さて、では皆さん次の授業ではこのプリントを使います、後ろに回して下さい」

 

 

 

前の子から渡されたプリントを受け取ろうと左手を出すと取り損ないプリントが落ちる

 

 

 

ウマ娘「あ、ごめんなさい」

 

 

 

ワンダー「ううん、まだちょっと感覚に慣れてなくて」

 

 

 

ヒラヒラと右側に落ちたプリントを拾おうと体を右に傾け手を伸ばし

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガチャン!!!!

 

 

 

車椅子から落ちた

 

 

 

ワンダー「痛たた」

 

 

 

キタサン「ワンちゃん!?」

 

 

 

ダイヤ「だ、大丈夫!?」

 

 

 

慌てて両隣にいたサトノダイヤモンドとキタサンブラックが椅子から立ち駆け寄ってくる

 

 

 

ワンダー「うん、右目のモヤモヤで距離感掴めなくて」

 

 

 

担任「ワンダーティラーさん、大丈夫?」

 

 

 

ワンダー「はい、私に構わず続けて下さい」

 

 

 

担任「そうは言っても」

 

 

 

キタサン「先生、私とダイヤちゃんで見てるので」

 

 

 

担任「そ、そう?、じゃあお願いね」

 

 

 

担任はそう言いながらも全く授業を始めようとせずワンダーティラーが車椅子に座るのをじっと待っていてくれた

 

 

 

ワンダーティラーはキタサンブラックとサトノダイヤモンドの2人に抱えられながら何とか車椅子に座り直した

 

 

 

ワンダー「ごめん、ありがとう」

 

 

 

キタサン「ううん」

 

 

 

ダイヤ「友達だもん」

 

 

 

2人は笑って何でもない様にそう言った

 

 

 

放課後

 

 

 

キタサン「う~ん!!、終わったね~!!」

 

 

 

キタサンブラックは背伸びをしながらそう言うと、ワンダーの車椅子を押しながら学校を出る

 

 

 

ダイヤ「私達はチームで練習するけどワンちゃんはどうする?」

 

 

 

ワンダー「私は、そうだな」

 

 

 

ワンダーティラーは少し考えると

 

 

 

ワンダー「この辺で音楽でも聞いて待ってるよ」

 

 

 

ワンダーティラーは音楽プレイヤーを取り出し見せる、キタサンブラックとサトノダイヤモンドは少し不安そうな顔をするが分かったと言い残し練習へ向かった

 

 

 

1時間後

 

 

 

ワンダー「~♪~♪~♪」

 

 

 

???「聞いた事無い歌だな」

 

 

 

左耳にイヤホンを差し音楽を聞いていたワンダーティラーの前に現れたのは棒の付いた飴を加えた男

 

 

 

ワンダー「私の自作ですから、所で貴方は?」(本当は前世の曲をAI使って読み込ませたんだけどね)

 

 

 

???「俺は沖野、チームスピカのトレーナーだ」

 

 

 

ワンダー「スピカって事はキタサンの?」

 

 

 

沖野「そうだよ、お前がキタサンブラックの言ってたワンダーティラーか」

 

 

 

ワンダー「多分そうですね」

 

 

 

沖野「そうか」

 

 

 

そのまま2人は何の話しもせずただ静寂が流れていく

 

 

 

ワンダー「練習、見なくて良いんですか?」

 

 

 

ワンダーティラーは耐えられずそう切り出す

 

 

 

沖野「あ!!、やべ!!、ボーとしちまった、そろそろ戻らねえと!!」

 

 

 

沖野は慌てて走り出しスピカの元へ向かった

 

 

 

それから暫く経ち、空は昼の青から夕焼けの赤に変わり遠くの方は既に黒くなり始めていた、数少ないプレイヤー内の曲も既に10ループはした頃

 

 

 

ワンダー(時間ってこんなにゆっくり流れる物なんだな~)

 

 

 

ワンダーティラーはそんなことを思いながらボーとただ音楽を聞きながら何と無く抑揚も無い歌を歌い始めた時

 

 

 

ワンダーティラー「…………今日は2人に迷惑掛けたな」

 

 

 

思い返すのはプリントすらまともに拾えず2人に助けられた時の事

 

 

 

ワンダーティラー(この先、どれだけ沢山の人にどれだけ助けられて、私はどれだけ返せるのかな)

 

 

 

1人の寂しさからか、或いは迫る夜の闇を見て少しだけ抱く恐怖からか、ワンダーティラーはそんな事を思っていた時

 

 

 

キタサン「ごめ~ん!!、ワンちゃんお待たせ!!」

 

 

 

ダイヤ「もう!!、キタちゃん待ってってば~」

 

 

 

キタサンブラックとサトノダイヤモンドが練習から戻ってきた、今度はサトノダイヤモンドが車椅子を押し帰路に着く

 

 

 

他愛ない談笑をしながら帰る時ふとワンダーティラーは思った

 

 

 

ワンダー「そう言えば2人共寮じゃないの?、私はもう少し先だけど」

 

 

 

キタサン「そうだよ、ワンちゃんはまだ退院したばかりだからもう少し先になるけど私達はもう寮に部屋があるの」

 

 

 

ワンダー「じゃあ取り敢えず校門までだね」

 

 

 

ダイヤ「うん、ちょっと残念」

 

 

 

校門に着き2人に別れを告げると両親が迎えに来ており車に乗りあれやこれやと両親に聞かれそれに答え、ワンダーティラーは始めての登校を終えた

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