このリコリスのパンツにスティールを!   作:桃玉

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前回、クリス(国家から指名手配されている盗賊団のお頭)と真島さん(DAにマークされている世界線があったテロリストのリーダー)がハワイにキター!

今更ですが何でリコリコの本編終わってるのに書いてるんだろう……?(混乱)



この指名手配犯に接客を!Byカズマ

時刻は12時。

 

「オムライス食い終わったな。んじゃあ帰れくださいお客様」

「この店の味を食らいに遠路遙々大海を越えてやってきた客だぜ俺ァ……もっと丁重にもてなすべきだろ、なァ、クリス?」

「そうそう私たちはお客様なんだよ、お客様は神様なんだよ!」

「そりゃ神様はお頭でしょう……それにメイド喫茶って言うのは普通の喫茶店とは違って入り浸るもんじゃないんだ、そこんとこわかってんの?」

 

 

サイレント・ジンを筆頭としたメイドたちがあくせく働く中、俺は見知った客、緑アフロと銀髪少女、二人にうざ絡みされていた。

というのも食べ終わったのにいつまでも帰らない二人を店から追い出そうと思って近づいてみたんだが、二人は全く帰る気配なしだ。

 

 

「だとしても帰れなんて冷たいと思うよあたしは。邪魔者に対してそういう酷い仕打ちはやめよう、ね?」

「そうだ、折角知り合いの顔を見れたんだァ……思う存分からかってから帰るのが礼儀ってもんだろォ?」

「邪魔者だって自覚あるんなら帰ってくださいどうぞ。ってか何で二人は意気投合してるんですかね」

 

 

俺が見る限り真島さんとクリスはめちゃくちゃ息ぴったりだ。

それこそ肩を組んだり、一緒に酒を注文するくらいには仲が良さそうで、どうしてこの異色のペアができあがったのが甚だ疑問に思っていると。

 

 

「いやー、まーじま君は偉いんだよ! マジで! だってさぁ質素倹約家なところもそうだし、世界のバランスを保つためっていう崇高な思想がさぁ! 私も見習わなくっちゃね!」

「なァに言ってやがるんだァ……オマエさんだって孤児とかのために悪政を敷いている権力者をしょっ引いてるんだろォ? いいやつじゃねェか」

「そう言えば聞こえいいけどなぁ……義賊とテロリストが何か言ってるなオイ」

「今なんかいった? それに助手君だってこっちサイドじゃない?」

 

 

俺が犯罪組織に加担したような言い方はよしてもらおうじゃないか!

やめないと俺のスティールが火を噴くことになる。

 

そんな脅し文句を言ってやろうとしたが……

二人が一体どんな会話をしたんだか詳細はわからないが、子供や世界のために己の信じた正義を貫くだの、ラブリーチャーミーな敵役だの言ったんだろう。

……二人は杯を交わし、肩を組んで盛り上がってる。

 

俺は、そんな何を言ってものらりくらりと屁理屈を捏ねて退散しない二人の酔っぱらいを追い出すことを諦めた。

そしてメイドさんの業務に戻ろうとしたんだが。

 

 

「緊急事態です」

「どうしたんだたきな? そんな冷静を装って実は内心焦りまくった声出して」

「しゅ、収益が……収益が費用を下回りました」

「それって……赤字ってことか!? な、どうして!?」

「それがどうも冷蔵庫の中の食品がいつの間にか無くなってしまってて……」

「ドロボーか!? なら俺は泥棒に心当たりがある! そいつを警察に突き出して請求しよう!」

「ね、ねえ? ちょっと持ってほしいんだけど、その心当たりってもしかしなくても私のことじゃあないよね? そうだよね? だから真顔でこっち見ながらじわじわにじり寄ってこないでぇぇ!」

「お頭が一番の容疑者でしょうが! それ以外誰が考えられ……」

 

 

そこまで言い放ち、ふと向こうの席でアクアのオムライス提供の様子が目に入る。

テーブルの上に揃えられたのは生タマネギ、生米、生卵、トマトケチャップ、鶏肉アンド挽肉。

食材によってムラはあるが一人前のオムライスを作るにしては多い量……一般的に言えば3~5人前はできそうな量がテーブルの上に乗せられていた。

そして布をかぶせ、布を取り払った瞬間さっきまであったブツはどこへやら、一人前オムライスが登場した。

 

 

