ギルオスが往く!瘴気の谷グルメ!!   作:極上の焼鳥

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6話:初めてのモンスターバトル

 

....

 

.......

 

それは正しく不意の一撃だった。

 

これまで全く想定していなかった上空からの攻撃が、俺の小さい背中に襲いかかる。

 

....油断はしていなかった。常に周囲を確認し、違和感があったらすぐにその場から離れていた。

 

現に、それをしていなかったらお散歩中のラドバルキンによって今頃俺は床のシミになっていただろう。

 

しかしながら、その警戒はこいつには関係なかったようだ。

 

瘴気に塗れ、白濁した瞳が確かに俺を見つめていた。

 

 

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本日も爽やか、ご機嫌な起床。

 

寝起きだが、早速あの穴を通って飯を探しに行こうと思う。

 

洞窟(パラダイス)ではマヒダケが割とあっさり見つかったが、外でそうなる保証は無い。なんなら外には他のモンスターが多い分、より見つけづらいだろう。

 

だから、できるだけ長い時間探そうというわけだ。

 

…じゃあ、行くとしよう

 

....

 

.......

 

穴の外で飯を集める事数時間。作業は滞りなく進んでいた。

…今の所は。

 

と言うのも、俺が想像した通りここは俺が逆立ちしても抵抗すら出来ないモンスターで溢れていた。まだここにいて1日も経っていないが、もう既に轟竜(ティガレックス)猛牛竜(バフバロ)、そして 骨槌竜(ラドバルキン)を見かけた。

 

轟竜と猛牛竜は遠くから見かけただけで、即その場から離れるだけで対処出来たが問題はあの顎野郎だった。

 

…それは少し急な傾斜を登っていた時の事。何やらけたたましい音が周囲からなり始め、急いで来た道を戻ろうと振り返ったちょうどその時、こっちに勢いよく転がってきやがった。

 

緊急回避よろしく大ジャンプで避けなければサクッと轢き殺されていただろう。それもなんの苦もなく。

 

…実際に直に目の前で見てみると、彼らが怪物(モンスター)と呼ばれる所以が頭ではなく身体で伝わってくる。

 

警戒してて本当に良かったと、その時は自分の有能さに震え上がった。…びっくりしたからじゃないぞ。

 

閑話休題(それはともかく)

 

ここに住んでいるのは肉食性のモンスターが多く、俺の欲しかった植物やキノコ類はほぼほぼ残っていた。

 

俺のソウルフードであるマヒダケ等のキノコ類、はじけクルミなどの木の実類などが比較的多く見られ、こいつらを食べることになる。

 

見つけた飯は適宜穴を通って住処(パラダイス)に搬入し、貯蓄しておいた。

 

土地の性質上それらの絶対数はどうしても少なくなってしまうが、俺の腹を十数日分満たすには事足りるだろう。

 

…これ位で十分だろう。あんまり溜めすぎて腐っても良くないし。近くにあったはじけクルミを咥え、そう思い立つ。

 

これを納品してクエストクリアー、帰ってギル飯と洒落こもう。

 

 

....身を翻し帰路に着こうと決めた俺を、何者かが持ち上げたのは、そう考えたまさにその時だった。

 

胴体に深く食い込む爪。状況の確認のために首を捻ってその正体を見る。

 

…ラフィノス。本来なら温厚なモンスターだが瘴気の谷(ここ)の奴は一味違う。瘴気に侵されたせいか気が触れ、こういった風に襲ってくるのだ。

 

俺はこの知識を持っていたから、見かけたら奴らの視界に入らないように離れていた。しかし、完全に見つからない訳には行かなかったようだ。

 

....しかしながらこの状況は不味い、これまでのギルオス生最大の危機と胸を張って言える。

 

完全に体をマウントされてるし、空に浮かんでるから踏ん張りも効かない。そして何よりも不味いのは、ここままの体制だったらどう体を捻っても牙がラフィノスに届かない。

 

万が一なにかの要因で拘束から逃れられたとしても、ここから戻る穴まで距離がある。逃げても確実に追いつかれ、さっきの二の舞になるだろう。ガチで詰みである。

 

迫る嘴。時間の猶予は最早ない。

 

....俺は今何が出来るんだ?

 

....

 

パァァァァアアンッ!!!

 

....そんな絶体絶命な状況と、俺の一瞬の思考は、偶然口から落ちたはじけクルミによって一変した。

 

不意の破裂音に驚いたのか、ラフィノスがよろめき、それと同時に胴にかかっていた圧力が解けた。

 

これ幸いと身を翻して爪を食い込ませ張り付き、満身の力で奴の首元に噛み付く。ここで麻痺させて....あわよくば息の根を止めて無力化する以外に、突破口はないだろう。

 

首から伝わる痛みを感じたのか、ラフィノスが俺を地にたたき落とすべく激しく周囲を飛び回り始めた。

 

まだ動きに鈍りは見えない。体格差もあるし、まだ麻痺牙が未発達なのだろう。だが、麻痺をさせない事には、俺に活路はない。

 

四肢で胴体にしがみついて衝撃に耐えつつ、牙から麻痺毒を流し込む。

文字に起こすと単純だが、まだ未発達の身体には相当な重労働である。今の時点で疲労をじっくりと味わっている。

 

ここで諦める訳にはいかない。俺は根性で、この長い戦いに挑むのだった。

 

 

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....麻痺毒を流し続ける事、体感20分。

 

俺の努力が実を結ぶ時が来た。

 

大きく痙攣をし、やつの体から力が抜けていくのが見て直ぐに分かる。

ヨロヨロと墜落していくのが、空気の流れで感じられる。

 

....勝てる!勝てるぞ!!

 

 

重度の疲労と心の底からの安堵は、俺の判断を鈍らせるのには十分だった。

 




運と気合いで何とか勝利をもぎ取れそうなギルオス君。
しかし、それで終了となるはずもなく……
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