「たきなの鬼! 悪魔! どうしてこんなにかわいいお人形さんたちを躊躇なくばかすか撃てんのよ! 流れてる血は何色だキサマぁ!?」
「そうは言ってもコレ全部爆弾らしいですよ? 千束もさっきまで頭が悲惨なことになってたじゃないですか」
「人形に罪はないんじゃわ! というかどして笑いこらえてるみたいになってるんじゃたきなさんや?」
「その、何だかんだ言って人形に銃弾叩き込んでいる千束が面白くて……それと千束の鼻下にススがついててお髭みたいで……ふふっ」
「あんの悪魔絶対処したる!」
たきなと千束、バニル人形をどんどん爆破してヤル気みなぎってんなぁ……
やる気があるのはいいことなんだが、ちょっと銃弾使いすぎなんじゃ?
ハグくらいの衝撃で爆発したバニル人形、そんだったら銃弾擦るくらいでも十分な衝撃、千束のゴム弾でも対処可能って訳だが、銃の引き金が引かれる度にしゃっきーんって俺の中の借金メーターがマイナスになってく。
せっかくお店で利益出したのにどんどん赤字に……
いや、まだ、まだ赤字にはなっていないはずだ!
「残念! もうすでに赤字も赤字、大赤字である!」
「ひ、人の希望を観測するんじゃない! 現実逃避してたのに!」
「まるで駄目なアクシズ教の模範を示す男よ。別に現実逃避することはない。そもそも我が輩は争おうとする気はさらさらないのだぞ? 汝らが勝手に戦闘の意思を示した故に抗戦しているだけであって……」
「誰がマダオだ! というか喧嘩売ったのはお前の方だろうが!」
「手を先に出した方が悪なのはいつの時代でも変わらぬ理であろう? これ以上借金を増やしたくなくば、ここで戦闘を中断するが吉である」
「…………い、いや騙されないぞ! お前はバス爆発事件の張本人だろ、何自分は無実だけど仕方なしに戦いに付き合ってるだけだみたいな感じ出してんだよ!」
あっぶねぇ、まんまとあいつの策に乗るところだったわ!
もしこのままバニルの話に乗ったら「冗談に決まっておる」とか言われて悪感情を吸い取られるか、もしくはその時点では戦闘が終わったとしてもアクアとのいざこざが結局発生して借金が増え、最終的に悪感情を吸い取られるかだ!
いっそのこと耳栓でもしてあいつの声を聞かないようにした方がストレス軽減するんじゃないか?
……いや、あの憎たらしい三日月の目で周りをウロチョロされて、ニヤニヤ顔で言葉もなしに煽られて、結局キレるわ。耳栓やめとこ。
そんなことしているとアクアが。
「セイクリッド・エクソシズム!」
「ちょわーっ!?」「華麗に脱皮!」
「ちっ、外したわね……」
「ちっ、じゃねーよ何してくれてんの!? 今俺ごと撃ち抜こうって気で炎飛ばしてきただろ!」
「大丈夫よ、今のは悪魔にしか効かないから」
「でも今俺の回避スキルが発動したんだが?」
「……ご、誤作動なんじゃないかしら?」
「よし、後でその魔法俺に教えろ! 試しにお前に発射してやるから!」
「そ、そんなことより今はあの悪魔をどうにかしなきゃでしょう! ほら、いつも通り小賢しい考えを振り絞って!」
「いつも通り小賢しいとか言うなよ……。というか話をそらそうとしてるわけじゃないよな?」
目をフイとそらすアクア。
頬を引っ張りたい衝動に駆られたが、確かにアクアの言うとおりそんなことをしてる場合じゃない!
それはそれとしてうまく逃げられたと思ってほっとしてる邪神には後でドロップキックを食らわせることとする。
「不意打ちとは中々卑怯かつ姑息な手を使ってくるなっこの陰湿プリーストめ!」
「あっれれー、おかしーわねー? 自称大悪魔のバニルさんってば私みたいなプリーストの全力でもない攻撃をさけるなんて……実はそこら辺にいる木っ端悪魔と同じ実力なんじゃないですかぁ? 仮面なんてボロボロじゃないですかーぷーくすくす!」
「ふはははははは! そう言いつつ魔力がそろそろなくなりそうで冷や汗をかいているのは汝ではないか? 己の魔力量を過信し、通常より魔力を込めなければ正常に魔法を発動できないのを誤差よ誤差と見ぬふりをしてきたようであるな! まっこと滑稽であr」
アクアが勝手にバニルを引きつけてくれていたおかげで注意散漫な状態で俺の方には意識が向いていない!
