このリコリスのパンツにスティールを!   作:桃玉

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このすばのアニメ3期が始まった!
ということはリコリコもアニメ2期が……そろそろ……見たいなぁ
もしくはファントム14~18話を読みたい。


メイド喫茶の土産に萌えキュンを!Byカズマ

現在、21時。

閉店。

にも関わらず新規のお客さん(?)をキャッチしてきた真島さん。

俺は眠くて脳死で「お帰りなさいませご主人様」の代わりに「お帰りくださいませご主人様」を口に出したが、二度見して、ウトウトと半開きになっていた目がガッツリ全開になった。

 

 

(((なんか変なのいる!?)))

 

 

俺は、いや俺たちは真島さんの後ろにいるお客様二名を見たその瞬間、脳内で思ったことが見事にシンクロした。

 

……何だ?

初対面の依頼人に対して失礼だぁ?

礼節を持って接しないとぉ?

 

いや、なら言わせてもらうが!?

顔出した瞬間目に入ったのが銀○のエリザベスを彷彿とさせる、しかしちょとかわいいのが憎たらしいペンギンの着ぐるみだとしても、そうできるか否ッッ!!

魔道具店かどこかで見慣れているペンギンさんだとしても脳みそバグるだろ!

 

目が赤く点灯するタイプのロボとペンギンのコスプレをしたお客さん……もしかしなくてもこの世界のハッカーどもはコスプレをする趣味でも持ち合わせているのだろうか。

……なんてありもしないわずかな希望を胸に、俺はこの不審者が依頼者である可能性とただの不審者である可能性、そしてクルミのハッカー知り合いである可能性にかけて、作戦を練るために号令をかけた。

 

 

「はい。千束にたきな、それから関係者のクルミはこっち集合ー」

「オイちょっとまて、あれのどこをどう見たらボクの関係者だって判断になるんだ。ボクだって相当困惑してるんだぞ」

「いや、だってお前ハロウィンのときに血だらけのクマの着ぐるみ着てたろ。実はお前の仲間なんだろそう白状すれば楽にしてやる」

「どのみち一発絞められるのか!? そんなことが罷り通っていい世の中になったんだな……いやそんなわけあるか、ボクを一体何だと思ってるんだ! 千束、カズマに言ってやれ!」

「いっやぁ~クルミさんよぉ。正直疑いたくはないけどぉ私もカズマと同じ考えでね、擁護できないわ。あのイッヌとこのアヒルにはシナジーを感じざるを得ないわぁ」

「カズマならまだしも千束まで!? そもそもあれはリスだ! ボクの着ぐるみは誰が見たって紛う事なきリスだからな!」

 

 

いや、誰だってそう思うだろ、イヌでも、ましてやリスでもない! あれはクマだ!

そしてあのペンギンはクルミの着ぐるみ仲間だそうに違いない!

だって真島さんの後ろに身を寄せてる自称天才ハッカーのロボ太さんも変なかぶり物してるし、なんなら最近クルミとロボ太さんがゲームセンターで対戦してるところ見たぞ。

あのペンギンもその類いの仲良しこよしの変人だろ!

 

考えてもみろ。

等身大のペンギンがハワイを闊歩してる時点でおかしいだろ。

あれか、俺がかき氷売ってったから氷関係でカモフラージュできるとでも思ったか?

それともマスコットキャラクターとしてかき氷店に就職しようとしてるのか?

どちらにせよ馬鹿かよ! うん、馬鹿だよ!

 

 

「ほらさっさと白状しろよお前の着ぐるみ友達なんだろ? 世界中を探しても防弾性能のある着ぐるみ着て依頼してくるアホなんてそうそういないんだ」

「だから違うって言ってるだろアホズマ!」

「アホ面って聞こえるからやめてくんない?」

「ボクは孤高のハッカーだし、裏の職業を生業としてるヤツが顔を隠す必要性は認めるが、ボクみたいに愛らしい見た目をして着ぐるみを着ているヤツは希有だぞ? ……って今あの着ぐるみに防弾性能があるって言ったか? ってことは実はお前の知り合いなんj」

「いやいやいやクルミさぁん何を口走ろうとしてるんだ? ささ、俺がカツ丼が作り出す前に素直に認めたらカツの量を二倍にしてやるぞ」

「そ、それは魅力的な提案だ……」

 

 

長らく摘まみ食いしてきたクルミの体は、俺が作るカツのうまさを覚えている。

そして今は夜食を食べるには絶好のタイミング。

罪悪感と本能が拮抗するまでもない。

そう、人間は夜食という甘美な響きの前では罪悪感すらスパイスと化す。

抗えるわけがないんだ。

 

 

「って自白させようとするのいい加減やめろぉ!」

「ば、馬鹿な! 抗って見せただと!? 千束なら絶対抗えないのに!」

「ボクは事実をねじ曲げることを忌むべき行為だと思っているんだ。仲間じゃない奴を仲間だと認めるなんて……だがカツの量が二倍、かぁー……う゛ーん」

「流されてもいいんだ。だって今日は夜ご飯軽く食っただけだろ? まだカロリーには余裕がある。こう言うだけでいいんだ。『あれの中身はロリで、実はロリハッカーがあん中に息を潜めてる』って」