「お前かぁぁああぁあッ!!」

「ひやぁっ、ちゅめたい!? 急に首筋にフリーズしないでよ!?」

「そんなことより食材に謝れよ! お前がフードロスしまくったせいで大赤字だぞ!」

「フードロスなんて、私がするわけないじゃない。ロスになるんだったら私のお腹の中に入れるわよ」

「あれか、お前の腹ん中に入ってんのか!?」

「そ、そういうわけじゃないけど……」

「ジー……」

「な、何よじっと見つめてきて……しょ、しょうがないじゃない! 私のこの技は料理時間は短縮するけど代わりに多めにやらないと料理が出てこないのよ! きっと布の中で料理してる誰かさんが自分のおいしそうな料理をつまみ食いしちゃってるんだと思うわ」

「やっぱ手品してんのはお前なんだしお前が摘まみ食いしてるだけだろ!」

「信じてよカズマさん! 私は誓ってそんなことはしてな……」

 

 

何か言い訳をしようとしてる駄目イドのことはさておき、これからどうやったら利益を回復させられるかが問題だ。

何かないか何かないかと頭の中を探していると、一つの簡単な解決策を閃く。

 

 

「だから私は摘まみ食いはちょっとだけでほとんどしてな……」

「よし、アクア。お前を今からお絵かき担当大臣に任命する」

「だからメイド長権限は奪わないで! ……って何かしらそれ? それはどういう役職なの? メイド長を辞職させられるのは嫌なんですけど」

「いいか、これはメイド長のみが選ばれるエリートな役職なんだ。だから料理はこっちに任せてくれ頼むから!」

「んー……なんかよくわからないけどわかったわ、つまり私がみんなの仕事を奪っちゃってたからバランス調整するってことね! 私は接客メインに頑張らせてもらうから、そっちのことは……新人の教育は任せたわよ料理担当大臣!」

「うん、違うな……けどもうそういうことでいいや」

「いいねェ! 最高だぜェ! もっと取ってこうぜバランスバランスゥ!」

 

 

真島さんが一人で盛り上がってるところ悪いが、俺はこそこそとたきなに耳打ちをして利益について聞く。

たきなが急ぎ足で持ってきた経営の記録がどんなもんか見てみたら大赤字だった件。

利益が丸々損失に変わるなんてことあるのか……いやないだろ!

ま、まあいいさ、まだ閉店まで半日ある(汗)

ここから頑張って利益出してやる!

 

この時の俺はまだ気づかない、アクアが張り切っているということを。

これが借金獲得物語の序章に過ぎないということを。

 

 

 

 

時刻は14時。

 

お昼のお客さんはすっかり帰った……

と思いきや、何故か半数近くがオムライスを食べ終わったのにも関わらず居座っている。

10時の開店と同時にやってきたクリスと真島さんもだ。

 

 

「まだ帰ってなかったのかよ。飽きないのか?」

「俺ァ常連客として新参の顔を確認して、その場に合わねェお客さんを処理してやってるんだ。てなわけでまだ帰らなねェ」

「処理とかいうなよテロリスト、お前がそう言うこと言うとヤバく聞こえるから」

「そんなん言っても……なァ? 見ろよこの店の治安の良さをよォ。漂白された、除菌された、健康的で不健全な日本みてェな平穏をよ……このままバランスを取らなくっちゃァなァ!」

「そーだそーだー、私たちのおかげで治安という名の均衡が維持されてるんだよ! 用心棒として雇ってくれてもいいんじゃないかな!」

「あれか、アンタらわざとなのか? 俺がどっか行こうとする度にお客さんにガンつけて怖がらせようとするのはわざとだろ」

「客の回転を速くするための手段だっつってほしいぜ……むしろ感謝してほしいくらいだ」

「誰もそんなこと頼んでねーわ! オムライス食い終わったろ、なら帰りやがれくださいまし!」

「何言ってやがンだァ? 今はアフタヌーンティー……つまりおやつの時間だろォが」

「うんうん、真島君の言うとおり! それに、私たち以外にも他のお客さんいっぱいいるんだから、ほら、ここは飲食店だよオムライス食べなさいって伝えてみてよ」

 

 

う、うぜー……

だが、クリスと真島さんが言うとおり、現在の店内は見た感じ午前中と同じ人がいっぱいいる。

しかし、どう言うわけか食事もしないくせに店から出て行く人がなかなかいない現状。

それをまさか真島さんは打開しようとして!?