そして抜け殻めぐみん(土)から脱皮したバニルの仮面に目を向けると、運悪く舗装された地面に落ちていて、舗装のヒビから土を集めて体(めぐみんマークⅡ)を形成してる途中段階だった。
一瞬アクアの魔力が底を尽きそうと聞いて集中を乱したがこれならいける!
「スティールッッ!!」
しめた、とい言わんばかりに俺は仮面へ十八番技のスティールをぶちかました!
そして、俺は静かに目を開け……
手の中に収まる布の感触。
女三人の冷たい視線が背中を貫いた。
「またですか……。どうしてこんな戦闘中に余裕の笑みを浮かべてパンツを盗れるのか……その神経を疑います。誰のパンツをとったのか白状したら楽にしてあげましょう」
「そのキューティーな黒パンツ……まさかたきなのとったんか貴様ぁ?」
「……カズマさん。さすがにドン引きなんですけど」
「ちょ、ちょっと待てぇ!? どうして俺のスティールはパンツばっかり盗るんだよ!? というかトランクスたきなでもない、白パン千束でもない、ノーパンアクアでもないこのパンツは一体誰のだよ!?」
「ちょちょちょい!? 何で乙女のパンツ知ってんの!? まさか私の知らぬ間に穢され……」
「ねーよ! いっつも俺に洗濯任せきりだろうが! 毎日の家事に感謝しろ!」
「ありがとーカズママ! って……結局それは誰のパンツじゃい!」
「ふははははは! 父娘の関係性に落ち着いたが何となく思春期特有の恥ずかしさを感じる娘よ、簡単なことだ。ムッツリ小僧のタンスにひっそり奉られてた爆裂娘と幸運神のパンツを少々拝借しt……」
「なああああああっ! 何やってんだこの悪魔! ご神体を神殿の外に持ち出したとかふざけんなよ!? ……あっ」
バニルがもう一枚の白いパンツ(きっとこっちに転移する直前の宴会でスティールしたヤツ)をひらひらと見せつけ、思わず叫んでしまった。
あっやべーっと思ったも時すでに遅し。
冷たい視線が強まってしまった……というか冷たい視線が冬の寒さと相まって凍死かけたんだが!?
そんで凍死しかけた俺を見てふはははと笑ってやがるバニル……やっぱりコイツとは口もう二度ときいてやんねぇ!
いや俺の自爆行為な気がするが、人の悪感情を糧にする性悪はウィズの一生赤字経営で店に拘束されればいいんだ!
というわけでやっぱアクアのトラブル促進剤は異世界に帰還してもらうべく策を弄したいが……
「ロリマさんが私の後輩と一緒に住んでる年下の女の子の下着を……わ、私どうすれば……とりあえず911に連絡しないと……!」
「大丈夫、落ち着いてあっくん。女性の敵であるクズマ、下着泥棒の犯罪者……つまり犯罪者には人権がない……だよね、たきな」
「はい、悪は根絶やしにすべきです」
「というわけで私たちリコリスが街の治安を維持するために出動しまぁす!」
「それでは我が輩も加勢しようではないか」
「バニルさん…………ご協力感謝します。あの爆発人形で追い詰めてください、私が仕留めますので」
この状況でどうすればいいんだ!?
というかさっきまでバニルが敵だったろうが、どうして俺が全員のヘイトを買うような状況になってんの!?
あれか、俺の安心安全スティールは実はヘイト管理に役立つ重要スキルだったのか!?
くそっ!
俺の幸運値先輩は一体どこ行っちまったんだ!
というか俺の気が一瞬でもそれたら問答無用でパンツ盗るスキルに早変わりすんなよ!
