呪術世界の結界術師 作:ペンギンくん
読者として楽しく読ませてもらいました。ありがとうございます。
男四人とパンダ一匹が公園のベンチに集まっていた。
そしてそのベンチをぐったりと横たわった玻座真が占領しており、残りはその玻座真を見つめていた。
「最後に大分消耗したみたいだなー」
「あの技、本当は連続して発動し続けるものじゃないんだよな……。この後さすがに仮眠取るわ」
どんな攻撃も回避出来る。
その言葉は魅力的であるが、絶界ですら防げないような最強の一撃を回避することを前提に組み上げた術式である。無理をして構成されているため呪力消費が非常に悪く、作成時点ではそう何度も連続して使うものではないと考えていた。
ようするに虚式『茈』のような単発型の必殺技を回避することを想定されているため、発動し続ける状況に追い込まれた時点で玻座真は負けていたのだ。
「……この体勢で申し訳ないけど、日下部さん含めて今から俺らの行動を指示します」
玻座真の言葉に日下部は小さな疑念を抱く。
探査結界を持つ玻座真は味方に指示出しすることは少なくないが、付き合いが長い日下部は言い分に違和感を覚えた。
だが本当に小さなことだったので、結局はこの疑問を話し終える時には忘れてしまう。
対してパンダは察したようだが、あえて口にしなかった。
「日下部さんとパンダは家入さんや学長含めた高専側の保護。虎杖は潜伏。加茂は京都校の面子を連れて一旦戻って、関西方面でこちら側の人間の確保」
「潜伏……?」
「順番に話すから、それ聞いてから質問してくれ」
よっこいしょ、と言いながら体を起こし座り直す。
「さっきも言った通り、現在の総監部は信用が低い。乗っ取られている云々を無視したとしても五条先生がいなくなった今、やりたい放題をする可能性がある。そのためにも距離を取る必要がある。……ただ今回の件で重傷を負った人たちの治療の必要もあるから、治療器具がある場所を拠点に出来たら良いんだが」
「まぁ、そこはわかる」
玻座真の言葉に溜息を吐きながら日下部は同意する。
「はっきし言って五条の横暴やワンマンを嫌っている上層部は多い。確かにここらで嫌がらせをしてくる可能性は否定出来ないな」
口には出さないが、学長である夜蛾の呪骸製造方法に上層部が注目しているのを日下部は知っている。
「……こんな大変な状態なのに、嫌がらせとかしてくんの?」
「大変な時だからこそだな。歴史上でも外部から攻撃をされている時だからこそ内部で権力争いが発生したりもしている。強大な力が別の方面に使われている隙を狙って、抑えられていた奴が動くのはおかしいことじゃない。もしくは家督争いをしている家で、長男が死んだ時に次男や三男が元気になる現象だな」
一応教師でもあるため日下部はショックを受けている虎杖に説明をする。
「総監部が乗っ取られているかどうかの判断はどうする?」
「五条先生が封印され、さらには呪術的テロが治まったわけじゃない。総監部がまともにせよ取り繕うにせよ、何らかの通達があるはずだ。その内容で吟味するしかないな」
「京都の方も同じだ。加茂に付いてくる人間がいるかどうかで判断する。……楽巌寺学長はゴリゴリの保守派だけど、少なくとも加茂憲倫とは直接の繋がりはないと思う」
「根拠は?」
玻座真の言葉に加茂は尋ねる。
自分たちが所属しており接する機会が多い京都校の学長である楽巌寺が白である方が嬉しいのは確かであるが、今は信じることよりも疑うことが重要である。信じて後ろから刺されるわけにはいかないからだ。
「話に聞いたけど、京都校って楽巌寺学長の命令で虎杖殺そうとしたんでしょ」
「……あぁ、そうだ」
「特級呪霊たちと加茂憲倫が手を組んでたとしたら、宿儺復活を手助けしていたってことになる。要するに加茂憲倫は宿儺の関係者だ。呪胎九相図の発言が正しければ、虎杖は生まれた時からか後天的かは不明だが、加茂憲倫によって宿儺の器として形作られていたってことだ。呪物や呪いの子供を作るノウハウを持っているんだから、そのぐらいは出来そうっちゃ出来そうだわな」
