白い光による転送が終わると、ほんのりと白く光る壁がある、体育館サイズの部屋の中にいた。
自分以外には誰もいない。周囲を見渡しているとある違和感に気付いた。
「うーん、なんだか視線が低い…。」
病院にいた時のサイズに比べればかなり小さい。
病院の時は病気、薬によるものかわからないが身長はそれほど伸びてなかった。せいぜい160cmに届いていればいい方だっただろう。
しかし今は大体80cmほど。
小学生にでもなっているのか、と考えはしたがそれにしては何かおかしい。
なぜならば手が毛で覆われている。さらに猫の肉球付きだ。
「…猫?なんで?でも二足歩行で歩いているし…。」
どういうことだと思っていると、部屋の中に自分に合ったサイズのテーブル、椅子と、大きな姿鏡が置かれていた。
テーブルの上には手紙が一枚置かれている。まずは自身の体を確認することにした。
「二足歩行の黒猫…?え、まじ?」
鏡に写っていたのは一匹の二足歩行な黒猫だった。
金色の目に真っ黒な毛並みを持って、幼稚園児サイズの大きな黒猫であった。
そして背中を見るためひっくり返ると、やはり猫の尻尾が生えていた。二本分。
「なんで二本生えているのさ」
一本分尻尾の本数多いぞ。まさか黒猫じゃなくて猫又とか?
日本の伝説上に多く登場している猫又。有名度は言うまでもなくかなり高い。そのほとんどが二本の尻尾を持っている。
おそらくは自分は猫又になったのだろう。
「だけど人型じゃなかったのか。少し残念だな。」
人型になれると思っていたこともあり、少し残念である。
ただまあ最後の方で何か神様が言っていたような気がする。
このことを言っていたのだろうか。正解はわからないが。
ちなみに服は何も着ていない。毛によってしっかり隠されていたが、股を見て雄だと分かった。
まあすごくベビーでもあった。いや、猫サイズであると希望を持っていこう
あらかた体を確認できたので、次は手紙だ。
「どれどれ、っと。」
手紙の中には簡潔な文章が書かれていた。
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From:みんなのお父様!
To:622番コアへ
やあ!初めましてだね。僕は闇神。ダンジョンコアを作ったのは僕だから、まあお父様とかそんな感じに呼ばれているね。
さて、今回光神から頼まれてね。なんでも「勇者はダンジョン経営したいって言っていたから後は頼んだ。」って連絡きてさあ。思わず笑っちゃったよ!僕と光神は仲が悪いから、君の熱意に負けたんだろうね!
さて、まずは君の体についてだ。ダンジョンコアのボディは地球の古典文学から引っ張ってきた「猫又」という外見になっているよ!いやー、ビックリしたよ、こっちのケットシーに随分似ていたからさ。だけどケットシーは猫又と違って一本の尾だから、まあ適当に変異種とでも言っておいてね!
君の居るダンジョンは完全にランダムに置いているから、僕も場所はわからないけどさ。ダンジョンコア希望な異世界人なんて聞いたことがないし、すごいことしてくるって期待しているよ!ああ、それとそこのテーブルと鏡は僕が作ったプレゼントだよ。ついでに異世界だから常識とかも欠けているだろうし、「モンスター図鑑第一巻」「魔法演習初級編」「ダンジョン学入門」をプレゼントしよう!
頑張ってね♪
P.S この手紙は読み終わった後自動的に焼却されます。
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最後の一文を読んだ途端手紙が燃え上がった。しかし熱くはなく、暖かさが手に広がった。
「これが魔法かな。…最初に見た魔法がこれか」
なんだかしっくりこないながらも、少し考える。体育館サイズのこの白い空間には先ほどの机と鏡の方を見ると、机の上に三冊の本が置かれていた。
その表紙には予想していた通りの題名が書かれていた。
というか手紙読む前までは置かれていなかったはずだぞ?なんでいつのまにか置かれているんだ?
少し考えてみるもいつ置かれていたのか全くわからない。
闇神による魔法によるものだと無理やり納得することにした。
「そういえばさっきの神様空間でのテンションは一体なんだったんだ?」
闇神、と神のことを考えていたらこのことを思い出した。
あの時のテンションは言っちゃ悪いがヤバかった。なんで上位者の神様にあんなことを言っていたのかよくわからない。
「死んだ後だったから、頭が変になっていたのか?いや頭なんてなかったしなあ。」
結局わからないまま、次にするべきことを考え始めた。
ひとまず、ダンジョンの機能で何ができるのか考えてみることにした。ダンジョンコアという存在になったおかげなのかなんなのか、本能的にダンジョンの操作方法がわかる。
「メニュー」
すると目の前に透明な板が出てきて、出来ることがわかりやすくまとめられていた。
大きくまとめると、
・迷宮
・配下
・DP
の三つだ。迷宮がダンジョンの拡張やDPがもらえる場所となる支配領域域の拡大などだ。ちなみに支配領域とは家の庭みたいなものだ。そんでダンジョン自体が家。庭である支配領域の外にはダンジョンは作れないし、ダンジョンを広げるためにはそれに合わせて支配領域を広げなければならない。
配下はモンスターの購入だ。DPを支払ってモンスターを召喚できる。ついでに外部のモンスターを従えることも可だかとか。
最後のDPが、DPを使って物品を購入することができるらしい。スキルスクロールや魔法の武器とかを『お宝』としてダンジョンに配置することもできる。ただ魔法の武器とかは凄まじいほどのDPが必要だ。見てみたら『フレイムランス』が20万DPもした。
うん無理。
「大体確認できたけど…、そういえばここどこだ?」
先程からいるこの空間は自分の体内?のような感じがする。自分はダンジョンコア、ということなのでここがダンジョンコア内部なんだろう。さらにこの中は安全地帯である、という意識もある。ここら辺は信頼しても良さそうだ。…多分。
閑話休題。
結局、今はダンジョンコアがダンジョン内にあるのは感覚でなんとなくわかる。しかしながらこのダンジョンがどのような環境に置かれていて、どのような構造になっているのか全く持ってわからない。
どうにかならないか探していると迷宮の機能のところに、『マップ』というのがあった。
開いてみると立体地図が浮かび上がった。家みたいなマークがあるからそこがダンジョンの場所だろう。
ダンジョンの入り口は大きな森の真ん中にあった。洞窟があって、その中に石畳の廊下と教室くらいの大きさの部屋があり、その部屋の壁にダンジョンコアがついているようだった。
マップでダンジョンの周りを見てみると、結構いろんなことがわかってきた。
「森林の南側には大きな山が、それと東側には小さな沼地があるっぽいな。それと沼地の付近に川があって、その下流に、は…」
マップで順々に見ていくとそこには、大きな都市があった。
多分軍事都市。
この二次小説書いてて思ったんだけどさ、ダンボルって設定の各種が色んな話に散っているから書くのむずい。
所々原作と間違っている可能性があるので、見つけたらぜひ感想欄で報告をお願いします。