俺の欲望がダダ漏れしたみたいで何というか……
そう、公衆の面前でおしっこ漏らしたような嫌な気分になるだろが!
もう、俺は命を諦めて大人しく裏切った見方の銃弾で蜂の巣にされないといけない運命なのか……
バニル人形も黒スーツグラサンのハンターの綺麗なフォームで俺の方に走ってくるし、絶体絶命だわ!
この状況を逆手に取る方法は何かないのか!?
……あ!
「くそったれぇぇええっ!! こうなったらやけじゃい!」
苦肉の策だ!
俺の最終目標はアクアとバニルを混ぜないこと!
でないと借金が超絶増える未来しか見えない!
つまり俺はバニルを異世界に強制送還すればよくて、わざわざ巫山戯た千束たちを相手にする必要はない!
俺は魔王を倒した男、カズマだ!
魔王も、魔王より強いとか言ったこの大悪魔様でも爆裂魔法の威力にゃ敵わない!
それに以前ウィズとバニルが大げんかしたとき、ウィズの上級魔法一撃食らって残機が一減ったのを俺は知っている!
つまり爆裂魔法じゃなくても単なる土塊のお前なら高火力魔法を一撃浴びせれば!
「ほう、我が輩の方に向かってくるか!」
「近づかなきゃテメェをブチのめせないんでな!」
「……汝ごときの貧弱ステータスでは我が輩を殴ったところで傷一つつけられまい。仮に魔法を使おうにも中級魔法一発が精々、我が輩を倒せるとは思えんが?」
「それでもやらなきゃならない……! とりあえずそのパンツ返しやがれ!」
後ろに大勢の人形を引き連れつつ走る。
そして雑念を取り払い、もう一つのパンツ……白いエリス様をスティール!
握りしめる幸運のパンツと幸運の右手。
今俺の幸運は二倍だぁっ!!
そんな神宿る拳を振り下ろ……そうとしてスカし、そのまま拳の勢いでバニルの後ろに抜けていってしまった。
「ふ、ふはははははは! どんな秘策があると思いきやへっぽこクルセイダーと同じであるか! まさか暗闇で距離感を間違えたとか、そういうことではあるまい? ……おや、ここまで煽り倒したのにも関わらず羞恥の悪感情がない……いや、わずかにあるか?」
「う、うるさーい! やっぱり作戦だとは言え恥ずかしいもんは恥ずかしいんだよ!」
「ほほう、作戦とな?」
「バニル人形、ずいぶんたくさん拵えてくれたんだな!」
「……ま、まさか!?」
「青ざめたな! 未来予知を使ったんだか知らんが、お前の周りに密集しているバニル人形をどうするか知ってめぐみんの爆裂魔法で残機を減らしたときのことを思い出したな! 食らえ! ブレードオブウィンド!」
****
中級魔法を放つとバニル人形が爆発していく。
連鎖的に、そして風魔法のおかげで激しく。
その威力は爆裂魔法には一歩劣るものの爆発魔法は超えている。
……え?
エクスプロージョンしないのかって?
ばか! そんなことしたら悲惨な現場だわ!
それにマナタイトもないのに撃ったら俺、干からびてあの世行きだし不発に終わるから!
しばらくして煙が霧散し、あの悪魔がいないことを悟る。
……やった。やってやったぞ!
元魔王軍、地獄の公爵、七大悪魔、魔王よりも強いと噂らしいバニルを倒せた……
爆煙が上がるとともに俺は達成感を噛みしめる……なんてことはなかった。
魔力を使い切り倒れた俺はアクアに担がれ、ヘトヘト状態で家に帰り、時刻は22時。
「酒ッ、飲まずにはいられないッ!」
「あら、いい飲みっぷりね! アクシズ教の自覚が出てきたんじゃないかしら!」
「ぷはあああああっ! ……マジでやっちまったっ借金増量セールだわ! これ以上バニルとアクアを一緒にさせたら借金がやばいと思って何とかしようとしてた結果がこれだよ! クレーター作ってバスも爆破させ、何台爆破した!? にぃしぃろぉ……あああああっ! 絶対1億以上持って行っただろ! バカバカバニルバカ! どうしてバスの下とかに爆弾人形仕込んでおくんだよぉ!」
「か、カズマさん落ち着いて? わ、私はあの悪魔を倒したことすごく頑張ったし模範的なアクシズ教徒としてよく頑張ったわねってよしよししてあげるから……だから泣くのはやめましょ、ね? つらかったらそれは自分のせいじゃないの。世間が悪いの」
「だぁれがアクシズ教だ! 俺は宗教に関してはエリス様1択だ!」
「うわあああ! 慰めようとしてあげたのに! ひどい、ひどいわよぉ!」
泣きたいのは苦肉の策を実行した俺の方だわ!
