....
.......
ギルオスとして爆誕してから十数日。俺は食っちゃ寝生活をしていた。
種火石は近場にゴロゴロしてるし、マヒダケはどっさりしてるし、外敵は入ってこないし、楽で良かった。
俺がのんびりしてる中、今俺がいるこの洞窟の中に少し変化があった。
俺が生まれてすぐの時見つけたいくつかの卵。それが孵化したらしいのだ。直接見た訳ではないのだが、ひさしぶりにアダルトさん(仮称)を見たかと思ったのも束の間、ちっこいのをゾロゾロ連れてまた穴に戻ってった。
俺も一緒に連れていかれるかな〜…とか思ったがそんな事は無かった。
結構変なことしてるから見放されたのだろうか。ギルオスって本来は完全な肉食なのにガッツリキノコ食ってるし、蛇蝎のように嫌う筈である火の傍でのんびりしてるし。
…少し寂しい気もするが、あのクソ不味い肉を皆で並んでパクつくよか絶対マシだ。
これまで俺はこの
…
端的に今の現状を言おう。マヒダケを食い尽くしてしまった。
ここはゲームの世界だが、ゲームとは違う。速攻で食い尽くしたマヒダケが即座にリポップするなんて道理なんてないのだ。
…ただ、幸いにも成長速度は俺の中の常識のものより格段に速いらしい。根こそぎむしり取った部分からもう既にちっちゃいキノコが生えてきてることからそれが読み取れる。
しかしながら、このちっこいのだけで腹を満たすのは無理だ。
かくして、俺は今後の食料を探すべく何度目かの探索に出かけることとなった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
…歩き初めて20分ほど経っただろうか。俺はにわかに信じ難い真実と直面しなくてはならなかった。
しかも道行く先にある物のほとんどは種火石や明らかに食っちゃダメそうな見た目をしている草ばかり。
辛うじて食えそうな物は見つかったが、それで空腹を誤魔化せるのは今日までだろう。
…つまり、明日にはアダルトさん(仮称)が通った穴を通ってあのグロテスクな場所で飯を探さなくてはいけないという事だ。
…まぁ先に飯、食べるか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
本日の、☆ギルオスクッキング〜〜〜!!!☆
今日の材料はコレ!さっき見つけたアオキノコ!
調理方法は火で炙っていい具合になったら引き上げるだけ!以上!第三部完ッ!!
…
火の用意にも慣れたもので、サクッと準備を済ませた後マヒダケよろしく縦に割いてそのまま火にかける。
これで作業は完了。腰を床に着け体を楽にし、これからについて考えてみる。
…あのゴミ肉を食ってから俺はあの穴を通っていなかった。
生活に必要なものはここに全てあったから、あまり必要性を感じなかった事も理由としてある。
しかしもっと大きい理由があった。それは外敵である。
ここ瘴気の谷には俺達ギルオスよりも遥かに速く、堅く、凶暴なモンスターが数多跋扈している。
この洞窟はどうやらギルオスの縄張りらしく、ここで虫とか以外の生物は見たことがない。
ただ、ここの外にはそんな保障はない。常に生命が危機に晒されると言ってもいいだろう。
それと、今はまだ違和感を感じていないが瘴気の存在も気になる。幾らギルオスが瘴気の谷に適応しているモンスターだといっても限度がある。警戒はしておくに越したことはない。
…だからと言って、俺はここを出ないという選択肢は取らない。
…厳密に言うと、ここにいても食べられるものはあるにはあるのだ。
それは昆虫。苦虫やら不死虫やらが壁に張り付いているのを俺は何回も見た事がある。
ただ、不死虫はともかく、苦虫は間違いなく不味い、というか苦いに違いない。名前に
…今、俺の中にある生きがいは食って寝る事だ。この片方を損なってしまうのは俺のアイデンティティに関わる…と思う。
だからこそ、俺は危険を犯してでもあそこに行くのだ。
…
決意を新たにしたところでアオキノコがいい具合だ。数日前の失敗を糧にちゃんと手元に手繰り寄せてから頂く。
…マヒダケより気持ち味が薄い。その代わりに弾力がしっかりしていてじっくりと頂ける。これはこれで美味い。
だがしかし、俺は口に慣れたマヒダケのが好きだ。また食べるのが待ち遠しいぜ。
飯食ったし、今日は明日に備えさっさと寝よう。どうか何もなく飯がたらふく見つかりますように…。
次回、ニートギルオス、初バトル。
勝利の女神は彼に微笑むのか!?