……んなわけないだろ!

そう突っ込みながら、回転率が悪い原因を見る。

 

 

「さぁてさてさて! 今度はこのメイドさんに協力してもらいまーす! ヘイカモン! なっちゃん!」

「たきなー、呼ばれてるよー! さあ行ってこい行ってこい!」

「私、お会計の仕事してたいのですが……ちょ、どこ引っ張ってるんですか千束!」

「メイドたるものお色気の一つや二つよいではないかぁ」

「や、引っ張らないでください! やめっ、やめろー!」

「さあさあお立ち会いよー! これからやるのは早ヘアメイク替え!」

「人が嫌がってるのに何勝手に始めようと……!?」

「強行突破じゃい! 私が押さえつけてるライト照射してる間にあっきゅんやっちゃえ!」

「何でアクアより千束の方がやる気で滾ってるんですか!」

「そりゃたきなってば素材がいいかんね。既知の美のさらなる可能性を探求しに、さあ行ってみよう!」

「ど、どうしてこんなことに……」

 

 

巻き込まれてしまった被害者たきな。

やかましいのは主にアクアと千束。

どうしてこんなことになったかと言えば、俺がアクアを厨房に入らないよう言ったせいだ。

暇を持て余したアクアが神の遊戯を始めてしまったのがきっかけで、お客さんを楽しませるために始めたようだ。

ちなみにその宴会芸のおかげでチップが弾みに弾みまくり、何ならオムライスの利益を超えた。

 

今は1,2秒ごとにたきなが大変身するマジック的な、しかし実は種も仕掛けもない純粋なアクアの素早さに、観客はメイド喫茶であることを忘れているところだ。

それこそミカさん特製「コーヒーと和菓子のセット」を食べる手は誰一人動いておらず、皆カメラを向けてパフォーマンスに拍手喝采している。

厨房の奥でひっそりと落ち込んでいる店長のことは見なかったこととする。

 

まあつまり、回転率が悪いのはアクアがチップゲットのために「一芸:マジシリーズ」をお客さんごと、もしくはお客様全員に大盤振る舞いのサービスを実施してるせいだ。

普段は宴会の余興に、本人曰く「そこそこの一発芸」を披露するためお捻りは貰わないらしいが、今回は本気も本気。

アクア自身がチップを受け取るに値すると思った技を、宴会芸の女神の本領を余すことなく披露していた。

千束の実況が店内のボルテージを上げていく。

 

 

「次はポニー! そんでバニー! さらに編みー! 凄い! 凄いよあっきゅん!」

「ほんと何アレすごい!? どうやってうさ耳成形した!?」

「フフン♪ 私の有料級連続一発芸はまだまだ終わってないわよ! 最初からクライマックスで飛ばしてくから置いてけぼりにされないように注意ねー!」

「これで序盤とかどうかしてるだろ!?」(褒め言葉)

「……早く終わらないですかね」

 

 

アクアが生き生きしながら髪をいじくり、千束も連写している中、被害者と言えばそれはもう達観しており、仏様のような穏やかな表情をしていた。

そして観客たちもすご技を見せつけられ目をキラキラと輝かせている。

 

 

「恐ろしく速いヘアメイク術……俺でなきゃ見逃しちゃうぜェ。しっかし一体どう言う修練を積んだらあんなワシャワシャっつー滑らかかつ大胆な指の動きができるようになんだァ? 俺でさえ完璧に目で追いかけられねェ」

「よく目で追えたな!?」

「さっすがアクア先輩、盛り上げ担当で毎回忘年会とか宴会に招待されてただけあるなぁ。前より技が進化してるし一芸に関してはホント余念ないね」

「何その気になるエピソード!? ……後で聞かせてください」 

 

 

クリスの神々の宴エピソードは後で聞くとして、真島さん曰くアクアの手の動きはデストロイヤー(意訳)らしい。

そんな考え事をしてしまったが最後、観客たちのおおーっというかけ声があってアクアの方を見るが、本当に一瞬の芸だったのか、何かを見逃してしまった。

 

 

「な、なあさっきの髪型は一体どんなんだったんだ!?」

「さっきの形容しがたい髪型は何だろなァ? ウニョウニョウネウネって感じだったが……」

「いやどんな髪型だよ!」

「あれは地獄ネロイドだね。何だかクリムゾンビアのネロイド割り飲みたくなる髪型だったなぁ」

「本当にどういう髪型だったんだよ!?」

 

 

気になる……気になりすぎる!