どうして日本に来てまで魔法を使ってこんな荒事に巻き込まれて……
結局異世界ライフよりもひどい目に遭ってる気がするのは俺だけか!?
「いやぁ、まさかカズマが闇落ちするなんて……いくらリリベルでマーダーライセンス取得してるからってマジで爆弾魔を殺すとは思ってなかったわ……というか酒飲むな18歳!」
「闇落ち言うな酒の味も知らないお子ちゃまが! そもそも人外のモンスターに寝返って、俺のこと裏切ったお前らに言われたきゃねーよ!」
「だ、だって! 爆発の衝撃で一瞬放心状態になんなきゃカズマの悪行は成敗しなきゃってなるじゃん! 常識的に幼女のパンツを盗んだら現行犯逮捕しなきゃって私の胸ん中の正義が騒いで収まらなかっただけで……」
「それを闇落ち仕掛けてるっつーんだよ! そもそも右手が疼くとかそう言う中二病はもう卒業しなさいってお母さん言いましたよね!」
「誰が誰のハハじゃい! というか言われたことないわ」
カズママっつったのは千束だろ……
というかバニルはどうして俺の崇めてる神様の居場所を知って、しかもここに持ってきてんだよぉ……
それがなかったら千束とたきなが闇落ちすることなんてなかったのに!
「それにしても……随分派手に犯人処分しましたね」
「誰のせいだと思ってんだよ! 俺が一人で立ち向かわなかったらこんなことにはならなかっただろそうだろ!」
「いえ、私はずっとカズマのこと味方だと思ってましたよ? それなのに一人で突っ走ってしまうものですから……」
「嘘つけ! 千束と一緒に悪人殺すべしとか言って俺の方に拳銃向けてきただろ!」
「そ、それは犯人がカズマの方にたまたまいましたし……」
「本当か? 敵感知スキルがビンビンだったが、本当に俺を狙って撃たなかったのか?」
「…………と、とにかく爆発事件が解決したみたいでよかったです! きっとDAの方々は情報統制に手を焼いてる頃でしょうが、きっとなんとかしてくれるでしょう。テレビでもつけてみますか」
「あっ、話そらしやがった!?」
たきなが話をそらしつつ何か報道されてないかとテレビをつける。
すると火元は調査中で、ガソリンに引火した結果引き起こされた惨事とニュースが。
監視カメラに移らない範囲での戦闘だったらしくどうやら俺のせいにはなってないらしい。
つまりだ。
つまり俺のせいにはなってない?
つまり俺は借金なし?
「っしゃ! っしゃっしゃっしゃーっ!!」
「うるさいですよカズマ。ご近所さんに迷惑がかかります」
「でもたきな聞いてくれよ! 俺の頑張りのかいがあって巨悪は滅び、俺の借金呪いは女神様の祝福のように消え去ってだな!」
「借金は一部負担らしいですよ」
「いやぁ、ほんと昨日頑張った俺! よくやった俺! 今日から俺はほとんど自由の身……っていまなんつった?」
「借金は一部負担、DAに報告したら司令からそう言われまして」
「う、嘘……嘘だ嘘だ嘘だぁっ!!」
「残念ながら約1千万、それが借金の総額です」
「ううっ……単位は? ジンバブエドル? それともペリカ?」
「ユーロがご希望ですか?」
「……円で、お願いします」
おわた。
俺のマイナスから始まる借金生活……終わりの始まりだ。
もう半年で借金完済なんてできっこないんだから、逆に考えてあんまり頑張りすぎないようにしようそうしよう!