「…………」
「結論として、楽巌寺学長はその虎杖を殺そうとしていた以上、繋がっていないあるいは繋がりが薄いと思われるって話だ」
「待て待て。少年院では上層部の嫌がらせで虎杖は特級呪霊と遭遇して死んでいるぞ」
「あの時はまだ虎杖が呪術師になって入学したばかりで知らされていなかった可能性が一つ。もしくは知らされていたとしても宿儺の器ってことで死なないと考えていたかもしれません。何よりあの時の死因は、虎杖の自殺ですよ」
玻座真と日下部を中心に話は進んでいく。
「どちらにせよ警戒しながら……って感じになる。そもそも楽巌寺学長はさっきも言った通りゴリゴリの保守派だ。俺らの中から指名手配を食らって抹殺するよう言われても、その指示通り動く可能性はある」
「様子を見る、程度にしておけと?」
「そうなる。……最後に虎杖」
加茂との話を終え、虎杖に向き合う。
「敵味方関係なく、お前は死刑執行対象として指名手配を食らうはずだ」
「…………」
「五条先生が封じられ、さらに両面宿儺が一時的と言えど表側に出てきたからな。策謀関係なく放置していて大丈夫なのかと思われ、死刑執行の猶予が取り消されるはずだ」
「先輩は、良いのか」
「何がだ」
複雑そうな表情を浮かべながら虎杖は聞く。
「先輩が止めてくれたから宿儺の殺戮は防がれたけど……先輩は心配してないのか?」
「そのためにも五条先生の封印を解くために動くんだろうが。言っとくが俺の感触だと、特級呪術師として扱われている乙骨でも宿儺には勝てないはずだ」
「乙骨って……確か二年の先輩だっけ」
「多分だけど、今回宿儺が表側に出ることになったのは特級呪霊たちの思惑だけじゃない。五条先生が封印出来なかった時用のサブプランだったはずだ。そうじゃなきゃいくらなんでもタイミングが良すぎる」
「宿儺だったら五条先生に勝てる、ってこと?」
「少なくとも対抗出来ると向こうの勢力は考えているんだろうな。……まぁこっちも同意見だ。宿儺に対抗出来るのは五条先生ぐらいだ」
「おい、話を逸らすな」
虎杖と玻座真の会話に眉間に皺を作った日下部が割って入る。
「虎杖のやつは今回の死刑執行に合わせて虎杖ごと宿儺を殺した方が良いんじゃないか、って言ってるんだ。……あえて俺からも聞くが、虎杖のやつをそうやって生存させようと思っているのは情か?」
「……情が無いと言いませんが、素直に戦力が足りなくなるからです」
突かれたくないところを突かれたと言うように表情を変えながら、玻座真は説明する。
「加茂憲倫や裏梅とか言う氷凝術師、そして総監部を含む保守派たち。これら以外にも加茂憲倫は無為転変を使って多くの人間を術師として覚醒させ、受肉体を目覚めさせたと言っていた。……それら全員が敵になったと思いたくないですが、やつの運用方法によっては全員と殺し合いをしなくちゃいけない可能性が高い」
「……術師として覚醒した方はともかく、受肉体って言うのは呪胎九相図みたいなやつらか。確かにあのレベルのやつらが全員敵になったらやばいな」
そう言いながら日下部は先程乱入してきた脹相を思い浮かべる。
消耗してたのもあって全力は不明であるが、見た限りでは準一級以上は最低でもあった。
全員が全員あのレベルとは思いたくないが加茂憲倫が選別した以上、有象無象の集団とは思えない。
「それもあって虎杖は安全確保が出来るまで潜伏。お前の性格もあるから人助けもせず潜っていろとは言わんが、生き残ることをちゃんと考えて動け」
「……うっす」
「それに関してだが」
「うぉ!?」
突如、後ろから声を掛けられて脱力していた玻座真は思わず椅子から転げ落ちてしまう。