ほうほう(そうそう)! ゴクン! 東西南北津々浦々古今和歌集なーんでもお見通しの千束アイもそう言ってるんじゃい! だから私のこのカロリーの半分担いでくれない? そうすれば罪悪感も半減だし!」

「おい、いつの間にかカツ丼食ってるやついるぞ! というか知らないって言っているのに本当にしつこい! これ以上聞くなら普段からボクのことをロリだって思ってたのか、その真実を聞かせてもらおうじゃあないか」

 

 

クルミはパソコンのエンターキーに指を置くのをわざとらしく見せつけ、ジト目でこちらを見てくる。

俺と千束は思わずそっぽを向く。

本当は「勘のいいガキだって思ってた」とか言ってやりたい。

でも言えない。

そんなこと言った瞬間に俺の失敗とかやらかしをネットに晒しあげるぞって言外に圧力をかけてるクルミに言えるわけがなかった。

千束も圧力を感じとり、か細い弁明の一言を絞り出す。

 

 

「お、思ってはぁないかなぁ……?」

「絶対思ってたろ。確かに客観的な事実としてボクが環境に配慮した慎ましやかなボディであることは認めよう。だけどな、いくら何でもあのペンギンの中身がボクと同類だって決めつけるのはこじつけが過ぎやしないか?」

「ハッカーって意味で俺は言ったんだぞ」

「……本当か?」

「い、一応……」

 

 

俺の激しい尋問でも口を割らないか……。

さっき一瞬カツ丼に釣られかけたがあと一歩のところで耐えやがったし、まさかクルミが黄金の精神の持ち主だったのはイレギュラーだ。

だが、俺にはまだ味方がいる。

客観的事実に基づいた推理力に定評のあるたきな先生だ。

せんせー! やっちゃってください!

と、着ぐるみを見つつ興味深そうな様子で顎に手を当ててうんうん唸っている先生に向かって俺は声をかける。

 

 

「たきなー、この自称リスに言ってやれよ! あのペンギンの中身は何なのかを!」

「人間ですよね?」

「そうだ! あの中身はクルミのご友人だ!」

「そこまでは言ってませんよ!? カズマの言いたいことはわからなくもないですが、流石に根拠不足で推測の域を出ませんし……」

 

 

何かたきな名探偵が余計なことを喋ろうとしているので、俺は腕時計型麻酔銃で狙撃ッしようとブツを探す。

しかしブツが見つかる前に余計なことしか言わないであろう迷探偵千束が現れ。

 

 

「いやいや、簡単な話だよ、たきなくん」

「はあ。何が簡単なんですか千束。もしかしてあれが今回の『凍えたペンギン』の『ペンギン』とか言い出す気で?」

「流石たきな大先生! 正か……「ブッブー、違いまーす」……」

「では何です?」

「ありゃね、ロリだよ。きっとロリハッカーのモビルスーツの外装がカモフラージュのためにああなってんのよ! 私にはわかる、あれは魔性のペングインよ。愛らしさで人を惑わせて我を失わせる恐るべき外装じゃ」

 

 

確かにクリスも「ねえ無理だよこんなの、あたしこんな可愛いのに攻撃するだなんて、ちょっと無理!」とか言ってた気がするがそんな説明を聞かされたたきなの顔を見てみろよ!

酷く呆れかえってるぞ!

もちろん俺は千束の余計な言葉に呆れを通り越してムカつきが。

後でオムライスのケチャップを唐辛子ソースで代用した劇オムをくれてやろうと思っていると。

 

 

「流石に千束の願望が入りすぎです。モビルスーツとか映画の見すぎでしょう……」

「どうしちゃったのたきな! あの頭の固いたきなが、なんでそんな……変わった! たきなったら変わっちゃったわ」

「元からこんな感じでしたよ私」

「いんや変わった! きっとカズマのせいよ。たきなんことを不良の道に引きずり込んだ黒幕! 返せー! 私の無垢で純粋で結構抜けてるとろがあって騙されやすいたきなを返せー!」

「だ、騙されやすい!?」

「いや、もともとこんなんだぞ」

「もともと!? どうしてカズマまで私が騙されやすいって部分フォローしないんでs」

「私の知ってるたきなだったらね、『ペンギンさん……きゃわわ!』くらいのこたぁ言っとるんじゃ! それがいつの間にかペンギン好きの端くれにもおけないような非ペンギニストに成り下がるなんて……」

「一体私のことを度いういう目で見ていたのか、私をどう騙していたのか、ここら辺で一度洗いざらい吐いてもらいましょうか!」

「ああっ、えとナニモダマシテナイヨー……」

 

 

