転生者が好き勝手生きようとするけど曇らされる話   作:じゃがありこ

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第2話

転生者諸君、暇なので安価します part2

 

1:イッチだぞ

今日も今日とてクソ兄貴をぶん殴り授業をすっぽかし、屋上で雲を眺めています。いやー、無理言って一人暮らししているのにクソ兄貴にエンカウントしてしまうとはついてないなと思うので、安価します。

 

2:名無しの転生者諸君

もうわけわからんぜよ

 

3:名無しの転生者諸君

イッチ、前回の安価以降テンションおかしくない?優等生ちゃん絡み?

 

4:名無しの転生者諸君

不良じゃん

 

5:名無しの転生者諸君

イッチって兄弟がいるんか

 

6:名無しの転生者諸君

イッチ詳細をよこせ

 

7:イッチだぞ

兄が二人と姉が一人、妹が一人いるな。嫌いではないんだけど、意見が食い違う。妹は好きだけど、ただ、テンションについていけないから苦手。

 

8:名無しの転生者諸君

結局優等生ちゃんとはどうなった?

 

9:名無しの転生者諸君

想像以上に闇が深そうでビビった。でも好奇心には勝てないし、転生特典ありなら力になれるだろって思ったから今後も接触を増やす予定。

 

10:名無しの転生者諸君

イッチ、痛い目を視そう。

 

11:名無しの転生者諸君

傲慢だな

 

12:名無しの転生者諸君

忠告するが才能があれば他人を救えるというわけではない。転生特典で自分が神になったかのように錯覚するけど、力を持っただけの凡人だって自覚しないときついぞ。

 

13:名無しの転生者諸君

今のところは優等生ちゃんについて何処までわかった?

 

14:名無しの転生者諸君

前のスレ見ろ

 

15:名無しの転生者諸君

前のスレである程度まとめられてるぞ

 

16:名無しの転生者諸君

傲慢極まるな

 

17:名無しの転生者諸君

優等生ちゃん

紫色の髪をポニーテールで纏めている美少女。

お嬢様学校に通ってる。

本性が見えない。

趣味は作曲?

親が厳しい奴特有の匂いがする(イッチ曰く)。

運動神経抜群。

他人からのイメージを過剰に気にしている節があり。

 

18:名無しの転生者諸君

サンクス

ここまで情報集めたイッチが怖い

19:名無しの転生者諸君

イッチの執念が怖い。

 

20:名無しの転生者諸君

どうやってこの情報集めたんですかね。

 

21:イッチだぞ

本人への聞き込みとカマかけで反応を見た。あと、転生特典で表情と感情が乖離しているのだけわかってる。

ワイの仮説だと親が割と厳しめで優等生な自分を演じるのが癖になってるタイプ。似たようなケースを知ってる。この優等生面をひとまず引っぺがすためにひとまず悪戯を仕掛けます。悪戯の内容>>30

悪戯以外も割と確信を突く挑発をする予定

 

22:名無しの転生者諸君

イッチ、ストーカーと化してない?

 

23:名無しの転生者諸君

何がイッチをここまで駆り立てるのか、これがわからん。

 

24:名無しの転生者諸君

背後から脅かす

 

25:名無しの転生者諸君

優等生ちゃんのよくない噂を流したと嘘をつく

26:名無しの転生者諸君

嘘告白

27:名無しの転生者諸君

親にあったと嘘をつく

28:名無しの転生者諸君

スカート捲り

29:名無しの転生者諸君

結構強めの悪戯が必要だよな

30:名無しの転生者諸君

注文した飲み物の味を変える。タバスコや塩を入れるなど

 

 

 

 

後悔の味というものを想起した時、人は何を思い浮かべるのだろうか。

 

緋色は今この瞬間に飲んでいるコーヒーを思い浮かべるだろう。

 

まさか、ここまでとは思わなかったのだ。中学二年生がここまでメンタルを犯されているとは思ってもみなかった。正しく傲慢。自分基準で考えすぎていた。おそらく、目の前の少女は自分よりも遥かに優しく、そして中途半端に強かった。何より、家庭と学校が世界の大半を占める子供だった。

 

「おいしいですね」

 

そう言って砂糖の代わりに塩を入れたコーヒーの味を称賛するまふゆに寒気すら覚える。緋色は安易にこの悪戯を仕掛けたことを後悔していた。どれだけ演技がうまくても、予想外の刺激に対して人間は反射がある。正常な味覚を持っていれば、塩辛いコーヒーなど飲み続けられない。

 

しかし、まふゆは笑顔でコーヒーを飲む。

 

最初は意趣返しかと思っていたのだ。

 

だが、転生特典を使用して少女の感情を読んだ緋色はそれが誤りだと気が付いた。

 

無だ。彼女は何も感じていない。どこまでも虚無の心の空洞が広がっている。無意識に唇を噛んだ。

 

「………なあ、それでいいのか」

 

「?」

 

「朝比奈さん、将来の進路とかある?」

 

「どうしたの、いきなり」

 

「いやー、進路に悩んでてさ。朝比奈さんはどうなのかなと」

 

「………私は医者かな」

 

「へー、医者か。何で?」

 

「両親に勧められたんだ。周りも向いてるって言ってくれてるし」

 

「………やりたいこととかはないのか?」

 

「………やりたいこと………」

 

沈黙が降りる。アイスコーヒーの容器から流れる水滴が、下に引いてあるナプキンを重く重く濡らし始める。

 

「私………」

 

まふゆは口を開き、音を出そうとして再び黙った。

 

殻だ。固い殻が心を覆っている。きっと、この殻を割らないと始まらないのだろう。

 

「なあ、これからゲーセン行かない?」

 

 

 

 

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