結界術を使わずとも基本的に感度が高い玻座真がこうして接近されることに気づかず驚く姿に、日下部は珍しい光景だと思うのと同時に本当に消耗しているのだと理解する。
ヌッと暗闇から現れ声を掛けてきたのは、話の中に出てきた脹相であった。
「出来れば俺は悠仁と共に行動したい。兄として悠仁を守るつもりだ」
「兄としてって……俺たち本当に兄弟なのか? てかそうだとしても、俺はお前の弟たちを……その、殺したんだぞ」
「あれは事故……いや、加茂憲倫の策謀の結果だ。お前は巻き込まれただけで、悪くない。……虎杖、お前の父親の額に縫い目は無かったか?」
「後天的的かもしれないし、母親かもしれないだろ。お前らは特異体質の女性と言う偶然の存在から生まれた存在だ。再び特異体質の女を見つけるよりも、高い呪力を持つ自分がどこかの女を乗っ取って母体を細工した方が、目的を達しやすいはずだし」
「そこはどっちでもいい。……どうだ、悠仁」
座り直しながら脹相に玻座真は言うが、男か女かはあまり関係ないようである。
そしてパンダはいつの間にか下の名前で呼んでいやがるよコイツ、と思いながらも空気を読んで口に出さず成り行きを見守っていた。
「いや、実は俺……両親の記憶は無いし子供の頃に死んじゃっているんだよな。だから幼少期は爺ちゃんに世話になってて。……あ」
「あ?」
「いや、そう言えば爺ちゃんが俺の両親のことを死ぬ前に何か言おうとしてたような……。別に良いやって思って聞かなかったんだけど」
「「「「おい!」」」」
虎杖の致命的な失敗に思わず玻座真と日下部、加茂とパンダは突っ込む。
ガリガリと頭を掻きながら溜息を日下部は吐き、話を戻す。
「で、だ。どうするんだ虎杖」
「……戦力が必要なんだよな。確かにお前は強かったから、仲間になってくれるのは助かるんだけど」
「今は信用されなくてもいい。だが加茂憲倫を殺したいと言う目的は一緒だ。そこは信用してくれ」
「じゃあ、俺は構わないけど」
良い? と言う表情を浮かべる虎杖に他はお前に任せる、と言う表情を返す。
それから日下部は玻座真に向き直り、尋ねる。
「それで、お前はどうするんだ?」
「俺は――――」
公園に残り、まだ生きていた自動販売機からコーラを買ってベンチに座りながら飲んでいる。
術の行使で疲労した脳が糖分摂取により満たされていくのを感じながら眠気と戦う。
「やぁ、玻座真護良君。君はどんな女がタイプかな?」
「二次元の女しか愛さないとは言いませんが、今のところ物語のヒロインにしか恋したことがないですね」
ドサリと勢いよく玻座真の隣に女性が座る。
同じ質問過去にも食らったなと考えながらコーラを飲み干す。
金髪の長髪美人。特級術師の九十九由基。東堂葵の師匠であり、アレの根幹となった存在かと彼女の容貌を見て納得する。
「初めまして九十九さん」
「初めまして、玻座真君。悪かったね助けに入らなくて」
「……はぁ」
怒る気にもなれず、されど許す気にもなれず、ただ溜息で心情を示した。
「氷凝術師が現れた時点で京都校の女性陣を逃がしてくれたのはわかってたので、プラス1マイナス3って感じですが」
「つまり今現在の私への心象はマイナス2ポイントって感じか。妥当と言えば妥当だね。…………」
「……何か?」
「いや、ちょっとね。昔にもこんな感じに少年と並んで座りながら色々と話したことあるなーって思い出してね」
苦笑する九十九だが、アンニュイな表情から少なくとも東堂じゃないだろうなぁと思った。
「ここに来てくれたってことは、多少は聞きたいことを話してくれるってことですよね」
「そうだね。回数制とかは無いけど、私がしゃべりたくないことはさすがに黙っちゃうけど」
「まず、合流しなかったのは俺と加茂憲倫がいたからと言う部分。理由がそれだけじゃない気がするのと……本当に警戒していたのは俺たち二人ですか?」
「と言うと?」