たきなから「私の、目を、見て言ってください」と無言の圧もかけられて、汗たらたらでタジタジの千束のことは放置して、結局この着ぐるみの中は誰なのか。

俺には心当たりがある。

いや、心当たりしかない。

 

そんで、悪魔絶対殺すウーマンのエリス様がここにいる理由がわかった気がする。

悪魔狩りしてたら悪魔に異世界に逃げ込まれて、それを追ってきたって感じだろ。

悪魔を消滅させるためなら地獄の果てまで追いかけてきそうな女神様だしありえるな。

 

本当なら恩もあるし、エリス様がここにいるから気をつけろとか言って、ある程度よくしてやりたいんだが悪魔との会話なんてろくなもんじゃない。

特に異世界じゃないならなおさらだ。

というわけで声をかけられても無視しておこう。

そう、こんな風に。

 

 

「こんなところで会えるとは、これもバニル様のお導きか! ……っておい、ダスティネス家の娘のところの! どうして知り合いである私のことを避けるのかね? おーい、もしもーし?」

「おいカズマ、知り合いなら最初に言っておくれよ」

「どうかしましたか店長? 何の話です?」

「依頼主と知り合いなら割引料金で提示したり、いろいろあっただろう?」

「いや、これは知らないペンギンです」

「いやはやこれはこれは手厳しい。面識くらいはあるはずなんだがな。ん?」

「……前住んでた場所の近所の雑貨屋で働いてるアルバイターです」

 

 

もう日本に帰っていいよな?

なんでバニルに続いて悪魔ばっかりコッチの世界に来てんだよ。

そもそもお前はアニメ3期でも(たぶん)登場しないわりかしマイナーキャラだし、早々に退場してもらおうか……

いやでもバニルに残機を分けてもらわないと足りずに消滅しそうだしどうしようか……

 

 

「おやおや、名前を名乗ったはずなのに忘れてしまったのか? 流石平民の頭は出来が違う」

「よし、アクアー! ついでにクリスー! お前らをご指名だぞー。燃え燃えキュンってしてやれー」

「ぴぃっ!? ちょ、待たれよ小僧! は、そう、話し合おうではないか! 我らには言葉がある! 言葉が通じ合う我々が物事を暴力で解決するのは実に虚しいこととは思わんかね!」

「これっぽちも」

「本当にちょっと待っ……」

 

 

奴らにとっての“言葉”は人類を欺く術だ。

俺は悪魔の言葉に感情を揺さぶられることなく悪魔特攻隊を嗾けるように仕向けた。

……べ、別に人を小馬鹿にする悪魔にムカついたから嗾けたわけじゃない……本当ですぅ!

 

ゼーレシルトの命乞いも虚しく、悪魔の気配に気づいた二人の目からハイライトが失せ、覚悟ガン決まった相貌で怒号の勢いで拳を握りしめていた。

かつて子供たちを救ってくれたゼーレシルトには申し訳ないと思わないこともないが、故郷の地獄へ還ったとしても俺はお前のこと、忘れないよ。

 

 

「「ゴッドブロォォオオオーーッッ!!」」

 

 

女神たちの渾身の一撃がぶち当たる、悪魔の残機を消し飛ばし、冥土へ誘わんとして。

 

エリス様の聖拳突きは吸い込まれるようにペンギンの腹に。

そして、アクアの聖なるグーは……

 

 

巻き添えロボ太の顔面に。

 

 

吹き飛ばされ、大きな弧を描きながら出口……ではなく壁に激突。

勢いのまま店の外にフライアウェイ。

 

土木建築業の神の手によって、何ということだろう。

こぢんまりとした壁がなくなり、外となんら変わりのない開放的を極めた空間が。

 

それと同時に聞こえてきた金が吹き飛ぶ音。

俺は汗が染み出る目を優しく瞑り、口をきゅっと結ぶのだった。




原作(ファントム第14話)のざっくりした内容
メイド喫茶で働くリコリス。そんなゆるい話だったのに後半勃発する銃撃戦。
実は真島とロボ太が暗躍しており、ファーストリコリスの携帯やその周囲の電子機器(クルミのパソコンなど)からデータをリコリスやアランに関する情報を引き抜こうとする。しかし千束とたきな、それからサイレント・ジンの交戦によって阻止されたのだった。凍えたペンギンは真島の部下でグルだったということでお縄に。

今回(このリコでは……)
真島とロボ太は単純にリコリコを追っかけてメニューを堪能しに来た。代わりにペンギン(悪魔)が転移し、それを悪魔絶対殺すウーマン(エリス)がどんぱち。
『借金』なるものは遙か向かうのどこかのカズマへ吹き飛んだッ!!(着弾)


エリス様に「あなたの時間も私のもの……。古風な悪魔に勝ち目はない」とか言わせたかったけど、ねじ込めなかったのが残念でした。

エリス様はいつ帰還するのだろう……

  • モニョモニョの件が終わったら
  • ハワイ編が終わったら
  • 常連客として居座る
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