後でどんな髪型だったかアクアに再現してもらいたいが、あいつのことだ、芸は請われてするものじゃないのなんて言い出すに決まってる。

本当に惜しいことをした……

 

俺ががっかりしてると、早ヘアメイク替えが終わったのか、拍手が店内を埋め尽くす。

どうもどうもーとぺこりと挨拶をするアクアとアシスタント千束。

ようやく解放されたたきなは軽くお辞儀をして、はにかみながら厨房へ。

 

それを見て俺もぼちぼち仕事するか……なんて思うと、アクアが次の宴会芸をするらしい。

 

 

「さっきネロイド割りが飲みたいって言ってた人ー! 何の変哲もないこのお酒を野良ネロイドに変えてみせましょう」

「うん、ちょっと待て。何異世界由来の謎生物を輸入しようとしてんだよ」

「それじゃあいきますわよ~! スリーツーワン!」

「行っちゃダメぇぇえッッ!!」

 

 

お客さんに愛らしい見た目のネロイドはご好評だった。

が、この後俺は逃げ出したネロイドを探しに出かける羽目になったのは言うまでもない。

 

 

 

 

時刻は16時。

 

ぼちぼちラストオーダーの時間……のはずなんだが店内にそんな空気は一切感じない。

なんなら朝10時くらいに来たクリス……もとい降臨したエリス様はずっと入り浸ってる。

ちなみに真島さんは相方であるロボ太さんを呼びに席を外している。

 

 

「そろそろラストオーダーなんですけど、真島さんを見倣って帰ってくれません? 本当に。でなきゃどうしてこんな場所に来たのか洗いざらい話してもらうことになる」

「その手の動きはらめぇ! それとラストオーダーって言葉、あたし嫌いなんだよ、イーってなっちゃう」

「俺の必殺技が発動する前にさっさと帰れy……なんで椅子にしがみつくんだよ! ここに来た理由を聞いてもずっとはぐらかされっぱなし、きっとろくでもないことなんだろ! 早く帰ってくれよ!」

 

 

こんの飲んだくれ!

てかどうしてこの店でアルコール提供してんの?

なんなら酔っ払いすぎて言葉もあやふやだし、何ならアクア化してる。

早く帰ってほしくて手のひらで「ほぅれ、ほほほぉれ」っつってスティールの予備動作で脅すも効果は今ひとつ。

そもそも俺がここでスティろうものなら千束とたきな……ここにいる被害者の会の者どもが黙っちゃいない。

俺に対して一斉に牙を剥くことだろう。

 

 

「相打ち覚悟でぱなすか……。最後の忠告だ、パンツ剥ぎ取られたくなきゃ話すか帰るかしろ!」

「まあまあまあ、そんなことはどうでもいいじゃない」

「俺の脅しが効かない……だと!? ま、まさか酒で脳みそ麻痺ったせいで正気じゃないな!?」

「それより君がこんなところで働いてるんなんてね……ダクネスとめぐみんを放置してどこで遊びほうけてるのかお説教するところだったけど、まさか里帰りしてるなんて。あたし、驚いちゃったよ」バシン

「イタッ!? クリスさん、イテ、いつものノリで背中をバシバシたたかないでください過度なお障りはご遠慮いただいてるんだ! ちょ、だからやめ、ヤメローッ!」

「あたしたちの仲だしさ、いいじゃないいいじゃない! 久しぶりに会ったんだからもっとぱーっと再会を喜びを分かち合おうよ! グビリ、プハー! アクアさーん、あたしの空いたジョッキにネロイド割りを一杯! ついでにこっちのメイドさんにお冷や1ぱーい!」

「はいはぁい承りましたわでございますことよご主人様! ちょっと野良ネロイド捕まえる時間と一回冷凍庫でキンッキンに冷やすのにお時間頂戴いたしますでござります! ですので少々お待ち遊ばせませ!」

 

 

アクアの中では今のが完璧なメイド長語らしい。

指名オーダーをもらったアクアは俺に向けてどや顔を見せつけていた。

……何かムカついたので、後々意味もなく水遊びしているときにクリエイトアースをお見舞いするとしよう。

 

それはさておき、冷蔵庫の中にあるシュワシュワというかビール出せばいいだろうにどうしてわざわざぬるいビールを冷やすんだ?