「両方警戒してたのは本当だろうけど……どっちの方をより警戒していたか、ですね」
「…………」
「この夜、今まで手札を見せる機会が無かったはずの俺は、大量の手札を見せることとなった。結果的に弱点も色々とバレたでしょう。対して加茂憲倫は呪霊操術の使い手。所有していた特級呪霊と『うずまき』を見せましたが、奴自身の切り札を出したわけではない」
「……そうだね。この夜、途中参戦だったけど君は奮闘し続けた。無論ここに来た呪術師たちはみんな頑張り続けたと言って良いだろう。うん、私を除いて」
「なので、もう一度聞きます」
――貴方があの時、本当に警戒していたのは……俺の方だったのでは。
「そうだった場合、どうなるんだい」
「敵か味方か、どころの話じゃなくなります」
有害かどうか以前の話。自分たちにとって無害ですら話にならない。有益な存在でければ、またどう動こうとしているのか考える必要が出てきて
場合によっては……先にここで潰す。
「…………」
特級術師と一級術師。
文章上の格は一つ差であるが、実際の力の差は全く違う。
一級術師であれば町一つを落とせるかもしれないが、特級術師は国家を落とせるほどの戦力を持つ。
無論、一口に一級術師と言っても特級に届かない高位の術師がこの肩書きを与えられるため、同じ位の術師だとしてもかなりの内部格差が存在する。
それでも術師の共通認識としては『特級は特級でなければ戦いにすらない』と言う暗黙の理解が存在する。
ただし、玻座真護良はある一つの技であれば特級術師たちすらも凌駕する力を誇っている。
領域。
領域は呪術における奥義である以上、強い術師はその技を修得し磨き上げる必要がある。
練度が低ければ自身の領域が破られ、必中必殺の攻撃に曝されることとなる。
それは特級術師たちも例外ではない。
そして玻座真の結界術はすでに
例え格差が存在しようとも、今後のことを見据えるのであればここで牙を剥くぞ。そう暗に伝えていた。
「……そうだね。うん。そう言う判断までさせちゃうほどのことを、私はしたんだよね」
「違う、と?」
「考え過ぎ……いや、買い被り過ぎって言う方が正しいかな」
ガシガシガシ、とその綺麗な長髪を乱暴に掻きながら溜息を吐く。
「正直なところ、私にも思惑はあった。あの呪詛師……加茂憲倫が行おうとしていることに関して心当たりがあったから様子見したかったって言うのはあったんだ」
「無為転変による術師や受肉体の覚醒を?」
「正確にはその手前。いや、もっと正確に言うとそもそも目指していたゴールが違った感じだね」
ちょっと私のことを話す、少し長くなるよと前置きされる。
「私は呪霊が存在しない世界を目指していてね。そのためには根本的に呪力を無くすか、もしくは呪力の最適化が必要だと二つのゴールに行き付いた」
「……呪霊発生のやつですか。呪力無くすはわかりますが、最適化とは」
「基本的に呪霊とは非術師から漏れ出た負の感情から形成されているものが多いんだ。そう考えるのであれば全員術師、そこまで行かなくとも呪力を上手く扱える人間にすれば呪霊は生まれないだろう、と言う説さ」
無為転変を使った覚醒術師の作成。
だけど加茂憲倫と九十九由基ではゴールが違った、と言う意味を理解する。
呪霊がいない秩序の世界を創ろうとしている九十九由基と、術師も呪霊も生み出してただただ可能性と言う名の無法と混沌の世界を造った加茂憲倫。
「私の研究は呪力を無くす方に進むことにしたんだが……どう最適化を行おうとするのか興味があった、と言うのは否定出来ない。それで様子見したと言うわけさ」
「それであの場に現れなかった、と?」
「そうだ。……と言いたいこところだが、これも言い訳だ」
否定に否定を重ねる。
「結局のところ、あの場に来ないと言っていた呪詛師の言い分が本当に正しかったわけだ。私はあの時、やつが言った通り君たち二人がいたのを見て……踏み出せなくなってしまった」
