転生者が好き勝手生きようとするけど曇らされる話 作:じゃがありこ
優等生は何もやっても優等生のようだ。
レースゲームでハイスコアを出し、音ゲーでフルコンボ、ダンスゲームで異次元の動きを再現していた。
しかし、エアホッケイや対戦系の格ゲー、緋色を相手にした場合は弱かった。
(気に食わない。この女、俺と対戦するときだけ加減してやがる)
あの日、親に医者を勧められ、折れてしまった瞬間から徐々にまふゆは他人におもねることばかりを考えるようになった。他人の喜ぶ顔がうれしいと叫んだ本心は、歪み変質している。そのくせ、才能も実力も凡人より卓越していたものだから、他人に次々勝手な期待を抱かれてもいた。できてしまうから。そして、それに応えようとする流れがループして、歯止めがきかなくなってしまう。
あの子はなんでもできる、してくれるいい子だと周囲から思われれば、まふゆはそうであるように振る舞うしかなくなる。
その弊害は、こんなところにも表れる。まふゆは、緋色の表情から手を抜いて接待プレイを行っていた。
「君、手を抜いてるだろ」
「そんなことないですよ」
ニコニコと笑う少女の作り笑いが、死ぬほど嫌いだった。どうしても、引っぺがしたくなる。
「なあ、やりたいことないの?」
「………」
「気になるのか?これが。ユーフォ―キャッチャー、見たことないよなたぶん」
まふゆが凝視している店頭の筐体に気づいて緋色がそう聞くと、少女は小さく首をかしげて
「ユーフォ―キャッチャー………」
そう呟いた。
「………あれやろう。付き合ってくれ」
緋色の言葉に少女は小さく頷く。筐体にはシンセサイザーをモチーフにしたマスコットのキーホルダーが入っていた。
「協力してくれ、大抵何度か挑戦しないと入手できない」
操作の説明をしながら、緋色はクレーンを動かす。まふゆの瞳はわずかにキラキラと輝いているようにも見える。緋色は微笑を浮かべながら、再度100円玉を取り出した。緋色はゲーム機にコインを投入する。ボタン操作でアームが動き出し、まふゆは真顔でアームの行方を追っている。緋色のクレーンゲームの腕前はそこそこだ。始めてやるまふゆより少しうまい程度。数回繰り返す頃にはまふゆの腕が緋色に追いつき始めていた。
しかし、取りづらい筐体を選んだようで、まふゆも苦戦を強いられていた。
(ここでまふゆに負けるのは男として駄目だよな………)
緋色は、引っ掛けやすい位置にいる個体を狙って正確にアームを降下させる。狙いに違わずアームに挟まれ、取り出し口へと運ばれていく。マスコットをまふゆは息を殺して見つめていた。やがてマスコットが出口から顔を出したタイミングで、緋色は口を開いた。
「………なあ、来週の金曜日って暇?」
「金曜日ですか。暇だと思うけど………」
「いつもの店で長めの演奏をやるからさ、聞きに来てくれない?」
そう言って、緋色はマスコットを差し出した。
1:イッチだぞ
優等生ちゃんについて考察しよう。
何で味覚がないのか、元からなのか、後天的なのか。
頑なに優等生の仮面を被るのはなぜか、他者を慮りすぎて自分がないのは?
何でこんなに彼女を見るとムカつくのだろう。
2:名無しの転生者諸君
最後、イッチの感想で草
3:名無しの転生者諸君
味覚がないのって大抵ストレスだよな
4:名無しの転生者諸君
14歳で味覚消失のストレスってえぐくない?
5:名無しの転生者諸君
元からの可能性もあるけどな
6:名無しの転生者諸君
学校は順調らしい、後天的なら家庭だよね
7:イッチだぞ
親の躾の問題な気がするけどな。想像できる。
ただ、ワイには家庭環境に問題がありながらあれだけ頑なに優等生の仮面を付けている意味がわからん。
8:名無しの転生者諸君
意外と優等生の仮面を被っているのがきついのでは
9:名無しの転生者諸君
優等生の仮面を付ける理由は何だろ?嫌われたくないとか?承認欲求?
10:イッチだぞ
他人に求められる人間を模して、演技すると色々と楽なんだよ。みんな喜ぶし。ただ、時折強烈に死にたくなる。
11:名無しの転生者諸君
それ答えじゃね
12:名無しの転生者諸君
イッチも闇深いよね。だけど、そのイッチよりも暗黒面にいる14歳ってパネエな。
13:名無しの転生者諸君
闇深ポイントとしては、味覚がないくせに好きな食べ物は親の手料理と答えること。
どんな感情やねん。
14:名無しの転生者諸君
これな
15:名無しの転生者諸君
家庭環境でストレスなら、回答やばいよな
16:名無しの転生者諸君
イッチは、優等生ちゃんの親に会うべきでは?
17:名無しの転生者諸君
世間では天才ピアニスト兼イラストレーター兼歌い手なんやろ。大手を振って挨拶できるな。
18:名無しの転生者諸君
肩書だけ見れば転生者してるのに、女子中学生に振り回されてんのマジでワイらって感じ