わざわざお客さんを待たせるようなことs……

 

 

「ちょっと待て! 俺がネロイドは全部捕まえてやったはずだろ? どうしてまだこの世界にネロイドがいるみたいな話し方するんだよ……。まさか、お前……俺がいない間に同じ一発芸、二回もしたのか? アンコールあったからやったのか?」

「マ、マサカソンナコトアリマセンコ、コトヨ?」

「オイ目ぇそらさずに俺の目を見ろ。そしたら信じてやるから」

「い、一応全部クリスに手伝ってもらって討伐したわ……はずよ……ま、まあ、ほら。私がしっかりキンキンに冷やしたお冷やでも飲んで落ち着いて、ね?」

 

 

俺はクリスに目配せをする。

すると親指をグッと立てながら「実は手持ちのお金ないんだよね。これに免じてタダでどうかな?」なんて言い出した。

だからさっきから高級なやつばっかり頼んでたのかよ……

ひとまず落ち着くためにアクアに促されるがままにコップに口をつけ……

 

 

「って俺はお冷やかよ! まさかまたコップの中の液に触れたな!」

「ちっがうわよ! そういうオーダーだったから最初から水よ水!」

「そーそー。だって仕事中だもの、クリスさんは気遣いができるんです」

「いらねー気遣いありがとよ! だが俺も酒だ! 持ってこーい!」

「ええっ!? 仕事中でしょ、いいの!?」

「いいんだよ。だってアッチ見てみろ。メイド長選抜試験の合格者のくせにもう瓶に口つけてるやつがいる。だから俺もあれに倣ってみようと思って」

「んー……なぁにアンタらぁ? わらしと一緒に飲みたいならこっちきんしゃいなぁ」

「……あの人、メイドさん……だよね?」

 

 

向こうで海岸にいる筋肉もりもりのマッチョメンの肉体美をつまみにできあがってるのはリコリコの酒担当ことミズキ。

最近はアクアにその地位を脅かされつつあったが、メイドの仕事に一生懸命なアクアと毎日居酒屋に行ってるんだもんな。

その異名は伊達ではなかった。

 

 

「どんだけ飲むんすか……そんな酒飲んで呂律が大変なことになってるぞ?」

「なぁにぃ~? わらしは酔ってないわぁ」

「あたしもまだまだ行ける行ける! それとももしかしてぇ、またあたしをのけ者にする気ぃ? 私だってね、飲まないとやってられないときだってあるんだよ! カズマ君が天界にテレポートしたときの処理とかさ、本当に大変で……お偉いさんに頭下げいって……」

「……すんませんした。お注ぎします」

「うん、よきに計らいたまえ」

「ただ酔い潰れないように、ほどほどにしてくださいよ? お仕事あるんでしょ?」

「仕事中に飲んでる君に言われたくないけどね。まあだいじょぶ大丈夫! 君に心配されるのは嬉しいけど、解毒魔法もあるし、やることわったらすぐに天界経由で帰るからさ! だからそれまでは専属メイドとしてよろしく頼むよ! カズマ……ちゃん?」

「だからやることって一体なn……ちゃん言うな!」

 

 

 

 

時刻、21時。

 

真島さんがぼちぼち着くわとのこと。

……一つ、言いたいことがある。

 

 

「いい加減帰ってくれ」

「えー、これからが絶好の活動時間なのにぃ」

「エリス様が何言っちゃってるんですか! 時間見えてます? 今、21時。閉店してます」

「じゃあこれから残業だね」

「何さらっと笑顔で恐ろしいこと言ってんの? またのご来店をお待ちしておりますだわ!」

 

 

そんなこと言っていると閉店したって言ってるのに真島さんが「待たせたなァ?」と宣言通りロボ太さんを引き連れて帰ってきた。

しかしその後ろには何やら見慣れない陰が一つ……一般的に見れば不審なコスプレイヤーが。

俺は仕方なしに出迎え……

 

 

「お帰りください、ご主人様」

「ええっ!?」

 

 

真島さんの連れである目が赤く点灯するタイプのロボ、それからペンギンのコスプレをしたお客さんを出口へとご案内するのだった。




次回

二人はリコリス。二人はハッカー。二柱は女神さま。二体は○○。
○○に当てはまるのは何でしょう。

エリス様はいつ帰還するのだろう……

  • モニョモニョの件が終わったら
  • ハワイ編が終わったら
  • 常連客として居座る
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