「…………」
「君は私が色々と計算してあの場に現れなかったと思っているかもしれないが、なんてことはない。頭ではなく心の問題で咄嗟に足が動かなくなってしまっただけさ」
自分に呆れたように吐息を零す。
聞いてたよりも弱気な姿勢を見せる彼女に玻座真は怪訝な表情をする。
「天元様との因縁があると聞きましたが、そこまで思い詰めるほどですか?」
「私はね、星漿体だったんだ」
「――――」
九十九の発言に玻座真は言葉を失う。
天元の近くにいるためその用語の意味を知っており、故に彼女と天元の間にある因縁の表層を理解する。
「素質の高さ低さの関係で結果的に私は天元の生贄にはならなかったけど、生き残った私は天元の生贄になった星漿体の声が聞こえるんだ」
「……………………呪霊根絶の動機も、天元様の機能を失わせるためですか」
「天元は結界により呪霊が他の国に出現しないようにしている。どう言う意図や思惑からそう言う仕様にしているか不明にせよ、呪霊がいなくならない限り覆われている天蓋を消すことは許されず、天元は延命し続ける。天元が生き続ける限り星漿体の奉仕は終わることがない」
天の存在への生贄を止めるため、九十九由基は奔走している。
その強すぎる意志が時に自身への枷となってしまうことがある。
重い想いは、心だけではなく身も重くしてしまう。
必要以上に警戒し過ぎて足の動かし方すら一瞬忘れてしまった。その弱さがここまでの信用の下落に繋がってしまった。
それが答えである。
「憎いと言えば憎い。だけど報復や復讐をやつに望んでいるわけじゃない。それでも私は、次の天元である君の姿を実際に見て、前に出るか迷ったのは確かだ。許されるとは思っていないよ。私からしても、あの瞬間を逃せば今後やつを殺せたかどうかわからないしね」
「…………俺は不死の術式を持ってないので、天元様みたく星漿体による引き継ぎはないですよ」
「わかってる。君が悪いわけじゃないのにね」
苦笑する。
理性ではわかっているが、感情によって動きを止めてしまった。
「安易に縛りをするわけにはいかないが、そうだね。今後はちゃんと味方として動くことにするよ。……私としても、そろそろ天元と向き合わなくちゃいけないと思っているし。玻座真君はこれからどうするつもりだい? 私と同じで加茂憲倫について天元へ聞きに行くとか」
「そのつもりですが、その前にここら辺の呪霊を祓ってからですね。制限もなく今、動けるのは俺くらいですし」
呪霊を祓いつつ一般人の避難を行う。
攻撃と護衛、そして逃走阻止が出来る術師である玻座真が適任である。
「向こう側の連中に一人でいるところを狙われる心配は?」
「加茂憲倫も自分の計画のためにこれから忙しくなるでしょうし、何よりまず五条先生を封じた呪具を安地に置いてくるでしょう。それが無ければ襲撃されたとしても、見境なく逃げますよ」
本当に信じるかはともかく、話したいことは終わった。
敵意を見せても反応が薄い。ならばある程度様子見で良いだろう。
消耗している玻座真としてもここで相手が仕掛けてこないのであれば、後々敵対された方がまだまともに戦える。
「それじゃ、お先に失礼します」
「あぁ、またね」
朝日が昇ってくるのが見える。
どれだけその光景が美しくても、残念ながら現在の惨状は変わらない。
呪術師が送る最低な日々から、日本人全員が最低最悪な日々を過ごすことになった。
そんな絶望的な状況を少しでも改善するため動き始める。
「さて……
周囲に誰もいないことを確認した上で独り言をつぶやく。
呪術師になって数年目。
専念して
3000文字ぐらいのつもりがなんか普通に長くなった。
本当の意味で渋谷事変編はこれにて終わり。木曜に主人公に関するプロフィを改めて出して、そして来週の投稿で書き溜めに入ります。