俺はちょちょいと酒のあてを作り、それを摘まみながら穏やかな顔で酒を煽る。
かーっ!
半年前から千束とたきなに強制的に禁酒させられてたから久しぶりの酒がうまいっ!
これはバニルが言ってた空腹が最高のスパイスを肯定してるみたいで癪だが、うまいもんはうまい!
「おいしそー……じゅるり……」
「ち、千束! 駄目です欲望に惑わされないでください! あれは頭に悪いと聞きます! とくに若いうちに飲むのはよくないですよ!」
「で、でもぉ!」
「でもではありません! いいですか、カズマのようになりたくなければ成人してから嗜むように!」
「はーい……」
「いい子ですね。代わりにご飯レンジで温めて食べましょうか」
「そうだね! おいしそうなおつまみばっかりだし!」
「たきな、俺のようになりたくないって発言、一体どういう意図で言ったのか聞こうか! それと千束、はーいって言ったのはどういうことだ!?」
やけにおいしいミズキの酒を空け、最後の一滴を口の中にポタリと落としてるときになんか俺を反面教師にして千束を教育すな!
そう思いガタリと勢いよく椅子から立ち上がると、ちょうど玄関のインターホンが鳴る。
これから俺の悲しみと怒りのカズマブローをお見舞いしてやろうかというときに……
ちっ、運のいい奴らめ、今日のところは見逃してやらぁ!
心の中でそんなこと思いつつ玄関の方に歩いて荷物、というか手紙を受け取り、部屋に戻り中身を確認する。
『拝啓
この手紙を読んでいるということは我が輩はもうすでにこの世を去っているのだろう。
(こちらの世界で過ごして早1週間あまり、思う存分楽しめたがそろそろあの貧乏店主のことを確認しに行かねばならないので失礼させてもらう、の意である)
……』
最初の文面で何処の誰が書いたのかわかった。
きっとこの手紙をすべて読み終わる前に怒りがピークに達して俺は手紙を破り捨てるだろう。
だから俺は深呼吸をして、意を決して手紙の続きを……
「くそったれえええええッッ!!」
読まずに真っ二つに破り捨てた。
一応ここで「続・このリコリスのパンツにスティールを!」は終了です。
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
もし不定期かつ蛇足でもよければ今後もお付き合いよろしくお願いします。
バニルの手紙、全文
拝啓 この手紙を読んでいるということは我が輩はもうすでにこの世を去っているのだろう。
(こちらの世界で過ごして早1週間あまり、思う存分楽しめたがそろそろあの貧乏店主のことを確認しに行かねばならないので失礼させてもらう、の意である)
爆発に巻き込まれ地獄へ落とされたのだろうが、心配はいらない。
(何の使い道も見いだせない魔道具を大量購入されていたらばひとたまりもないのでな、地獄経由で汝らより一足早く帰還させてもらうとしよう、の意である)
我が輩はこの結果に満足している、だから悲しむことはない。
(激闘の末手に入れた宝箱の中がスカと書かれた紙切れ一枚で呆然としている冒険者を見ながら破滅したいという願望に代わり、本気ではないにしろ激闘の末現れたのは借金という……代用品ではあるが我が輩は満足した、感謝するぞ小僧、の意である)
これからも長くそちらの世界にいることだろう。さらば新たな出会いもなきにしもあらず。しかし、今も、そしてこれからも、見守り続けるから涙を流さなくてもいい。
(ち・な・み・に! 魔道具の効果についてだが、誰か一人使うたびに1年という効果時間がリセットされる仕様らしい。店に帰ったらこの取り扱いがめんどくさいことこの上ない魔道具は封印しておく故、感謝するがよい! まあ、つまり、小僧は後半年もせずにマイホームへ帰還できると勘違いしておったようだが、残念、まだまだ借金生活を楽しむといい、の意である)
追伸
この手紙を破いたものにはカースド・ダークネスのプレゼントを!
まあ見通す悪魔はこうなることを予想して送りつけたのだが。
見たい話はどれでしょうか……
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本編の続き
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本編の寄り道
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もしリコリスが異世界に行ったら