ギルオスが往く!瘴気の谷グルメ!!   作:極上の焼鳥

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7話:谷の底にて待ち受けたるは、

 

墜落しているラフィノスにしがみつきながら、俺は地面に落ちるのを待っていた。

 

先程まで景気よく飛んでいたとはいえ、奴は体感水平方向に暴れていた。高度はそこまでな筈だ。

 

その予想の確認も兼ねて牙を引き抜き首を捻り、暫くぶりの地上を見....

 

....

 

下を見下ろして、俺は絶句した。ラフィノスが底の見えない暗闇に向かって落っこちていたのだ。

 

急いで周囲を見渡すと、見慣れた骨や肉等で出来た崖がお出迎え。

 

....どうやら俺の気づかないうちに、今までいた地上と比べて、遥かに下の方に向かってしまっているらしい。完全に確認と判断不足だ。

 

それにしてもこれは不味い。この速度で腹にしがみついたまま着陸したら、俺は地面とラフィノスにプレスされ、瘴気の谷バーガーのパテになってしまうだろう。マクドナルドも、これには思わずげんなり。

 

....となればやることは1つ。どうにかしてラフィノスを下敷きにしてできる限り衝撃を和らげる!これだ!

 

そう結論付けた直後、見覚えのない地面が見えてきた。

 

時間はない。これまでの疲労を無視して四肢を使ってラフィノスごと回転を試みる。

 

....間に合ってくれーーーーーッッッ!!!

 

着陸と共に、俺は意識を失った。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

....激痛と共に起床。これまでのギルオス生と人生、両方合わせた中で最も気分の悪い寝覚めだったことは言うまでもない。

 

....体の節々は痛むし、骨もどこかしら折れてる気がするが、どうやら俺は一命を取り留めた用だ。

 

下敷きにしたラフィノスを見る。....俺が踏みつけた所や頭はまだ原型を留めているが、背中とかは完全にミンチだ。

 

無論、もう息絶えている。南無南無。

 

周囲を見渡して様子を伺う。

…ちょっと雰囲気は今や懐かしの住処(パラダイス)に似ているが、俺が食べられそうなキノコや木の実は見当たらなかった。

 

今俺は、とても動けるような身体状況じゃない。変に動いて状況が悪化、そのままモンスターに見つかって死ぬ....という未来が容易に想像出来る。

 

....となると現状、俺の胃に入ることになるものは....

 

再びラフィノスを見る。

 

....瘴気の谷の、肉。

 

嫌〜な予感しかしない。ただ、俺に選択の余地はないと言ってもいい。

 

....いや、ポジティブに考えてみよう。前喰ったのは恐らく死んだから数日たったやつ。ただ単に腐っていただけかもしれない。

 

よし、行こう。心の強さでもう一丁!

 

....

 

.......

 

....ギルオス生2回目の嘔吐。やっぱりあかんかったわ、アレ。

 

ガチでエグ味の塊だった。特に皮の所!何食ったらこんな酷い味になるんだよ....。

 

多少の文句も眼力に込めてラフィノスを見る。瘴気が身を蝕み、背中がミンチになっているのも相まって、なんとも言えない哀愁を醸し出している。

 

さっきまで殺しあった相手とはいえ、こうまでなると少し可哀想に思えてきた。

 

 

……ふと、俺の脳裏に住まう矢木に電流走る。

 

ラフィノスの肉に感じたエグ味、それに似たような味を前に味わったことがあった。

 

……生のマヒダケ。我慢できるレベルの強みだったが確かにラフィ肉と似たようなエグ味だった。

 

このエグ味の差は何が由来なんだろうか。その予想は、既にできている。

 

....このエグ味の正体。瘴気なんじゃないか?

 

根拠は主に2つ。1つはさっきも言ったが、瘴気がダイレクトにくっついている皮のエグ味が桁違いに強かったこと。

 

もう1つは瘴気の濃さでエグ味の量が変動したことだ。瘴気が充満してる所で暮らしていたラフィ肉はエグ味が強く、瘴気がかなり薄かった住処(パラダイス)に生えていたマヒダケはエグ味が比較的薄かった。

 

....この仮説が正しかったとしたら、マヒダケと同様にこの肉、焼けば美味しく頂けるぞ!

 

焼き肉!!とんでもなくテンションが上がる言葉だ。

 

すぐさま仮説を実証してみたい衝動に駆られるが、いかんせん身体が今は良くない。

さらに休養中に他のモンスターに見つかりでもしたら焼き肉という夢も俺の命もおじゃんだ。

 

……無理をしてでも移動して安全な所を探すべきだろうか。

 

 

前方から気配を感じ取ったのは、そう考え始めたその時だった。

 

緊張が身体を走る。ここで惨爪竜(オドガロン)にでも会ったら一巻の終わりだ。

 

じっと気配の出処を見つめる。一応逃走の道順を考えながら。

 

 

……

 

姿を見せた気配の正体は、俺の予想を大きく裏切ってきた。

…いい意味で。

 

……そこに居たのは、

 

「やい!この肉よこしやがれやい!!」

 

なんだか気の抜けた語尾をしている、白いにゃんこだった。

 




本文で説明入れられませんでしたが、ギルオス君は中層→下層に落っこちました。

最後の猫は例のアレです。刀持ってるやつ。数十匹出てきます。
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